どこよりも分かりやすい!カジノルーレットのルールと遊び方を徹底解説

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カジノ初心者も楽しめるルーレット「すべて運しだい!」

 やったことがない人は山ほどいても、ルーレットというゲームの存在自体をまったく知らない人はいないはず。したがって知名度という意味においては、他のいかなるカジノゲームにも勝さっているばかりか、内容も単純明快なため、カジノ初心者がスロットマシンの次にやるのもこのゲームだ。

実際のルーレットテーブルの様子。写真の右上にある、数字がタテに並んでいるパネルは、直近20回ぐらいまでに出現した番号を示す電光表示。

実際のルーレットテーブルの様子。写真の右上に見える、数字がタテに並んでいるパネルは、直近20回ぐらいに出現した番号を示す電光表示。

 初心者といえば、実際にブラックジャックやクラップスなどとは異なり、このルーレットには「悪手」(やったら損をするような悪い賭け方)というものが存在しないため()、戦略などを知らずにプレーしても、初心者と熟練者との間で結果に(期待値に)差が生じない。
 つまり勝敗は技量とは無関係に「すべて運しだい」ということになり、それがゆえにこのルーレットは初心者に向いているゲームといってよいだろう。
厳密にいうならば、「0、00、1、2、3番の 5ヶ所に賭ける」といった極めて例外的な「悪手」が存在していたりするが、それは知らなくていいというか、知らないほうがよい。また、後術する「トリプルゼロ」という台が近年増え始めており、それは確率論的に極めて悪質な台なので、それには絶対に近づかないようにしたい)

 前置きが長くなってしまったが、せっかくラスベガスにまでやって来て、「やったのはスロットマシンだけだった」というのはあまりにも残念なことなので、ここで基本的な知識をしっかり身につけ、ブラックジャック、クラップス、バカラと並ぶテーブルゲームの代表格の一つであるルーレットぐらいには挑戦してもらいたいものである。
 機械相手のマシンゲームとは異なり、テーブルゲームはディーラーや他のプレーヤーという生身の人間と一緒に楽しむゲームなので臨場感や興奮、そしてラスべガスらしい独特のゴージャスな雰囲気なども体感でき、きっと旅の良き思い出になるにちがいない。

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単純明快、カジノルーレット基本の遊び方

 ルーレットは見ての通り、戦略のみならず視覚的にも非常にわかりやすい。つまり、円盤(ホイールという)に投げ込まれたボールがどの番号に入るかを当てるだけの極めて単純なゲームだ。

ルーレットホイール。

ルーレットホイール。

 ホイールには 1番から 36番、それに 0番00番、合計 38ヶ所ポケットがある。
(ポケットのことを「スロット」、「スポット」などと呼ぶ場合もあるが、とりあえずここでは最も一般的と思われる「ポケット」に統一。なお、プレーの現場でこれらの言葉が使われることはないので覚える必要はまったくない)

 各ポケットには、番号以外にも色が付けられており、1番から36番には もしくは 、そして 0番00番には 緑の色 がそれぞれ割り当てられている。
 ちなみにその 0番00番は、そこにボールが入ると、その番号に賭けていた人たち以外、つまり赤や黒、偶数や奇数に賭けていた人たちは全員が負けとなってしまう悪夢の番号なので要注意だ。こんな番号は無いほうがいいに決まっているが、この 0番00番の存在こそがカジノ側の収益源になってるので、まったく無いというわけにはいかないのが現実。

緑の [0] と [00] が存在する 38ポケットの台のレイアウト。(これがラスべガス標準)

緑の 0番 と 00番 が存在する、いわゆる「ダブルゼロ台」のレイアウト。(これがラスべガス標準)

 ホイールとセットになって存在しているのがルーレットテーブルで、そこにはホイールのポケットに応じた番号が描かれており、そこに賭け金を置いてプレーすることになる。上の写真がラスベガスで最も一般的な 38ポケットのテーブル(0番00番が存在する台。いわゆる「ダブルゼロ台」)のレイアウトだ。

