大晦日のカウントダウン花火大会で年が明けてから 1ヶ月以上がたった今、ラスベガスにはもう1回、注目の正月がやって来る。チャイニーズ・ニューイヤーこと、旧暦の正月「春節」だ。(上の写真はシーザーズ・パレスの正面玄関)
二十四節気のひとつ「雨水」の直前の新月の日がそれに該当し、今年は2月16日が旧暦の元日ということになる。(ただし西経115度のラスベガスにおける天文学上の正確な新月は当地の日付で 2月15日 13時17分)
春節を祝う文化圏ではこの時期に一週間程度の休みを取ることが多く、アメリカ国内はもとより、台湾、香港、中国、そして世界各地からチャイニーズ系の人たちが大挙してラスベガスにやって来る。(上の写真はベネチアンホテル)
彼らはもともとギャンブル好きなので、カジノホテルにとって、この時期は重要なかき入れ時。正面玄関や館内をその年の干支(今年はイヌ)や縁起物などで飾ることに余念がない。
そのようなわけでラスベガスのホテル街が、縁起が良い色とされる赤やゴールドなど春節カラーであふれる様子は、すっかりこの時期の風物詩となった感があり、このラスベガス大全でもたびたびその光景を写真で紹介してきたが、近年、それら装飾は高額ギャンブラーが好んで利用する高級カジノホテルに集中する傾向があり、中級以下のカジノホテルが装飾を施すことはほとんどなくなってきている。(上の写真はベラージオホテル)
もちろん中級以下のカジノホテルにチャイニーズ系の客が泊まりに来ないというわけではなく、またそれら客がギャンブルをしないわけでもないが、カジノホテルはげんきんなもので、かなり打算的だ。
リーマンショック以前は多くのカジノホテルがこの時期に何らかの形で旧正月を祝っていたものだが、近年は一般レベルのギャンブラーを呼び込むためにわざわざ経費をかけたくないのか、予算が10万ドルを超えるようなレベルのギャンブラーが集まる高級カジノホテルだけが装飾をするようになった。(上の写真はベネチアンホテル)
また景気だけが最近の傾向の理由ではない。たまたま現在のラスベガスにおけるカジノホテルは、たびかさなる合併によって、高級も中級も低級も同一の会社によって運営されていることが多く、高額ギャンブラーの集客を高級カジノホテルに集中させやすい環境にある。その結果、かつては派手に装飾していたパリスホテルやマンダレイベイホテルなどは、もはや旧正月にはあまり力を入れていない。(上の写真は MGMグランド)
逆に考えると、正面玄関などが旧正月を意識した装飾になっているカジノホテルはかなり高級という判断もでき、具体的には、ベラージオ、シーザーズパレス、ベネチアン、パラッツォ、アリア、MGMグランド、ウィンなどが該当する。以下は、それら高級カジノホテルの現在の様子だ。