全米レストラン Top-100 に、ラスベガスから13店

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 世の中には「人気ランキング」とか「ベスト10」といったたぐいのものがたくさんある。
 レストラン業界も例外ではなく、多くの人がその種のランキングを参考にしたりしているのではないか。
 しかし「人気店=おいしい店」とは限らないのも現実。自分の味覚の好みと、一般大衆の好みが一致するとは限らないので当然といえば当然か。

 そもそも「人気」「おいしい」も、モノの尺度を表す言葉としては客観性に乏しく、定義や基準もあいまいだ。
 ヤラセ投稿などが含まれていそうなデータを使ったランキングなどは論外として、少しでも客観性を持たせるために来客数の大小で人気の度合いを決めているランキングも見受けられるが、それで美味しさのレベルを推測できるのかというと、少々疑問が残る。
 なぜなら、味よりも価格が飛び抜けて安いために人が集まっているだけの店もあるだろうし、立地条件が良いだけの店も含まれてしまう可能性があるからだ。
 そうなってくると、人気と味とはあまり関係ないことになってしまう。

 とは言え、いくら安くて立地が良くても、味のレベルが悪ければ人が集まらないはずなので、だとすると「来客数が多い店=おいしい店」という図式はあながち間違っていないのかもしれない。

 では人気の度合いを売上金額の大小で決めるというのはどうか。つまり、売上が大きい店がおいしい店、あるいは良い店と言えるのか。
 言えそうもない。というのも、味が悪くても座席数が多い店は売り上げが多くなりがちで、また来客数が少なくても価格設定が異常に高い超高級店が上位に来てしまう可能性があるからだ。
 そうなると一般庶民にはあまり参考にならないランキング結果になってしまう。

 とは言え、いくら店が広くても味が悪ければ人は集まらないし、いくら金持ちでもマズイ料理にはカネを出さないだろうと考えれば、売上と味の相関関係を全面的に否定することはできない。

 前置きが長くなってしまったが、来客数であろうが売上であろうが、ランキング入りした人気店に行ってみたくなるのが人情というもの。どこまでここの読者の参考になるかわからないが、このたび売上金額によるランキングが発表されたので紹介してみたい。

 発表したのはレストラン業界に特化したメディア「レストランビジネス」。2018年の全米のレストランを対象にした年間売上額によるトップ100だ。

 全米に星の数ほどあるであろう飲食店の中での堂々の第1位は、なんとラスベガスにある Tao というからすごい。ベネチアンホテル内に入居する和食や中華などの創作料理店だ。
(このページの一番上にある写真は、Tao の店内に鎮座している大仏。大仏が着ているのは、地元ラスベガスを本拠地とするプロアイスホッケーチーム「ベガス・ゴールデンナイツ」のユニフォーム)

 Tao 以外にもラスベガスから 12店が全米トップ100 にランキング入りしているので、それらの店を以下に列挙してみた。(くしくもすべてホテル内の店、もしくはホテルに隣接するモール内の店)
 やはりどの店もかなりの高級であることは否めないので、予算重視派の読者にとっては行きづらい店ばかりかもしれないが、どこの店に行こうか決めかねている場合の参考にして頂ければ幸いだ。

 繰り返しになるが、売上と味に相関関係があったとしても、必ずしも「売上が大きい店 = 自分の味覚に合う店」とは限らないことを頭に入れておいていただきたい。
 また、この統計がどのような方法で集計されたのかハッキリしない部分があることも付け加えておきたい。

 ついでなので以下に、全米の各州からトップ100 に入った店が所在する州を、ランクインした店の数が多い順に並べてみた。
 ニューヨーク州が断然トップの30店、シカゴを有するイリノイ州からも15店がトップ100入りしている。巨大都市を抱える両州の1位、2位は当然といった感じだが、3位はなんと ラスベガスを有するネバダ州 だ。

 たった303万人しかいない州人口を考えると、これは驚きの結果ではあるが、それだけ観光客など訪問者が多いということが推測される。

 それでも4位のカリフォルニア州も観光都市ロサンゼルスやサンフランシスコを抱えており訪問者数では負けていないはずで、さらにカリフォルニア州は3900万人という全米最大の人口を誇る巨大州であることを考えると、改めてネバダ州、というかラスベガスのすごさを感じずにはいられない。

 この堂々の3位という順位は、たぶん巨大カジノホテルが並ぶ繁華街における人口の密集度が、広大なロサンゼルスなどと比べて非常に高く、各レストランの「徒歩でアクセス可能な商圏人口」(商売可能な圏内にいる人口)が驚異的に多いことに起因していると思われるが、いずれにせよラスベガスファンやリピーターにとっては、なんだかうれしくなってくる結果と言ってよいのではないか。

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