ベガスの繁華街に出現した韓国生まれの没入型体験アトラクション

ラスベガスに登場したイマーシブ型体験アートのアトラクション「ARTE MUSEUM」。

ラスベガスに登場したイマーシブ型体験アートのアトラクション「ARTE MUSEUM」。

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 日本からやって来た友人からの希望もあり「ARTE MUSEUM」に行ってきたので、今週はそれを紹介してみたい。
 このアトラクション施設がオープンしたのは4ヶ月ほど前。場所はストリップ大通りのほぼ中央、コスモポリタンホテルからアリアホテル側に渡る歩道橋を渡り終えてすぐの右側だ。

ARTE MUSEUM の入口の様子。

ARTE MUSEUM の入口の様子。

 一般名詞の art museum とスペルがほぼ同じなのでそれなりの施設を想像してしまうかもしれないが、ここは美術館ではない。
 実物としての絵画彫刻などは一切存在せず、すべてが映像アートによる演出となっている。
 広報資料などによると、いま流行りのイマーシブという言葉を使った「immersive art experience」とのことなので「没入型体験アート」といったところか。

順路の最初に登場する「滝」のセクション。

順路の最初に登場する「滝」のセクション。

 館内に入ると順路が示されており、その順番に進むとそれぞれのテーマ、具体的には滝、花、波、森林、星、砂浜などのテーマのセクションに誘導される。
 イマーシブの意味や定義が抽象的であるばかりか、その没入という体感度も人それぞれなのであくまでも主観的な感想だが、滝、波、砂浜のセクションが音などとの相乗効果もありイマーシブらしい演出を楽しめたように思える。

 ここまでの説明を読んだ読者の中には、「日本のチームラボと同じようなものだな」と思ったりしているかもしれないが、似て非なるものというか、チームラボほどのレベルには達していないので、チームラボと同等のアトラクションとは考えないほうがよいだろう。
 というのも、こちらの展示の多くはミラーを使うなどして奥行き感を出しているものの、基本的には壁などに照射した平面的な演出が多く、チームラボで見られるような3次元的な没入感を体験できる演出は少ないからだ。
 特にフロアの面積的にこの施設全体の約半分を占める大型展示セクション「GARDEN」は、壁にゴッホやモネなどの絵画、モニュメントバレーやアンテロープキャニオンなどアメリカ西部の大自然の絶景、さらに韓国などアジアの古い芸術作品などの静止画像を平面的に投射するだけで、このセクションにおいてはイマーシブという演出にはなっていない。

「GARDEN」セクションの壁に映し出されたゴッホの作品。数分ごとに大自然の絶景などに切り替わる。

「GARDEN」セクションの壁に映し出されたゴッホの作品。数分ごとに大自然の絶景などに切り替わる。

 何やら批判的なことを書いているように受け取られてしまうかもしれないが、展示作品の全部が没入感のある演出になっているわけではないというだけで、平面的な静止画像もそれなりに楽しめるのであまりネガティブに考える必要はない。
 特に印象的なのは子供が喜びそうなジャングルをテーマにしたセクションだ。現場に用意されている動物の塗り絵の用紙に子供たちが好きな色を塗って、それを読み取り装置に読ませると、すぐにジャングルの画面内にその動物が登場するという子連れファミリーにとっては大いに楽しめるセクションとなっている。

この写真の下半分は塗り絵をしているところ。奥は壁に映し出されたジャングル。この中に子供たちが描いた動物が登場する。

この写真の下半分は塗り絵をしているところ。奥は壁に映し出されたジャングル。この中に子供たちが描いた動物が登場する。

 さてこの「ARTE MUSEUM」をクリエイトして運営するのは韓国の企業 d’strict 社
 これまでに韓国、中国、香港、ドバイなどでもほぼ同じアトラクションを展開してきているが、アメリカではここベガスが初めてとのこと。今後アメリカでの出展を増やしていくらしい。

 なおこれは余談になるが、前述の「GARDEN」セクションにおいて壁に映し出される映像の解説は韓国語、中国語、英語だけで日本語はない

「GARDEN」セクションにおける美術作品の解説に日本語はない。

「GARDEN」セクションにおける美術作品の解説に日本語はない。

 入場料金は平日 55ドル、週末が 65ドル。子供料金、シニア料金、早割料金、地元民料金などもあるが、どれも 10ドルほど安くなるだけで大きく割引されるわけではない。営業時間は午前10時から午後10時まで、年中無休。
(この記事はここで終わりです)

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