 参考までに、ヨーロッパのカジノや、ラスベガスのカジノでも高額プレーヤー専用のセクション()には 0番だけで 00番が存在しない 37ポケットの台 があったりするが(下の写真)、確率論的に客にとっては非常にありがたい台ではあるものの、残念ながらラスベガスにおいては一般のプレーヤーが立ち寄るような場所にはほとんど設置されていないので、あえてこの台の存在を意識する必要はない。
高額プレーヤー専用のセクションとは、1回のプレーに数百ドル以上を賭けるような人たちのための特別エリアで、現場では High Limit Section などと呼ばれている)

[0] のみで [00] は存在しないヨーロッパ型の台。ラスベガスの一般のセクションではほとんど見かけない。

[0] のみで [00] は存在しないヨーロッパ型の台。ラスベガスでは高額プレーヤーのセクションで見られる。

 また、近年ラスベガスでは、標準となっている「ダブルゼロ台」(38ポケット台)に加え、いわゆる「トリプルゼロ台」、つまり 0番00番に加え 000番も存在する 39ポケットの台も散見されるようになってきたが(下の写真)、この台は確率論的に客にとっては非常に不利な台なので、とりあえずここでは忘れることとし、このあとの説明では、すべてラスベガスで最も一般的な「ダブルゼロ台」(38ポケット台)でプレーするという前提で話を進めていきたい。

[0]、[00]、[000] が存在する「トリプルゼロ台」(39ポケット台)。

[0]、[00]、[000] が存在する「トリプルゼロ台」(39ポケット台)。

 さてさっそく賭け方についてだが、ボールが入るその番号そのものを単発で当てる単純な賭けから、偶数か奇数か、かなど、さまざまな賭けのバリエーションが存在しており、当たる確率に応じて払戻金の倍率がそれぞれ決められている。
 ただ、賭け方のバリエーションはたくさん存在しているものの、ルーレットにはブラックジャックのような基本知識や最善手を選択する技量などは必要とせず、またクラップスのような払戻金の倍率が不当に低い賭け方などもないため 戦略や戦術は存在しない。それゆえ初心者でも不利になることなくプレーを楽しめるゲームということができる。

黒にかけて的中して喜ぶ初心者の日本人カップル。

[黒] に賭けて的中して喜ぶ日本人カップル。(出た番号は [黒の4] )

 したがって、ルーレットで覚えるべきことは賭け方の種類とその払戻額の倍率だけということになるが、その払戻額の倍率も、カジノ側(ディーラー)が正しく計算して払い戻してくれるので必ずしも覚える必要はない。
(もちろんディーラーといえども人間。極めてごくまれに払戻額を間違えることもあるので、そういう意味では払戻額の倍率を覚えて損はないが、間違えることなどめったに無いので、初心者がわざわざ努力して覚える必要はないだろう)

 とにかくくどいようだが、ルーレットは知識や経験の大小によって有利・不利になるような要素が極めて少ない公平なゲームといえる。
(ここでいう「公平」とは、初心者と熟練者の間で結果に差が生じにくいという意味での公平であって、カジノ側と客側の確率論的な有利・不利の公平ではない。0番 と 00番 が存在している限り、確率論的にはカジノ側が有利になっていることは言うまでもなく、そうでなければカジノというビジネスは成り立たない)

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ゲームの進行

ルーレットに参加するには?

