来年の春、超ビッグイベントによる激混みに要注意

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 どこの国、どこの都市においても、いつもとはちがう特別な日、つまり「特異日」(もともとは気象用語だが)のようなものがある。
(上の写真は、この記事の中で出てくるラスベガス・レイダースの本拠地「アレジアント・スタジアム」の建設工事現場)

 巨大イベントなどが予定されている日がまさにそれで、日本でいうならば、たとえば北から南に札幌の雪まつり、青森のねぶた祭、仙台の七夕まつり、長岡の花火大会、京都の祇園祭、徳島の阿波踊り、長崎くんち、などのような毎年恒例のイベントもあれば、ラグビーのワールドカップ、東京オリンピック、大阪万博のようなスポット的なものまでさまざまだ。

 これらの日に共通していえることは、来訪者の集中による大混雑や、航空便などの予約のしづらさ、そして宿泊費の高騰などで、その激変ぶりは半端ではなく、イベントによっては宿泊費が通常レートの10倍程度になることも珍しくない。

 ラスベガスにももちろん特異日はあり、このサイト内の 基礎知識セクションの該当ページ にそのような日を掲載しているが、このたび新たに「超」がいくつも付くようなビッグイベントがラスベガスで開催されることになり、ラスベガス旅行を計画している人は、それを知っておいたほうがよいので、あえてここでお伝えしておくこととした。

 まだ来年の話なので、ここで取り上げるのは少々早すぎるかもしれないが、そのイベントの開催日は、2020年4月23、24、25日 の3日間。前後の日も宿泊費は高騰すると思われる。
 ちなみに初日の4月23日のストリップ地区の主要ホテルの宿泊費を調べてみたところ、8ヵ月前の予約だというのに、すでに1泊 $300~400 程度まで上昇しており、通常時よりもかなり高くなっている。
 というわけで、この時期にラスベガス旅行を計画する場合は要注意で、できることならこの3日間と前後の日の訪問は避けたほうがよいだろう。

 そのイベントとは NFLドラフト。ここでいう「ドラフト」とは、意味としては、日本でイメージするドラフト会議と基本的には同じ、つまり、日本ではプロ野球の各球団が新人選手を抽選やその他の方法で選ぶ儀式のことに対してこの言葉が使われることが多いわけだが、この NFLドラフトもそれと同様、アメリカンフットボールのプロリーグ NFL の各チームが新人選手を選ぶ儀式ということになる。

 なぜ、たかがドラフト会議がビッグイベントになってしまうのか。それはもう主催者である NFL側のマーケティングのうまさというより他ない。
 試合でもないドラフトを、国民的なビッグイベントにまつり上げてしまった NFLの手腕は大したもので、もはやスーパーボウル(NFLの優勝決勝戦)と並ぶ全米最大規模のスポーツ関連の興行ともいわれている。

 基本的には、どのチームがだれを選ぶのかという単純な内容ではあるが、その選ぶ場面をショー化し、それを全国ネットでテレビ中継しながら、3日間に渡って大いに盛り上げるところはさすがで、初日に第1ラウンド、2日目に第2ラウンドと第3ラウンド、3日目に第4~7ラウンドの指名が予定されており、選ばれる選手や家族はもちろんのこと、各チームのファンも一喜一憂するという3日間のビッグイベントになっている。
 もちろん各種アトラクションや往年の名選手を交えてのショーなどが多数企画されており、参加者が飽きることなく楽しめるようになっていることはいうまでもない。
 会場は一カ所ではなく、アリーナなどの屋内、さらには広場のような屋外も含め、複数の場所が予定されており、ストリップ地区の全域での混雑が予想されている。

 ちなみに今年の2019年度はテネシー州ナッシュビルで開催され、60万人が押し寄せたというからその規模は半端ではない。前年のテキサス州ダラスでの開催も活況を呈しており、テレビ視聴率も含めて注目度は年々うなぎのぼりだという。

 そして2020年度のラスベガス開催は、宿泊施設のキャパシティーが他の都市よりもはるかに大きい上、レイダースのラスベガス移転が決まっていることから、さらに盛り上がることが予想されており、ラスベガス観光局でも参加者数を推測できないほどのビッグイベントになるだろうと期待されている。
(上の写真は、ラスベガス国際空港内にあるレイダースのショップ。下の写真は、アレジアント・スタジアムの建設工事現場)

 ちなみにレイダースとは、今年までオークランド(サンフランシスコ郊外)を本拠地としていたチームで、2020年秋に始まるシーズンからラスベガスに移転することが決まっており、現在のそのホームスタジアムとなる「アレジアント・スタジアム」の建設工事が、マンダレイベイホテルの西側の空き地で進められている。
(アレジアントとは、ラスベガス国際空港をハブ空港とする航空会社で、このたびスタジアムの命名権を取得。上の写真内の右奥に金色に見えるのがマンダレイベイホテル)

 というわけで、話が長くなってしまったが、この開催期間のラスベガス訪問は宿泊費の高騰や大混雑が必至のため、一般の観光客は避けたほうがよいだろう。もちろん NFLファンにとっては必見の楽しみなイベントであることはいうまでもない。

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