ミスターVEGASのラスベガス大全

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マフィア時代から続く、スーパースターたちも愛したステーキ店

 昔の高級レストランの室内照明は暗かった。暗ければ暗いほど高級というような風潮すらあった。
 ところが今はどうか。客にゴージャスなインテリアを堪能してもらいたいためか、明るい雰囲気の店が多い。

 そんな今の時代、かたくなに昔ながらの伝統を守っている高級店がある。ステーキ専門店の Golden Steer Steakhouse だ。
 場所は、ストリップ大通りとサハラ通りの交差点から西へ約300メートルほどの地点。

 店内は限界に近いほど暗く、ストロボ無しではまともな写真が撮れないほどの環境だが、だからといってストロボの使用など、瞬間的にその場の雰囲気をぶち壊してしまい、周囲からの鋭い視線を浴びることは必至。
 そのようなこともあり、言いわけになってしまうが、このページ内に掲載されている店内や料理の写真は、何一つまともに撮れていない(もしくは無理やり明るさを加工してある)ことをあらかじめお伝えしておきたい。

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 さてこの Golden Steer、照明の暗さをウリにしているわけではない。1958年創業というラスベガス屈指の歴史を誇っており、当時のままの環境で運営を続けているだけであって、暗さはあくまでも結果論というか自然体の姿だ。

 この店の注目は、なんといってもマフィア。もちろん現在マフィアが店に出入りしているというわけでも、マフィアが経営しているわけでもない。あくまでも過去の話としてのマフィア、つまりマフィアがラスベガスを牛耳っていた時代から存在している店ということ。
 だが、それだけでは創業が古い店だったらすべての店に同じようなことが言えてしまい、この店だけが特に注目される理由にはならない。

 実はこのレストランの場合、そんじょそこらのマフィアではなく、知る人ぞ知るアンソニー・スピロトロAnthony Spilotro)が毎晩のように顔を出していた店なのである。
 この人物、当時のラスベガスのマフィア界において最も恐れられていた凶暴な悪党で、警察などが把握しているだけでも 20件以上の殺人事件にかかわったとされているから、その極悪非道ぶりは半端ではない。最期は自らも撲殺され、インディアナ州のトウモロコシ畑に埋められた。

 なお、そんなスピロトロに関してもっと知りたい場合は、実話をもとにした映画「カジノ」(1995年公開、主演:ロバート・デ・ニーロ)を見ていただくのが一番手っ取り早いが、時間がない場合は、その映画の詳細解説がこのラスベガス大全の 基礎知識セクションの該当ページ に掲載されているので、そちらを参考にしていただきたい。
 またラスベガスのダウンタウンにあるマフィア博物館を事前に訪問し(週刊ニュース 第788号 に特集記事)、スピロトロのこの街での悪行ぶりや、当時の時代背景などを知ってから、このレストランに足を運べば、理解も深まり感動もひとしおのはずだ。

 さて、この店の自慢はマフィアだけではない。芸能界やスポーツ界のスーパースターたちも常連客のリストに名を連ねており、当時の様子をうかがい知れる数々の写真がダイニングルーム内に飾られている。(上の写真)
 そのころのラスベガスのカジノホテルは現在のような大規模な施設ではなかったため、飲食する場所に関しては数的にも質的にも今よりも見劣りしており、VIP客をもてなすのにふさわしいゴージャスなレストランは館内に少なかった。
 そのため、ホテルの外に存在する店でもてなすことが多く、その種の店の代表格がこの Golden Steer Steakhouse だったというわけだ。

 当時ラスベガスで常駐ショーに出演していたエルビス・プレスリー、フランク・シナトラ、サミー・デイビスJr. などはベガス在住なので言うにおよばず、モハメド・アリ、ジョー・ディマジオ、マリリン・モンロー、ナット・キング・コールなども、この店の常連客だったとのこと。

 ウエイターに質問すれば、「あの席はシナトラがよく座っていた席」「スピロトロはあっちの裏口を使っていた」など、親切に説明してくれるはずなので、彼らの仕事の邪魔にならない範囲でいろいろ質問してみるとよいだろう。

 ちなみに今回の取材で担当してくれたブライアントさんは、日本文化に興味を持っているようで、かたことの日本語をしゃべるフレンドリーなウェイターだ。受付でブライアントさんを指名してみるとよいかもしれない。

 長くなってしまったので、メニューや料金などに関しては公式サイトを参照していただくとして割愛するが(一流のレベルの料理を提供しているからこそ 60年も営業できているわけで、料理のレベルに関しては安心してかまわない)、とにかくこの Golden Steer にはラスベガスの史実が残されており、まさに「生きた化石」とでも言えるような雰囲気が漂っている。
 サハラ通りという少々不便な場所に立地しているが、ラスベガスファンならば、巨大ホテル内の近代的なレストランばかりでなく、このような歴史ある店で当時に思いを馳せながらディナーを楽しんでみるのも悪くないのではないか。
 営業時間は週7日オープンで 4:30pm から 11:00pm まで。
 公式サイトは goldensteerlasvegas.com

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