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【食事に関して】高級店からフードコートまで選択肢は多彩だが、総じて高いのが難点。

 長らく、ラスベガスでの食事は「全米の他のどの都市よりも総じて安く内容も濃い」との評判だったが、内容はともかく、安さに関しては過去の話となりつつある。いや、完全に過去のものだ。

 かつて、各ホテルがカジノへの客寄せ用に力を入れていたバフェィの安さには目を見張るものがあったが、近年のバフェィの相場は大幅に上がってしまい、決して安いとはいえない。いや、高い。
(バフェィに関しては [基礎知識] セクションの 該当項目 を参照のこと)

 ラスベガスにおける食生活のコストが上がってしまった理由は、2000年前後にテーマホテルが続々と登場し、街全体がギャンブル都市から家族で楽しめる総合レジャー都市へと変貌したことに伴い、観光客の「非ギャンブラー化」が進んだためだ。

 つまり、昔はカジノで収益をあげることができたのでレストランの売上はあまり重要ではなかったが、近年はギャンブルをしない客が増えたため、レストランでもしっかり利益を出す必要が出てきた。
 具体的な数値で示すならば、1990年代の中ごろまでは夕食バフェィの相場は $8~$9 だったが、今では $30 以上が当たり前で、$40を超える店もぜんぜん珍しくない。

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 ところで、先ほど「家族で楽しめる総合レジャー都市」と書いたばかりだが、それももはや過去の話。
 ホテル側が、「子連れファミリーはギャンブルをしないだけでなく、財布のひもも硬い傾向にあり利益につながらない」ということに気づき始め、「オトナのエンターテインメント都市」を目指す方向に変化しており、子供向けの施設などはどんどん姿を消している。
 逆にナイトクラブなどが増えてきているのは、まさにその変化の典型例といってよいだろう。

 結果的に食の分野においても高級路線方向に激しく変化しており、今ではすっかり「ラスベガスの食事は非常に高い」というイメージが定着してしまった。
 もちろん値段だけではなく質にも力を入れていることは言うまでもなく、各ホテルは競って世界的に名の通った超一流シェフの店の誘致を進め、フランス料理、イタリア料理、中華料理はもちろんのこと、和食においても世界最高レベルの店がラスベガスに続々と集結することとなり、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルスなどと並ぶ「世界一のグルメ都市」と称されようになってきている。まさに世界有数のグルメ天国といってよいだろう。

 そうなると予算重視派の人たちとしては、「ぜいたくな食事にはそれほど興味が無い。安い店はまったく存在しないのか」ということになるわけだが、それほど心配する必要はない。
 ラスベガスの主要ホテルには、ファーストフード店が軒を並べるいわゆるフードコートがあるからだ。
 そこに行けば、ハンバーガー、ホットドッグ、ピザなどはもちろんのこと、中華の店もあったりして不便することはない。最近はラーメンなどを扱うファーストフード店も目立ってきている。

 またホテルの外、つまりストリップ大通りを歩いていれば、カジュアルな店やハンバーガーショップなどを見つけるのに苦労はしないはずで、グルメ族以外も困ることはないようになっている。

