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ズーマニティ

シルク・ドゥ・ソレイユが演じるアダルト向けの奇抜なショー。セックスや快楽に対する多種多様な価値観を、役者のパフォーマンスや舞台演出で表現。会場の形が一風変わっているところにも注目。高く評価する者と酷評する者、意見はまちまち。

会場ホテル: ニューヨーク・ニューヨーク
公演時刻: 7:00pm と 9:30pm
休演曜日: 水曜日 と 木曜日
チケット料金: $75前後から

 オウ、KA、ミスティアなどでおなじみのカナダの人気サーカス団シルク・ドゥ・ソレイユが演じるアダルト向けの官能ショー。18歳未満は入場できない。
 2003年の初公演以来、あまり大きな改良が加えられてこなかったが、2015年1月、演出の一部はもちろんのこと、音楽も衣装も 12年ぶりに刷新。新生ズーマニティーとして新たなスタートを切った。

 さて内容についてだが、なんとも奇抜なショーのため、他の公演との比較論としてのコメントはむずかしい。
 ましてや「良い」、「悪い」の評価となると、地元メディアなどの意見も大きく分かれるところで、観る者によってかなり好き嫌いがあるようだ。

 その奇抜な内容を短く簡潔に表現するならば、「それぞれの役者が裸に近い姿や衣装で自由気ままに演じるセクシーなレビュー」といったところだが、このショーの本質は、実際に視覚的に見える演出よりも、思想的なものや価値観の表現にあるのかもしれない。
 事実このショーがデビューした当時のシルク側の広報資料などによると、「あらゆるカタチで存在するセックスや快楽の具象化」というようなことが書かれており、ステージ上でもそういった思想的なものが含まれていそうな演出が随所で見られる。

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 つまり、男と女、男と男、女と女、どの組み合わせによる快楽も否定せず、さらにはチビとデブ、老いと若き、サドとマゾ、黒人と白人、といったありとあらゆるエロスの肯定がこのショーの主張で、実際にそれぞれの立場にふさわしい姿の役者が登場するから興味深い。
 それら一連の演出を、単なる世俗的な「自由な形のセックス」を啓蒙していると解釈するなら、その考えは間違いだ。

 「自由」というと、好き勝手な節度のない形態をイメージしてしまいがちだが、そうではなく、このショーが表現したい自由とは、パートナーの選択としてのダイバーシティー的な自由や権利といった部分、つまり多様性を認め合うことにあるように思える。
 保守的な考え方の持ち主からは反対論も出てきそうだが、LGBT(セクシャル・マイノリティー)に対するメッセージと考えればわかりやすいのではないか。

 ちなみにこのショーのタイトル ZUMANITY は、動物園の Zoo と、人間らしさ Humanity を合体させた造語とのこと。
 たしかに人間も動物と考えれば、なんとも絶妙なネーミングで、この造語を考えた人の想像力(創造力というべきか)には感服するばかりだ。

 そのようなコンセプトで「エロティシズム」の多様性を描写しながらショーは展開していくわけだが、だからといって、いやらしい演出や下品な表現などはほとんどない。
 むしろ、他のシルクのショーでも見られるユーモアとサーカスといった要素に重点が置かれており、官能ショーでありながらシルクのお家芸的なところもしっかり残しているところがこのショーの真骨頂といってよいだろう。

 したがって、エロスの部分だけに注目するならば「まったくシルクらしくない」とも言えるが、ユーモアとサーカスという意味ではシルクのテイストが思う存分発揮されているショーということになる。

 エロスか伝統的なシルクか。どちらの要素を期待して観に行くかは各自の自由だが、少なくとも世間一般で言うところのアダルトショー的な部分を期待して行くことはおすすめできない。
 なぜなら、単純な裸体の露出といった演出などはほとんど無いからだ。つまりストリップショーのような男性向けのショーではない。

 ちなみにこのショーの対象は老若男女。実際の観客においてもカップルが圧倒的に多く、若いカップルもいれば、熟年カップルも少なくない。もちろん同性愛カップルも来ている。
 ちなみに、ユーモアあふれるコメディアンのように振る舞う司会者が、「同性愛カップルの人たちは手を上げてくださぁーい!」などと声をかけたりするので同性愛者の存在もすぐにわかる。

 「思想的な要素が含まれている」などと書いてきたが、お堅い雰囲気が会場内の空気を支配しているわけではないので、かしこまる必要はまったく無い。
 女性に扮した男性の司会者(彼が主役)のリードが実に絶妙なため、ショー全体としては常に笑いが絶えないほのぼのとした雰囲気に包まれており、まさに老若男女が楽しめるショーに仕上がっている。
 世界に数あるシルクのショーの中でも極めて異色の存在なので、シルクファンのみならず、一風変わったショーに興味がある人にも、ぜひこのシアターに足を運んでみることをおすすめしたい。

 シアター内の座席配置は、ステージを馬蹄形状(半円形と考えてもよい)に取り囲むようにレイアウトされており、一般の劇場とはかなり様相を異にしている。
 そしてそれが一階席と二階席に分かれているわけだが、ステージから最後列の席までの奥行きがそれほど深くないので、二階席だからといって決して悪い席ではない。予算に限りがある場合は一階席にこだわる必要はないだろう。

 なお、冒頭でふれたリニューアルの際に、日本人の女性チェリスト Mariko(彼女に関する詳しい情報は、週刊ラスベガスニュースの第981号に掲載)がミュージシャンとして加入。単なる生バンドの中の一人という存在ではなく、シルクらしい独自のメイクと衣装でソロ演奏も披露する重要なパフォーマーとして注目を集めていたが、残念ながら 2018年に退団している。

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