 プレーへの参加方法を初心者にもわかりやすく説明するならば、当たり前のことではあるが、まずはカジノ内でルーレットテーブルを探す必要がある。すぐに見つかるはずだ。
 そしてそこに空席があったら自由にすわってかまわない。もちろん許可を取る必要もなければ、会話の必要もないので、英語が苦手だからといって参加をためらう必要はない。空席がなくても立ったままプレーすることも可能だ。
(2020年春に始まった新型コロナ騒動で、感染防止のためプレーヤー同士が距離を保てるよう「1つのテーブルでプレーできるのは4人まで」といったルールが設定されていたりすることもあるので要注意)

あいていればどこに座ってもかまわない。立ったままでのプレーも可能。

空席がある限り、どこに座ってもかまわない。立ったままでのプレーも可。

 自分の座席や立つ場所を確保できたら、あとは現金もしくはカジノチップ(CHIP)を、賭けたいところに置くだけ。それでやるべきことはすべて完了となり、すぐにプレー開始となる。賭けたあとは人知の及ばぬボールの行方に運命を託すだけなので、何もやることはない。
(現金紙幣を賭けたいところに置いた場合、だまっていてもディーラーがすぐにその紙幣をカジノチップに置き換えてくれるので、両替をどうのこうのという必要はない。色チップに関しては後述)

 賭け金をテーブルに置くことが唯一の参加への意思表示であり(会話は不要)、言い換えれば、いつでも好きなときに参加でき、いつでも好きなときにやめることができる。
 この賭け金を置くタイミングも特にむずかしいルールがあるわけではない。ただ、投げ込まれたボールのスピードが次第に落ちてきて、ディーラーがテーブルの上で手を左右に振りながら「ノーモアベット」no more bet:もう賭けてはダメ)と言ったあとは、賭けることができない。言い換えれば、「ノーモアベット」と言われるまでは、いつ賭けてもかまわない(もちろん前回分の精算は終わっている必要がある)。
 ここで知っておくべき重要なことは、必ずしもディーラーがボールを投げ込む前に賭ける必要はなく、投げ込んだあとから賭けてかまわない ということ。

ディーラーが手のひらを下に向けて左右に振る動作が「ノーモアベット」の合図。

ディーラーが手のひらを下に向けて左右に振る動作が「ノーモアベット」の合図。

 以上のように、ルーレットにおいては覚えるべきルールは特に何もないので、賭け金をテーブルに置くという動作さえできれば、どんな初心者でもすぐにゲームに参加できる。

ディーラーは狙ったところへ投げ込めるのか

 さて余談になるが、ラスベガスのことをよく知らない者が、「ディーラーはねらった番号へ投げ込むことができるので絶対に負けるようになっている」などと言ったりしているのをよく耳にする。
 しかしそれはまったくの誤解。というのも、すでに述べたとおり、少なくともラスベガスにおいてはディーラーがボールを投げ込んだあとにも賭けることが許されているのである。
 仮に、ねらった番号に投げ込むことができる腕のいいディーラーが存在していたとしても、それを恐れること自体がナンセンスというもの。ディーラーがボールを投げ込んだあとに賭ければいいだけのことだ。
 そもそも、ねらった番号に投げ込めるディーラーはいないし(ホイールの製造、そしてその精度は、ネバダ州の当局の厳しい規格にしたがっており、簡単にねらった番号に投げ込めるほど、甘く作られてはいない)、百歩譲ってそのようなディーラーが仮に存在していたとしても、カジノ側は絶対にそんな人物を雇わない。なぜなら、自分の家族や友人がプレーしに来たときに、その人たちを勝たせることができてしまい、カジノにとっては危険極まりない人物だからである。
 とにかく腕利きディーラーの存在が気になる者は、必ずディーラーがボールを投げ込んだあとから賭けるようにすべきである。

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カジノルーレットの賭け方

赤か 黒か

 赤の番号 が出るか 黒の番号 が出るかに賭ける賭け(写真は赤に賭けている状態)。勝った場合の払戻金は1ドルの賭け金に対して1ドルが払い戻される(もとの賭け金も含めれば2ドルを受け取ることになる)。
 0番 および 00番グリーンなので、これらの番号が出た場合は に賭けた者も、に賭けた者も負け。つまりいわゆる「親の(カジノ側の)総取り」となる。

