マスク着用率は本当に低いのか? ベガス繁華街の動画でその真実に迫る!

衛生当局が、長らく続いていたマスク着用の義務を解除した日の壁面メッセージ。(2022年2月)

衛生当局が、長らく続いていたマスク着用の義務を解除した日の壁面メッセージ。(2022年2月)

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 いよいよ日本のお盆休みシーズン。コロナ前のような数には遠く及ばないものの、決して少なくないここの読者がラスベガス旅行を計画しているようだ。
 ただ、メールなどでの問い合わせ内容を見ている限り、「初めてのラスベガス旅行」ではなく、ほとんどが「カジノ目的のリピーター」たちであることがうかがえる。

 地元旅行業界などにとってはグランドキャニオンなどにまで足を伸ばしてくれたり、ナイトショー、ショッピング、グルメなどもにもたくさんのおカネを落としてくれる初ベガス族のほうが嬉しいわけだが、このご時世、当地まで来てくれるだけでもありがたいと思わなければならない。というのも、さまざまなリスクを負っていることを覚悟の上での海外渡航だからだ。

 まだ日本側ではコロナ規制が残っており、日本へ帰国する際には陰性であることが求められる。陰性を証明できなければ出発空港(この場合、ラスベガスの空港)において飛行機に乗せてもらえない(航空会社が搭乗券の発行を拒否)。
 その陰性証明を取得するための帰国便直前の検査費用の負担や時間的な手間はもちろんのこと、もし陽性であった場合、帰国日程の変更を余儀なくされることになり、そうなれば経済的、時間的、精神的、健康的なダメージは計り知れない。
 当地ラスベガスを日本に宣伝している立場の者として、そこまでのリスクを負って来てくれる読者には感謝の気持でいっぱいだ。
 (ちなみにアメリカ側の入国におけるコロナ規制はすでに全て撤廃されている)

 そんなリピーターたちにとっての最大の関心事はやはり当地の感染事情のようだ。滞在中に自分たちが感染してしまっては帰国便に乗せてもらえないので当然のことだろう。
 そんな彼らから、マスクの着用感染状況などの問い合わせがあるわけだが、それに対しては「マスク着用者は非常に少ないです」、「新規感染者数は今の日本と同じようなレベルと考えればよろしいのでは」とお答えしている。
 ただ「着用者は非常に少ない」といっても、それが10人に1人程度の着用率なのか、30人に1人程度なのか、具体的な着用率を知りたい人もいるはずで、それを客観情報として示したいとの思いで撮影したのがこのあとの動画だ。

 その動画に話を進める前に新規感染者数に関して補足しておきたい。日本のメディアなどが、「新規感染者数において日本が世界一になってしまった」などと報道しているためか、「ベガスのほうが安全ですよね」などといった楽観的な声も届いているが、その発想はたぶん正しくない。
 なぜなら日本が世界一になってしまった背景には、諸外国が感染者数を正確にカウントしていないという事情があるからだ。(もちろん日本の統計も正確とは言えないだろうが)
 少なくともアメリカでは(ヨーロッパ諸国の多くも同様と聞く)、発熱など体調を崩した者の多くは家庭用検査キットなどを利用して自宅で検査し、結果が陽性であったとしても軽症であれば医療機関や保健所などに報告しない。
 もちろん日本でも同様なことがいえるのかもしれないが、当地での感染者の行動を見ている限り、カウントされていない感染者数はアメリカのほうが遥かに多いと推測される。

 また、「マスク着用者は非常に少ない」という情報に対して、「それだけ安全になったということかな」などと楽観的に解釈しようとする人もたまにいるが、たぶんそれも正しくない。
 むしろウイルスの飛沫の拡散という意味で、日本よりも危険な環境にあると考えたほうがよいだろう。
 仮に集団感染による免疫力の強化で安全になっているとしても、それはアメリカの人たちのことであって、日本からの観光客がいきなり飛沫だらけの雑踏の中に飛び込むのは危険極まりない。

 いずれにせよ、現在のマスク着用率の低さに対して当サイトから「安全になったきている証拠」、「だから飛沫だらけで非常に危険」などと勝手な判断を下すことは慎むべきであり、街中のリアルな映像を最低でも1分以上のノーカットの長さで提供し、あとは読者各自で判断して頂くのが一番「偏向報道」にならないのではと思っている次第。

