Waldorf-Astoria のアフタヌーンティーは景色が自慢

 ラスベガスに存在する数少ない本格的なアフタヌーンティーの店、その名も「TEA LOUNGE」にたまたま行く機会があったので紹介してみたい。

 実はこの店、以前からあった店ではあるが、このたび経営が一新され内容も新たになった。
 というのもこの店が入居しているホテル自体がこれまでの「マンダリンオリエンタル」から「ウォルドルフ-アストリア」(以下、WA)に変わったからだ。(下の写真は、ストリップ大通りに設置された同ホテルへの進入路を示す標識)

 ちなみにWAWaldorf-Astoria)は、ヒルトンホテル系列の数あるブランドの中で最高級のブランド。
 ブランド変更になった理由は、中華料理の外食チエーン店として知られる Panda Express のオーナーがマンダリンオリエンタルを 2億1400万ドル(約240億円)で買ったためだ。
(もちろんラスベガスのマンダリンオリエンタルを買っただけで、全世界にあるマンダリンオリエンタルのブランドすべてを買ったわけではない)

 というわけでこの TEA LOUNGE は、これまでのマンダリンオリエンタルの中にある。(下の写真は同ホテルの正面玄関前)

 オーナーやホテルのブランドの話はそのへんにして、この TEA LOUNGE に話を移すと、この店が存在している場所は WAのロビーがある 23階。
 ちなみに WAはマンダリン時代と同様、ビル全体の下半分を占めており、上半分は日本でいうところの分譲マンションだ。
 そしてこのビル内にはカジノもなければシアターもなく、アトラクション施設のようなものも特にない。
 何ごとにおいても派手なラスベガスで、ひっそり静まり返ったこの上品なホテルは規模的にも(わずか 389部屋)、内容的にも極めて異色の存在だ。

 そんなこのホテルの数少ない注目の施設が、マンダリン時代から引き継がれているアフタヌーンティーということになる。
 アフタヌーンティーは日本のシティーホテルでもすでに一般的になっており、またラスベガスにおいてもいくつか存在しているので決して珍しい存在ではないが、ここのものはかなり本格的というか正統派と考えてよいのではないか。
 というのも、マンダリンのルーツは香港で、WAになってもそのコンセプトが引き継がれているからだ。

 アフタヌーンティーは周知の通り英国の上流階級の文化。香港は英国の文化が染み付いた都市で、もちろん香港自体もティーに対する造詣が深い中国文化を伝承しており、さらに新オーナーも中華料理店の外食チェーンのオーナーとなると、アフタヌーンティーに対する思い入れは他の店とは違ってくるはずだ。
 「英国とお茶」といえば、ボストン茶会事件ぐらいしか連想しそうもない多くのアメリカの大衆にとってアフタヌーンティーなど興味の対象外かもしれないが、中国に勝るとも劣らないお茶文化を持つ日本人としては無視できる存在ではない。

 というわけでさっそく行ってみたわけだが、まずこの店への行き方を説明すると、23階よりも上が分譲コンドミニアム、下がWAの客室フロアになっており、23階にWAのロビーがあるので、行き方としては 1階の正面玄関からチェックインをする宿泊客たちと一緒にエレベーターに乗り23階に向かうことになる。
 23階に到着すると、すぐ目の前がいかにもこのホテルらしい小洒落たチェックインカウンターになっていて、その脇にあるのが目的の TEA LOUNGE だ。(上の写真)

 わずか 389部屋というこのホテルの客室数を考えると当然かもしれないが、TEA LOUNGE のサイズは決して広くない。10組も入れば満席といった感じだ。
 実際に満席のことが多く、あらかじめ予約を入れてから行ったほうがよい。(予約はこのホテルの公式サイトから可能)

 このラウンジの自慢はなんといっても大きな窓から見える景色で、ほとんどの席からホテル街を一望にできる。
 もっと具体的に説明するならば、窓は北側に面しているので、ストリップ地区の中心街、つまり、コスモポリタン、プラネットハリウッド、パリスなどの各ホテル、そしてエッフェル塔、さらには遥か遠くにトレジャーアイランド、ベネチアン、パラッツォなどのホテルも臨むことができる。(上の写真)

 昼よりも夜景のほうがきれいだが、残念ながらこの店のアフタヌーンティーの予約受付時間は 11:00am から 4:15pm となっているため、日没が遅い今の時期は夜景を楽しむことができない。

 さて、着席後すぐに手渡されるメニューを見ると、シャンペンやミモザなどがセットになったメニューもいくつかあるが、中心となっているのは基本的なアフタヌーンティーの「Traditional Afternoon Tea」
 料金は一人 48ドル。日本とちがい外税表記なので、この48ドルに 8.25%の消費税とチップが必要になり、かなりの値段になってしまうことは覚悟しておく必要があるが、ヒルトンの最高級ブランドのホテルということを考えると、妥当な価格設定といってよいのではないか。

 Traditional Afternoon Tea をオーダーすると、まず最初にウエイトレスから聞かれることはティーの種類だ。

 選択できるティーは以下の 22種類。(メニューに記載されている順にそのまま列挙)
 いきなりリストを見せられても選ぶのに時間がかかってしまうので、あらかじめ決めていったほうがよいだろう。

 Orange Pekoe、English Breakfast、Golden Tippy Assam、Flowery Earl Grey、Masala Chai、Floral Jasmine Green、Imperial Green、Organic Lychee Green、Matcha、Jasmine Green Oolong、Osmanthus Oolong、Monkey Picked、Mango Oolong、Pu-Erh Tou Cha、Mad Hatters Tea Party、Organic Vanilla Rooibos、Jasmine Pearl White、Life Through Water、Cold and Flu Blend、Mountain Berry、Ginger Rooibos、Peace Through Water.
(以下の写真は、ウエイトレスが Matcha を注いでくれているところ。食器はすべてウエッジウッド製

 さて気になる三段皿のスタンドは下の写真の通りで、テーブルの上に置くタイプではなく、床から足が伸びる背の高い三段スタンドになっており、上段にマカロンなどのスイーツ類、中段にスコーン(冷えないように布にくるまれて出てくる)、下段にサンドイッチなどのフィンガーフードという配置。

 これが英国スタイルのスタンダードといわれてしまえばそれまでだが、最近の日本のアフタヌーンティーが豪華になってきているだけに、それを知る者にとっては、いまひとつインパクトに欠けるかもしれない。

 とはいっても、アフタヌーンティーは本来ティーを楽しみながらの社交などが目的であり、この種のフィンガーフードに大きな期待をしたり量を求めたりすることがまちがいで、あくまでも主役はティーやその場の雰囲気と考えるようにすれば、十分満足できるレベルのものといってよいのではないか。
 もちろん純粋に味だけのことを考えれば日本のほうがレベルが高いと思われるが、窓からの景色や、カジノの喧騒から離れてくつろぐことができる貴重な空間という意味では、覚えておいて損はない店のはずだ。

 行き方は前述の通りWAの23階ということになるが、WA自体の入口がわかりにくい場所にあるので補足しておくと、コスモポリタンホテルとパークMGMホテル(かつてのモンテカルロホテル)のほぼ中間に位置するストリップ大通りに面した高層ビルで、アリアホテルに向かう進入路を少し入ったところで左側を見ると、このホテルの入口が見える。

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