ますます早まるブラック・フライデーの営業開始時刻

 今年もいよいよ「ブラック・フライデー」(今年は 11月25日)。
 晩秋の風物詩ともいえる国民的行事「アフター・サンクスギビング・セール」が行われる日だ。
 昨年までの記事と重複してしまうが、今週はこの話題について取り上げてみたい。
(上の写真はプレミアム・アウトレット・ノースで昨日撮影。これ以外の以下の写真は昨年までのこの時期に撮影されたもの)

 ブラックフライデーは、ショッピング族にとっては年に一度のビッグイベントであると同時に、ウォール街などでは年末商戦や今後の経済情勢を占う重要な日でもある。
 また「アメリカ人が一年のうちで最も早く起きる日」とも言われている。
 多くの人が「朝4時から1時間だけ半額」といった時限セールなどに出かけるからだ。
 では、なにゆえこの時期にセールなのか。そしてなにゆえブラックなのか。

 「秋の収穫や神の恵みに感謝する日」とされるサンクスギビングデー(11月の第4木曜日)は、アメリカでは全国的な休日で、大多数の人はこの日に休みを取る。店も休むところが多く、街は総じて静かになりがちだ。
 人々は、普段離ればなれになっている家族や親戚と集って再会を喜びながら、いわゆるターキーパーティーを開いて、七面鳥などの料理に舌鼓を打つ。
 その一方で、11月後半のこの時期になると、多くの人は早くもクリスマス・プレゼントなどの準備であわただしくなり、料理やパーティーなどが付きまとうサンクスギビングは、楽しい休日であると同時に、なにかとわずらわしい存在でもある。

 そんなサンクスギビングが終わり、開放感に満ちあふれた気分でクリスマス・ショッピングを開始したくなるのがその翌日で、その日に照準を合わせたセールがアフター・サンクスギビング・セールというわけだ。
 単なるバーゲンといってしまえばそれまでだが、年々その規模や騒ぎぶりはエスカレートしており、もはや完全にイベント化。早朝5時、6時開店は当たり前で、最近は3時、4時、さらには深夜0時開店の店も珍しくなく、全米の市民がその時間に合わせて動き出す。(上の写真は深夜0時ごろ撮影)

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 そして 2005年ごろから、この日は一年で最も小売業界の売り上げが多い日となり(かつては、クリスマス直前の土曜日だった)、「クリスマス商戦のキックオフの日」として、業界人の間では、「この日ばかりはよく売れて黒字になる」「この日からクリスマス商戦が始まり黒字になる」ということから「ブラック・フライデー」と呼ばれるようになり、いつの日からか一般市民の間でもこの表現が定着した。
 ちなみにこのページの一番上の写真を拡大すればわかる通り、今年のプレミアム・アウトレット・ノースのブラック・フライデーは深夜0時に始まる。

 セールを行うのはショッピングモールに限ったことではない。家電、アパレル、家庭雑貨など、それぞれの分野の大型専門店、さらには百貨店もこのイベントに参加する。つまり小さな個人商店以外はなんらかのセールをやると考えてよい。

 大型専門店の平均的な開店時刻は、数年前までは早朝5時か6時といったところだったが、ここ数年、繰り上げ競争が激化。
 今年は家電大手の BEST BUY、総合雑貨の TARGET、アパレルと雑貨の KOHL’S などが早くも午前0時の営業開始を発表している。

 さらに玩具大手の Toys R Us は、前日木曜日の午後9時オープンというから完全なフライングだ。その時刻はまだサンクスギビングが終わっていないので「アフター」ではなく、「フライデー」でもない。
 おきて破りとの声も聞かれるが、これまでの早朝3時や4時のオープンだと徹夜する子供が続出するため、教育上の見地から、やむを得ない措置だとか。

