新型コロナ騒動、観光客にとっては心配無用、ベガスにとっては大問題

プロアイスホッケー NHL の、ベガス対ニュージャージーの試合会場に集まるファン。(3月3日撮影)

プロアイスホッケー NHL の、ベガス対ニュージャージーの試合会場に集まるファン。(3月3日撮影)

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 今月からゴールデンウィークにかけてラスベガス旅行を計画している読者などから、新型コロナ騒動に対するラスベガスの最新状況を求める問い合わせが絶えないので、3週間前にお伝えしたばかりではあるが、続報として近況をレポートしてみたい。

ベガス旅行を中止にする必要はない

 結論から先に書くならば、街の中における見た目の大きな変化は特に見当たらない。
 この騒動を理由に、レストランが臨時休業したり、ナイトショーが休演といったことは現時点では報告されておらず、日本からの一般観光客が直接的な不便を強いられるようなことはないと思われるので、計画していたラスベガス旅行をあえて取りやめる必要はないだろう。
 そもそもアメリカでは、中国、韓国、日本、イタリアなどと違い、感染者の数が非常に少ないため、感染者の存在自体がラスベガスに大きな変化をもたらすような状況にはなっていない。(潜伏期間中の感染者がどれだけいるかわからないので、あくまでも現時点での話ではあるが)

パリスホテルとプラネットハリウッドホテルの間の交差点。マスク着用者は一人もいない。

パリスホテルとプラネットハリウッドホテルの間の交差点。マスク着用者は一人もいない。

大韓航空がノンストップ便を運休

 ただ、一部の商品の買い占めや、チャイナタウン周辺での人出の減少など、一般観光客にとってはあまり関係ない部分での変化は散見される。
 また、いくつかのコンベンションの中止や、大韓航空がソウルとラスベガス間のノンストップ便を 3月9日から4月25日まで運休を決定するなど、じわじわと新型コロナ騒動の影響も出始めているので、ニュースなどから目を離さず今後の状況変化を注意深く見守る必要がありそうだ。

プラネットハリウッドホテルとベラージオホテルを結ぶ横断歩道。マスク着用者は一人もいない。

プラネットハリウッドホテルとベラージオホテルを結ぶ横断歩道。マスク着用者は一人もいない。

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売り切れているのはマスクだけ

 以上が結論だが、個別の事案に話を移すと、買い占めに関しては、観光客にとっては大きな問題とはならないはずなので、特に気にする必要はないだろう。
 というのも、数日前から COSTCO など郊外の大型店で水やトイレットペーパーの買い占め騒動があったり、チャイナタウンのスーパーマーケットからコメが消えたりしているが、ホテル街のドラッグストアでは水もトイレットペーパーも、さらには紙おむつ、ティッシュペーパー、ハンドサニタイザー、カップ麺なども平常時と変わることなく商品棚に並んでいるからだ。
 ただ、マスクだけは売り切れになっていた。(ベラージオホテルの向かい側のドラッグストア CVS における 3月3日午後5時ごろの状況)

マスクだけは商品棚から消えていた。

マスクだけは商品棚から消えていた。

やはり「マスク着用者=病人」

 さぞかしマスクが人気かと思いきや、ホテル街を数時間歩いていても、マスク着用者には一度も遭遇しなかった。(このページに掲載されている写真はすべて 3月3日の午後に撮影)
 やはりこの週刊ラスベガスニュース 第1191号 でも報じたとおり、これだけ世界中で騒動になっているにも関わらず、アメリカでは「マスク着用者=病人」という概念が根強いのか、日ごろマスクを着用しているアジア人といえども、当地ではマスク着用をためらっているように見受けられる。

ここでもマスク着用者は一人もいない。後方は、つい先日 PARK MGM ホテルの前に完成した歩道橋。

ここでもマスク着用者は一人もいない。後方は、つい先日 PARK MGM ホテルの前に完成した歩道橋。

マスクを買い占めているのは日本人?

