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ショービズを支えているベガスの楽器店がおもしろい

 先週、音楽関連の話題を取り上げたところ、その方面の読者から、ラスベガスにおける楽器流通に関するご意見をいただいた。
 今週は、その読者の助言もお借りして、在ラスベガスの楽器店についてレポートしてみたい。

 ご存じのようにラスベガスはショービジネスの総本山。芸能関係者にとってはまさに聖地だ。
 大物歌手のコンサートからミュージカル、そして怪しげなアダルト系のバーレスクからシルク・ドゥ・ソレイユのサーカスまで、ありとあらゆる興行が毎晩さまざまなホテルで開催されている。

 ステージで絶対に欠かせないのが、何らかのサウンド。高級なショーになればなるほど、録音された音源ではなく質の高い生演奏にこだわる傾向にあり、そんな華やかな舞台を陰で支えているのが地元のミュージシャンたちだ。

 「地元」と表現したのには理由がある。労働組合などが絡む昔ながらのしきたりの関係で、たとえば一時的にラスベガスにやって来る大物歌手のツアーコンサートといえども、生バンド要員のすべてを自前の遠征スタッフでまかなうことは許されなかったりして、結局、地元ミュージシャンを使わなければならないことが多くなる。

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 そのような背景もあり、バックアップ要員、修行中、ステージデビューを夢見ているアマチュアバンドなども含めた広義の意味での在住ミュージシャンの数は1万人を超えるともいわれているが、非組合員も多く、正確な数字はだれも把握していない。

 ただ言えることは、街の人口に対するミュージシャンの比率は異常に高く、そんな彼らになくてはならない楽器を提供し、彼らの活動を側面からサポートしているのが在ラスベガスの楽器店であるということ。

 以下、プロレベルの需要を満たす本格的な楽器店3店、そして、取材することができなかった伝説のショップ1店を紹介してみたい。

【Guitar Center】
 まずは、ストリップ大通りの南端にほど近いショッピングゾーン「タウンスクエア」内に店を構える「ギターセンター」。(写真)

 1959年にハリウッドで創業したこの店は、世界最大規模の楽器店といわれており、現在全米に約240店舗を展開。
 名前にこそ「Guitar」と付いているものの、キーボード、ドラム、その他、楽器に関連するほぼすべてのものを取り扱うメガストアで、同社が展開する数ある店舗の中でも、ラスベガス店はその街の特殊性から社内的な位置づけが高く、店舗面積のみならず、商品ラインアップ的にもプロの需要を意識した圧倒的な在庫を誇っている。

 もちろんギターは店名になっているだけあって、新品から中古、そしてビンテージ、アコースティック、ベースなど、それぞれに専用のセクションを設けるほどの力の入れようで、価格帯も 200ドル前後のものから 30,000ドルを超えるものまで幅広い。
 ちなみに、比較的数が少ないアコースティックギターのセクションでも、その展示本数は 200本を超える。

 アンプ類、アウトボード類など、プロ用の機材の品数も半端ではない。
 プロ用といえば、ナイトクラブが多いラスベガスらしく、「DJ & Lighting」というセクションがあり(写真)、そこではありとあらゆる DJ用の音響機器から照明器具、さらには発煙装置までを扱うほどの徹底ぶりだ。

 キーボードもすごい。「コンテンポラリー・キーボード」「プロフェッショナル・キーボード」という2つのセクションを用意するほど商品ラインアップは豊富で、特にシンセサイザーの充実ぶりには眼を見張るものがある。

 一方、トランペット、トロンボーンなどの金管楽器類、クラリネット、オーボエなどの木管類、さらにバイオリン、ビオラなどギター以外の弦楽器は、ほとんど取り扱っていないか、取り扱っていてもごくわずかで、後述する Sam Ash に比べて見劣りする。楽譜類および各種楽器のレッスンクラスなども Sam Ash のほうが充実度が高い。

 それでも総合力ではラスべガス・ナンバーワンであることはまちがいなく、もし時間的に、そして地理的に、一店しか訪れることができないとしたら、この店をおすすめしたい。

 行き方は、ストリップ地区のホテル街から路線バス SDX の南行きに乗り、バス停「タウンスクエア」で下車。営業時間は、月-金 10am~9pm、土 10am ~8pm、日 11am~7pm。

【Sam Ash】
 次に注目したいのが「Sam Ash」。ギターセンターと比べ、店舗の広さではやや劣るものの、こちらも全国チェーンの総合楽器店で、現在の店舗数は 45。(写真)

 内容的にもギターセンターとかなり似ているが、違いをしいてあげるならば、あちらがロック系に軸足を置いているのに対して、こちらはオールラウンド。つまり、クラシック音楽までカバーしており、実際に、グランドピアノ以外、クラシックのオーケストラに登場するすべての楽器を取り扱っている。
 ギターに関しても、ギブソンおよびその傘下のエピフォンがかなり充実しており、他のブランドも含めてギターセンターに引けをとっていないが、シンセサイザー関係の品ぞろえは決して豊富ではない。

 譜面関係も充実しており、ビートルズ、カーペンターズなどはもちろんのこと、交響曲、ピアノソナタなどのクラシック全般、さらにベートーベンの交響曲をピアノ用にアレンジした楽譜など、原曲に手を加えたクラシックの楽譜も数多くそろっている。

