新規感染者、ついにネバダも急増州に、要注意はエレベーター

アメリカ全体の日々の新規感染者数。16万人を突破。(以下すべてグラフは NY Times より)

アメリカ全体の日々の新規感染者数。16万人を突破。(以下すべてグラフは NY Times より)

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 日本でも新型コロナの新規感染者数が急増しているようだが、アメリカはもっとすごいことになっている。
 上のグラフからもわかるとおり、ここ数日の日々の新規感染者数は15万人を超え、もはや 20万人に迫ろうとしているから驚きだ。
 日本は 2000人を超えたことがニュースになっているので、その差はざっと100倍。人口が日本の3倍程度であることを考慮に入れたとしても、日米の差はあまりにも大きい。

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ついにネバダ州も感染者急増州に

 もちろん検査を受ける人の数、検査方法、集計方法、感染者の定義などに違いがあると思われるので、数字だけを単純に比較するのは危険だが、アメリカが日本よりも遥かに深刻な状況であることは間違いないだろう。
 といっても、そんなことはここの読者の多くがすでにわかっている周知の事実。アメリカやヨーロッパが深刻な状況になっていることは日本でも日々報じられており、今さら新しい話題ではないはずだ。
 というわけで、今回ここで伝えたいことはアメリカ全体ではなく、ついにここネバダ州ラスベガスにもコロナの波が押し寄せ、同州が全米屈指の感染者急増州になってしまったという残念な現実だ。

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地域によってばらつきがあるのは当然

 日本でもアメリカでも、都市部と地方では感染者の絶対数が大きく異なっている。各地域で人口数が異なるので当たり前のことではあるが、人口比で比べてみても地域によってばらつきが見られるのは日米に共通している傾向だ。
 つまり人口のわりに感染者数が少ない都市もあれば多い都市も存在し、そのような地域差が生じること自体、日本でもアメリカでも特に不思議な現象ではない。

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日本では流行の時期のズレが少ない

 しかしアメリカだけで見られる顕著な傾向がある。それはアメリカの各地における流行の時期のズレだ。このズレが想像以上に大きい。
 日本の場合、感染者の絶対数こそ地域ごとに差があるものの、感染第1波や第2波などのタイミングは日本全国どこの都道府県でも大きな差は見られなかったし、現在進行中の第3波でも似たような傾向だ。つまり東京で感染者が増えれば、遅からず大阪でも北海道でも増える。

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アメリカではズレが非常に大きい

 ところがアメリカの場合、国土が広いからと言ってしまえばそれまでだが、各州によって流行の時間差があまりにも大きいことに驚かされる。
 たとえば3月後半から4月にかけてニューヨークを中心に米国北東部で感染者が急増し、そのパニック的な状況が世界中を震撼させたことは記憶に新しいが、そのころロサンゼルスやラスベガスなど西海岸地域では感染者が増えるような傾向はほとんど見られず比較的平穏な状態が続いていた。
 その後、ニューヨーク周辺での流行がすっかり落ちついた7月ごろから、フロリダ州、テキサス州、アリゾナ州など南部の州に感染が急拡大し大きな騒動となった。
 そしてその南部での大流行がすっかりおさまった 10月になると、今度はシカゴなどの五大湖地方から中西部に感染の中心地が大移動した。

ニューヨーク州の日々の新規感染者数。3月から4月にかけての悪夢のような事態は記憶に新しい。

ニューヨーク州の日々の新規感染者数。4月の悪夢のような事態は記憶に新しい。

ネバダ州では平穏な時期が続いていた

 いくら国土が広いとはいえ各州が陸続きになっていることを考えると、この流行の時間差の大きさはアメリカの専門家などにとっても想定外だったようで、現在でも分析や研究が進められているらしい。
 そのように大流行のエリアは全米各地をゆっくりと移動していたわけだが、その間、幸いにもここネバダ州では第1波こそハッキリ現れていたものの、その後は他の州との相対論として比較的穏やかな感染傾向が続いていた。(下のグラフはフロリダ州)

フロリダ州の日々の新規感染者数。7月には 15,000人を突破。最近また増加傾向に。

フロリダ州の日々の新規感染者数。7月には 15,000人を突破。最近また増加傾向に。

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第2波で、感染密度は日本の40倍?