 それにしても、売り切れたマスクはどこへ行ってしまっているのか。アジアからの観光客がみやげ用として買っているということか。
 ちなみに中国からの渡航者は、現在アメリカへの入国が制限されており、また大韓航空のフライト運休からもわかるとおり韓国からの渡航者も激減していることを考えると、買い占めているのは日本人という可能性もあるが、そうでないことを祈りたい。
 なお冒頭で、見た目の変化はないと書いてしまったが、入国制限などの影響もあり、街の中からアジア人の姿がめっきり減っていることは大きな変化というべきかもしれない。

「ベガス・ゴールデンナイツ」の試合会場の前で入場を待つファンたち。

「ベガス・ゴールデンナイツ」の試合会場の前で開門を待つファンたち。

濃厚接触を気にする気配なし

 次にナイトショーなど、人が集まる場所に関して。日本では、人と人の濃厚接触の機会を減らすべく、イベントなどの自粛が求められているが、こちらでは「コロナ騒動など、どこ吹く風」といった感じで、現時点では自粛の気配はまったく見られない。
 ちなみに上の写真は、プロアイスホッケーリーグ NHLのベガス・ゴールデンナイツニュージャージー・デビルズの試合が開催されたアリーナ前の広場の様子。ここでもマスクをしている者は見当たらない。
(ゴールデンナイツの試合結果などを見たい場合は こちら をタップまたはクリック)

試合開始前に、アリーナの近くのビールパブで盛り上がるゴールデンナイツのファンたち。

試合開始前に、アリーナ近くのビールパブで盛り上がるゴールデンナイツのファンたち。

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コンベンションが成立しない!?

 というわけで新型コロナ騒動の影響は、ラスベガスにおいては軽微なものにとどまっているようにも思えてしまうが、実は大変な事態が懸念されている。
 それはコンベンションが不成立になった場合のホテル業界などが被る被害だ。ホテル業界は、当地における最大の雇用主なだけに影響は甚大で、地元経済に与えるインパクトは、はかり知れない。
 ここでいう不成立とは、自粛などによる中止ではなく、出展企業が参加できないという異常事態のことだ。

パリスホテルの前の歩道を歩く観光客たち。

パリスホテルの前の歩道を歩く観光客たち。マスク姿はない。

ASD は出展社の多くが中国企業

 ラスベガスがコンベンションの聖地のような存在であることは周知の通りで、大小さまざまなコンベンションが毎年 1000件以上開催されているわけだが、その中でもトップテンに入るような大型コンベンションが3月から4月にかけて予定されており、関係者は頭を抱えている。
 そのコンベンションとは開催順に、世界最大級の建設業界の展示会 ConExpo、ありとあらゆるジャンルの雑貨の見本市 ASD、それに世界最大の放送業界の集い NAB だ。
(具体的な日程などは こちら をタップまたはクリック)

 この中で特に ASD は出展企業も出展商品も中国依存度が非常に高く、アメリカに現地法人を持つ企業であればなんとか参加も可能だが、本国からの参加となると、中国企業は入国制限などで出展できない可能性があり、今回の ASD は規模の縮小を避けて通れそうもない。

NAB の日本勢は入国できるのか?

 NAB も大いに心配されている。というのも、2000社近くの出展企業の中で、最大級のブースを構えるのが、ソニー、キャノン、パナソニック、ニコン、富士フィルム、池上通信機、JVCケンウッド、などとなっており、日本勢が主役だからだ。
 もしこのあと、アメリカ政府が「日本からの渡航者も入国禁止」という方針を打ち出した場合、これら日本企業は米国現地法人のスタッフだけでやっていけるのかどうか。
 ちなみにすでに NAB の主催者は、その公式サイト内で Coronavirus Updates and Resources という特設ページを設けて毎日こまめに情報を更新しており、不安を抱えている様子がうかがえる。

ConExpo は来週なので中止はない

 ConExpo も、日立、コマツ、三菱マテリアル、タダノ、竹内製作所、酒井重工業(すべて東証1部上場企業)などの日本勢が出展する予定だが、こちらは開催が来週に迫っているので、今さら変更はむずかしく、予定通りに開催されるものと思われる。