[赤] に 35ドルを賭けた場面。

[赤] に 35ドルを賭けた場面。

【 NOTE:】
 アメリカ東海岸のカジノ都市「アトランティックシティー」では、イーブンベット(EVEN BET: 賭け金に対する払戻金の倍率が1倍の賭け方。つまり、赤か黒か、偶数か奇数か、のような賭け方)に賭けられた賭け金に対してのみ、ボールが 0番または 00番に入った場合、「親の総取り」ではなく、賭け金の半額がプレーヤーに払い戻される、というルールが採用されていたことがあったが、近年はどうなっているか、現地に行っていないので未確認。

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偶数(EVEN)か、奇数(ODD)か

 偶数の番号 が出るか 奇数の番号 が出るかを当てる賭け。1枚目の写真は EVEN(偶数)に、2枚目の写真は ODD(奇数)に賭けたところ。賭け金はそれぞれ [EVEN] もしくは [ODD] と書かれた場所に置く。

[EVEN](偶数のこと)に 20ドル賭けた場面。

[EVEN](偶数のこと)に 20ドル賭けた場面。

 これも 赤・黒の賭けと同様、払戻金は1ドルの賭け金に対して 1ドルが払い戻される。
 数学的には 0 は偶数だ という見方もあるが、0番 および 00番 が出た場合は偶数・奇数のどちらに賭けていても負けとなる。

[ODD](奇数のこと)に 50ドル賭けた場面。

[ODD](奇数のこと)に 50ドル賭けた場面。

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前半(LOW)か、後半(HIGH)か

 LOW(前半の番号、つまり1番から 18番まで。1枚目の写真)か、HIGH(後半の番号、つまり 19番から 36番まで。2枚目の写真)か、という賭け。

1番から18番の番号が出ることに 35ドルを賭けたところ。

1番から18番の番号が出ることに 35ドルを賭けたところ。

 前半の番号に賭ける場合は [1 TO 18] と書かれている部分に賭け金を置く。同様に後半の番号に賭ける場合は [19 TO 36] に置く。
 この賭け方も勝った場合の払戻金は 1ドルの賭金に対して1ドルが払い戻される。

19番から36番の番号が出ることに 35ドルを賭けたところ。

19番から36番の番号が出ることに 35ドルを賭けたところ。

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1st 12、2nd 12、3rd 12

 [1st 12](最初の12個の集団)とは 1番から 12番までのことで、[2nd 12](2番目の12個の集団)とは 13番から 24番、同様に [3rd 12](3番目の12個の集団)は 25番から 36番までのことを意味する。
 これら「12種類の番号への賭け」は、それぞれ賭け金を [1st 12]、[2nd 12]、[3rd 12] などと書かれた場所に置くことになり、この写真は [1番から 12番までの 12個の集団] に賭けた状態。
 この賭けに勝った場合の払戻金は1ドルの賭金に対して2ドルが払い戻される。(もとの賭け金も含めれば 3ドルを受け取ることになる)

1番から12番の番号が出ることに 50ドルを賭けたところ。

1番から12番の番号が出ることに 50ドルを賭けた場面。

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タテ列の 12個の番号

 テーブル上の番号スポットの一番下段に用意されている3ヶ所のワク(34,35,36番のすぐ下にあるワク)が、それぞれそのタテの列に含まれている番号に賭ける際の賭け金を置く場所。
 たとえば、この写真のように左側のタテ1列に賭けた場合は、テーブル上の 1番34番の間に直線的に配列されている 12種類の番号が出れば勝ちということになる。勝った場合の払戻金は1ドルの賭け金に対して2ドルが支払われる。
(カジノチップを置く場所に [2 to 1] と書かれている意味は、的中した場合、「賭け金1ドルに対して2ドルを払い戻しますよ」という意味)

3列あるうちの一番左の列に 60ドルを賭けた場面。

3列あるうちの左側のタテ1列に 60ドルを賭けた場面。

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6個の番号に賭ける

 たとえば写真のチップのような位置に賭け金を置くと、19,20,21,22,23,24番の6つの番号に賭けたことになる。これらの6つの番号のうちのどれかが出れば勝ち。勝った場合の払戻金は1ドルに対して5ドルが支払われる。(もとの賭け金も含めれば 6ドルを受け取ることになる)

