シンコ・デ・マヨ & 座ったまま食べ放題の高級メキシカン

※記事内の1店 T&T は閉店

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 5月5日は、在米メキシコ人にとっての最大のイベント 「シンコ・デ・マヨ」Cinco de Mayo)。1862年、メキシコ軍がフランス軍に勝利した日だ

 なぜかメキシコ本土よりも、在米メキシコ人のほうが盛大に祝う傾向にあり、「メキシコ系アメリカ人に最も知られている祝祭日であり、アイルランド系アメリカ人の聖パトリックの日、ドイツ系アメリカ人のオクトーバーフェスト、中国系アメリカ人の旧正月と同様、民族に関係なく多くのアメリカ人が祝する日」ということになる。
 ちなみに今年はその勝利の日からちょうど150年。盛り上がり方も半端ではなさそうだ。

 全米の各メキシコ料理店では、さまざまな祝賀メニューや、無料もしくは格安のマルガリータが振舞われたりする可能性があるので、この日にラスベガスに滞在予定の者は、宿泊ホテル周辺の店に足を運んでみるのもよいかもしれない。以下は、主要ホテル内にあるメキシコ料理店。

 特に、トレジャーアイランド・ホテルに先週開業したばかりの大型メキシコ料理店「セニョール・フロッグス」(Senor Frog’s: 写真下)では、シンコ・デ・マヨと、この店の開業を祝う特別イベントが行われる予定で、ラスベガスで一番の注目店として話題の中心になっている。

 ただ、そのイベントの詳しい内容に関しては情報が錯綜しているので、行く場合は直前に各自で確認したほうが良いだろう。
 ちなみにセニョール・フロッグスとは、メキシコやカリブ諸国などのリゾート地を中心に事業展開する有名チエーン店で、最近アメリカへの進出も決め、すでにワイキキに店をオープンさせている。

 さて、シンコ・デ・マヨの日にベガスに滞在できない読者のために、季節に関係なく楽しめるメキシコ料理の話題をひとつ。
 マンダレイベイホテルにある「Border Grill」だ。ここのウィークエンド・ブランチがなかなかの人気で、そこそこリッチな気分とエスニックな雰囲気を楽しめることから、観光客はもちろんのこと、地元民の間でもファンが少なくない。

 なにゆえリッチな気分かというと、食べ放題であるにもかかわらず、自分で料理を取りに行く必要がないばかりか、ウェイターやウェイトレスがオーダーを受けてから個別に調理するので、作りたての料理を楽しめるからだ。
 もちろんアイテムによってはあらかじめ作られているものもあるが、とにかくきれいに盛りつけられてくるので、自分で皿に盛る通常の食べ放題に比べると見た目も美しい。

 つまり最初から最後まで座ったままで食べ放題を楽しめ、なおかつ作りたてで味がよく、見た目も美しいとなればそれで十分のようにも思えるが、さらにこの店は雰囲気もよい。
 マンダレイベイホテル自慢の広大なプール施設(写真)に面した屋外席はリゾート気分満点で、気候がいい今の時期は真っ先にこの席から埋まる。
 これからの暑い季節はどうなるか気になるところだが、それも心配無用。この店には十分すぎるほど広い室内ダイニングルーム(写真下)がいくつもあるので、気温に応じて屋外と屋内を使い分けることが可能だ。

 いいことばかり書いてきたが、もちろん欠点もある。
 といってもそれはほとんど金銭的な部分ばかりで、まずは料金が $29.99 もするということ。朝食としては決して安くない
 「ブランチ」なので昼食ともいえるが、遅くとも10時半には行ったほうがよいので気分的には朝食の時間帯だ。

 さらに、通常の食べ放題バフェィとは異なり、コーヒーやコーラなどのノンアルコール・ドリンクも別料金制なので割高感は否めない。
 また、それぞれのテーブルに担当のウェイターやウェイトレスがきちんと付くので 15%以上のチップが必要だ。8.1% の消費税(これは他の店でも同じだが)も含めて考えると 45ドル前後は覚悟しておく必要がある。