被害を被る業界は多岐にわたる

 もしこれらの大型コンベンションが中止になった場合、ホテル業界はもちろんのこと、飲食業界、運輸業界、印刷業界、ブースの建設業界など、被害を被る業界は多岐にわたり、地元経済に与えるインパクトは甚大で、もはやラスベガスは、感染者がほとんどいないからといって新型コロナ騒動を楽観できる状態ではない。

Adobe社は中止、NFL は状況を注視

 すでに実際に開催が中止になったコンベンションもある。フォトショップなどでおなじみのソフトウェア大手 Adobe社が予定していた世界大会(3月29日から5日間で、20,000人以上が参加予定だった)の中止が決まった。
 また、ラスベガスにおける今年最大のイベント NFL ドラフト(4月23日から3日間)は、中止にこそならないだろうが、主催者が新型コロナに関して最大限の関心を示し、状況を注視しているとのコメントを発信しているので、今後のウイルス感染拡大の状況などによっては、何らかの変更があるかも知れない。

MGM社の株価は大幅下落

 大型イベントの中止や縮小というイヤな流れがいよいよ始まってしまうのか…。
 そんな不安が広まる中、ラスベガスで最大の勢力を誇るホテル運営企業 MGM Resorts 社の株価はここ数日で、全体の相場の下落幅以上に大きく値を下げている。新型コロナ騒動が一日も早く収束することを願うばかりだ。

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コメント(9件)

  1. まつお より:

    毎年3~4月に観光でラスベガスに行くのですが、普段からラスベガスの情報チェックに参考にさせていただいています。今回も3/19からラスベガス予定なのですが、知りたい記事がなかなかネット内になく、とても参考になりました。ありがとうごさいます。いつまでもラスベガス大全続けてくださいね♪

  2. ラスベガス大全 より:

    まつお 様
    ラスベガス大全をご閲覧いただき、そして激励のメッセージまでいただき、誠にありがとうございます、

  3. うちの より:

    日本でのマスク不足の要因の一つとして、日本に住んでいる中国の人達が、マスクを買い占めて、母国に送っていると報道されたことがあります。もしかして、アメリカでも同様のことが起きているのかもしれませんね。

    • ラスベガス大全 より:

      うちの 様
      ラスベガス大全をご閲覧頂きありがとうございます。
      そういう可能性があるのかも知れませんね。

  4. M’s より:

    来月末~のGWで、ベガスに行くつもりです。
    (昨年夏に行って、とても好きな街の1つになったので!)
    年明け早々に予約していて、こちらのサイトをいつも楽しみに見ていますが、
    入国制限だけが今は心配・・キャンセルは考えていないので!

    役立つ情報がいっぱいで助かります。

  5. 高橋 より:

    4月にラスベガスへ行く予定でショーのチケット4枚事前に購入しました。ところが直行便がとべなくなって、ショーをキャンセルしたいのですが、キャンセル料100%取られるって旅行社から言われました。転売できるならしたいのですが、誰か良い方法教えてください。また、4月17日18日OとKAみたい方がいましたら、チケットお譲りします。

  6. ていおう より:

    3/16に下記メールが来ました。
    ————
    新型コロナウィルス感染拡大防止のため、シルク・ドゥ・ソレイユにて 「4/30」までの全てのショーが休演となる旨、急遽報告がありました。
    大変残念ではございますが、ご予約はキャンセルとしアクティビティ代金は全額返金させていただきたく存じます。
    コロナウイルスの影響とはいえ、楽しみにされていたシルク・ドゥ・ソレイユのショーへのご案内が出来ず誠に残念ですが、何卒ご理解いただけましたら幸いです。
    ———–

  7. もふもふ より:

    とても楽しみにしていた来週からのラスベガス旅行、現状を考えキャンセルいたしました。宿泊先であるベネチアンはキャンセル不可のプランで予約したため、キャンセルに応じれないと回答しているのですが、今後MGM系列のように営業停止になる可能性はあるのでしょうか…?

    • ラスベガス大全 より:

      もふもふ様
      すでにこのサイト内のスポットニュースに掲載させていただいているとおり、ベネチアンも閉館になりましたので、返金(予約時に使用したクレジットカードに、マイナスのお買い上げ処理)してくれるはずです。

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