6つの番号(この写真の例では 19、20、21、22、23、24)に 50ドルを賭けた場面。

6つの番号(この写真の例では 19、20、21、22、23、24)に 50ドルを賭けた場面。

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4個の番号に賭ける

 写真のチップのように4つの番号が交差している位置に賭け金を置くと、その4つの番号に賭けたことになる。したがってこの写真の場合は 11,12,14,15番の4つの番号に賭けていることになり、勝った場合の払戻金は1ドルに対して8ドルが支払われる。(もとの賭け金も含めれば 9ドルを受け取ることになる)

4つの番号(この写真の例では 11、12、14、15)に 25ドルを賭けた場面。

4つの番号(この写真の例では 11、12、14、15)に 25ドルを賭けた場面。

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3個の番号に賭ける

  写真のチップのような位置に賭け金を置くと、その横に並んだ3つの番号に賭けたことになる。したがって、この写真の場合は 28,29,30番の3つの番号に賭けていることになり、勝った場合の払戻金は1ドルに対して 11ドルが支払われる。(もとの賭け金も含めれば 12ドルを受け取ることになる)

3つの番号(この写真の例では 28、29、30)に 65ドルを賭けた場面。

3つの番号(この写真の例では 28、29、30)に 65ドルを賭けた場面。

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2個の番号に賭ける

 写真のチップのように2つの番号にまたがった位置に賭け金を置くと、その2つの番号に賭けたことになる。したがって、この写真の場合は 20番と 23番の2つの番号に賭けていることになり、勝った場合の払戻金は1ドルに対して 17ドルが支払われる。(もとの賭け金も含めれば 18ドルを受け取ることになる)

2つの番号(この写真の例では 20、23)に 65ドルを賭けた場面。

2つの番号(この写真の例では 20、23)に 65ドルを賭けた場面。

 なお、0番 00番の間にも賭けることが可能で、払戻金は同様に 1ドルに対して17ドル。

[0] と [00] のどちらか一方が出ることに 40ドルを賭けた場面。

[0] と [00] のどちらか一方が出ることに 40ドルを賭けた場面。

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1個の番号に賭ける

 これは最も当たりにくい賭け方であると同時に、最も払戻金の倍率が高い賭け方でもある。賭け方は、単独の番号の真上に賭け金を置くことになるので、これは初心者でもわかりやすい。(写真は、11番に単独で賭けた場面)
 もちろん 0番および 00番 に賭けることも可能。的中した場合の払戻金は1ドルの賭金に対して 35ドルが支払われる。(もとの賭け金も含めれば 36ドルを受け取ることになる)

1つの番号(この写真の例では 11番)に 40ドルを賭けた場面。

1つの番号(この写真の例では 11番)に 40ドルを賭けた場面。

 

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配当倍率の簡単な覚え方

 払戻金の倍率を覚えていなくてもプレーはできるが、知っていた方がゲームがより楽しくなるだろう。
 払戻金の倍率を覚える方法は非常に簡単で、その賭け方に対する当たり番号がいくつ存在しているかさえわかればすぐに計算できる。
 たとえば 4個の番号に賭けた場合、当たりとなる番号は当然4個存在するわけだが、36 をその 4 で割った答えの 9 が、もとの賭け金も含めた払戻金の倍率ということになる。
 同様の方法で、たとえば赤に賭けた場合をやってみると、赤の当たり番号は 18個存在しているので、36 を 18 で割った 2、つまり1ドル賭けていれば、自分が置いた元の賭け金も含めて合計2ドルが戻ってくることになる。
 このように 「36」を「当たりとなる番号の個数」で割れば、元金も含めた払戻金の倍率がすぐにわかるようになっている。

