今が絶好のシーズン、ベガスで大ツノヒツジに遭遇できる場所と時間帯

ラスベガス郊外の公園に出没する大ツノヒツジの群れ。後方はミード湖。(筆者撮影。以下も同様)

ラスベガス郊外の公園に出没する大ツノヒツジの群れ。後方はミード湖。(筆者撮影。以下も同様)

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 今週は、当地ラスベガスからそれほど遠くない場所で野生の動物の群れにかなり高い確率で遭遇できるという話。
 その「それほど遠くない場所」とは、ラスベガスのホテル街から南東方向に車で約45分ほどの Boulder City という町の中にある公園で、「野生の動物」とは日本語で大ツノヒツジなどと訳されたりする bighorn sheep だ。

通常は険しい山岳地帯の断崖絶壁などに住む大ツノヒツジ。

通常は険しい山岳地帯の断崖絶壁などに住む大ツノヒツジ。

 公園という人工的に造られた場所での、大自然の山岳地帯に生息している野生の大ツノヒツジとの遭遇は全米レベルでも非常に珍しいことらしい。
 貴重な体験となるはずなので、ラスベガス旅行においてレンタカーを利用する予定の人はぜひ現場を訪れてみるとよいだろう。

 せっかくなので現場の状況や大ツノヒツジに関してもう少し詳しく説明しておきたい。
 まずは現場の公園について。公園の名前は Hemenway Park。野生動物が出没するからといって大自然の中にある広大な公園を想像してはいけない。
 住宅街に面したごく普通のありきたりな公園で、サイズ的にもアメリカの公園としてはかなり小さい。具体的な広さとしては1辺が約150mのほぼ正方形と考えればよいだろう。

住宅街のごく普通の公園のため子供向けの遊具などもある。

住宅街のごく普通の公園のため子供向けの遊具などもある。

 下の写真の中央上部の濃い緑色の部分がその公園。公園内に2つ並ぶテニスコートや、写真内の右下に2つ見える扇形の野球グラウンドと比べれば大して広くないことがわかるはずだ。
 公園の左側に点々と並んで見えるものは住宅なので人間の生活圏内ということになるが、写真の右半分に見えるのは荒野なので大自然とまったく無縁という環境ではない。

中央上部の濃い緑色の部分が公園。(Google Map より)

中央上部の濃い緑色の部分が公園。(Google Map より)

 現場への行き方はグーグルマップなどで「Hemenway Park Boulder City」などと検索すればすぐにわかるはずなのであえて説明は省くが、フーバーダムの手前8km ほどの地点と覚えておくとわかりやすい。
 公園への入場はもちろん無料。駐車場も完備。

 さて大ツノヒツジそのものにも触れておきたい。
 国立公園や管理当局の公式サイトなどによると、アメリカ西部を代表する野生哺乳動物で、当地ネバダ州以外にも広く生息。
 ただカリフォルニア州のシエラネバダ山脈に生息する種や、ロッキー山脈周辺に生息する種とは微妙に異なっており、ネバダ州の大ツノヒツジは砂漠地帯に住むため水が少ない環境にも適応しているのが特徴とされている。
 どのエリアの大ツノヒツジも天敵(マウンテンライオン、コヨーテ、ヤマネコなど)との遭遇を避けるために極めて険しい急斜面の岩場などで暮らすことが多く、蹄などもそれなりに進化しているのが特徴のようだ。
 食料は主にだが、低木、サボテンなどを食べることもあり、寿命は6~8年とのこと。

 通常は険しい山岳地帯に生息しているため大ツノヒツジは見たくても簡単に見ることができない動物とされている。
 ラスベガスから比較的近いエリアで遭遇できる可能性が高いのは、グランドキャニオンからフーバーダム付近までのコロラド川沿いの険しい崖などとなっているため、川下りツアーなどで運良く見ることができたという人は少なくない。

家族連れにも最適な公園。

家族連れにも最適な公園。

 それほど珍しい大ツノヒツジがなぜ住宅街の公園に出没するようになったのか。
 公園の芝生の味を覚えたことをきっかけに、いつの日か毎日のように集団で出没するようになったようだ。
 ここまで「公園」と書いてきたが、実はこの公園周辺の道路(93号線)沿いにある空き地ではかなり以前から雑草などを食べる大ツノヒツジが目撃されてきた。
 ラスベガスからグランドキャニオンやフーバーダムに向かう際にこの93号線を通ることになるため、ラスベガスの住民の多くはこのエリアに大ツノヒツジが出没することは知っていて、筆者もそのうちの一人ではあるが、近年その道路沿いから公園に出没場所が移動し、群れの数が急増しているという。

カップルも少なくない。

カップルも少なくない。

 野生動物に餌を与えてはならないことは生態系維持のためにも世界共通の重要な認識。
 ということは、公園の芝生はあくまでも人間が植えたものなので、大ツノヒツジの公園への進入を野放しにしていることは、餌を与えることと同様な生態系の破壊にならないのか。
 一部でそういった議論もあるが、実は1960年代にネバダ州全域で 3000頭にまで減ってしまった個体数を増やすためのさまざまなプロジェクトの一部としてこの公園への出没を認めており、現時点では公園を管理するネバダ州とボールダーシティーの管理当局としては現状に特に何か変更を加えることは検討していないようだ。
 ちなみに 2021年における個体数は 12000頭以上に増えているとのこと。

山に帰って行く大ツノヒツジのペア。(2023年8月29日 6:50pm に撮影)

山に帰って行く大ツノヒツジのペア。(2023年8月29日 6:50pm に撮影)

 さて、人間の手によって個体数を増やすことへの賛否はともかく、大ツノヒツジを見に行きたい者にとって一番気になるのは群れに遭遇できる季節や時間帯だろう。
 結論から先に書くならば、どの季節でも出没する可能性はある。ただ寒い冬よりも行動が活発になる春以降、特に繁殖期とされる夏から秋にかけてが出没頻度も頭数も多くなる傾向にあり、今がベストシーズンということになる。

 時間帯は朝のこともあれば真昼もあるが、一般的には夕方が一番多い。今の時期であれば夕方に行けばかなりの確率で(たぶん90%以上)遭遇できると考えてよいのではないか。
 とはいえ、上の写真のように日没前に山に帰ってしまうこともあるのであまり遅い時間帯は要注意。

最低でもこの程度の距離は離れて撮影するようにしたい。

最低でもこの程度の距離は離れて撮影するようにしたい。

 最後に、現場に行く場合の注意点を3つ。
 当たり前のことではあるが、絶対に餌を与えたり近づいたりしてはならない。
 それともう一つ、これは意外と忘れがちだが犬の同伴は厳禁ということ。大ツノヒツジを脅かしてしまうからだ。
 最後は近隣住民への配慮。最近は観光バスも立ち寄ったりしており、年々訪問者が増えていることを近隣住民は歓迎していないらしい。周辺地域の静寂を損なわないよう常識をわきまえて訪問するようにしたい。

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コメント(1件)

  1. NY より:

    この公園まで500m強しか離れていないBootleg Canyonに
    何回かトレッキングに行っており、野ウサギ(Hare)はよく見かけましたが、
    こんな大きな動物もいるとは。次回はこの公園にも立ち寄らねば。

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