ラスベガスのカジノ全般の基礎知識

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とにかくトライしてみよう!

 ラスベガスといえばカジノ、カジノといえばラスベガス。そんなラスベガスにやって来て本場のカジノをエンジョイしない手はない。
 あまりのめり込みすぎるのも問題だが、せっかくはるばる日本からやって来たからにはぜひ楽しんで帰りたいものである。

 ところが残念なことに、カジノにまったく興味を示さない日本人観光客も少なくない。
 やりたくてもルールがわからない、英語に自信がないというのであればそれはそれで理解できるが、「ギャンブルは罪悪だ」「絶対に勝てないように仕掛けられている」「どんなに小額でもカジノでおカネを失うのはバカバカしい」など、勝手な誤解や偏見を持ち、せっかくの体験チャンスをみずから放棄してしまっている者が少なからずいる。(下の写真はラスベガスのカジノ街)

 もちろん「やる・やらない」は個人の自由だが、ラスベガスまで来て遊び心を持つ余裕がないのもあまりにも寂しすぎはしないか。
 またそのような誤解や偏見をまわりのビギナーたちに説教している輩も見かけるが、もはやそれはまわりの者にとって迷惑千万な話だ。

 とにかく本場ラスベガスまで来てギャンブルをやらないということは、ハワイへ行ってビーチに一度も出ないようなものと考えたい。勝ち負けはともかく、なんでもいいからトライしてみようではないか。

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ギャンブルは罪悪か?

 少なくともここアメリカではギャンブルそのものに対して罪悪という雰囲気はほとんどない。
 罪悪なのは「ギャンブルにのめり込むこと」であって(いわゆるギャンブル中毒)、ギャンブル自体は単なるエンターテインメントとしてとらえるのが普通の一般的な考え方だ。だからラスベガスでは老若男女がバケーションの一コマとして楽しそうにギャンブルに興じている。

 一方、日本では、ギャンブルという言葉そのものに何か暗いイメージが付きまとい、金額の大小にかかわらずギャンブルをたしなむこと自体が不健全な行為として見られがちだ。
 日本では昔から勤勉に働いて収入を得て、そうして得たおカネを本当に必要な物にだけ使い、残りは大切に貯蓄する。そのような価値観が美徳とされてきたためか、労せずして大金を得たり、無意味に貯蓄を減らすようなギャンブルには拒絶反応を示す者が少なくない。

 日米双方それぞれに異なる文化や価値観があってしかるべきなので、アメリカの考え方が常に正しいというつもりは毛頭ない。(もちろんアメリカにもギャンブルを否定する者はたくさんいるが)
 しかし「郷に入りては郷に従え」ではないが、ラスベガスへ行った時ぐらいはギャンブルをたしなむ心のゆとりを持ちたいものである。ましてやここでは合法化されている。勝っても負けてもきっと「旅の良き思い出」となるはずだ。

 道徳的な価値観からではなく、純然たる経済的な理由からギャンブルを避けている者も少なくない。
 そういう者が決まって口にする言葉は、「ギャンブルでおカネを使うぐらいならショッピングでもしたほうがよい」、「ギャンブルに使うおカネと時間があるならば、ナイトショーでも観たほうがよい」などだ。
 彼らはギャンブルそのものは否定していないものの、たとえ 5ドルでも 10ドルでもとにかく負けることが絶対にイヤなのである。

 このような考えを持つ者に欠如している認識は、ギャンブルで使ったカネは「楽しんだことに対して支払った対価」という概念だ。
 ゴルフ、テニス、スキー、登山などの「やるスポーツ」でも、プロの野球やサッカーなどの「観戦スポーツ」でも、そして映画でも外食でも、いくら高いおカネを払っても「物」としてはあとに何も残らない消費行動はいくらでもある。
 もちろん「ベガス観光」、「ナイトショー鑑賞」などもまさにそのとおりで、それは「物」の代わりに「楽しみ」、「感動」、「思い出」、「興奮」、「経験」などをおカネで買っていることに他ならない。
 なぜギャンブルに対しても同じように考えることができないのか。逆に言うならば、なぜギャンブルだけがタダで遊ばなければならないのか、と言いたい。

 ギャンブルも「レジャーの一部」、「観光旅行の一部」と考えれば、常識的な範囲内の出費をあらかじめ予算に組み込むことは決して日本の価値観に反していないはずだ。
 むしろギャンブルをやっている最中の一喜一憂や興奮は、一般の観光やレジャーの比ではない、ことを考えれば(たぶん大多数の人にとってはそのはず)、一晩遊ばせてもらったカジノに $100や $200を落とすことは、他の遊びのプレー費や入場料と比較しても決して高くはないだろう。

 各自それぞれ予算はあるだろうが、せっかく本場のラスベガスに行ったからには、身分相応な範囲内での予算を設定し、思う存分楽しみたいものである。それでたまたま運よく勝って多少なりとも財布がふくらめば、それはそれで大いにハッピーなことではないか。

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4つのイカサマ

 はたしてラスベガスのカジノにおいて、客をだます不正行為(以下、あえてわかりやすい俗語として「イカサマ」と表現する)は存在するのか…。

 これは多くの人が抱く疑問だが、その答えは「断じてあり得ない」ということになる。少なくとも現在のラスベガスのカジノにおいてイカサマは絶対に存在しない。

 ツイッター、フェースブック、LINE、ブログなど、簡単かつ瞬時に情報が拡散してしまう今の時代、この競争が激しいラスベガスのカジノ業界において、イカサマのウワサなどが少しでも広まろうものなら、たちまちそのカジノホテルは倒産してしまう。
 そもそもイカサマなどが存在していたら今日のラスベガスの繁栄などあり得るわけもない。

