年末年始のベガス旅行も CES出張も今は我慢のとき

Cromwell ホテルのカジノ。マスク着用の案内とマスクスタンド。

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 コロナ禍で海外旅行が困難な時期であるにもかかわらず、この年末年始に日本からのラスベガス旅行を計画している読者が一定数いることは、こちらへの問い合わせなどでだいたい把握できている。
 そういった旅行者に対して日本では「今の時期に行く必要があるのか!」「我慢できないのか!」といった批判的な意見が多いことも理解しているが、ラスベガスという街を日本に紹介している立場としては、こんな時期だからこそ来てくれることはありがたいし素直にうれしい。

 そんな彼らに対して、今年の最後ぐらいは明るいニュースを提供して締めくくりたいと思っていたところだが、残念ながらここ数日の激変ぶりを見ていると、とてもそんな状況ではない。
 激変とはもちろん新型コロナ、とりわけオミクロン株の新規感染者の激増と、それによる混乱だ。

 結論から先に書くならば、この年末年始、日本からのラスベガス旅行は断念したほうがよいと思われる。CES へ参加するための出張族も同様だ。
(CES とは毎年正月にラスベガスで開催される世界最大級のハイテク業界のコンベンション。今回は1月5日から開催予定)

 断念したほうが良い理由はいろいろあるが、最も気になるのはフライトの欠航だろう。
 なんとここ数日、全米で毎日数千便ものフライトがキャンセルされているというから空路の混乱は半端ではない。
 たとえば 12月27日は約2,800便がキャンセルになり、11,000便が遅延。これでは日本からロサンゼルスやサンフランシスコに到着できても、そこからラスベガスに向けて飛べるとは限らない。

 これほどの数のフライトが欠航になっている理由は、航空会社内でコロナが蔓延し運行に関わる人材を確保できないためとのこと。
 運行できなくなるほど感染者が多いと言われてもにわかに信じがたいが、なんと驚くことなかれ、ここ数日のアメリカ国内における1日の新規感染者数は毎日30~40万人というからもはや想像を絶するレベルだ。航空会社に感染者が多くいても無理はない。
 ちなみにヨーロッパの主要各国でも毎日10万人レベルの新規感染者が出ているとのことなので、人口比で考えるとアメリカよりもひどい状況なのかも知れない。

アメリカ国内での 12月28日の新規感染者数は 38万人。(NY Times )

アメリカ国内での 12月28日の新規感染者数は 38万人。(NY Times )

 日本からアメリカへ旅行した場合のトラブルはアメリカ側だけではない。日本への帰国時の隔離もやっかいなことになってきている。
 昨日、厚生労働省から発表された最新の水際対策によると、カリフォルニア州(ロサンゼルスやサンフランシスコなど)から日本への帰国者の待機期間が、これまでの3日から6日に延長された。
 ネバダ州(ラスベガス)やワシントン州(シアトル)からの入国の場合はまだ3日間のままだが、いつ変更になるかわからない。
 さらに、自身が感染していなくても帰国便において自分の座席の前後2列に感染者がいた場合、濃厚接触者として扱われ待機期間が延長される。つまり最長6日で済むとは限らない。
 (12月27日までのルールでは、機内に一人でも感染者がいた場合、座席位置に関係なく全員が濃厚接触者とされた)

 ちなみにこの待機期間の待機とは、自宅での待機ではなく空港近くのホテルなどでの隔離のこと。
 実際に3日間の隔離を経験したことがあるが、コンビニなどへ出かけることはおろか、狭い客室内から一歩も外に出ることが許されていないため、精神的にも肉体的にもかなりつらい。
 そんなつらい思いをしてまで今この時期に海外旅行をすることは、どう考えても避けるべきだろう。
 なおこの待機期間に関するさらなる情報は、以下の厚生労働省のサイトに詳しく記載されている。

 https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdf2/1228_list.pdf

 さて、観光旅行ではなく CESのようなビジネス出張の場合はどうか。
 それぞれの企業やその出張者ごとに CES参加の意義や目的などが異なるはずで、一概に「行くべきではない」とは言い切れない。
 ただそれは先週までの話。ここ数日の間に出展を予定していた大手企業が続々と不参加を表明しており、このままでは見学しようと思っていた出展企業のブースが会場に存在しない可能性も出てきている。
 帰国時の隔離などを考えると、やはり今回は日本からの出張は賢明ではない。苦労の割に得られるものは少なく、オンライン参加などにとどめておくべきだ。
 ちなみに出展を取りやめた企業の多くはオンラインでの出展はするとしている。

 なにやらオミクロン株に世界中が振り回されている格好だが、その一方で「大げさだ」、「騒ぎすぎ」、「新規感染者数ではなく重症者や死者数で考えるべき」といった声も聞かれる。
 つまり、「オミクロン株はデルタ株よりも症状が軽く、インフルエンザなどと大差ないので厳しい規制は不要」といった意見だ。
 たしかにそうなのかもしれないが、日本以外の国ではとてつもない数の感染者が出ていることと、フライトのキャンセル、さらには帰国後の隔離という不便があることは疑いのない事実。それらを考えると状況が好転するまでは日本からの海外旅行は現実的ではなく、今は我慢のときと言わざるを得ない。
 一日も早くコロナが落ち着き、日本からの観光客や出張族でラスベガスの街が賑わう日が来ることを願うばかりだ。

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コメント(1件)

  1. ワタナベ より:

    いつも貴重な情報ありがとうございます
    ラスベガス旅行を1月末に控えているものです
    確かに❗フライトの欠航が人員不足で騒がれていますね。
    新たにミスターベガス様の情報から
    隔離日数が6日に変更になったことはじめて知りました
    ただいまの時点でラスベガスからは3日とのこと。まあこれも私が行く1月末には変化ありそうですね
    もう二日前に入金してしまった
    どうしたら良いのか?キャンセル料が4万ほど取られてしまう
    更にMGMからのスイートルームがこれ以上延期すると無しになってしまう。
    もう勘弁してほしい
    ところでベガス様への情報ですが
    日本政府は12/27にコロナ濃厚接触者の範囲を
    飛行機の前後2列に変更しましたよ‼️
    これは統計から濃厚接触の%テージが3列目以降は低いとのこと。
    は、もしかして隔離施設に数が足りないことを実際は関わっているのかも⁉️
    ただ上に記載の情報は日本政府から変更がありました
    感染者の前後2列を濃厚接触者として
    判定すると政府が変更しました

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