年末恒例の花火大会、打ち上げ場所が増えた意味は大きい

年末恒例のラスベガス・カウントダウン花火大会。(写真は過去の大会)

年末恒例のラスベガス・カウントダウン花火大会。(写真は過去の大会)

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 今年も残すところあとわずか。今週は、リピーター読者にとっては毎年同じような内容になってしまい恐縮だが、ラスベガスの夜空を彩る年末恒例のカウントダウン花火大会について書いてみたい。

マンネリ化して代り映えがしない?

 今回で21回目を数えるこのイベントは、世界に冠たる目抜き通り「ザ・ストリップ」に面した複数の大型カジノホテルの屋上から約80,000発の花火が打ち上げられることで知られており、もはやラスベガスの冬の風物詩として定着している。
 「恒例」そして「定着」と来れば、「マンネリ」「代り映えがしない」となってしまいがちだが、たしかにそれは否定できない。
 それでも風物詩となっているようなイベントはどこの国でもマンネリが当たり前で日本の三大祭などもその典型。むしろマンネリは伝統を守っていることの証でもあり決して悪いことではない。
 うれしいことに伝統を守りながらも今年(厳密には来年)の花火大会は少しだけ代り映えがしそうだ。
 実は昨年(厳密には今年)の大会はコロナの感染拡大を理由に中止になってしまった。そのうっぷんばらしというわけではないが、今年は打ち上げ場所が増えている。

7から8への変化は大きい

 前回までの打ち上げ場所は北から順に、ストラット(旧ストラトスフィア)、TIことトレジャーアイランドベネチアンシーザーズパレスプラネットハリウッドアリアMGMグランド7ヶ所のカジノホテル。今回はそれに今年開業したばかりのリゾーツワールドが加わることが決まっている。
 「たった1ヶ所増えただけ?」と言うことなかれ。からに増えた違いは大きい。
 「大きくない!」という声が聞こえてきそうだが、そういう人は体重が 70kg から 80kg に増えたことを想像してみるといい。大きいはずだ。

赤いホテルの屋上から花火が打ち上げられる。

赤いホテルの屋上から花火が打ち上げられる。

夜景というキャンバスの幅が倍増

 冗談はさておき、リゾーツワールドが加わった意味は本当に大きい。というのも、今までは7ヶ所といっても北端のストラットが離れすぎていたため、花火の夜景という意味での見栄えとしては実質6ヶ所だったからだ。
 つまり視覚的には南端のMGMグランドから6ヶ所目のTIまでがこのイベントの範囲で、ポツリと離れたストラットは景色の連続性の中に含まれていなかった。
 今回リゾーツワールドが加わることにより、TI以北に広がる暗黒の空間が埋められ、MGMグランドからストラットまでが連続した夜景となる。1ヶ所の追加によってこれまでの実質6ヶ所8ヶ所になり、このイベントが造り出す夜景のキャンバスの幅もほぼ倍に拡大。どんな光景になるのか楽しみだ。

ストラットからの花火も悪くはないが、遠く離れた場所でのポツリとした存在。

ストラットからの花火も悪くはないが、遠く離れた場所でのポツリとした存在。

10分にも満たない短時間勝負

 以下は毎年同じような記述になってしまうが、この花火大会に関する一般的な情報をまとめてみた。
 アメリカの花火大会の多くは日本のそれとはちがい 1時間も2時間もやらない。10分にも満たない短時間で終わるのが普通で、この大会も例外ではなくその継続時間は約8分前後
 したがって、始まったかと思えばすぐに終わってしまうので宿泊ホテルの館内から群衆をかき分けながらストリップ大通りへ出る際は、打ち上げ開始時刻に遅れないよう注意が必要だ。
 その開始時刻は 12月31日23時59分50秒。そこからカウントダウンが始まり、新年を迎えた瞬間に盛大な花火が一斉に打ち上げられる。

1秒間に20発 x 8

 花火の総数は前述の通り今回も約80,000発と発表された。これは1ヶ所のホテルからわずか8分間に1万発が打ち上げられることになり、単純計算で1秒間に約20発。それが8ヶ所だ。
 ほとんど途切れることのないこの高速連射による演出はまさに短時間勝負なので、脇目も振らずに集中して楽しむようにしたい。
 なお、打ち上げ場所が非常に群衆に近いことから安全上の理由により個々の花火のサイズはそれほど大きいものではなく、日本におけるいわゆる二尺玉、三尺玉のような巨大花火は期待できない。

8ヶ所すべてを見ることはできない

 さて、毎年この時期になると「どこで見るのがベストか?」といった問い合わせが寄せられるが(今年はコロナの影響なのかまだない)、どこを選んだとしても現場は高層ホテルに囲まれた環境のため、ストリップ大通りから遠く離れた郊外に行かない限り8ヶ所すべての花火を同時に見ることはできない。
 したがって場所にあまりこだわることなく、宿泊ホテルの近くで見ればよいと思われるが、この鑑賞場所に関してはそのつど現場の混雑状況などを見ながら臨機応変に決めればよいだろう。

トレジャーアイランドとベネチアンからの花火。

トレジャーアイランドとベネチアンからの花火。

子連れや体力に自信がない者は要注意

 なお、エクスカリバーよりも南、もしくはリゾーツワールドよりも北のホテルに宿泊している場合は、そのホテルの周辺は通行人が少なく盛り上がりに欠けるためできれば中心街まで出向いたほうがこの活気あるイベントの雰囲気を楽しめるはずだ。
 盛り上がりという意味ではベラージオホテルやフラミンゴホテルがある交差点の付近が中心街なのでベストポジションということになるが、おびただしい数の群衆の中で、もみくちゃにされてしまう可能性もあるので、子連れファミリー体力に自信がない者は注意したほうがよい。

空港の第3ターミナルの駐車場

 今年はコロナも気になるばかりか、せっかく倍増したキャンバスの全景を見るという意味でも、群衆を避けて遠く離れた場所から楽しむのもよいかも知れない。
 ラスベガスは盆地になっているので、レンタカーなどで遠く離れれば離れるほど上から見下ろす角度で全景が見やすくなる。といっても離れすぎるのも良くない。小さくなりすぎない範囲で全景を見られるという意味では空港の第3ターミナルの駐車場は利用価値がある。(第1ターミナルの駐車場のほうが見やすいが、利用できる駐車場が頻繁に変わるので確実ではない)

空港の第3ターミナルの駐車場から見た花火大会。

空港の第3ターミナルの駐車場から見た花火大会。

歩行者天国に関する注意

 ストリップ大通りは 12月31日の夕刻から深夜2時ごろまで歩行者天国になる。その時間帯、レンタカー、タクシー、ウーバーなどはストリップを走行できないことを忘れないようにしたい。
 なお軌道がストリップからやや離れているため使い勝手はよくないが、歩行者天国による路線バスの運休を考えるとモノレールの存在を知っておいて損はない。

天気よりもコロナで中止の可能性?

 最後に、群衆に近いということもあり強風の場合は消防当局の判断で花火大会そのものが中止になる可能性がある。
 が、なぜか過去20回、一度も中止になったことがない。なので確率論的にはあまり心配する必要はないだろう。
 むしろコロナの急激な感染拡大による中止を心配したほうが現実的かも知れない。
 では読者の皆さん良いお年を。

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