 そんな危険を冒してまでイカサマをやるわけもないし、やる意味も必要性もない。
 なぜなら、イカサマなどをやらなくても、カジノ側は統計学的な確率論により、十分に勝てる ようになっているからである。
 つまり、個々の客には勝ったり負けたりしていても、「100人の客がいたら、そのうちの55人に勝って、45人に負けていればよい。そのペースで年間を通じて運営していれば必ず利益を出せる」というような理論だ。
(もちろん人件費、広告費、家賃、その他さまざまな経費が必要なので、赤字経営のカジノも少なくないが、カジノというゲームの勝敗の部分だけを切り取れば、利益は出ている)

 というわけで、イカサマはないということになるが、この議論を進める前に「イカサマ」とか「インチキ」などと呼ばれる不正行為の定義を明確にしておく必要がある。

 アメリカでも「CASINO」というタイトルの映画がヒットし(マーチンスコセッシ監督、ロバートデニーロ主演の話題作。日本でも 1996年4月20日に公開され話題を集めた)、その中でイカサマが行われていたりしたためか、アメリカ人の間でもこのイカサマの存在を信じている者が少なくない。
 したがって、あえてここでイカサマについて説明しておくが、まずその不正行為には当事者の関係から次の4つが存在する。

[1] カジノ側(もしくはディーラー側 )が客に対して行う不正行為

[2] 客がカジノ側に対して行う不正行為

[3] ディーラーや従業員がカジノ側に対して行う不正行為

[4] カジノ経営者側が税務当局や株主などに対して行う不正行為

 このラスベガス大全の読者も含めた一般の観光客が心配している「イカサマ」とは、通常 [1] のことを言っている場合がほとんどだろう。つまり「自分が被害者になるイカサマ」である。
 さきほど「イカサマは断じてない」と言ったのは、まさしくこのケースのことで、つまり「あなた自身が不正行為の被害者になることは絶対にないですよ」と言ったまでだ。

 多くの「カジノ初心者」の日本人観光客がこの事実に対して懐疑的な目で見ているようだが、数十年前のラスベガスの黎明期ならいざ知らず、現在のラスベガスにおいてそんな不正行為は絶対にないと断言できる。
 これについてはこのあとに具体例などを示してくわしく述べるが、とりあえずここではその種のイカサマは存在しないと覚えておいていただきたい。

 さて次に [2] のイカサマ、つまりカジノ側が被害者になるケースだが、これは「ない」とは言えない。なぜなら、あなた自身がそれを企てるかもしれないからだ。
 スロットマシンにニセ札を突っ込んでみたり、電磁気的な装置でコイン残高のカウントを不正に操作するといった行為などがこのカテゴリーに属するわけだが、実際にそんなことが可能かどうかはいざ知らず、不正が発覚すれば、もちろん警察に突き出されることは言うまでもない。

 さてその次の [3] のイカサマだが、残念ながらこれはハッキリ言って「ある」と言わざるを得ない。
 しかしこの種の不正は「従業員による会社側に対する背任行為」であり、被害者はカジノ側だ。つまり我々一般観光客にとっては、なんら関係のない不正行為ということになる。

 実はカジノ側が最も気にしている不正行為はこの種の社内犯罪で、カジノ内のいたるところに設置されている通称「EYE IN THE SKY」(直訳すれば「空にある目」)と呼ばれる監視カメラなども、この種の犯罪を防ぐために存在していると言っても過言ではない。
 なぜならカジノ側は、客からの不正行為に対しては物理的に守られている場合が多いが、従業員が企てる不正行為に対してはかなり無防備だからだ。

 たとえば、客は金庫を開けることはできないが従業員はできる。客はキャッシャー内の現金に手を伸ばすことができないが、従業員はできる。客はスロットマシンの中身をいじくることができないが、従業員はスロットマシンのカギを持っている。

 そのため各カジノでは、従業員の不正を監視するための専門部隊を置き徹底的に警戒しているのが現実だ。
 この種の「社内犯罪」で最も多いのが、たとえばカジノディーラーが、自分の家族や友人が客としてカジノにプレーしにやって来た場合、払い戻しや両替の際に彼らに多めに払ってしまうといった行為だ。
 このような不正行為は物理的にも十分可能だし、心情的にも「十分にあり得そうだ」とだれもが想像できるにちがいない。
 また、日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の背任行為事件を例にあげるまでもなく、企業幹部がその職権を乱用して私腹を肥やす犯罪は、性悪説的発想に基づく人間のサガとして、どこの国でも、いつの時代でも存在し得る不正行為であり、そう考えると [3] が完全になくなることはないだろう。
 ただ、くどいようだが、この種の不正行為によって、客が直接的な被害を被ることはない。

 最後に [4] の不正行為についてだが、これに関しては明言を避けたい。理由は筆者自身が事実をハッキリ把握していないからである。
 ただ一昔前までのラスベガスにおいては、この種の不正行為こそがマフィアなどの資金源になっていたわけで、かつてこのような不正が横行していたことは疑いのない事実である。