 もちろん安易な繰り上げ競争に巻き込まれていない大型店もあり、百貨店の SEARS は午前4時、スポーツ用品大手の Sports Authority は午前5時、文具とオフィス用品の STAPLES や、手芸クラフトの JoAnn は 午前6時だ。
 なお、もともと24時間営業のラスベガス地区の Walmart は、木曜日のサンクスギビングデーの午後10時から(原則24時間営業だが、サンクスギビングの日は、午後10時まで休む店舗も)おもちゃ売り場でセール、そしてその2時間後の0時から家電部門でセールを行う予定。やはり玩具は子供の就寝時刻に合わせてフライングが認められているということか。

 激安の目玉商品や「全品 80% off」といった特別割引は「先着100名様」「開店後1時間限り」などのきびしい条件付きだったりすることが多く、開店前から行列ができやすい。
 どの店にも行きたくなってしまうが、自分のカラダはもちろん一つだけ。深夜から早朝の限られた時間が勝負となるだけに、複数の会場で戦利品を仕留めることは極めてむずかしいと考えるべきだろう。
 したがって、少しでも効率よく回るためには、開店時刻のみならず、立地条件なども含めた事前の下調べが重要になってくる。

 とはいっても地元民とはちがい、一般の観光客にとっては行くべき場所の選択肢はそう多くない。
 地元民ならば郊外型の大型専門店などを素早く車で回ることも可能だが、バスやタクシー利用の観光客にはそれがむずかしいからだ。仮にレンタカーがあったとしても、かさばる家電製品や家具を日本に持ち帰るわけにはいかない。
 結局、目指す商品はおのずとアパレルや小物雑貨などになりがちで、そうなると目標とする場所はその種の店が密集しているモールということになる。

 モールといえば、やはり価格が魅力のアウトレット。この街ではプレミアム・アウトレット・ノース、プレミアム・アウトレット・サウス、ファッション・アウトレットが御三家だ。

 営業開始時刻は3ヶ所とも昨年同様、深夜0時。この深夜0時の意味はもちろん木曜日と金曜日の間の0時のことで、金曜日が終わるときの0時ではない。

 ということで、この日にラスベガス滞在を予定している人は、せっかくなのでぜひ現場へ足を運んでみるとよいだろう。ショッピングに興味があってもなくても、この真夜中の大騒動は一見の価値があるはずだ。

 なお、これら3つのアウトレットは、街中が静まりかえり休日モードになるはずのサンクスギビングの当日にも営業することになっている。つまり木曜日はプレミアム・ノース、サウスが午後7時まで、ファッションが午後6時まで営業し、数時間だけ閉めて、また深夜0時にオープンするというわけだ。

 ただ、ここでいう営業時間は、あくまでもモールを管理運営している会社が施設全体の目安として決めたものであり、個々の店が何時に店を開けて何時に閉めるかは別問題で、それは各テナントに任されている。
 つまり店によっては木曜日から金曜日まで途切れることなく連続営業するところもあれば、逆に、「笛吹けども踊らず」といった感じのノリの悪いところもあり、毎年ブラック・フライデーの朝8時になっても店を開けないテナントも決して少なくない。
 それでも、名の通った有名店ほどきちんと早く開ける傾向にあるので、その「踊らない店」の存在をあまり気にする必要はないだろう。

 行き方は、プレミアムの場合、ノースもサウスもレンタカーを利用しない限りタクシーが断然便利だ。もし英語が苦手でもドライバーに Premium Outlets North などと紙に書いて見せればわかってもらえる。
 運賃は乗車するホテルの位置や渋滞状況などにもよるが、ストリップ地区の中心街からならどちらも片道約20ドル前後(それに15~20%ほどのチップが必要)。帰りのタクシーも専用の乗り場があるのでなんら問題はない。

 なお、ラスベガス一帯で公営バスを運行している RTC(Regional Transportation Commission)は昨日、ブラック・フライデーのショッパーの利便に配慮し、今週の木曜日から金曜日にかけて、2階建てバス DEUCE と 2連結バス SDX を、ストリップ地区のホテル街からプレミアム・アウトレット・ノースおよびサウスまで終夜運行させると発表した。
 一方、ファッションアウトレットへは片道約60kmもあるので、タクシーは経済的ではない。また路線バスも走っていないので一般的にはレンタカーということになる。

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