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色チップ(CHIP)の買い方

 2回とか3回だけ勝負してすぐにそのルーレット台から立ち去るような場合は、現金もしくはそのカジノで流通している「金額が書かれた一般のカジノチップ」で賭けてもよいが、そのテーブルにゆっくり座ってしばらく遊びたいという場合は、プレー前に、現金もしくは「金額が書かれた一般のカジノチップ」を「そのルーレット台専用の色チップ」に交換してからプレーに参加するほうがよいというか、それが普通だ。
(通常は「ルーレットチップ」とか「カラーチップ」などと呼ばれたりしているが、ここではあえて初心者にも感覚的に理解しやすいように「色チップ」と呼ぶ)

色チップには金額が記載されていない。

色チップには金額が記載されていない。

 この「色チップ」とは、Aさんが Bさんが 黄色Cさんは というように、そこのテーブルにおいて特定のプレーヤーが独占的に使う同一色のチップのことである。
 なぜ「色チップ」に交換してからプレーしたほうがよいかというと、ブラックジャックなどと違いルーレットにおいては複数の人が同じような場所にたくさんの賭け金を置くため、だれが置いた賭け金か判別不能になることを避けるためだ。

金額が書かれた一般のカジノチップ。

金額が書かれた一般のカジノチップ。

 この「色チップ」 がブラックジャックやクラップスなどで使われる「金額が書かれた一般のチップ」と大きく異なる点は、金額がチップそのものに明記されていないということ。
 その理由は、各プレーヤーが独自にその1枚の価値(金額)をそのつど自由に決めることができたほうが便利だからである。
 たとえば予算 200ドルでそこのルーレットテーブルの席に着いた者がいたとすると、まず現金 200ドル(もしくは金額が書かれた一般のカジノチップ 200ドル分)をディーラーに渡して色チップを受け取るわけだが、その際、1枚の価値を 10ドルと決めて合計 20枚の色チップを受け取ってもよいし、1枚1ドルとして 200枚受け取ってもよい。
 つまり、1枚の価値はそのプレーヤー自身が、自分の予算や賭け方に応じて自由に決めればよいわけである。もちろんゲームを終了してその場所を離れる際は、最初に決めた価値に応じて一般の「金額が書かれたカジノチップ」に交換してもらうことは言うまでもない。

 このように説明すると、「あとでその1枚当たりの金額がいくらだったか忘れられたりして混乱しないか」と心配する向きもあるだろうが、それは心配無用。なぜなら両替時にディーラーは、「この色チップは現在1枚当たりいくらの価値でプレーされています」ということを示すマーカー(もしくはその他の道具)で記録を残すからである。

 この色チップで注意したい点は、当然のことながらそのルーレットテーブルを離れるとこの色チップの価値はゼロになってしまうということである。
 なぜなら色チップはそこのテーブルの外では1枚当たりの価値を判別しようがないからである。
 したがって、そこのテーブルでのプレーを終了する際は、手持ちの色チップは1枚残らずすべてを一般のカジノチップ(額面の書かれたチップ)に再両替してもらわなければならない。

このようにたくさんのチップが置かれるので、だれのモノか区別できるように色チップが存在している。

このようにたくさんのチップが置かれるので、だれのモノか区別できるように色チップが存在している。

 なお、この色チップは、通常 20枚単位で購入するのが普通となっており(とは言っても、大多数の一般プレーヤーは 100ドルで 100枚買うのが普通)、数回だけ勝負して立ち去るような場合は、交換の手間を省くためにも現金や一般のカジノチップでプレーしたほうがよい。
 一般のカジノチップでもよほどバラバラにたくさん賭けない限りは他人の賭け金とは区別できるものである。ましてや自分以外の他のプレーヤー全員が色チップでプレーしている場合、通常のカジノチップでも混同のしようがないので、数回のプレーで立ち去る場合は一般のカジノチップでプレーすべきだろう。