 しかしその後の当局の厳しい取り締まりや法規制、さらには善良な関係者の自助努力などによって、マフィアがカジノ業界から締め出された今、原則としてこの種の不正行為は存在しないことになっている。
 特にカジノ経営をする際に必要なライセンスを州政府が厳しく管理するようになった現体制下においては、きちんとした企業がカジノを運営するようになり、上場企業や一流企業がそのような不正を働く可能性は低いと考えたい。
 しかしながら一般の産業界においても企業ぐるみの不正行為(脱税など)があとを絶たないのも事実であり、そんな現実を考えると、この [4] の不正行為もまったくないとは言い切れないわけだが、いずれにせよ、一般の客にはまったく関係のないことである。

 以上のようにただ単に「イカサマ」と言っても立場や状況によってさまざまな種類があることがわかったが、一般のプレーヤーたちにとって最も関心の高い「自分が被害者となる不正行為」に関しては、絶対にないと考えて問題ない。これらのことを十分に認識した上でカジノをエンジョイしていただきたい。

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イカサマの存在を信じる日本人

 今でも多くの日本人観光客が、「絶対になにか仕掛けがある。だから勝てないようにできている」と考えている。じつにナンセンスな話だが、そのように考えること自体、いかにも日本的発想といえなくもない。

 すでに述べた通り、日本ではギャンブルは常に「裏街道」的な陰の存在だったため、それにかかわる関係者も当然のことながら反社会的な者が多かった。
 それがゆえにかつての日本の賭博には常にイカサマ的行為が多かれ少なかれ存在していたことは否定しがたい事実で、またヤクザ映画などの影響もあるのか、一般市民が「ギャンブル = イカサマ」的なイメージを持ってしまいがちなのもやむを得ない部分でもある。
 そして映画などに登場するイカサマは往々にして、前項目の [1] のイカサマ、つまり「胴元側が客をだますイカサマ」であることが多かった。

 そのような背景があったためか、日本では現在でもギャンブルのイメージはすこぶる悪い。
 競馬、競輪、競艇などはかなり以前から認知されてきたものの、今でもそれらが真の意味での健全なレジャーとして広く一般社会に受け入れられているわけではなく、その結果、日本にはフェアなギャンブルが育つ環境が近年まで整っていなかったし、そういう環境を育てようとする原動力すら湧いてこなかった。

 日本で IR法案(いわゆるカジノ法案)が通過するまでに長い年月を要したのも、そんな文化的背景があったからだろう。
 そう考えると、いまだに多くの日本人がラスベガスのカジノに対して懐疑的な目で見ていることは理解できないことでもないが、現実としては、そういった発想はまったくの事実誤認であり、無用の心配なのである。

 そうは言っても具体例を示さないと疑いの念を捨てきれない日本人も多いことだろう。
 ラスベガスのカジノがいかにフェアプレーに徹しているかの具体例をあげ出したらキリがないが、ここでは多くの日本人が抱く最も一般的な3つの誤解を取りあげてみたい。

 日本風イカサマ賭博場の幻想から抜けきれない日本人がまず最初に考える事は、

ルーレットのディーラーはねらった番号に玉を投げ込める。

ブラックジャックのディーラーは思い通りにトランプを切れる。

クラップスで使われているサイコロにはカラクリがある。

 などである。まずルーレットについてだが、この誤解が一番多く、なおかつタチが悪い。
 日本の低俗なテレビ番組などが、いわゆるヤラセで「ねらった番号に落とせるディーラー」なるものをたびたび紹介したりしているせいか、ほとんどの者はこれを信じている。
 ラスベガスで使われているルーレット台がどのように作られ、どのように検査管理され、どのように当局によって認証されているか知らない者はそういった話を信じてしまいがちだ。(下の写真はレーレット台を切断して内部を公開したところ)

 精密機械を使い投げ込まれる球の初速を一定にし、回る盤面のタイミングもまったく同じ条件で球を何度投げ入れても完全にランダムな結果が出る。それがルーレット台なのである。
 最新鋭のコンピューターを使っても、たった1メートルの高さから落とされるサイコロの出目を予測できないのと同様に、ルーレット版に投げ込まれた球の出目は我々人間が考えているよりもはるかにランダムなのである。
(ただしルーレット盤の形状、特に番号のポケットの深さ、つまり一度ボールがその番号に落ちてからも再びボールが飛び出しやすくなっている盤と、ポケットが深めに作られていてボールが飛び出しにくい盤では、ランダム性に多少の違いがあるのも事実)

 それでも「ルーレットのディーラーはねらった番号に玉を投げ込める」と信じるのもよいだろう。
 しかし百歩譲ってそのようなディーラーが存在したとしても、それは我々客にとってまったく問題にならないことをあえて付け加えておきたい。
 なぜなら、ラスベガスでは、ディーラーが玉を投げ込んだあとにも賭けることができる(カジノチップを置くことができる)ルールになっているからだ。
 具体的には、玉が投げ込まれたあと、ディーラーが「No more bet」と宣告するまでの間(一般的には5~8秒程度)は賭けることができる。

 つまり、「ルーレットのディーラーはねらったところに玉を投げ込める」ということが心配であるならば、球が投げ込まれたあとに賭ければよい。
 したがって、そんなディーラーの存在を心配すること自体がナンセンスということになる。

