「日本」がテーマの NOBU Hotel の良いところ、悪いところ

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 2月2日、ラスベガスを代表する高級老舗ホテル、シーザーズパレス(写真下)内に、世界的に有名な料理人 Nobu Matsuhisa こと松久信幸氏が監修する Hotel-in-Hotel 型ブティックホテル Nobu が華々しくオープンした。

 和太鼓演奏などをバックに行われたテープカット・セレモニー(ハサミではなく “日本刀” を使用)には俳優のロバート・デ・ニーロ氏も駆けつけた。
 ホテルのテーマはもちろん「日本」。インテリアはもとより、サービスや運営の部分にも「和」の文化を取り入れたという。

 Hotel-in-Hotel とは、その名のとおり、大きなホテル内に別ブランドで入居するホテルのこと。
 特に珍しい存在ではなく、ここラスベガスにおいてもマンダレイベイ内のフォーシーズンズ、モンテカルロ内の HOTEL-32、MGMグランド内の SkyLofts などがある。
 ブティックホテルとは、小規模でありながら個性を持った小洒落たホテルのことで、似たような巨大ホテルが目立つラスベガスにおいては、きめ細かな手厚いサービスが期待できるアットホームなホテルとして一目おかれた存在になりやすい。

 ちなみにこの NOBU は、建造物としてはこのたび新たに建設されたものではなく、シーザーズパレス内の既存の客室棟「Centurion Tower」(上の写真の2番。番号は完成順)の全面改装によって誕生したホテルで、客室数は 181

 今回の取材に応じてくれた広報スタッフによると、その 181 の内訳は、大きなベッドがひとつの King Bed Room117部屋、小さなベッド(といっても二人でも十分すぎるほど大きい)が二つの Queen Bed Room46“Hakone Suite”“Sake Suite” と称されるゴージャスなスイートルームが 18

 宿泊料金は、需給バランスによって多少の変動はあるものの、大型ホテルなどに比べると変動幅は少ないようで、大きなイベントなどがない通常の平日の場合、その順番に $250、$270、$700、$900 前後、金曜日と土曜日が約2割増しとなっている。(12% のホテル税は別途加算)

 さてさっそく宿泊してみた。なお、松久氏のプロフィール、ロバート・デ・ニーロ氏との関係、同時にオープンしたレストラン NOBU などに関しては、他のサイトやニュース記事などでも多数取り上げられているので省略させていただくこととし、ここではホテルそのものに関してだけレポートしてみたい。

 まずは良い部分から。このホテルの最大の利点は、位置や構造や規模からくる使いやすさで、特に注目に値するのが簡素でスピーディーなチェックイン手続きだ。(写真は客室内の照明と和風の絵)

 ラスベガスの場合、ベラージオ、ウイン、アリアなどの高級グレードと位置づけられているホテルでも、客室数が多すぎるためか、それともチェックインカウンターの窓口が少なすぎるのか、チェックインに10分、20分待たされることは当たり前で、せっかくの高級ホテルもこの待ち時間で第一印象を悪くしてしまっているのが現状だ。
 しかしこの NOBU では、チェックインのためのカウンター自体がなく、ロビーに到着したらすぐにその場で客室に案内される。そもそもロビー自体がないに等しい。

 ちなみに写真のオレンジ色に光る柱のようなものの間に見えているせまいスペースがロビーと思われる場所で、そこからほんの数歩右側に進んだところが客室につながるエレベーターになっている。「ロビーとエレベーターが世界で最も近いホテル」と言いたくなってしまうほどの利便性だ。

