主要29ホテルの最新のウーバー乗り場を徹底調査

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 スマートフォン・アプリを使ったライドシェア (個人の乗用車に乗せてもらう交通手段)の勢いが止まらない。(下の写真は、ラスベガス国際空港の第3ターミナルにあるライドシェア用の乗り場。クリックで拡大表示)
 業界首位のウーバーUBER)社と、そのライバルのリフトLyft)社は世界中でその存在感を増してきており、ここラスベガスでも例外ではなく、このままだと数年後にはタクシー業界を駆逐してしまうのではないかと思われるほどの勢いで急拡大している。

 規制緩和が進まない日本ではほとんど普及していないと聞くが、それでも日本人観光客の間でもライドシェアの認知度が高まってきているのか、乗り場で日本人を見かけることは、もはや珍しい光景ではない。(上の写真は、トレジャーアイランド・ホテルの正面玄関前にあるウーバーとリフトの乗り場の位置を示す案内標識)
 今週は、そんなライドシェアの、ストリップ地区の主要29ホテルにおける、乗り場の位置や現場の状況を徹底調査してみたので、それをレポートしてみたい。
(ウーバー社の市場参入までの経緯やサービス内容、料金、利用方法などに関しては、この週刊ラスベガスニュースのバックナンバー 927、972、979、985、988号に掲載)

 まず始めに言葉の説明として、現在のアメリカにおいては、「ライドシェア = ウーバー もしくは リフト」と考えて差し支えないほどこの2社の存在が突出しており、なおかつウーバーのほうがリフトよりも圧倒的に知名度が高いため、「ウーバー」という言葉が「ライドシェア」という言葉の代名詞的な存在になっているのが現状だ。
 したがって、以下の記述においては、ライドシェアの代表としてウーバーの名前だけを使っているが、実際にはリフトもその記述の対象に含まれており、また乗り場も両社の間にまったくちがいはないので、ウーバーとリフトを区別して考える必要はない。(上の写真はベラージオ・ホテル)

 各ホテルのライドシェアに対する考え方は、この一年で劇的に変わってきた。結果的に乗り場の位置もめまぐるしく変化しており、その変化は利用者にとっては歓迎される方向への変化、つまり改悪ではなく改善なので悪い話ではない。(写真は現在のニューヨークニューヨーク・ホテル)
 ウーバーがラスベガスで本格的にビジネスをスタートさせた一年ほど前、各ホテルの対応は冷たかった。タクシー業界に対する配慮や遠慮があったのか、それともライドシェアなど普及しないと考えていたのか、まともな場所に乗り場を設置しようと考えるホテルは少なかった。
 つまり正面玄関前はタクシーのためのもので、現場スタッフにウーバーの乗り場の位置を聞いても、知っているのか知らないのか、だれも教えてくれない。仮に知っていたとしても、あまりにも不便な場所にあるため、そこへの行き方を説明するのがむずかしすぎて知らないふりをしていた者も多かったにちがいない。

 実際にひどいもので、MGMグランド、シーザーズパレス、パラッツォなどは、正面玄関からはるか離れた寂れた駐車場や、地下深くにある薄暗い駐車場など、だれがそんなところまで行くのか、というような不便な場所を乗り場に指定していた。(上の写真は一年ほど前のシーザーズパレスのライドシェア乗り場。車も人もまったく存在しない不便きわまりない場所であることがうかがえる)
 そして今から半年ほど前になると、ウーバーの利用者が増えてきて、場所を聞かれるたびに説明するのがめんどくさくなってきたのか、比較的わかりやすい場所に設置し直すホテルが急増。それでも正面玄関からやや遠かったり、案内標識を置いていないなど、タクシーと比べると “格下の扱い” だった。

 それがここ数ヶ月、ほとんどのホテルがきちんと案内標識を置くなど、タクシーに近い扱いをするようになり、ライドシェアに対して理解を示すようになってきた。
 ちなみに右の写真は、シーザーズパレスの現在のウーバー乗り場と、そこに立っている案内標識だ。正面玄関前のわかりやすい場所で、一年前の薄暗い駐車場とは雲泥の差であることがわかる。

 ウーバーの存在感がますます増してきているというこの流れは、もう止まることはないだろう。当然の結果として、タクシー業界はビジネスをひたすら失い続けており、いつの日かタクシー業界そのものが消滅してしまう日が来るかもしれない。
 もちろん業界としては楽しいわけがなく、ライドシェアに対しては大反対の立場を取っている。ちなみに上の写真は、現在ラスベガス市内を走る某タクシー会社の車両の右後方部だ。この写真をクリックし、赤いテールランプ近くに貼られているステッカーを見ていただきたい。
(参考までに下の写真は、ウーバーとリフトに登録している車両のフロントガラス周辺の様子。両社のロゴが貼られていることがわかる。ちなみにひとりの個人が同じ車両で両方に登録することは可能)

