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滑走路の工事による離着陸制限、サンフランシスコ経由は要注意 この事案は 2019年9月27日に終了

 半年前から決まっていたことではあるが、9月7日から9月27日までの期間、サンフランシスコ国際空港(以下 SFO)のメイン滑走路が修復工事のため閉鎖されることになった。(上の写真はラスベガス国際空港)

 この期間は、日本の連休と重なるため、日本からのラスベガス訪問者が多い時期でもあり、乗継便などへの影響が心配される。
 ちなみに日本からラスベガスへのノンストップ便は現在存在していないため、サンフランシスコロサンゼルスを経由するのが一般的で、ここの読者の中にも、以下に示すユナイテッド航空からの遅延予告メールを受け取り、困惑している人も多いようだ。
 というわけで、今週のこの記事は、この工事期間中に SFO経由での旅行を計画している人のためのもので、それ以外の人にとっては読んでいただいても意味がない。

 今回の工事は、滑走路の老朽化によるひび割れなどの修復と、路面の強度アップのための改良が目的とのこと。
 各メディアの報道によると、この工事の影響により SFOの発着便全体の 13%ほどのフライトがキャンセルにならざるを得ない状況で、また、キャンセルにならないフライトにおいても最大で2時間ほどの遅れが出る可能性があるとしている。

 キャンセルになるフライトの数は、到着便と出発便がほぼ同数になることは言うまでもないが(同数でないと航空機が空港に溜まりすぎてしまうか、たりなくなってしまう)、キャンセルにならずに運行することになるフライトの遅延は、到着便よりも出発便に集中するだろうというのが関係者の予想だ。滑走路が混雑しているからといって、到着便が上空で旋回しながら着陸を待機する時間には限度があるからだ。

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 そのように考えると、ラスベガス旅行の往路において、日本から SFOに到着する国際線の着陸の遅延よりも、SFOからラスベガスへの国内線の離陸の遅延のほうが心配されるわけで、その場合、乗り継ぎのための時間が通常よりも少なくなってしまうということは起こりにくい。
 また帰路においても同様に、ラスベガスから SFOへのフライトの離陸が大きく遅れない限り、SFOから日本へのフライトの出発が遅れても、乗り継ぎに間に合わないという心配は無用ということになる。
(ちなみに工事で閉鎖になる滑走路は、これまでおもに着陸用に利用されてきたという経緯があるが、工事期間中は残された滑走路を臨機応変に利用することになっている)

 したがって、すでに SFO経由のフライトを予約している者にとっての最大の関心事は、乗り継ぎのための時間的な余裕ではなく、フライトのキャンセルということになるわけだが、残念ながらユナイテッド航空は、工事期間中の全日程におけるキャンセルすべきフライトをまだ完全には決めていないようだ。

 なお今ここでユナイテッドという特定の航空会社名を出したのには理由がある。この空港の発着便全体の半数近くがユナイテッドのフライトが占めており、圧倒的なプレゼンスがあるばかりか、SFOで乗り継ぐ旅行者の大半がユナイテッドを利用するからだ。(下の写真はラスベガス国際空港でのユナイテッド機)

 そしてこのたび 8月26日、そのユナイテッド航空が、SFO経由でのフライトをすでに予約している者に対して、以下のようなメールを突然一斉配信したため、滑走路の閉鎖が広く知れ渡ることになり、騒ぎが大きくなっている。
(英文のメールではあるが、これは日本で予約した一般の日本人の予約者に対して送られてきたメールのスマホ画面のスクリーンショット。全世界、英文で対応しているものと思われる)

 書かれている内容を簡単に要約すると、「滑走路の工事による遅延などが予想されるので、旅行日程を早めたり遅くしたり、もしくは経由地を変更するなどしたい場合は、変更手数料なしで対応させていただきますのでコンタクトしてください」というもの。(なお、このメールが送信された 8月26日以降に予約行動を取った者は、この対応の対象外)