 ではどこでチェックインするのか。それは自分が泊まる客室内。つまり、このロビーらしからぬ場所に到着し名前を名乗ると、すぐにタブレットPCを持ったスタッフが部屋まで案内してくれる。
 予約者かどうかもその端末でわかり、ルームキーもその場で発行してもらえるので、チェックイン作業はゼロ分とまでは言えないまでも、実質1分程度。「日本的なおもてなし」を目指していたら、こうなったとか。
 スタッフがいない場合どれだけ待たされるのか気になるところだが、常に数人が待機しているので(ただし、日本語を話すスタッフはいなかった)、そのような事態が起こる可能性はほとんど無いと考えてよさそうだ。客室数が少ないからこそできる手厚いサービスといってよいだろう。

 エレベーターの待ち時間という意味でもこのホテルは抜群の利便性を誇っている。
 今回の取材期間中、何度も利用したが、待ち時間はほとんどの場合において 5秒前後
 さらに驚くことに、エレベーターに乗ったあと目的の階のボタンを押す必要すらない
 そもそもエレベーター内にそのボタンはなく、目的のフロアは、乗る前の壁に用意されているタッチスクリーンで選択する。瞬時に乗るべきエレベーターの位置が表示され、数秒でやってくるから驚きだ。
 朝の混雑時でも 10秒と待たされない。これも、規模が小さいからこそできる離れわざといってよいだろう。(上の写真は、目的の80番のフロアのボタンを押した直後、「右方向にある C のエレベーターに乗れ」と表示された場面。80 というのはフロアの名称であって、地上80階という意味ではない。ちなみに客室が存在しているフロアの数は10

 181部屋で10フロア。1フロアあたりわずか18部屋。当然のことながらエレベーターを降りてから歩く距離も短い。
 さらにこの NOBU は写真の通り、シーザーズパレス全体における位置関係が抜群だ。(この写真は敷地全体の中央付近のストリップ側の位置から見た様子。上から2枚目の写真は、南端に近い位置から撮影)

 これは改装される前の Centurion Tower にも言えたことだが、ほぼ中央に配置されているばかりか、ストリップ大通りやカジノに対して出っ張った位置にあるため、他の5棟に比べて圧倒的に利便性が高く、どこへ行くにも出入りが苦にならない。長期滞在になればなるほど、ありがたさがよくわかってくる利点といってよいだろう。

 さて、今度は欠点。それは客室内にあった。今回の体験宿泊で選んだ部屋は、一般観光客にとって身近な存在の Queen(写真)と King
 どんな高級なホテルにおいても「完璧」などありえず、良いところと悪いところがあるのは当然のこと。そしてその良い悪いの「度合い」も人によって感じ方はまちまちで、場合によっては良し悪しが逆になってしまうこともある。
 たとえばこのホテルの方針「全部屋禁煙」は、非喫煙者にとっては良いことだが、愛煙家にとってはとんでもないことになる。

 浴槽の有無も同様で、シャワーだけで十分、という人にとってはどうでもよいことだが、湯船にゆっくり浸かり旅の疲れを癒したいと思っている人にとっては大いに気になるところだろう。
 それでも日本をテーマにしたホテルとなれば、各個人の関心度の大小とは無関係に、多くの宿泊者が風呂に対してそれなりのものを期待してしまうのが普通ではないか。つまり風呂は、このホテルとしては手を抜けない重要な部分のはずだ。(上の写真はバスルーム内のちょうど半分を見ている状態。周囲がゆがんで見えるのは、ほぼ180度の範囲を撮影できる魚眼レンズを使用したため。洗面台を背にしてトイレと化粧台がある側を撮影)

 実際に深い浴槽を探している読者からの問い合わせもあったりして、そんな読者からの期待を背負って客室内に入ってみると、なんと驚くことに浴槽がない。(下の写真はトイレを背にして撮影したもの。つまり上の写真には写っていない側の半分。結局バスルーム内のどこにも浴槽がないことがわかる)