 ただしそれは 10月末ごろまでの話。残念ながらここ数週間、感染者の絶対数はともかく(砂漠地帯のネバダ州は人口が少ないので絶対数はそれほど多くない)、感染者数の増減率としては全米屈指の上昇トレンドに入っており、とうとうネバダ州にも大きな第2波がやって来てしまった。
 ラスベガスを有するネバダ州の人口は約300万人(その内の約200万人がラスべガスおよびその周辺)、直近1週間の1日あたりの新規感染者数は 1500~2000人で、1億人以上を有する日本の直近の新規感染者数とほぼ同じレベルと思うと本当に恐ろしい。人口比での感染者密度は「ネバダ州は日本の約40倍」ということになってしまう。

ラスベガスを有するネバダ州の日々の新規感染者数。先週は 2,000人を超えた日も。

ラスベガスを有するネバダ州の日々の新規感染者数。先週は 2,000人を超えた日も。

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日本では検査数が少ない

 話をここで終わりにしてしまうと、「今のラスベガスは日本の40倍も危険なのか!」と解釈されかねず、ラスベガス旅行を日本の読者に奨励している当サイトとしてはここで終わらせるわけにはいかない。どう考えても40倍も危険ということはないはずなので、その理由をいくつか列挙しておきたい。
 まず第一に、表面化していない無症状の感染者数の存在比率は日本のほうがかなり高いと思われる。つまり実際の感染者密度は40倍もの差がないのではないか。
 というのも、アジア人のほうが重症化しにくいという説もさることながら、PCR検査を受ける者の数が日本では非常に少ないと推測されるからだ。

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無料でドライブスルーなら増えて当然

 ネバダ州では無料あるいは格安の料金で検査を受けることが出来るが、日本では1万円以上と聞く。
 さらに検査を受ける環境が日本とネバダ州では大きく異なっており、当地ラスベガスでは広い駐車場でドライブスルー形式の検査を受けられたりするため、無症状でも検査を受ける者が少なくない。検査を受ける者が多ければ、感染者と認定される者が多くなるのは当然の成り行きだ。

S.ディスタンスが短い日本の飲食店

 感染リスクに直結するいわゆる「密」のレベルも大きく異なっている。東京や大阪を始めとする日本の都市部では、ラッシュ時の通勤電車など極度な密になる場面が少なくないが、ラスべガス観光においてそのような状況に遭遇する機会はほとんど無い。
 レストランなどで食事をする環境もラスベガスは日本と比べると遥かに安全と考えてよいのではないか。日本では換気やアクリル板の設置などで対応はしているものの、客と客との距離、いわゆるソーシャルディスタンスが1メートルにも満たいない飲食店が多いと聞く。

コロナに対する意識は低くない

 一方、州知事が民主党ということも影響しているのか、ラスベガスの飲食店では条例により、6フィート(約1.8m)以上と決められたソーシャルディスタンスの確保がかなり徹底されている。
 また、カジノなどでもアクリル板で仕切られている場所が多く、さらにマスクの着用も義務化されているなど、コロナに対する意識は決して低くない。
 さらにボクシング、アメリカンフットボール、ゴルフトーナメントなど、スポーツイベントも無観客での開催を厳守しており、できる限りのことはやっていると考えてよいだろう。

年末のカウントダウン花火は中止

 そもそもネバダ州の面積は日本全体の 75% もあり、そこに日本の 40分の1の人口しか住んでいない。滞在中の観光客を含めたところで、日本とは人口密度において雲泥の差があり、「密」にはなりにくい環境にある。
 もちろん密とまったく無縁というわけではないが、年末のカウントダウン花火大会を中止にしたり、大型コンベンション、ナイトクラブ、ナイトショー(条件付きで開催が解禁されたが)などを見合わせているなど、それなりの対策は講じられている。

エレベーターでの飛沫感染

 というわけで極度に恐れる必要はないと思われるが、何ごとにおいても油断は禁物。
 専門家などの話を総合すると、現時点のラスべガスのコロナ対策において盲点というか要注意の場所は、ずばりカジノホテルなどにおけるエレベーターとされる。特に危険なのが、直前に乗っていた者がエレベーター内でしゃべっていたりした場合のエレベーターだ。
 ようするに、あくまでも推論の域を出ていない話ではあるが、空気感染、つまり感染者が吐き出す空気による感染はあり得ないと仮定し、クシャミや咳や会話などによる飛沫粒子が感染源と成り得るとした場合、しゃべっていた者が降りた直後のエレベーターはかなりリスクが高いことになる。

日本の場合、無言の者が多い

 日本でもエレベーターに乗る機会はいくらでもあるが、乗っている間にしゃべっている者は意外と少ないのではないか。満員電車も密の環境ではあるが、ほとんどの乗客は無言で静かに乗っている。
 それが理由かどうかわからないが、日本においてエレベーターや電車が感染源になったという話はほとんど聞かない。
 しかしラスベガスのエレベーターの場合、観光客が非日常の世界に来ているということもあり陽気に会話をしていることが多く、飛沫が浮遊している可能性が少なくないので要注意というわけだ。

