ラスベガスに高さ約10mの大阪城のレプリカが出現

※2019年6月15日に展示終了

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 ラスベガスにエッフェル塔や凱旋門があることは、ここの常連読者ならば周知の通り。

 その他にも、エジプトのピラミッドやスフィンクス、ニューヨークのエンパイアステートビル、自由の女神、さらにはベネチアのゴンドラ、サンマルコ広場の鐘楼、ローマのコロッセオ、ミュンヘンのホフブロイハウス、そしてトレビの泉やベルギーの小便小僧までもある。

 とにかくラスベガスには世界的名所を模倣した建造物やアトラクションが多く(もちろん無断コピーではない)、もはやそういった「レプリカの展示場」的な演出は観光都市ラスベガスの文化にすらなっている感があるが、そんななか、このたび大阪城がそれらレプリカ建造物群の仲間入りを果たした。

 といっても残念ながら恒久的な常設の建造物ではなく、3月15日から6月15日までの期間限定なので(それ以降は撤去されてしまう)、完全な仲間入りというわけではない。

 出現した場所は、ベガスリピーターならすでに写真などから想像がつくとおり、ベラージオホテルの室内植物園「Conservatory & Botanical Gardens」の中。
 ここでは年に数回、花を多用した展示が、季節に合わせたテーマに基づき模様替えされることになっており、今回の大阪城は「The beauty of spring in Japan」と題する日本の春をテーマにした演出の中のメイン展示物として出現。

 ベラージオ側の説明によると、高さは約10メートル。設営にはそれなりの苦労や工夫がなされたことが現場に記載されているが、なにゆえ大阪城なのかは特に説明がない。

 ちなみに大阪城の他に、桜が多用されていることは言うまでもなく、さらに2つの鳥居、2羽の鶴、そして錦鯉が泳ぐ日本庭園などが再現されており、総じて「日本」をうまく演出しているが、「春」という部分に関していえば、大阪城公園だけが日本を代表する桜の名所というわけではなく、また「城」が日本を代表する建造物だとしても、姫路城、名古屋城など著名な城はいくつもあるわけで(ちなみに姫路城は世界遺産、大阪城はそうではない)、大阪城が演出の中心に選ばれた経緯に関しては、突っ込みどころがあるというか、非常に興味深い。

 というのも、このベラージオホテルを運営する MGM社は、大阪IR(カジノを含む統合型リゾート)への進出を熱望しているとされているからだ。
 大阪城を演出することによって、大阪側の関係者らに熱意をアピールしたり何らかのメッセージを送りたいのか、それともここ数年、MGM社の幹部がたびたび大阪に出向いていた中で、たまたま大阪城が目に焼き付いてしまい姫路城でも名古屋城でもなく大阪城になったのか、そのへんのことはわからないが、とにかくMGM社と大阪IRの関連を意識してしまう演出であることは間違いない。

 とはいえ、MGM社側に大阪IRと関連付けたい意図があったにせよ、それ自体は特に悪いことではないので、日本人としてはこの演出を素直に歓迎し、誇りを持ちながら観賞すればよいような気がするが、はたして読者の感想はいかに。

 展示会場は24時間オープン、入場無料。宿泊者以外も入場可能。
 場所はベラージオホテルのチェックインカウンターに向かって立って右手方向に見えるのですぐにわかる。

 最後に、参考までに今回の展示に関して、同ホテルの広報資料には以下のような記載があることを付け加えておきたい。

The Osaka Castle is one of the most iconic and historic castles in all of Japan. It has been chosen to host the 2025 World Expo, with MGM Resorts Japan as a proud supporting partner.

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