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色チップの持ち出しは厳禁

 普通のカジノチップ(金額が記載されているカジノチップ)はそのテーブルを離れる際に持ち去ってもよいが(というか、キャッシャーで換金するためには持ち去る必要がある。ルーレットテーブルでは現金に換金できない)、色チップは絶対に持ち出してはならない。つまり席を離れる際は、必ずすべて通常のカジノチップに交換してもらう必要がある。
 そのテーブルから持ち出したら1枚の金額がわからないので換金のしようがないばかりか、不正防止の意味からも持ち出しは厳禁だ。
 不正とは、たとえばこうだ。色チップ1枚の金額を1ドルに決めてプレーしているテーブルで、プレー終了後に席を離れる際、その色チップを全部両替せずに一部をこっそり持ち出し、そのあと別のテーブルで、同じ色のチップを1枚10ドルに決めてプレーし、あらかじめ持ち出していた1ドルだったはずのチップを紛れ込ませれば利益が出ることになる。
 そういった不正行為を防ぐために持ち出し厳禁となっているわけだが、プレーヤーが退席する際、ディーラーは必ず各色チップの残数を確認するようにしているばかりか(各色チップは通常そのテーブルに 300枚置かれている)、近年は各テーブルの色チップにテーブル番号が記載されている上、さらに ICチップが埋め込まれていたりするので、そのような不正行為を企てても成功しない。そもそもバレたら逮捕されることを忘れてはならない。

すぐに手を出してはいけないというルール

 毎回のゲームにおいて、的中番号が決まったあと、的中者全員(正確には的中した賭けの全部)に対する払い戻し作業が完了するまで一切のアクションをしてはならない、というルールがあるので、的中して払い戻されたカジノチップにすぐに手を出してはいけない。(うっかり手を出してしまっても、注意されるだけで逮捕はされない!)
 このルール、初心者のためにゲームの流れに沿って説明してみたい。
 ホイールに投げ込まれたボールがポケットに落ちて的中番号が決まったら、ディーラーはただちにその番号が何番であったか全員にわかるように、その番号の上に「的中番号を示すための棒」(ガラスや金属製の 5~8センチ程度の棒状の物体)を置く。この写真の緑の 00番の上に乗っている棒がまさにそれだ。

的中番号を示す棒が 00番の上に置かれた状態。

的中番号を示す棒が 00番の上に置かれた状態。

 この棒を置いたあと、ディーラーには忙しい仕事が待っている。それは、はずれたカジノチップを片付ける(回収する)作業と、的中したカジノチップに対して払戻金を払う作業だ。
 プレーしている人数が多い場合、もしくは個々のプレーヤーがたくさんの場所に賭けている場合、この作業にはかなりの時間を要することがある。逆に人数が少ない場合などはすぐに終わる。具体的には 10秒もかからない場合もあれば、2分以上を要する場合もある。
 ちなみにこの写真は、赤の30番が的中番号で、その番号の上にガラス製の棒が置かれている状態。

的中番号の赤の30番に棒が置かれている状態。

的中番号の赤の30番に棒が置かれている状態。

 この作業をやっている間、ディーラーはカジノチップの回収や払い戻し作業、さらには配当倍率の計算などで視線がテーブル上から離れることもあり、客の不正行為を監視しにくい状態に置かれる。
 不正行為とは、たとえば的中しなかった客がディーラーの視線を盗んで的中した番号にカジノチップを置くとか、赤の番号に10ドル賭けていた者が、赤が的中番号だとわかった瞬間にコッソリさらに何十ドルも追加で置いてしまうなど、いくらでも不正行為はできてしまう。
 そういったことを避ける必要があるため、ディーラーがカジノチップの回収や払い戻し作業をすべて終わるまで、客はテーブル上に手を出してはいけないというルールになっている。
 この「手を出してはいけない」は、あとから的中場所にカジノチップを置いたり追加するという行為はもちろんのこと、的中した自分の払戻金を引き上げる行為も含まれているので、とにかく「いかなる動きもしてはダメ」と覚えておくとわかりやすい。(もちろん腕時計を見たり頭をかいたりすることはかまわないし、自分の手元にあるカジノチップの残高を数えることなども問題ない)