 店内にステージがあるのもこの店の特徴で、実際にここで演奏会がしばしば開かれているとのこと。レコーディングルーム、そして専属講師による各楽器のレッスンなども充実しており、楽器を売るだけがこの店のビジネスではないようだ。

 創業89年という歴史と、同族経営ということによる先入観もあるのか、店員の応対が総じてフレンドリーに感じられる。
 ちなみに、ネットで事前にこの店の在庫から、欲しい楽器をいくつかピックアップしていくと、似たものをどんどん出してきてくれたり、好きなバンドのTシャツを着ていくと、店員がそのバンドにまつわるレアなギターを見せてくれたり、客に合わせたフレンドリーなサービスはありがたい。

 場所は、ストリップ地区のホテル街から見て北東方向にレンタカーで10~15分程度の地点で、Maryland Parkway と Karen Avenue の交差点の南西側の一角。
番地は、2747 S.Maryland Pkwy. Las Vegas, NV 89109
営業時間は、月-木 11am~9pm、金 10am~9pm、土 10am ~8pm、日 11am~7pm。

【Cowtown Guitars】
 最後に紹介したいのが、ネットでも評判のいい「Cowtown Guitars」
 こちらはギター、ベース、およびその関連機器の中古品がメインの店で、ドラムやシンセサイザーなどはない。また、前述の総合楽器店と比べると規模的には大きく劣り、サイズだけで見る限り、個人商店の域を出ていない。

 それでも、ギターはもちろんのこと、エフェクター、アンプ類もビンテージから近年ものまで揃っており、中古ハンティングが好きな人にとっては宝の山といってよいだろう。スタッフも知識が豊富なところがうれしい。
 ちなみに訪問時のギター、ベースの店頭在庫は約200本。その内の約2割がアコースティックだった。

 となりがアダルトグッズの店になっているなど、いっけん物騒な環境に見えるのが欠点だが、明るい時間帯に訪問する限り、実際にはそれほど危険ではない。

 場所はダウンタウン地区で、Charleston Blvd. と Main Street の交差点から北へ約100m 行った右側。ちなみに、人気のショッピングゾーン「プレミアムアウトレット・ノース」はこの店からわずか 1km ほどの地点にある。
番地は、1009 S. Main Street Las Vegas, NV 89101
営業時間は、月-土 11am~6pm、日曜日は休業。

【Ed Roman】
 知る人ぞ知るラスベガスで一番マニアックなギターショップ。全米一マニアックといってもいいかもしれない。
 いわゆる「いちげんさんお断り」で、事前のアポイントによって入店許可を得る必要があり、公式サイトによると 100ドルのデポジットも必要とのこと。

 プロ級のレベルのミュージシャンを客層としているため、冷やかし半分のアマチュアの訪問を非常に嫌い、住所も絶対に明かさず、看板も出していないというからすごい店だ。
 もちろん、コミュニティーサイトなどを通じて住所は知られてしまっているが、それを頼って現場に行っても、ドアには鍵がかかっており、一般客は入れてもらえない。

 ちなみに取材アポを取ろうとしたら、記事に書かれることを最も嫌っているため、当然のことながら、けんもほろろに拒絶された。
 そのようなわけで、内部の様子を紹介することはできないが、本気で買いたい人は、この店で買うのが最も感動できるというのがもっぱらの噂だ。

【価格、その他】
 さて、気になる値段について。今回さまざまな助言を頂いた、日米の楽器事情に詳しいその読者からの情報によると、消費税(日本5%、ラスベガス 8.1%)、および現在の90円前後の円ドルレートを考慮しながら比較する限りでは、ギターなどはラスベガスで買ったほうがおおむね安いものの、シンセサイザーなどはほぼ同じとのこと。

 また、ギターでも、機種によっては日本のネット販売のほうが安かったりすることもあるようなので、常にラスベガスのほうが安いとは考えないほうがよい
 品揃え的にもやはりラスベガスに軍配が上がるようだが、それはあくまでも店舗販売で比較した場合の話であって、ネットを使えば日本でも幅広い範囲の商品を探すことができるとのこと。
 もちろん海外サイトから輸入もできるわけで(送料など経費はかかるが)、もはやネットの時代には国境を意識すること自体あまり意味が無さそうだ。

 最後に、ラスベガスでギターを買った場合の、機内持ち込みについて。
 買ったばかりの大切なモノは、だれもが機内に持ち込みたいところ。 そのへんの事情を、今回アドバイスを頂いている読者、およびラスベガス国際空港の某航空会社のチェックインカウンターの現場スタッフに確認してみた。

 ギターの場合、サイズ的には原則として、機内持ち込みではなく、スーツケースなどと同様、チェックイン扱いの荷物になるとのこと。
 ただし、航空会社のチェックインカウンターの現場スタッフは、乗客がどうしても機内に持ち込みたいと言った場合、それをあえて止めることはしないようにしており、あとは機内のスタッフに任せることになるという。
 その場合、機内の座席上部の通常の収納スペースには入らないため、搭乗ドアの近くにあるコンパートメントに収納することになるが、そこには通常、パイロットおよびフライトアテンダントの荷物、ファーストクラスの乗客の上着、折りたたみの車椅子、子供用のストローラーを入れることになっているため、それらが少なければ収納可能、それら荷物でスペースがなければ、搭乗ゲートでチェックインして、スーツケースと同じ格納庫行きになるとのこと。

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