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タクシー業界、定額運賃制の導入で Uber や Lyft に対抗

派手な広告で知られるラスベガスのタクシー

派手な広告で知られるラスベガスのタクシー

 12月20日、ラスベガスのタクシー業界は、走行距離や走行時間に関係なく、あらかじめ決められた運賃で乗車できる定額制を導入した。
 ただしこれは、ラスベガス国際空港(マッキャラン空港)とストリップ地区のホテル街の区間だけに限定した運賃体系で、ダウンタウン地区やその他の地域に関しては適用されない。

空港のタクシー乗り場で乗客を待つタクシー

空港のタクシー乗り場で乗客を待つタクシー

 その対象となるストリップ地区のホテル街は3つに区分され、空港に近いほうからゾーン1ゾーン2ゾーン3 となっており、空港からの運賃はそれぞれ $19、$23、$27
 各ゾーンに属する具体的なホテル名は以下の写真(空港のタクシー乗り場の近くに掲示されている料金表)に示されているとおりで、ストリップ大通りに面していないハードロックホテル(ゾーン1)や、オーリンズ(ゾーン2)、さらにはパームス、リオ、ウェストゲート(以上、ゾーン3)などのホテルも含まれており、ダウンタウン地区以外の主要ホテルはほぼすべて網羅されていると考えてよい。

$19 の「ゾーン1」に区分されるホテル

$19 の「ゾーン1」に区分されるホテル

 今回の定額制の導入は半年間の試験的なもので、このあと何か不具合や問題があったりした場合は料金も含めて修正や撤回などもあり得るとされているが、特に問題がなければそのまま継続し、さらにダウンタウン地区などにも適用範囲を広げる可能性もあるとのこと。

$23 の「ゾーン2」に区分されるホテル

$23 の「ゾーン2」に区分されるホテル

 利用者として気になるのは、これらの定額料金が、従来の距離や乗車時間によって決まる料金体系と比べて安いのか高いのかということになるが、それに関しては、これまでの料金の平均的な数値から算出したとのことなので、特に大きな差はないとされるが、いくつかメリットはあるようだ。
 悪質ドライバーによる遠回り運転を心配する必要がなくなるということはもちろんだが、目的地に早く到着できる可能性が高まり、さらに渋滞時には料金的なメリットもあるとされる。

$27 の「ゾーン3」に区分されるホテル

$27 の「ゾーン3」に区分されるホテル

 なぜなら、空港からストリップ地区のホテル街に行くルートにおいては、最短距離となる一般道を走行するルートと、遠回りになる高速道路(有料道路ではない)を利用するルートがあるわけだが、これまでは一般道が渋滞している場合、高速道路のほうが早く到着することがわかっていても、ドライバーとしては、客から「遠回りされた!」とクレームされることを避け、あえて時間がかかる一般道を利用することが多かったからだ。
 渋滞している一般道は、距離的には短くても、停車中や低速運転中の時間料金が加算されるため、結果的に遠回りの高速道路利用よりも高くなってしまうことがしばしばあった。
 定額料金になれば、ドライバーは客からのクレームを心配することなく自由にルートを選べるため、おのずと最短時間のルートを走行するようになり、客にとってメリットとなるというわけだ。

 客にとってメリットがあるということは、タクシー会社にとっては良くないことのほうが多そうだが、それでもあえてこの定額制を試験導入した背景には、UberLyft の存在があることはいうまでもない。(Uber、Lyft は、スマホを使った配車サービスの会社)
 Uber と Lyft は、参入からわずか数年でタクシー業界のシェアの半分を奪い取ったとされており(あくまでもラスベガスの場合)、タクシー業界はこのまま何もしなければジリ貧の一途をたどる可能性が高い。

空港で乗客を待つタクシーの列

空港で乗客を待つタクシーの列

 タクシー業界が Uber や Lyft に対して劣勢に立たされている理由の一つに、客側に「遠回りされる不安」があるためとされ、実際に一般道が渋滞していなくても遠回りするドライバーがあとを絶たず、空港周辺の高速道路が完成してからこれまでの約20年間、ラスベガスのタクシーの評判は決して良いものではなかった。
 ネットで情報が簡単に広まる今の時代、悪評判を抱えたままでは Uber や Lyft にシェアを奪われるのは当然の結果であり、今回の定額制の導入は、たとえ収益的なメリットが無くても、シェアの確保のためには避けて通ることができなかった苦肉の策といえ、半年の試験期間終了後も、たぶん元の料金体系に戻すことはできないだろう。
 Uber や Lyft にも乗車場所の混雑や不透明なダイナミックプライシング(可変料金体系。たとえば需要が多い時期は運賃が自動的に大幅アップ)など問題がないわけではないので、タクシー業界にも生き残りをかけて頑張ってもらいたいものである。

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