 参考までに、代表的なフードコートをいくつか列挙しておくと、安さと規模ではファッションショーモールのフードコートが群を抜いている。ストリップ大通り沿いに見える巨大な楕円形の屋根の下の2階部分にある施設だ。マクドナルドなど全国どこにでもあるような大衆的な店ばかりだが、広さだけはラスベガス屈指の規模を誇っている。
 店舗的には似たような顔ぶれだが、規模を少し小さくしたフードコートならば、ベネチアンホテルの2階のグランドキャナルショップス内や、MGMグランドの館内からプール施設に向かうプロムナード内にもある。
 変わった顔ぶれの店を求めている場合はシーザーズパレスのカジノ内にあるフードコートがよいかもしれない。ただしありふれた店ではないので値段的にはやや高め。そのぶん全体的な雰囲気も洗練されており、フードコートにありがちな安っぽさはあまり感じられない。ラーメン店が入居していることも覚えておきたい。
 さらに「ありふれた感」を排除したのが、コスモポリタンホテルの2階にある Block 16 というフードコート。巻きずし店があったり、小規模ながらも全米から集めたユニークな店が軒を並べておりレベルは高い。ただ、もはや値段的な部分ではフードコートの範囲を超えてしまっているところが気になる。(この Block 16 に関しては週刊ニュース 第1129号 に特集記事あり)
 フードコートとは言えないかもしれないが、非常に独創的という意味で紹介しておきたいのが Park MGM のカジノフロアにある Eataly(東京にある Eataly とはスケールがまったく違う)。完全にテーマを絞り込んでいるという意味で非常にユニークな飲食街となっている。テーマはイタリアで、すべての店がイタリア関連のフードを提供しており、雰囲気も完全にイタリアン。値段的には一般のフードコートのレベルを超えてしまっているが、見るだけでも楽しめるので足を運んでみるとよいだろう。
 もし Eataly では予算オーバーと感じたら、そこからストリップ大通りを渡ったところにある巨大コカコーラボトルが目印の施設の右側の2階に大衆的なフードコートがある。

 さて最後に、営業時間的なことに関する知っておいて損はないトリビアを一つ。
 ラスベガスでは、カジノが 24時間営業となっているため、当然のことながらギャンブラーなどの活動時間はバラバラになりがだ
深夜に食事をしたくなる者もいるだろう。時差ボケで変な時間帯に空腹となる者もいるにちがいない。
 実はこれらに関しては心配無用で、深夜1時でも2時でも、あるいは早朝4時でも5時でも食事の場所に困ることがないようになっている。

 なぜか? もちろん需要があるからだが、それだけではない。法令で決められているのである。
 カジノの運営に対しては、当然のことながらそれなりの法律があり、いくらカジノが合法化されているネバダ州といえども、だれもが自由にカジノの胴元をやり始めてしまったのでは収拾がつかなくなってしまうので、州当局はいわゆる「参入障壁」として、カジノの開業に対して厳しい条件を設定している。
 といっても、国籍、人種、学歴など、差別的な方法で制限するわけにもいかないので、以下のような条件を定め、1991年に法律として制定された。したがって、これら条件を満たしていないと、カジノを開業することができない。

  201室以上の宿泊施設がカジノに併設されていること。

  30席以上のバー施設がカジノ内にあること。

  60席以上のレストランを 24時間、年中無休で運営すること。

 少し補足すると、カジノを運営するための免許には、カジノの規模によって二種類あり、スロットマシンやビデオポーカーなどのマシンゲームを15台までしか設置できない小規模なカジノ(バー、コンビニなどで見かける形態のカジノ)と、それ以上の規模のカジノ(一般のカジノホテルなど)に分かれている。
 日本的な表現をするならば、前者が乙種免許、後者が甲種免許となり、今回のここでの話は後者の甲種だ。

 この規則の存在を知っておくと、ラスベガスのカジノホテルにおいては必ず60席以上の24時間営業の飲食店があるということがわかり便利だ。どんな時間帯でも探せば必ずある。
 店の名前には「~ Cafe」という形で、最後に「カフェ」が付いていることが多い。
(その逆は真ではない。つまり、店の名前に「カフェ」が付いているからといって、カジノ免許維持のための 24時間営業店とは限らない)

 一般論として、これらのレストランは「カジノ免許維持のために仕方なく営業している」といった感じの店が多く、レストランとしてのグレードは決して高くないが、深夜の時間帯は他の店が営業していないため、万人が利用できるように料理のジャンルの幅が広くなっているのが普通だ。ラーメンやチャーハンがあることも珍しいことではない。
(ただしメニュー内の名称は、Ramen ではなく Soup Noodle、チャーハンは Fried Rice や Chaw Men となっていたりすることが少なくない)

 なお、この法令は 1991年に制定されたため(カジノの乱立を防ぐための参入障壁として新たに制定)、それ以前から存在していたカジノの中には既得権として、ここに定めるカフェを持っていない場合もある。ダウンタウン地区などに、201部屋に満たないカジノホテルがあったりするのはそのためだ。

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