ラスベガスにおける無料アトラクションといえば、なんといってもベラージオホテルの噴水ショーがその代表格。(写真下)
そのことに異論はないだろうが、噴水ショーはベラージオだけではない。規模こそ大きく異なるものの、プラネットハリウッドホテルに併設されているショッピングモール内の噴水(この週刊ラスベガスニュースの第628号で特集)、郊外型カジノホテルのサムズタウン内のもの(同、773号)、さらにアリアホテルの正面玄関前、フラミンゴホテルの北側に位置するプロムナード LINQ 内、シーザーズパレスのフォーラムショップス内など、それなりに工夫をこらした噴水ショーは複数存在している。
今週は、そんな噴水を使ったアトラクションの中でも最も新しい(といってもすでに数ヶ月が経過しているが)、ウィン・ラスベガスのもの(写真下)を紹介してみたい。
場所は、ストリップ大通りと Sands アベニューの交差点。ウィン・ラスベガスの敷地内で最も交差点に近い位置と覚えておけば、探し出すのに苦労はしないはずだ。
この噴水ショーの最大の特徴は、エンドレスで行われているということ。つまり他の噴水ショーとは異なり、上演時刻を待つ必要がない。午前中から深夜まで、途切れることなく音楽が流れ(フランク・シナトラなど往年の曲が多い)、それに合わせて噴水が踊り続ける。いつ行っても観ることができるので、滞在期間が短い旅行者にとっては市内観光の日程に組み込みやすく大変ありがたい。(ただし深夜零時から早朝にかけては上演停止)
ベラージオホテルのものとの最大の違いは(規模の違いは無視するとして)、噴水を照らし出す照明がカラーであるということ。色付きの演出はベラージオでは観られないので(特別のイベントでの上演のときは色付きもあるが)、その部分を意識しながら鑑賞すればそこそこ楽しめるはずだ。
その他にはこれといった特徴は見当たらないが、しいてあげるならば、噴水のまわりを一周できるようになっている部分に注目したい。周囲を移動しながら、いろいろな角度から観るようにすると、背景がウィンからパラッツォホテルに、さらにトレジャーアイランドホテルからファッションショーモールに変化したりするので、撮影スポットとしてはおもしろいかもしれない。このページの文末に並べた写真は、そんなことを意識しながら撮ってみたさまざまな角度からの写真だ。
最後に余談になるが、ベラージオの噴水ショーを企画し実現させたのは、このウィン・ラスベガスのオーナーであるスティーブ・ウィン氏。そして今回の噴水のデザインや設置を担当したのはベラージオのときと同じ WET Design社。
現在のベラージオとウィン・ラスベガスは互いにライバルであり、提携関係などにあるわけではないが、こと噴水に関しては何か因縁じみたものを感じずにはいられない。
ちなみにウィン氏はベラージオを建設したあと、経営難に陥り、当時所有していたいくつかのホテルと一緒にベラージオを MGM社にやむなく売却。その売却資金を元手に、当時の日本のパチスロ製造業アルゼ社(現ユニバーサルエンターテインメント社)の会長だった岡田和生氏のサポートを得て建設したのがウィン・ラスベガスだ。