 ノーカットにこだわるのは、この種の情報は発信側の伝えたい目的に合わせて意図的にどうにでも変えてしまうことがたやすいからだ。
 たとえば着用率を故意に少な目に伝えたい場合は、「マスク着用者が少ない場面」だけをあえて切り取って短いカットに編集してから流すことも可能となるわけだが、そんなことはしたくない。

 これは余談だが、意図的な映像といえば日本のテレビ局などは当たり前のように日々それをやっている。
 たとえば地震のニュースなどを伝える際、商品が棚から転がり落ちて床に散乱しているコンビニの様子などを報道したりするが、実際はその被災地の10軒のコンビニのうち9軒はなんともなかったりする。
 もちろんだからといって、なんともなっていない普通の状態のコンビニの映像を流してもニュースとして面白くない。
 結局大げさな場面だけを切り取ったイメージ誘導型の映像ばかりを流すことになりやすいわけだが、それは放送メディアの性(さが)とでもいうべきもので、もはや批判しても改善されることはないだろう。

 当サイトではそのようなことは避けたいし、「わざとマスク着用者がたくさんいる場面を撮影したな」 もしくは逆に「着用者が少ない場面だけを狙って撮ったな」などとは言われたくない。
 そんな思いで撮影したのが以下の動画なので、各自で当地の安全度の判断の際の参考にして頂ければ幸いだ。
 撮影日時は、どの動画も当地時間の2022年8月2日の夕刻。

ベラージオホテル内にある人気の室内植物園。はたしてこの混雑の中、マスク着用者は何人いるのか。

ベラージオホテル側からパリスホテルやプラネット・ハリウッド側に渡る横断歩道。ストリップ大通りの中で最も横断歩行者が多い交差点とされている。ベガス名物のショーガールも偶然写り込んでいるところに注目。(他の場所には歩道橋があるので地上で渡る場所はそれほど多くない)

偶然写り込んでいる歩行者の体重や体型が気になるかもしれないが(アメリカでは普通の体型と言えなくもない)、この動画はあくまでもマスク着用率を検証するためのもの。目を凝らしてマスク着用者が何人いるか探してみよう。

噴水ショーを丸ごと1曲分撮影。立ち止まっているためマスク着用者を探すのは簡単。なお、このショーで使用されている曲が著作権の問題で Youtube側によって消音される可能性あり。

ここも比較的交通量が多い地上の横断歩道。

後方は巨大観覧車。最後までマスク着用者が現れないと思いきや…。

 全動画を通して結局マスク着用率はどの程度になったか。10人に1人よりは少なかったのでは。(ちなみにこちらでは数えていない)
 そしてその着用率は予想以上だったか以下だったか。人それぞれちがっていることと思われるが、どなた様も感染しないようくれぐれもお気をつけてラスベガス滞在をお楽しみ頂ければ幸いだ。またカジノでの必勝を祈っております。

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コメント(4件)

  1. tomo より:

    アメリカに行きたいですが、ヨーロッパと違ってワクチンの接種が必須ですよね?ワクチン関係なく渡米できるのはいつになるのでしょうね。

  2. なおとし より:

    アメリカ側の入国におけるコロナ規制はすでに全て撤廃されている、と書かれていますが、アメリカ以外に住んでいる人は、ワクチン接種証明が無いと入国できないのでは?

    • ラスベガス大全 より:

      tomo様、なおとし様、
      ご投稿ありがとうございます。
      おっしゃるとおり大変失礼いたしました。
      頻繁にコンタクトしてきてくださるリピーターさんたちも、身の回りにいる人たち(在ベガスの友人知人たち)も、昨年来ずうっと出発72時間前の陰性検査のことばかりを気にして情報交換していたため、ワクチン証明のこと、すっかり忘れていました。(そもそも身の回りの友人知人は永住権を持っているためワクチン接種証明は不要でしたし)
      というわけで、ワクチン接種はお忘れになりませんようよろしくお願いいたします。
      簡単ではございますが、とり急ぎお詫びまで。

  3. すー より:

    ラスベガスの今の雰囲気が伝わる動画でした!
    情報ありがとうございます
    人々の『日常に戻そう』という速度が日本とは比べものにならないくらい早いのだと実感できました

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