 では、「すべての作業が完了」の瞬間はどうやって見極めればよいのか。それは非常に簡単で、むずかしいことはなにもない。ディーラーが的中番号の上に置いた棒を取り除いたときが 作業完了の合図だ
 つまりその棒を取り除いた段階になってやっとテーブル上に置かれたままになっている、自分の的中したカジノチップ(元の賭け金と、払い戻し金)に手を出してよいことになるし、さらに次の回の新たな賭け金を起き始めてもよいということになる。

000番の代わりにロゴが描かれた台に要注意

 テーブルを見ればわかると思うが念のため。トリプルゼロの台、つまり緑の 000番がある台は避けるべき、ということはすでに述べてきたが、000 という数字が描かれていないトリプルゼロの台が最近増えてきているので要注意だ。
 そのような台では以下の写真のように、000 という数字の代わりにそのカジノのロゴなどが描かれている。見れば簡単にわかるはずなので、だまされる者はいないと思うが、初心者は注意されたし。
 なお、このトリプルゼロの台がいかに不利であるかに関しては、当サイトの週間ラスべガスニュースの バックナンバー第1134号 に掲載されているので、興味がある人は参考にして頂きたい。以下の写真がロゴ型のトリプルゼロ台だ。

本来であれば [000] となっている部分が ロゴに。

本来であれば [000] となっている部分が ロゴに。

Mirage ホテルのロゴが描かれたトリプルゼロ台。

Mirage ホテルのロゴが描かれたトリプルゼロ台。

MGM のトリプルゼロ台。コロナ騒動でマスク着用が義務に。

MGM のトリプルゼロ台。コロナ騒動でマスク着用が義務に。

LUXOR ホテルのロゴが描かれたトリプルゼロ台。

LUXOR ホテルのロゴが描かれたトリプルゼロ台。

Wynn ホテルのロゴが描かれたトリプルゼロ台。

Wynn ホテルのロゴが描かれたトリプルゼロ台。

<お疲れ様でした。以上で ルーレット徹底解説 はこれで終わりです>

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コメント(1件)

  1. Rio より:

    ルーレットが
    >勝敗は技量とは無関係に「すべて運しだい」
    というのはちょっと違います。機械のルーレットは完全に運のみですが、対人ではさまざまなパターンがあります。

    ディーラーの基本
    ・狙ったセクションに投げられる(ただし番号を確実に狙うことは不可能)
    盤の基本
    ・セクションの中で落ちやすい番号がある(物理的なクセ、カジノ側は把握している)

    上記を組みあわせ、ディーラーはある程度狙って落とせます。

    そのため、腕利きのディーラーはベット状況を把握し、投げる速度と回転及び円盤の回転速度を組み合わせ、盛り上げたり総どりしたりして場をコントロールします(下手なディーラーでも同じセクション及び対面に投げることぐらいはできます)。例えば、同じセクションに4回投げ込んでおいて、そこにベットが集中したタイミングで隣のセクションに投げ込んだりする勝ちパターンを各ディーラーが持っています。

    コントロールする意思があればそこには戦略・戦術が発生します。プレイヤーはその裏をかいて勝利することがルーレットの真の醍醐味です。

    また、ルーレットには確率論的なワナはありませんが、無知な客が損をするワナはあります。下記はその一例。
    ・同じセクションにベットを集中させると簡単にかわせるのでディーラー有利になる。
    ・投げ込み位置を変えて超低速で確実にはずす(卑怯な)技がある。
    ・ベットされやすい番号とされにくい番号があり、ディーラーはそのクセを利用する。

    ルーレットは「カジノの女王」と呼ばれます。親しみやすそうで華やかな見た目の裏でヒリヒリする心理戦が繰り広げられている・・・それが「女王の本質」と言えます。

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