 さらにつけ加えて言うならば、そんな技術を持ったディーラーが仮にいたとしても(実際にいるのかもしれないが)、ホテル側はそのような者を絶対に採用しないので安心してかまわない。
 なぜならそのようなディーラーを採用したら、前項での [2] のイカサマ(従業員によるカジノ側への不正)、つまり自分の身内や友人がそこのカジノに客として遊びに来た際、故意に彼らに勝たせることができてしまい、カジノ側にとってそのようなディーラーは百害あって一利なしの超危険人物になるからである。

 次にブラックジャックのトランプのシャッフルについてだが、これもまったく同様で、疑惑をもつこと自体まったくのナンセンスというもの。
 なぜなら仮にディーラーにそのような技術(故意に客が不利になるようなシャッフル技術)があったとしても、シャッフルの最後には必ず客がカットするルールになっているからだ。
 またゲームの途中で客は好きなようにカードの流れを変えることもでき(もう1枚カードを引くか引かないかは客が決めることなので)、いかなるシャッフル技術もまったく意味をなさないことになる。
 プレーヤーの数も常に変化しており(負けた客は席を立って去っていくので)、プレーヤーの数が変わればカードの流れも当然変わってしまう。

 よく、「強いディーラーに当たるとなかなか勝たせてもらえない」とか「途中まで勝っていたのに、オレが勝ちすぎていると見たのか、カジノ側はディーラーを交代させてきた。そしたら一気に負けてしまった。やはり強いディーラーには勝てない」という者もいるが、それは「私はブラックジャックのルールをまったく知りません」と公言しているようなもので恥を知るべき。
 なぜなら、ブラックジャックというゲームにおいては、その厳格なルールによって、ディーラーには強いも弱いもまったく存在し得ないからだ。

 ディーラーは決められたルールに従い仕事をしているだけで(客側の手にかかわらず、自分の手が 16を超えるまではカードを引かなければならず、17以上になったら引いてはならない)、場の状況や自分の意思で「カードをもう1枚引く」とか「もう引かない」とかを決めることは許されていない。(くわしくは「ブラックジャック」 の項目を参照のこと)

 つまり、ブラックジャックのディーラーの仕事というものは、熟練ディーラーが担当しようが、新人ディーラーが担当しようが、次のカードを引く引かないの判断はだれがやっても同じなのである。というか、個人の判断は入る余地がないということ。
(下の写真は、実際のブラックジャックテーブル。黄色の文字で、ディーラーが従うべきルールが記載されていることがわかる)

 次にクラップスのサイコロについてだが、これに対してどれほどの配慮がなされているかを知っている者はほとんどいない。
 じつはラスベガスのカジノで使用されているサイコロは、それぞれ色は付いているものの(多くの場合、赤)、すべて透明(あるいは半透明)な樹脂で作られている。これは「中に何も仕掛けられていません。材質や重量のバランスは均一ですよ」という意思表示である。

 さらに日本の一般の家庭にあるようなサイコロと違い、表面の数字は絶対にへこませては作られていない(つまり彫り込まれてはいない)。
 これは「わずかな重量配分の不均一性すらも排除していますよ」という意思の表われである。

(参考までに余談: 一般的なサイコロの場合、何万回も投げると [5] の目が一番多く出ることが知られている。その理由は重量バランスの差、つまり [5] の目と、その裏側に位置する [2] の目の削られている量の違いから、重量バランスが一番大きく崩れているからである。ちなみに [6] の目の裏側に位置する赤い [1] の目は、一ヶ所しか削られていないことになり、六ヶ所も削られている [6] とのバランス差が大きいように思われるが、[1] は深く大きく削られているため、[6][1] の重量バランス差はそれほど大きくない)

 もちろん各カジノでは定期的にサイコロの寸法をマイクロメーターで測定し、少しでも規格外の寸法になっていれば即座に新しいものと交換している。
 またプレー中にサイコロがテーブルの外に出てしまった場合は、次のプレーを開始する前に必ず担当の者がそのサイコロをチェックすることになっている(もしくは新しいサイコロを使う )。これはもちろんサイコロのすり替えなどの不正がないことを確認するための行為だ。

 また客がサイコロを振る際には、必ず複数のサイコロの中からその客の意思で好きな2個を選ばせることになっており、そして客は一度握ったサイコロを他人の視界の外に持ち出すことは許されていない。両手で握ることも禁じられている(両手を使うとすり替えなどの不正をしやすくなるため)。

 これだけの配慮がなされていることを知ってもまだイカサマが存在していると信じる者もいるだろうが、そういう者はプレーをしなければよい。

 各カジノはイカサマをやるどころか、以上のように、いかにフェアプレーに徹しているかを客に明示しているのが現状で(もちろん当局の厳しい規制に従っているだけ、と言えないこともないが)、くどいようだが、すでに書いてきた通り イカサマのウワサなどが少しでも広まろうものなら、たちまちそのカジノは倒産である。もちろん関係者は法律によっても厳しく罰せられることは言うまでもない。
 そんな危険を冒してまでイカサマをやるわけもないし、やる必要もない。なぜならイカサマをやらなくてもカジノ側は十分に勝てるようになっているからである。
 いずれにせよカジノ側が客に対して行う不正行為などは絶対にあり得ないと断言できるので、不必要な心配をせず安心して楽しんでいただきたい。

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どこのカジノでプレーすべきか

 ラスベガスに到着すると、空港のターミナルなどにもスロットマシンがあることに気付く。スーパーマーケットやコンビニでもビデオポーカーやスロットマシンに遭遇したりする。
(下の写真はラスベガス国際空港の第3ターミナル。写真内の左側にスロットマシンが見える)
 もちろんそれらはすべて現金で遊べるようになっており、日本のゲームセンターなどで見かける「その施設専用のコイン」でプレーするわけではない。