 「バスタブがない? そんなバカな。たまたま何かの間違いで、この部屋だけの問題だろう」 と思い担当部署に問い合わせてみると、高額なスイートルーム以外は全室シャワーだけ、とのこと。
 なんという驚きのコメント。「高級以外は」と言われても、体験宿泊している部屋のその日の宿泊料金は、すでにベラージオ、ウイン、アリアよりも高いのである。つまり標準ルームとしてはラスベガス屈指の最高級の部屋だ。
 もちろんこのホテルがターゲットとしている客層は、日本人ではないことは理解しているが、これはやはりどう考えてもまずいのではないか。
 日本の文化に興味がある者は、風呂に関しても詳しいことが多く、期待を裏切られたと感じる宿泊者が今後続出するおそれがある。開業したばかりではあるが、スペース的、構造的に可能であるならば、早急の改良を期待したい。

 今後リヤド、ロンドン、バーレーンなどにも進出すると聞く。それら都市の NOBU Hotel の前評判を落とさないためにも浴槽の問題はここベガスでも軽視してほしくない。このホテルは日本がテーマ。日本人として応援したいからこそ切にそう願う次第だ。

 それにしても、松久氏はこの事実を知っているのだろうか。内装はニューヨークの著名デザイナー、デイヴィッド・ロックウェル氏が担当したとのことだが、知らないわけもないと思われるので、いつの段階で知ったのか大いに気になるところだ。早い段階で気づいていたのならデザイン変更して欲しかった。

 松久氏には申しわけないが、もうひとつガッカリした点を報告しておきたい。
 ずばり、Queen ルームにはパソコンなどをやるためのデスクがない。それどころか、ワインやビールなどを楽しむためのテーブルすらないに等しく、あるのは直径41cm の小さな丸テーブルだけだ。

 ちなみに上の写真は窓側の壁付近から魚眼レンズで撮影したもので、死角になっている部分はほとんどなく、家具類など調度品はすべて写っている。
 その唯一の存在ともいえる丸テーブルは、持参した 13インチのパソコンを乗せるとマウスパッドを置く場所がないほど小さい。
 マウスを使わなければなんとか利用できるが、イスが存在しないため、ソファーを利用するしかない。
 しかし丸テーブルの表面と、ソファーの高さの差は9cm しかなく、姿勢的に長時間のパソコン利用はまったく無理な状況。バスルーム内にあった化粧台のイスを運び出してみたものの、高さ的にこれもダメ。

 テレビが設置されているタンスを兼ねた大型のスタンド(写真の左側) は台のスペース的には十分な広さだが、足元が引き出しになっているため、足が入らずデスクとしては使うことができない。
 引き出しそのものを引き抜けば足の置き場が確保できるのではないかと思いきや、それに見合うイスがないのでこれも断念。
 結局パソコン利用はベッドの上で寝そべってやるしかない。スマホの時代とはいえ、これはあまりにもひどすぎる。
 パソコン利用だけの問題ではない。そもそもその丸テーブルの 41cmというサイズは、その実際の数字よりも体感的にはさらに小さく、ワイングラスを2つ置いたらすぐにでも落ちてしまいそうな様相で、とてもリラックスして飲める状態ではない。
 後述する冷蔵庫にワイン、ビール、日本酒、さらにはさまざまなスナック類が用意されているが、どこで飲み食いしろというのか。

 では King Room はどうか。こちらはベッドがひとつしかない分だけ多少スペースにゆとりがあるわけだが、なんとその増えた空間に置かれているのはデスクではなく、和風を意識しているのか、ちゃぶ台程度の高さの長方形のテーブル。(写真)
 パソコンを置くには十分な広さだが、イスがなくソファーを利用するしかなく、結局 Queen ルーム同様、姿勢的に腰が痛くてここでもパソコンの利用は現実的ではない。

 ロックウェル氏としてみれば、「NOBU はリゾートホテル。ここに来てまでパソコンをやる客の存在は想定していない」とのことかもしれないが、ラスベガスはリゾート地であると同時にコンベンション都市でもある。ビジネス関連の利用者も少なからずいるはずで、特に企業エグゼクティブなどコンベンション族にこそ、日本ファンが多かったりするのではないか。
 小さなデスクとイスを入れることは簡単なことなので、早急の改善を期待したい。