 タクシー業界がどんなに反対運動を起こしたとしても、もはや何の変化も起こらないだろう。今後のことで絶対的にいえることは、「もうあと戻りできない」ということ。
 つまり、利用者からの圧倒的な支持がある以上、タクシーからライドシェアへの変化の流れの方向は不可逆だ。すでにライドシェアは完全に市民権を得ている。
 そのようなわけで、今回調べて以下に列挙した最新の乗り場も、利用者および車両の急増ですぐにスペース不足になり、別の場所へ移動することになる可能性は十分にあるが、仮に移動したとしても、正面玄関などにいるスタッフに聞けば 100% 教えてもらえるはずだ。
 タクシーのように遠回りされたりすることはまずないので(その理由はバックナンバーを参照のこと)、ぜひライドシェアを利用してみるとよいだろう。
 以下、各ホテルのライドシェア乗り場の場所や現場の状況。アルファベット順。(現在の空港での乗り場はバックナンバー985号に掲載されている内容と変わっていないので、そちらを参照していただきたい)

ARIA
館内から北口を出て少しだけ右手方向に進んだ位置に UBER と Lyft の停車場所を示す看板が立っている。ちなみに、このホテルにおける北口とは、Vdara ホテルに面した側の玄関のこと。チェックイン・チェックアウトを行うフロントロビー近くにある正面玄関から見ると、まったく逆の位置にあるので要注意。

BALLY’S
フラミンゴ通りに面した北口が乗り場。ツアーバスなどが停車する場所と同じ。カジノ内から行く場合は、フロントロビーにあるチェックイン・チェックアウトを行うカウンターに向かって立って、そのカウンターの右端付近にある出入口が北口なので、そこから外に出ればよい。なお今では珍しく、現場に乗り場を示す案内看板などは立てられていない。

BELLAGIO
フロントロビー(チェックインチェックアウトをおこなうロビーで、天井がカラフルなベネチアングラスで飾られている場所)から正面玄関を外へ出たら、壁ぞいに右方向に 30メートルほど進む。下りのエスカレーターが見えてくるはずなので、それを使って下の階に降りる。降りたらすぐ左手に UBER や Lyft の乗り場を示す看板が立っている。

CAESARS PALACE
正面玄関(フロントロビーから最も近い出入口)から外に出たら、目の前は6車線の車寄せになっているはず。そしてその奥に噴水がある。その噴水の向こう側の車線が、ライドシェア用の車線なので、右の写真の看板付近で車両の到着を待っていればよい。

CIRCUS CIRCUS
カジノフロアからストリップ大通り側に面した出入口を出てやや左前のほうに進むと、右の写真で見られるような乗り場に到着する。ちなみにこの場所は、大きなピエロのネオンサインのすぐ下にあるので、それを目印に探せばわかりやすい。

COSMOPOLITAN
フロントロビーにあるカウンターに向かって左手に見える出入口が正面玄関。そこを出て右に約40メートルほど進むと壁に突き当たるはず。その付近が少し広くなっているので、そこで待っていれば UBER や Lyft の車両がやって来る。なお現場には、乗り場を示す案内標識などは立っていない。

CROMWELL
ストリップ大通りから見たらまったく反対側に位置する正面玄関を出て左手を見ると、壁に長方形の穴が開いたような通路があるので、そこを通過し、9段の階段を降りた付近が目的の停車場。壁には写真のように UBER と Lyft のロゴが貼られている。

ENCORE
フロントロビーのカウンターに向かって立って右手に見える出入口が正面玄関。その正面玄関を出て目の前に見える車線はタクシー用なので無視。その奥の車線がライドシェア用。写真のような看板が立っているのですぐにわかるはず。

EXCALIBUR
Tower-1 のエレベーターバンク近くにある出入口を出たところが UBER と Lyft の停車場。カジノフロア内から行く場合は、ハンバーガーショップ Jonny Rockets の前を通り抜けるカタチで通路を進めばよい。現場には右の写真のような案内が掲示されている。

FLAMINGO
クロムウェルの停車場所とまったく同じ。つまり両ホテルで乗り場を共有している。行き方としては、フラミンゴのフロントロビーに向かって左手方向にあるエスカレーターで下のフロアに降りると、そこが正面玄関。そこを出て円形ローターリーを左手奥に向かって進むと、右の写真のような壁が見えてくる。その周辺で待っていればよい。

HARRAH’S
ストリップ大通りとは正反対側にある正面玄関を館内から出て左手方向に30メートルほど進むと、長方形の柱が4本あるので、それを通り抜けるカタチで、ベネチアンホテルの駐車場方向に進む。その周辺がライドシェア用の停車場。現場には右の写真のような看板が立っているが、なぜか Lyft の名前は記載されていない。もちろん Lyft の利用者もここで待っていればよい。

LINQ
停車場は、このホテルが 「バスロビー」 と名付けた場所。館内から正面玄関(タクシーなどが停車する場所)を外に出て、右方向に 50メートルほど進むと、さびれた場所にポツリとドアがあり、そのドアの上部に BUS LOBBY と書かれていれば、そこが目的のライドシェア用の乗り場。その付近の壁には右の写真のような案内が貼られている。

LUXOR
このホテルの北口。この北口は、ピラミッド館ではなく、東館と西館の間にある出入口なので、ピラミッド館の正面玄関からはかなり遠い位置にある。この北口を出てほんの少しだけ右方向に進んだところに、写真のような看板が立っている。