 さてこれに対してどのように応じるべきか。日本からの旅行者の大多数にとって、日付の変更は現実的ではないと思われるので、経由地を変えるかどうかの決断になるはずだ。
 では経由地を変える場合、どのような選択肢があるのか。一番最初にだれもが思いつくのはロサンゼルスだろう。ただ、満席の可能性が少なくない。
 ではロサンゼルス、サンフランシスコ以外で、ユナイテッドが運行している米国の都市はどこかというと、デンバー、ヒューストン、シカゴ、ニューアーク、ワシントンDC ということになるわけだが、ラスベガスとの位置関係という意味では、デンバー以外は現実的ではない。
 なお、ユナイテッドと同じグループ(スターアライアンス加盟社)の全日空およびエアカナダの国際線フライトに手数料無しで切り替えてもらえるようであれば(ケースバイケースのようだ)、サンノゼ、シアトル、バンクーバー経由という選択肢もあるが、国内線の部分の航空会社や便数を考えると、いろいろ問題がありそうだ。したがって、経由地を変えるのであれば、デンバーに落ち着くのではないか。

 変更の手続き自体は、そのユナイテッドからのメール内に記載されている公式サイトなどを通じて行うことができるが、作業が複雑だったりする可能性があるので、もし旅行代理店などを通じて手配している場合は、そこに任せてしまうのが手っ取り早いかもしれない。

 いずれにせよ変更手続きをする前に、すでに予約済みのフライトのキャンセルあるいは運行が決定しているかどうかを公式サイトなどで確認するべきで、運行が決定していれば、特に変更する必要はないと思われるが、滑走路の渋滞で離陸が遅れラスベガス到着が予定よりも大幅に遅れることを想定し、到着した晩のナイトショーなどは予定に入れないほうがよいだろう。
 ちなみに SFOでは、今回と似たような滑走路の工事を2年前にもやっており、そのときは2時間以上遅れたフライトが続出したらしい。乗り継ぎの時間に心配はなくても、長時間の遅れに対する覚悟は必要と思われる。

 参考までに、今回閉鎖が予定されている滑走路は、この写真(Google Map より)内に見える4本ある滑走路のうちの 10R/28L だけだ。
 ただ、この滑走路の中央付近は 1R/19L や 1L/19R の滑走路と交差しているため、その2本の使用も工事の影響を受けることになり、工事期間中の運用はかなり困難を極めるらしい。

 さて、ここからは SFOの工事とはまったく関係ないどうでもいい余談。
 これら滑走路番号(滑走路の両端に実際に番号が記載されている)は、進入の際の方角を示しており、真北から時計回りにその角度を10度単位の数字で表記するように決められている。(下の写真は、上の写真の右下部分の拡大)

 つまり、たとえば真東は 90度、真南は 180度なので、真東に向かって進入するように造られている滑走路の場合は 9 の数字が、真南の場合は 18 が、パイロットに見えるように大きく示されることになる。
 さらに SFO のように2つの滑走路が並行して存在する場合は、その2つを区別するために、パイロットから見て左側の滑走路に L、右側の滑走路に R が付けられる。
 したがって今回閉鎖される 10R/28L の滑走路は、28L 側から進入する場合、北から時計回りに 280度の角度、つまり真西を意味する 270度よりも少しだけ北寄りなので、おおむね西北西に向かっていることになるが、厳密に見ると、実際にはそうなっていない。西北西よりもやや北を向いている。
 理由は、滑走路番号において基準となる真北は、地図上の真北ではなく、磁石が指す真北が採用されているからだ。GPS などがない時代、視界が悪い中を飛行する際は、地図よりも計器が頼りになったはずなので理屈としては当然か。

 一番わかりやすい例が、この写真。これはラスベガス国際空港において、着陸用に最も多く使用されている滑走路の東端の様子。
 この滑走路は地図でいうところの真東から真西にのびており、つまり正確に東西方向に敷設されているわけだが、だとすると、滑走路の東端に記載されているこの写真の数字は、真西(270度)に向いていることを示す 27 でなければならないはず。しかし実際には 25 となっている。
 これは、磁石が示す北が、地図上の北と一致していない何よりの証拠で、北米地区における磁石の真北は東方向にややずれているのである。

 日本における地図上の北と磁石の北のズレがどの程度なのかに興味がある場合は、日本の各空港の滑走路の両端の様子を Google Map などで拡大してみるとよい。
 その場合、滑走路がほぼ完全に南北、あるいは東西に敷設されている空港のほうがわかりやすいが、そのような空港は残念ながらほとんど存在していないのが現状。だが日本にも2つだけある。大分空港広島空港だ。はたして滑走路番号が東西南北を示す 9、27、18、36 になっているかどうか…。

 最後に驚くことなかれ。この磁北極、毎年数十キロメートルほども、あっちこっちに動いている。その速度も方向も不安定で、数年先はどこが磁北極になっているかわからない。地球内部の動きは想像以上に活発のようだ。

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