ここまで圧倒的にすぐれた利点と重要な欠点を書いてきたが、あとは細かい良い点、悪い点、そして気づいた点などを以下に箇条書のようなスタイルでまとめてみた。

アメリカのホテルにはスリッパが用意されていないのが普通だが、ここにはそれがあるだけでなく、鼻緒付きのデザインになっていてとってもユニーク。男性用と女性用、それぞれサイズと色が異なっている細かな配慮も日本的。
写真で見る

バスルームに男性用と女性用のバスローブが(サイズが異る)、そしてベッドルームにも同様に2つ、合計4つあり、それぞれ異なる肌触りの生地でできているところがすばらしい。写真で見る

ドアノブに掛ける「Don’t Disturb」が日本的でかわいらしい。写真で見る

客室内でのチェックインの際、担当スタッフから、「緑茶のサービスがありますが、いかがいたしますか」と聞かれる。とりあえずオーダーしてみたものの、運ばれて来るまでに1時間を要した。この1時間が普通だとするならば、チェックイン後すぐに部屋を出る予定の者は、オーダーしないほうがよいかもしれない。なお、急須の手の位置と、注ぎ口の位置関係が90度ではなく180度になっていた写真で見る。これは中国にはあるが、日本ではあまり見られないタイプ。左利きの宿泊客の存在も意識しての配慮だとしたら仕方ないが、そうでなければ、料理人が監修した日本をテーマにしているホテルとしては、きちんと日本式の 90度のものにすべきではないか。なお、お茶は前田園のティーバッグ、茶菓子は、製造元が埼玉県のせんべい1枚。

室内で堂々と存在感を誇る 54インチの大型テレビのブランドは SAMSUNG。日本をテーマにしている限り、パナソニック、シャープ、ソニーなどを使うのがすじで誠に残念。非日本人の宿泊者のどれほどがそのことに気づくかわからないが、日本人が監修した日本テーマのホテルとしては、いかがなものか。これは恥ずかしい。もちろん、たかだか 181部屋しかないホテルでの話、日本ブランドを導入したからといって、それら企業の業績に貢献できるわけではないが、これは日本人の誇りというか気持ちの問題。特に今の時期、日本のメーカーは経営難で苦しみながらも全社一丸となって頑張っている。みんなで応援する気持ちが大切だ。予算的な理由はわかるが、ならば多少サイズを小さくしてでも日本ブランドを採用する意地や気概を見せてほしかった。

トイレの便器は TOTO のワンピース型で高級感がある。便器の価格的には、高級ホテルの中でも、ベガスにおいては最高レベルと思われる。ただし温水洗浄便座ではない。なお、便器の前方になぜか雑誌のラックが置かれている。トイレに入りながら雑誌を読むことは日本の文化ということか。ちなみに雑誌自体はアメリカのもの。便器の上に置かれていた予備のトイレットペーパーは、黒い巾着のようなものに入っていたが、これも日本を意識してのことだろうか。写真で見る

バスタブがないのは問題だが、シャワーブースは非常に広くて立派(幅 104cm、奥行き 170cm)。また、高級ホテルでも固定式のシャワーヘッドが一般的なアメリカにおいて、固定式と可動式の両方があるのはありがたい。ただし、その切替や、温度調節のレバーの使い方がわかりにくいのが残念。高さ39cmの木製のイスがあり、日本の一般的なものと比べるとやや高めではあるが、腰掛けながら体を洗えるのはなんとも日本的でうれしい。写真で見る

日本を意識したと思われる洗面台のシンクのデザインが奇抜。この種のものは最近ときどき見かけるようになったが、まだまだ珍しい存在で価格も高いはず。この特殊なシンクを導入したため、近年の高級ホテルでは当たり前となりつつあるダブルシンクは犠牲になっており、二人が同時に顔を洗ったり歯を磨いたりすることはできない。写真で見る