MANDALAY BAY
このホテルには、大きな玄関らしき出入口が上の階と下の階、つまり上下に2つある。その下の階にある出入口を出ると、たくさんの車線がある広々した車寄せになっているので、その一番奥の車線まで進む。右の写真のような掲示がある付近で待っていればよい。

MGM GRAND
メインロビーから一番近いところにある出入口が正面玄関(ストリップ大通りとは逆方向にある)。そこを出て左手方向に少し進むと、高い位置にモノレールの駅が見えてくるはず。その駅の真下のやや右側に、写真のような案内標識が立っているので、その付近で待っていればよい。

MIRAGE
北口を出てすぐ右側に、この写真で見られるような乗り場がある。行き方としては、フロントロビーがあるチェックイン・チェックアウトを行うカウンター(カウンターの奥は熱帯魚が泳ぐ水槽になっている)に向かって立って左手方向に伸びる通路を最後まで進んで行くと、自然に北口に出る。

MONTE CARLO
フロントロビーからタクシーが到着する正面玄関を出て右にほんの少しだけ進んだ場所に、右の写真に見られるような看板が立っているのですぐにわかる。なお、このホテルにおいては、タクシーが到着する玄関と、タクシーが出発する玄関は別々になっているので要注意。

NEW YORK NEW YORK
フロントロビーがある位置から最も近い場所にあるのが正面玄関。その正面玄関を出て右(ローラーコースターの軌道が見える方向)にほんの少しだけ進んだ場所に、写真のような看板が立っている。

PALAZZO
タクシー降り場がある「上の段の正面玄関」を出て少し右手に進んだ場所が目的の乗り場。ヤシの木が数本立っているはずで、手前から4本目のヤシの木の付近で待っていると車両がやって来る。なお、このホテルの場合、タクシーが到着する場所と出発する場所ではフロアが異なっており、タクシーが到着する場所(タクシー降り場)は上のフロア、タクシー乗り場は下のフロアにある。

PARIS
ツアーバスなどが停車する北口。凱旋門がある正面玄関側から見ると正反対に位置しているので要注意。行き方としては、ストリップ大通りの歩道に面しているフランス料理店 MON AMI GABI の脇にある道路を奥に入って約50メートルほど進んだ右側。

PLANET HOLLYWOOD
カジノフロアの一つ下の階にあるフロントロビーから正面玄関を出て、左方向に地下道の壁沿いに歩道を約80メートル進んだ付近。そこはツアーバスの停車場と同じ場所で、BUSES と大きく表示されているはず。

SLS
このホテルには正面玄関らしき場所が2つある。ストリップ大通り側からカジノに入るための正面玄関が目的の乗り場で、そこに UBER や Lyft の車両がやって来る。ストリップ大通りから見て裏側にある正面玄関ではないので要注意。ちなみに、写真に写っている奇妙な形の大きなオブジェがあるところが目的の正面玄関。

STRATOSPHERE
カジノ内から裏口を出てすぐの場所。そこはストリップ大通りから見て反対側の出入口で、行き方としては、カジノフロアから無料駐車場へ向かう上りのエスカレーターがある場所と、スターバックスコーヒーの間にある通路を進めばすぐにわかる。バフェがある付近の北口ではないので要注意。

TREASURE ISLAND
タクシーなどが乗り付ける正面玄関を館内から出て右に少し進んだ場所に、赤い文字で STOP と表示された一時停止の標識が見えてくるはず。その一時停止の標識を超えてすぐ左側が目的の停車場。右の写真のような看板が立っているはず。

TROPICANA
カジノフロアから正面玄関を出ると、前方にニューヨークニューヨークホテルが、右手にMGMグランドホテルが見えるはずなので、壁沿いにMGM方向に進む。さらに進んで壁がなくなったら右側に回り込むと、そこがライドシェア用の停車場。現場に看板は立てられていない。

TRUMP
大統領候補のあのドナルド・トランプ氏の名前を冠したホテル。カジノを持たないホテルということで規模が小さく正面玄関らしき場所は一つしかないので非常にわかりやすい。ライドシェア用の乗り場も、その正面玄関のエリア内にある。写真を見ればわかる通り、タクシーもウーバーもリフトも、仲良く同じ場所が割り当てられていることがわかる。

Vdara
ライドシェアの乗り場は、正面玄関を館内から出て左方向に約30メートルほど進んだ地点にある。トランプと同様、このホテルは車の往来も人の往来も少ないので、右の写真のような看板を見つけることは非常に簡単。

VENETIAN
以前は非常にわかりにくい場所にあったが、今は大幅に改善。正面玄関を出た場所に、「ライドシェアは右に行け」との案内表示があり、それに従って右に進むと、突き当りの壁に到着するはず。その壁に向かって左手方向を見ると、この写真のような看板が立っている。

WYNN
サウス・エントランスが停車場。館内のショッピングエリアにあるディオールとカルティエの店の間の通路から外に出たところがサウス・エントランス。そのエントランスには、ハイヒールを模したアート作品があり、その作品のすぐ奥の車線がライドシェア用の停車場。

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