 このようにラスベガスでは街中のいたる所でギャンブルを楽しむことができるわけだが、やはり中心となるのはホテルのカジノ。
 宿泊場所に近いという理由以外にも、規模的にも内容的にも充実しており、一般の観光客がホテルのカジノ以外でプレーすることはまず考えられないし、そうする理由もないだろう。
(そもそも、スーパーマーケットやコンビニが持っているカジノ運営免許では、マシンゲームを15台までしか設置できず、テーブルゲームなどを運営することは許されていないので、多種多様なゲームを楽しむことができない)

 というわけで、宿泊ホテルのカジノでプレーすればよいわけだが、ホテルのカジノでもその地域やホテルのグレードなどによってそれぞれ特徴があったりするので、ある程度はそういった違いを知っておいて損はない。

 一般論として、ダウンタウン地区(写真)のホテルは総じてミニマムベット(Minimum Bet: 最低賭金のこと)が庶民的になっており、その金額が低めに設定されている。
 逆にストリップ地区はやや高い。同じストリップ地区でも高級ホテルとそうでないホテルでは、ミニマムベットが異なる傾向にあるので、予算に応じてカジノを変えてみるのもよいだろう。高級ホテルのほうがミニマムベットが高いことは言うまでもない(例外もあるが)。

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Minimum Bet(最低賭金)

 前項でもふれた「ミニマムベット」とは、読んで字のごとく「最低賭金」のことで、そのゲームを1回プレーする際に必要な「最低でもこの金額を賭けてください」 という金額のことである。

 この数字は各カジノによって異なるだけでなく、同じカジノ内でもテーブルによってまちまちで、全部のテーブルで同じということはまずない。
(そのミニマムベットの金額は、各テーブルの脇に、以下の写真のようなプレートで明示されている。マキシマムベットは最高賭金のこと。3X 4X 5X の部分は、クラップスのルールに関することなので、ここでは無視)

 一般論として高級ホテルのほうが二流ホテルよりもこの数字を高めに設定する傾向にあるが、高級ホテルと言えどもすべてのテーブルが「最低 $100 から」とかになっているわけではなく、ミニマムベット $5 のテーブルがあったりもする。

 具体的な数字を例にあげて説明するならば、たとえばブラックジャックの場合、ストリップ地区の高級ホテルではそのカジノ内で最も低く設定されているテーブルでもこのミニマムベットの数値はせいぜい $10。たまに $5 のテーブルがあったとしてもそれほど多くはない。
 多くはないがゆえに、運良く高級ホテルで $5 に設定されているテーブルを見つけたとしても、混雑しすぎていて(すべてのイスにプレーヤーが座っている)、プレーできないことがほとんど。

 したがって、「$5 のテーブルでプレーしたい」という者は、ダウンタウン地区のカジノへ行くか、ストリップ地区でも格が低いホテル(具体的にはサーカスサーカス、エクスカリバー、トロピカーナ、フーターズなど)のホテルに行くと、$5 のテーブルに遭遇できる確率が高い。

 かつて客寄せとして、「ミニマムベット $1 のテーブルがありますよ」的な宣伝をしていたカジノもあったが、最近ではほとんど見かけることがなくなった。ダウンタウン地区に行ったとしても、ミニマムベットが $1や $3 のテーブルは消えつつあるので、ラスベガスにいる限りは「最低賭金は5ドル」と考えておくべきだろう。

 ルーレット、クラップス、ミニバカラなどについてもほぼ同じことが言え、5ドル以下でプレーできるところはほとんどないと思ってまちがいない。
 ただしルーレットやクラップスの場合は 1回のプレーで複数の場所に賭けることができ、その個別の場所への賭けに対する最低賭金は別途異なるルールが設定されていたりするので注意が必要だ。それに関しては、ルーレットやクラップス項目を参照されたし。

 スロットマシンに関してはその機械によって投入コインの種類が決まってしまうため、特に「ミニマムベット」という概念は存在しない。ただ単に「25セントマシン」とか「1ドルマシン」といった呼び方をする。
 が、しかし、今「投入コイン」という言葉を使ってしまったが、それは遠い昔の話。現在のラスベガスでは、スロットマシンはすべてコインレスになっているので、コインを投入するという動作は存在しない。
(わざと骨董品的な意味合いで、非常に古いマシンを置いていたりするカジノもあるにはあるが、それはあくまでもアトラクション的な存在)
 このスロットマシンのミニマムベットに関しても、専用の項目を参照のこと。

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両替

 ここでいう「両替」とは、日本円から米ドルへの交換という意味ではなく、現金(ドル)からカジノ専用チップ( Chip )への交換のこと。
(日本円から米ドルへの交換に関しては [基本情報] 内の [外貨交換] の項目を参照されたし)

 ラスベガスのカジノにおいては、現金とカジノ専用チップは(以下「チップ」と呼ぶ )価値的にまったく等価だ。つまり交換の際に手数料のようなものを取られることは一切なく、交換による目減りはまったくない。
(非米国居住者が、スロットマシンなどで $1200 以上の高額配当を受ける際に税金を差し引かれたりすることがあるが、それはまったく別の話)