日本語でいうところのアメニティー、つまりバスルームの消耗品は、この写真内に写っている以外に、綿棒、つめやすり、シャワーキャップなどが入った小箱がひとつ。なお参考までに、アメリカのホテルにおいて「amenity」というと、一般的にはシアター、フィットネ施設、SPA、プール、駐車場など、客室以外の施設のことになってしまうので要注意。

トイレにもシャワーブースにもドアがなく、洗面台、化粧台を含めた4ヶ所が、まったく区切りのない一つの空間の中に存在しているため、夫婦や親しいカップルならいざ知らず、単なる友人程度の関係の者とはバスルームを同時並行的に使うことにためらいを感じるはず。(King の部屋も Queen の部屋もバスルームは同じ)

在米日本人向けに NHKの番組を中心に放送している TV Japan が無料で視聴できる。ベガスに数あるホテルの中でも、これを視聴できるホテルは少ないので、NHKの連続ドラマなどを見ている者にとってはありがたいサービスのはず。チャンネルの選択は、[Local TV] を選んで [4] をプッシュ。

客室内で 24時間、レストラン NOBU の料理をルームサービスとして楽しむことができる。オーダー方法は、用意されている注文票をドアノブにかけておくか、電話機に用意されている「In Room Dining」というボタンをプッシュ。メニューに書かれている料金以外に 18%の自動チップと 8ドルの配達料が加算される。
イスが存在しない部屋で、どうやってダイニングテーブルをアレンジしてくれるのか、お手並み拝見としてルームサービスを実際にオーダーしてみると、案の定、ソファーを使ってください、とのこと。丸い大きなテーブルに対して、高さが低く直線的なソファーではあまりにも無理があることを指摘すると(その状況を写真で見る)、「ではイスを持ってきます」とのこと。どれだけ待たされるかわからないのでそのまま食べることにしたが、やはり超不便。

松久氏オリジナルのポン酢味のサーモンの刺身が乗ったベーグル “Bagel and Lox”($24)は、見た目も美しく(写真で見る)奇抜さも評価できるが、味的には意見が分かれる可能性あり。むしろ見た目はシンプルだが、Yuzu Soba Pancakes($22)のほうが日本人の味覚に合っているかもしれない。

日米の文化の違いといってしまえばそれまでだが、照明がかなり暗い(光源は昔ながらの電球)。ベッドの両端にスタンド(調光可)はあるが、最近の高級ホテルで見かけるヘッドボードに設置された読書用の照明はない。ちなみにそのスタンドは、ちょうちんを連想させるようなデザインで、この部屋を日本的な印象にさせている最大の要因はこのスタンドかもしれない。写真で見る

ベッド脇の照明スタンドの台は、木目を生かした一つの木の塊のように見せかけているため、引き出しがない写真で見る。テレビ台を兼ねたタンスも、冷蔵庫などが内蔵されているため、タンスの引き出し部分は3分の1しかなく、結局この部屋全体の引き出しの数は、他のホテルに比べてかなり少ないことになる。スーツケースの衣服をすべて引き出しに入れる習慣がある者にとっては少々気になるところかもしれない。

冷蔵庫は用意されているものの、有料の飲み物があらかじめびっしり入っているので(冷蔵庫から取り出すと自動的に課金される)、自分で買ってきたものを冷やすスペースはゼロ写真で見る。ちなみに料金は、コーラ類が $7、サッポロやアサヒの缶ビールが $8、松久氏おすすめの大吟醸 300ml ボトルが $85、同じくおすすめのシャルドネが $40 などとなっている。

自分で買ってきた飲み物は、廊下に設置されている製氷機の氷を利用して(無料)、洗面台のシンクなどで冷やすことは可能。ちなみに製氷機は 73番と 82番のフロアの廊下の一番奥にある。