 なお、「ブランチ客のみ、ミモザ飲み放題 5ドル」というオプションがあるので、アルコール好きはこれを選ぶとよいだろう。
 オレンジだけでなく、ピーチ、ザクロ、パッションなど様々なフレーバーから選択でき、果汁なしのシャンパンだけにしてもかまわない。2杯目、3杯目で異なるフレーバーをリクエストすることも可能。
(日本からの読者には申し訳ないが、地元民は、運転免許証などを提示すると 15% off になる)

 さて実際の利用方法についてだが、場所はマンダレイベイホテルの本館カジノフロアからサメ水族館「シャーク・リーフ」へ通じる通路の途中。

 ブランチの営業時間は、毎週土曜日と日曜日の午前10時から午後3時まで。季節のいい今の時期は屋外席から埋まるので、そこを希望する場合は10時半には行ったほうがよい。
 なお、早く行ってもパラソルの下の席を確保できるとは限らないので、屋外希望で日焼けを気にする場合、帽子は必携。太陽の向きによってはサングラスも欲しい。

 席に案内されると、まず飲み物をきかれ、最初の料理をオーダーする前に、グワバのエンパナーダとフルーツの盛り合わせ(写真)がサーブされる。これは日本で言うところの「お通し」と考えればよい。

 そのあとはブランチ専用のメニューに書かれている約20種類ほどの料理の中から好きなものをオーダーするだけだ。なお、同時に何皿も運び込まれても冷えてしまうだけなので、一度にオーダーするのは 2~3種類にしておくべきだろう。ちなみに今回の取材で試食した料理は以下のとおり。

Machaca Chilaquiles :
いわゆるメキシカンの味。悪くはないが、他のアイテムに比べて量がかなり多いので、すぐに満腹になってしまう人は要注意。

Peruvian Shrimp and Grits :
グリッツは粗びきトウモロコシのお粥のようなもので、今回ここで食べた料理は、おろした山芋のような食感。その上にピリ辛のエビが数匹トッピング。

Yucatan Egg Benedict :
基本的にはアメリカの通常のエッグベネディクトに近いが、ビーンズが入っていたりでメキシコっぽい味付けに。赤い酢漬けの玉ねぎが、全体の色彩を豊かにして美しい。

Short Rib Hash and Egg :
肉の焼き加減とエッグの料理方法をきかれるので、ミディアムレアとサニーサイドアップをリクエスト。細く繊維状にバラバラにされた肉はアメリカのコンビーフのような見かけだが、味付けは甘いので、半熟の卵と混ぜると、すき焼きのような味に。

Crispy Potato Rajas Taco :
小さなタコスが1つ小皿に乗っているだけだが、コーンやチーズがかなりこってりトッピングされているので見かけ以上にボリュームがある。味付けはけっこうスパイシー。

Bacon Jalapeno PBJ :
ベーコンとハラペニョが入ったPBJ。PBJとは、ピーナツバター & ジェリーの略で、ピーナツバターとジャムを挟んだサンドイッチのようなもの。アメリカでは子どもの弁当でしばしば見られる。それにベーコンとハラペニョが一緒になった奇妙な組み合わせの料理だが、意外にもまともな味にまとまっているところがおもしろい。

Bread Pudding French Toast :
メキシコのフランのフレーバーがするフレンチトーストのようなもの。日本人の味覚には甘すぎるかもしれない。

Oaxacan Pancakes :
チョコレート風味のパンケーキで、それ以上のものでもそれ以下のものでもなく想定内の味。サイズは直径10cm程度のものが三段重ねで、そこにメイプルシロップがたっぷり。

Churro Tots :
丸いボール状の小さなシナモン・ドーナツが5つといった感じのデザート。ペパーミントの葉とクリームが添えてある。

Mexican Rice Pudding Parfait :
コメを材料にしたプディング。かなり小さなカップに入っているので、満腹に近い状態でオーダーするならこれに限る。

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