 したがって、$100 の紙幣をチップに替えれば $100 のチップになるし、同様に $100 のチップは $100 の現金に交換することができる。もちろんいつでも何回でも交換でき、また交換に最小限度額のような制限もない。
 つまり、現金とチップの等価性は完全に保たれており、日本のパチンコ店などにおける玉と現金価値の関係とは基本的に異なる。

 また現金とチップは機能的にもまったく同等に扱われている。つまりルーレットであろうがブラックジャックであろうがチップの代わりにドル紙幣をテーブルに直接おいて賭けてもまったくかまわない(多くの場合、ディーラーがすぐに紙幣をチップに置き換えることになるが)。
 また、カクテルウェイトレスへのチップ(TIP)をカジノチップ(Chip)で支払うこともできる。
(かつては館内のレストランの支払いや宿泊費の精算もカジノチップで行うことができたが、今では当局からの指導などもあり、一般的にはそれができなくなっている。以下の写真は、今はなきアラジンホテルのカジノチップ)

 いずれにせよ現金とカジノチップは価値的にも機能的にもまったく同等であることをよく覚えておきたい。「覚えておきたい」とあえてここで強調した理由は、プレーに夢中になってくると、チップが現金と等価であることが見えなくなってしまうからである。チップが単なるオモチャのコインにしか見えなくなってきたら、大負けする前ぶれなので要注意だ。

 さてここからは状況ごとの両替、つまりプレー開始前の両替、プレー終了後の両替、そして大きな金額の紙幣を小さな金額の紙幣に崩す方法について説明したい。

 まずはプレー開始前の両替について。両替のタイミングと場所に関しては、基本的にはそのゲームを始める際にその現場で両替することになる。
 つまりルーレット、ブラックジャック、クラップス、バカラなど、テーブルゲームの場合、そのテーブルを担当しているディーラーに現金(ドル紙幣)を渡してチップに交換してもらう。
 現金を差し出すだけでその意思は伝わるので何もむずかしいことはないが(何もしゃべる必要はないが)、賭け金を置くべきスポットにその現金を置いてしまうと、その現金を全額つぎのゲームに賭けてしまうものと勘違いされかねないので、紛らわしい場所には置かないようにしたい。

 また、この両替の際、現金をディーラーに直接手渡しで渡そうとしても(写真)、ディーラーはその現金を受け取ってくれないので注意が必要だ。
 カジノでの現金およびチップ( Chip )の受け渡しは「手から手」ではなく「手からテーブル、そしてテーブルから手へ」というルールが徹底されており、ディーラーは客の手から直接現金やチップを受け取ることは許されていない。

 したがって両替の際は現金を手渡しで差し出すのではなく、テーブルの上に置くようにする。手渡ししようとすると、ディーラーは「ここに置け」といわんばかりに、指でテーブルの表面を指し示すはずである。

 このルールの意味は、不正防止が目的だ。いくらの紙幣だったのか、何枚の紙幣だったのかを客観的にわかるようにする必要があり、その受け渡し現場が天井の監視カメラに写るようにするためである。

 そのような理由もあり、客がテーブルに置いた複数枚の紙幣を、ディーラーがそれを手に取ってその枚数を数える際、日本の銀行員や店員などが紙幣を数えるような方法、つまり手にまとめて持ったまま数えるようなことはしない。
 そういった数え方はルールで禁止されており、監視カメラに写るように、1枚1枚をテーブルの上にずらしながらに並べるように置いて数えることになる。

 このルールが守られていることにより、たとえば、紙幣を出した客があとになって「いま渡したのは 20ドル紙幣5枚ではなく、100ドル紙幣 10枚だったハズ」と言い出して争いになっても、カメラの再生により客観的かつ公平に問題を解決できるというわけだ。ラスベガスのカジノではとことん不正を防止するための対策が施されていることがわかる。

 公平な対策といえば、高額の両替の場合(原則として $100以上の両替)、ディーラーはピットボスと呼ばれる上司(通常ディーラーのすぐうしろのエリアにいる)に声をかけ、テーブルに並べた紙幣の金額の再確認を求めてから両替作業を進めることになっている。
 これはディーラーの家族や友人がそのカジノに遊びに来て、$20 紙幣を差し出したのに $100 分のチップを渡してしまうような社内不正をけん制するためで、まさにフェアプレーを追求するラスベガスならではのすばらしい慣習といってよいだろう。(他の地域のカジノもそうしているだろうが)

 さて次に、プレーが終了したあとのカジノチップから現金への両替について。
 これの両替は、ゲームの現場ではやってくれない。なぜなら現金を置いていないからである。正確にいうと、現金はある。ゲーム開始時の客から受け取っているからだ。
 しかしその現金は、専用のドロップボックスの中に落とし込まれているので、ディーラーと言えども取り出すことはできない。

 したがって勝って貯まったチップを現金に両替する際は「CASHIER」と書かれた両替窓口(写真)へ行く必要がある。カジノ内に必ずあるので、このキャッシャーを見つけることは簡単だ。
 このキャッシャーでは、黙ってチップを差し出すだけですぐに現金に交換してもらえるので、言葉の問題など何もむずかしいことはない。
 ただし、ときどき「全部 100ドル紙幣でいいですか? それとも 20ドル紙幣が何枚かあったほうがいいですか?」 などと話しかけられることがある。聞き間違えたところで大きな問題はないはずなので、適当に答えておけばよいだろう。

 なおルーレットの現場を離れる際は、そこのルーレットテーブル専用の色チップをすべて一般のカジノチップに交換してもらってから席を離れる必要がある(詳しくはルーレットの項目を参照のこと)。