テレビスタンドを兼ねているタンスの右側の扉が冷蔵庫、中央が有料のスナック類用の引き出し、左が自由に使えるタンスの引き出し。ちなみに有料スナックの中にはグリコ・ポッキーがある。値段は $5 で、なぜかコーラよりも安い。写真で見る

窓からの景色については、建物自体が高層ではないばかりか、北側も南側も、別の棟に視界の多くをブロックされているため、あまり期待しないほうがよい

カーテンの開閉は電動ではない。最近の高級ホテルでは電動が主流になりつつあるが、故障して動かなくなるよりは手動のほうがよいので特に問題なし。

バルコニーのようなものが設置されているが、窓は開かないので、それを利用することはできない。なお、存在に気づきにくいが、外気は、窓枠の下部に設置されているスライドバー(3cm x 85cm)の両端のつまみを左にスライドさせると、1cm ほど浮き上がり外気を取り入れるための穴が開くようになっているので覚えておくと便利。写真で見る

これは重要な欠点として指摘しておくべきかもしれないが、エアコンの音がううるさい。エアコン自体からの騒音ではなく、ダクトの形状や吹き出し口のスリットの構造などに起因する空気抵抗による騒音と思われ、風量を最小に設定するとやや静かになるが、それでもかなりのレベルのノイズが聞こえてくる。古い建物を流用しているのでやむをえない部分もあるのかもしれないが、これは今後さまざまなネット掲示板などで指摘される可能性があるので、ホテル側としては真剣に取り組んだほうがよいだろう。

空調の風量設定は、[Speed] と書かれたボタンを連続して押すことにより点滅する Lo、Mid、Hi から選ぶ。点滅している状態でボタンから手を離して確定させる。矢印ボタンを使って設定したくなるが、矢印は温度設定だけなので間違いやすい。温度表示は華氏(F)だけで摂氏(C)は選択できない(簡単に調べてみた限りでは)。日本をテーマにしたホテルであるばかりか、世界の大多数の国が摂氏を採用していることを考えると、これはいかがなものか。参考までに、暖房を摂氏20度に設定したい場合の華氏は68度、冷房を25度に設定したい場合の華氏は77度。写真で見る

金庫はクローゼット内にある。暗証番号を自分でセットして使うタイプで、利用はもちろん無料。内側の収納スペースのサイズは 39 x 32 x 10cm で、パソコンが楽に入る。内部にジュエリーケースが用意されているのは珍しい。写真で見る

ネット接続は有料で、24時間 $14.99。写真は、接続のための設定作業を行なっている途中で表示される料金表。(写真で見る

最近の高級ホテルでは、ベッド上に、じゃまなほどたくさんの枕が置いてあったりすることが多いが、NOBU ではそのようなことはないので、枕の置き場所に困るようなことはない。ちなみに写真は King Room のベッド。写真で見る

ベッドカバー、枕カバーなどが完全な無地で純白。シンプルすぎるかもしれないが清潔感は抜群。

体験滞在時、ターンダウン・サービスがやって来たのは午後7時ごろ。

チェックアウトは午前11時まで、チェックインは午後4時から。

 長くなってしまったが、結論としては、デスクがないなどの理由から、ビジネス目的の出張族などには不向きと思われる。
 また、レジャー目的でも、Queen Room はデスクや、まともなテーブルがないので不便は避けられない。King Room であれば、ちゃぶ台のようなものでもテーブルがあるだけかなり条件は良くなる。

 以上のような理由により、抜群に便利なエレベーターや廊下の短さなどを考えると、カジノやレストラン、それにショッピングなど、頻繁に出入りするカップルに向いているホテルといってよいのではないか
 人気のショッピングスポット「フォーラム・ショップス」へ、屋外をまったく歩くことなくアクセスできるメリットも付け加えておきたい。

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