エレベーターの人数制限は有効ではない

 カジノホテル側もこの件に関して無関心でいるわけではない。エレベーター乗り場に「一度に乗れるのは4人まで」などと掲示したりしている。
 しかしこの人数制限は有効な対策とは成り得ないだろう。というのも、4人であろうが3人であろうが、直前に乗っていたグループが大声でしゃべったりしていたら飛沫が浮遊している可能性があるからだ。
 むしろ人数制限をしないほうが、見知らぬ他人が乗っているので静かにしている可能性が高くなるかもしれない。

1分以上、息を止めるのは苦しい

 エレベーターがこわいからと言って、20階や30階の客室に非常階段などで行くことは現実的ではない。
 エレベーターに乗ることを前提として感染を避けたいのであれば、乗っている間は息を止めておくというのが最善の策のようにも思えるが、それには限界がある。1分程度の我慢ならともかく、それ以上となると苦しい。そもそも途中の階で何度も停止したら1分では済まない。
 ではどうするべきかということになるが、残念ながら良いアイデアが浮かばないので、もし読者の中で良いアイデアが浮かんだら、この記事の下のコメント欄に投稿していただければ幸いだ。

駐車場のエレベーターは避けられる

 というわけで客室へのエレベーターを使わないというのは現実的ではないし、それに対する感染対策を示すことが出来ないのは残念だが、知っておいたほうがよい現実的な場面がある。それは駐車場のエレベーターだ。
 このエレベーター、気のせいかもしれないが、客室へ行くエレベーターよりもワイワイ騒いでいるグループに遭遇することが多いように思える。
 今の時期、ここの読者でラスベガスへ行く機会がありそうなのは在米の日本人が多いと思われ、その場合、ロサンゼルスなどから陸路でアクセスすることを想定すると、宿泊ホテルの駐車場を使うことになるわけだが、駐車場と館内を結ぶこのエレベーターは可能な限り避けたほうがよい。わずか数階の移動なので避けることは簡単なはずだ。エレベーターの脇に必ず非常階段があるのでそれを使うようにしたい。
 なお、わずか数階の移動なので息を止めていられると思い込みエレベーターに乗るのも悪い発想ではないが、途中の階で停止したら我慢できなくなること間違いなしなので、おすすめできない。

重症患者数と死亡者数の増加

 さてここまで、ラスベガス旅行を日本人読者に奨励している立場として楽観的なこともたくさん書いてきたが、かなり心配な状況になってきていることも事実で、今後の成り行きが非常に気になっている。
 というのも、コロナ関連のデータを集計している非営利のボランティア団体 COVID Tracking Project によると、重症化している患者数や死亡者数が、検査数や感染者数の増加率を大きく上回っているからだ。これは非常に憂慮すべき事態で、当地に住む者も訪問者もマスクの着用や手洗いなど最大限の注意と警戒を怠らないようにしたい。

ワクチン開発に見るアメリカの底力

 最後に、そんな厳しい状況の中でコロナ関連の明るいニュースが飛び込んできた。アメリカのファイザー社モデルナ社によるワクチン開発の話だ。かなり有望らしい。
 マスクもせずに大騒ぎをしているデモ隊などのテレビ映像を見て、我々はコロナに対するアメリカ人の意識の低さを嘆いたり見下したりすることも多いのではないかと思われるが、その一方で、ワクチン開発で遅れを取っている日本がアメリカの製薬会社からワクチンを買う契約を結んだとの話を聞かされると、日本の出遅れ感アメリカという国の底力を感じずにはいられない。
 国の利害はどうであれ、とりあえず今はそれらワクチンが本当に有効でコロナの終息に役立つことを願うばかりだ。

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コメント(2件)

  1. キース より:

    ロサンゼルス在住ですので、今年の年末休みは車でラスベガスに行こうかと検討していますが、気がかりはやはりエレベーターです。ルクソールで一階の部屋をリクエストするか、モーテルか、などと考えたり、部屋で長く過ごすことを考えて、ベネチアンやリノのようなスイートにするか、いっそのことレイク・ラスベガスにするか、やっぱり行くの止めるか、をぐるぐる考えてまだ決断できずにいます。難しいところです。

  2. NY より:

    医薬品開発の研究開発費の金額は、欧米の巨大製薬企業と日本企業では数倍の開きがあります。ワクチンに限らず全ての医薬品について、日本の製薬企業は後塵を拝しています。さらに、日本は政府がワクチン開発に積極的に取り組んで来なかったため、ただでさえ研究開発費が少なくて医薬品開発が遅れているのに、ワクチンに至っては惨憺たる現状で、ワクチンを開発できる日本の製薬企業は少ないのです。
    つまり、アメリカの底力ではなく、十分な研究開発費がないこともあり、そもそも日本の医薬品開発力が劣っているのであり、COVID-19に関してだけ出遅れているわけではありません。最初から劣っているんです。

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