 またブラックジャックなどのテーブルを離れる際、多くの場合、ディーラーから、複数の小さい額面のチップを大きい額面のチップに交換してから席を離れるように言われる。
 たとえば $5チップを 27枚を持って席を離れようとすると、そのうちの 20枚は $100チップ 1枚に、5枚は $25チップ1枚に取り替えるように言われる。
 これは客にとって持ち運びが楽になるということもさることながら、そこの現場では引き続き小額のチップがたくさん必要なためで、必ず指示に従うようにしたい。

 キャッシャーで受け取った 100ドル紙幣は、コンビニなどで買い物をする際や、タクシーなどでの支払いにおいて何かと不便だ(「釣り銭がない」と言われる)。またチップ(カジノチップではなく、心付けのチップ)などのために1ドルや5ドルなどの小額紙幣も必要だろう。
 そんなときに便利なのが、「Bill Breaker」と呼ばれる機械。ちなみに Bill とは紙幣のことで、それをブレークする(壊す)のでビルブレーカーというわけだが、この機械がカジノ内のいたるところに存在している。
 銀行のATMのような姿をしたマシンなので、探すことに苦労はしないはずだ。というか、正確には、このビルブレーカー自体 ATM も兼ねているので、ATMのような姿というよりも ATMそのものでもある。

 そのマシンを見つけて、紙幣投入口(通常、その投入口は2つ用意されており、小さな青いランプが点滅している)に紙幣を挿入すると、複数枚の小さな紙幣になって出てくる。(手数料などは一切取られないので非常に便利)
 何も操作はいらないので、言葉の心配も不要だが、マシンによっては紙幣を投入した直後、画面上に両替内容の選択肢が表示されることがある。
 たとえば 100ドル紙幣を入れた場合、「$20 x 5枚 にしますか」それとも「$20 x 4枚 + $5 x 4枚 にしますか」といった選択肢が表示されるので、好きなほうをタッチすればよい。

 100ドル紙幣以外の両替も可能だ。たとえば 20ドル紙幣を入れると、5ドル紙幣が4枚出てくるか、5ドル紙幣と1ドル紙幣の組み合わせの選択肢が表示される。
 なお、5ドル紙幣を入れた場合だけは、選択肢はなく、1ドル紙幣が5枚出てくることは言うまでもない。

 最後にカジノチップの色について。
 区別しやすくするために、各チップは額面によりそれぞれ異なった色になっている。そしてその色分けは、ラスベガスのカジノではどこのカジノもほぼ共通になっているので覚えておくと便利だ。
 一般的にが $5チップ、が $25チップ、が $100チップで、この3種類を覚えておけば、普通の人はコトたりる。

 その他、むらさきの $500や黄色もしくはオレンジの $1000、さらには通称 “チョコレート” と呼ばれている茶色の $5000、そしてハイリミットセクション(高額の賭け金でプレーする人を受け入れているセクション)でのみ見られる $25,000 チップなどもある。
 なお、青や白のチップもときどき見かけるが、それらはおもに端数が出やすいクラップスなどで使われる $1 チップであることが多い。

 このように標準化された色分けが定着しているため、カジノ内では各チップを額面の代わりに色で呼んでも意味は通じる。
 たとえば現金 $100をチップに交換する際に、「 All Red Please ! 」と言えば $5チップを 20枚くれる。同様に「 All Green Please ! 」と言えば $25チップ 4枚ということになる。
 何も言わなければ $5チップ 10枚と $25チップ2枚くれるのが普通だ。ただしそこのテーブルのミニマムベット(最低賭金)が $25であれば、黙っていてもグリーン4枚となることは言うまでもない。

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カクテルウェイトレス

 カジノ内にはプレーヤーに無料で飲み物をサービスしてくれるカクテルウェイトレスが巡回している。
 ブラックジャックであろうがスロットマシンであろうが、しばらく遊んでいると彼女たちが注文を取りにやって来る。何も欲しくなければ無視していれば素通りして行くのでわざわざ気を使って何かを頼む必要はないが、何か欲しければ遠慮なくオーダーしよう。

 が、しかし、近年はこのサービスも厳しくなる傾向にあり、だれにでも声をかけてくるというわけではなくなりつつある。
 つまり、プレー状況があまりにも低レベルの場合(定額のスロットマシンに小額しか投入していない場合など)、声をかけてもらえない。だからといって、自分から声をかけてオーダーすると、「有料です」と言われてしまうこともあったりするので、必ずしもだれもが無料で飲み物にありつけるとは考えないほうがよいだろう。

 ちなみにカクテルウェイトレスにオーダーできるドリンクの種類は以下の通りで、基本的にはほとんどなんでもあると考えてよい。
 日本人が思いつく一般的な飲み物でオーダーできないものは日本酒とウーロン茶ぐらいで、緑茶(Green Tea)はすでにどこのカジノにも完全に定着している。
 なお、無料といえども彼女たちはチップ(TIP)で生活しているため、飲み物を持って来てくれた際には最低でも $2程度は渡すようにしたい。ちなみにそのチップ(TIP)は現金でもカジノチップ(CHIP)でもよい。

年齢制限

 カジノへ入場できるのは 21才から。とは言っても入口のドアは開きっぱなしの上、入口に年齢をチェックするスタッフが特にいるわけでもなく、現実には子供でも入場できてしまう。
 事実カジノ周辺に子供向けのゲームセンターがあったりして、カジノ内(といっても決められた通路だけ)で子供を見かけることは決して珍しいことではない。特に「子連れファミリー大歓迎」をウリ文句にしているサーカスサーカスホテルのカジノにおいては子供を多く見かける。

 が、しかし、「未成年者でもこっそりプレーできてしまうのではないか」と思ったら、それは大きな間違い。
 サーカスサーカスホテルでも、子供を大歓迎しているのは「宿泊」であって「カジノ」ではない。したがって、どこのカジノホテルにおいても、未成年がプレーすることは無理と考えるべきだろう。
(下の写真内の赤い部分は警告文。「ネバダ州の法律: 21歳未満の者はこのスロットマシンでプレーすることも、近くをふらつくことも禁止されている」)

 カジノ内での未成年者への監視は厳しい。理由は簡単だ。未成年者のプレーを見逃したカジノは当局から厳しく罰せられるからだ。
 したがって、若く見られがちな者がスロットマシンなどをプレーしていると、すぐに声をかけられ、身分証明の提示を求められる。同様に、若作りの者がブラックジャックやルーレット台に着席したら、ほぼ間違いなく担当ディーラーから身分証明の提示を求められると思っておいたほうがよい。

 身分証明の提示はプレーのときだけではない。プレー後、勝ったカジノチップをキャッシャーで現金に交換する際にも身分証明を求められることが少なくない。
 ちなみに東洋人はとかく若く見られがちなため、たとえ 30歳以上の者でもパスポートを持参して行ったほうがよいだろう。場合によっては 40歳以上でも持参したほうがよいかもしれない。

 なおこれは余談。30代であっても、カジノの現場で日本人がパスポートの提示を求められることはよくある。
 そういったケースで、「やったぁー、私は 21歳未満に見られた!」と、その若作りを喜ぶ女性をしばしば見かけるが、それは違う。喜ぶのはまだ早い。
 21歳未満に見られたから提示を求められたのではなく、当局のおとり捜査があるので、30を超えているだろうと思っても、念のため確認するのがルーティンになっているだけのことだ。
 つまり「未成年者のプレーを見逃したカジノは当局から罰せられる」とすでに書いたが、当局は、21歳未満の者を使って、実際に各カジノのルーレットやブラックジャックテーブルなどに着席させ、もし身分証明の提示を求められずにプレーができてしまったら、そのカジノを摘発するというわけだ。
 カジノの話ではないが、コンビニなどでビールやワインを買う際に、レジで身分証明を求められるのも同じ理屈で(おとり捜査に引っかからないためで)、決して 21歳未満に見られたわけではないことを覚えておこう。

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服装

 ヨーロッパの一部のカジノにおいては服装にも気を配る必要があるようだが、少なくともここラスベガスでは、Tシャツ、ジーパン、タンクトップ、なんでも OKなので服装のことを気にする必要はまったくない。
 ただし上半身裸や裸足は注意されることがある。なお、トロピカーナホテルやシーザーズパレスなどで見られるプール施設内の、水着を着たままブラックジャックをプレーできるようになっている場所では(写真下)、もちろん上半身裸(男性)や裸足もOKであることは言うまでもない。とにかく服装に関してはあまりかしこまる必要はないだろう。

写真撮影

 カジノ内は原則撮影禁止となっている(最近このルールを甘い方向へ見直す動きも出てきているようだが…)。
 しかしその目的はホテル側の事情というよりもプレーヤーのプライバシー保護にあるようで、スロットマシンの前で自分たちの記念写真を撮ることぐらいは特に問題にならない場合が多い。
 仮に注意されることはあっても、その場でカメラのメモリーカードを没収されたり、強制的に画像消去を要求されたりするようなことには、いまだお目にかかったことがない。

 そうは言ってもテーブルゲームのセクションなどにおいて、他のプレーヤーやテーブルに露骨に近づいて撮影したりすることは慎むべきで、そんなことをしてメモリーカードを没収されてもモンクは言えないだろう。

 もっとも、スロットマシンなどでのジャックポット(超高額の大当たり)を出したりした際は、そこで記念写真を自由に撮らせており(そのカジノの宣伝にもなるだろうし)、また責任者などが登場し、賞金の目録などと一緒に記念差杖といった場面をときどき見かけるので(下の写真)、そう考えると、この「カジノ内撮影禁止」というルールも適用範囲の境界線がいまひとつハッキリせず、本質的にはカジノ側にとってはどうでもよいことのような気がしないでもない。

 ただ、少なくともハイローラー(高額の賭け金でプレーする人)などは、身分や賭け金などを公表されたくないと考えている者が多いので、ホテル側もその種の上客に対する配慮としてカジノ内での撮影はそれなりに厳しく管理しているようだ。
 いずれにせよ、とりあえず「カジノ内は撮影禁止」と覚えておけば問題になることはない。

営業時間

 ネバダ州以外の地域のカジノのことはわからないが、少なくともここラスベガスのカジノにおいては 24時間オープンとなっており、深夜の遅い時間帯にベガスに到着してもカジノを楽しめるので、営業時間を気にする必要はまったくない。もちろん年中無休だ。

<お疲れ様でした。以上で カジノ全般の基礎知識 は終わりです>

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コメント(2件)

  1. 三井 より:

    ブックメーカーとかはどうですか。最近かなり人気になっております。

  2. 梶野ちゃん より:

    ライブカジノはランドカジノと同じように楽しめます!今のコロナ時代におすすめ!

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