ベガスと日本の猛暑くらべと、熱中症の恐ろしさを思い知らされた出来事

ラスベガスから車で2時間ほどの場所にあるデスバレー国立公園。アメリカ西海岸地方の一連の猛暑で、先週 50℃以上の高温を記録している。 (今回の記事とは直接関係ありません)

ラスベガスから車で2時間ほどの場所にあるデスバレー国立公園。アメリカ西海岸地方の一連の猛暑で、先週 50℃以上の高温を記録している。 (今回の記事とは直接関係ありません)

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 いま私用で日本に来ている。38度だの40度だの、ひどい猛暑に驚くばかり。
 東京はラスベガスとは違い車社会ではないので、冷房が効いていない場所に身を置く時間が長くなりがちだ。
 駅と目的地との間の徒歩での移動などはまさにトホホといった感じの罰ゲーム状態。

 一方、我らがラスベガスも負けてはいない。先週から記録的な猛暑で 47度前後の高温が続いている。
 そうなると必ず話題になるのが日本とラスベガスの暑さ比べ。どっちの猛暑がつらいかだ。
 この夏にラスベガス旅行を計画している読者にとっては大いに気になる話題だろう。

 もちろん気温という数字だけで比べれば断然ラスベガスのほうが暑いわけだが、湿度がまったく違うので比較は簡単ではない。つまりラスベガスにはジメジメ感がほとんどないのだ。
 では本当のところ、どっちの猛暑がつらいのか。それは人それぞれ感じ方が異なるので正解などはない。
 ラスベガスに住む日本人の間でも意見が分かれたりするので各自が客観的な数値などを冷静に比較しながら判断、あるいは想像するしかないだろう。

 さっそくその数値を以下に示してみた。
 日本といっても広いので東京という前提で話を進めると、ここ数日の38度前後といった極端な日を除けば、一般的な猛暑の日の最高気温は35度前後と考えてよいのではないか。
 そして重要なのが湿度。これは時間帯や天候によって大きく変動するので単純ではないが、いろいろなデータを調べてみる限りでは、おおむね 45~85%の範囲で変動しているようだ(もちろん雨の日などは 90%以上になることも)。
 というわけで東京の猛暑の状況を平均的な数値で表すならば以下のようになる。

【気温35度、湿度65%】

 次にラスベガス。同様に極端な日を除いた一般的な猛暑の日の最高気温は43度前後が普通だ。
 そして気になる湿度。気温が高くなればなるほど飽和水蒸気量が高くなるので、今の時期の午後の時間帯の湿度は10%前後かそれ以下になる日も珍しくない。
 というわけで、ラスベガスの猛暑時期の平均的な状況は以下のような感じになる。

【気温43度、湿度10%】

 さてこの両者の違いをどう考えるか。
 ラスベガスの夏を体験したことがない読者にとっては想像することすらむずかしいかもしれないが、個人的には今東京に滞在してみてラスベガスのほうがすごしやすいように思える。
 ただ、旅行者はともかく在住者は、車社会のラスベガスでは徒歩で炎天下を歩く機会が少なく東京ではその逆なので、そのような環境の違いでラスベガスのほうがすごしやすく感じるだけなのかもしれない。

 ちなみに暑さや寒さなどのつらさを数値化した「不快指数」やそれに類似したインデックスのようなものがいくつか存在しているので、上記の気温と湿度を使って算出してみるのもよいだろう(計算不要な換算チャートのようなものが、検索すればたくさん見つかるはず)。
 それでもやはり実際に体感した人の感想や意見は大いに参考になるはずだ。
 というわけで、この夏にラスベガス旅行を計画している人たちのために、このサイト内の フォーラム に「日本とベガスの猛暑、どっちがつらい」という専用スレッドを用意したので、ラスべガス・リピーターなどの読者たちは意見や体験談などをそこに書き込んで頂ければ幸いだ。

 さてここからはラスベガスとはまったく関係のない個人的な余談というか体験談
 いま日本では熱中症に対する注意喚起などの報道が非常に目立っているが、7月7日の正午ごろ、身近なところで熱中症に直面したので、そのリスクなどを知ってもらうためにも体験談を書いてみたい。
 といっても自分自身が熱中症になったわけではない。小さな住宅が密集し細い道が迷路のように入り組む実家近くでの出来事だ。

 太陽の照り返しが強い焼けるような小道を歩いていると高齢の男性が炎天下の路上に横たわっていたのである。
 気温は35度くらいあっただろうか。声をかけてもまったく反応がない。呼吸はしっかりしている。
 一般の車両が往来するような道ではないため交通事故に巻き込まれるような心配はほぼなかったが、近隣住民しか使わない道だったため通行人が非常に少なくだれかに救援を簡単に求められるような状況ではなかった。

 その高齢男性に声をかけながら救急車を呼ぶべきかどうか考えていたところ(持っていたのがアメリカのSIMのスマホだったため救急車を呼べるのかどうかの不安もあった)、1分もしないうちに運良くオートバイに乗った中年男性の郵便局員が通りがかった。すぐに救援を求めた。
 すると「このエリアを担当している配達員です」とのことで、なんとラッキーなことにその高齢男性の姿を見るやいなや「◯◯さんだ。自宅もわかる」という。その自宅は現場からほんの数軒先だった。

 郵便局員がその男性宅のベルを鳴らすも不在のようで応答はない(あとからわかったことだが、同居する奥様は近所のスーパーで勤務中)。
 それでも機転をきかせたその局員はさらにとなりの家のベルを鳴らす。するとそこの住民が2人も出てきてくれた。日曜日だったためか若い青年と、その母親だ。
 救急車を呼ぶにせよ呼ばないにせよ、まずは涼しい場所に移動させることが1分1秒を争う優先事項と判断し、その青年を中心にみんなで力を合わせて高齢男性を抱きかかえて起こすと、かすかに意識が戻った。

 無事に数軒先の自宅まで運ぶことに成功はしたものの、また意識を失い、シューズなどが散乱している玄関で倒れ込んだまま家の中には進みたくない様子。
 エアコンを付ければ玄関よりは涼しくできるはずなので強引に家の中に運べないわけではなかったが、あえて動かさないほうが良いと判断。

 そこからの隣家の親子が頼もしかった。青年はすぐに高齢者宅の中に入って枕やマットなどを探し出し玄関に。母親はその高齢男性の奥様の勤務先や電話番号を知っているとのことで、奥様とコンタクトすることに成功し、夫の様子の写真なども送りながら状況を説明。
 奥様は「すぐに帰宅する。とりあえず救急車は呼ばなくていい」とのこと。
 帰宅するまでの15分ほどの間、各自で冷却材や扇風機を自宅から持ち込むなどして玄関に横たわる彼の体温を下げていると、幸いにも意識がかなり戻ってきた。
 そしてかすかな声でしゃべってくれた。「都知事選挙に行くために家を出た」とのこと。

 その後は奥様が病院へ連れて行き、今ではすっかり元気になったとの報告を受けているのでハッピーエンドと言ってよいが、もし発見が遅れていたらどうなっていたのか。そして郵便局員が通りかからなかったら身元がわからず、結果的に隣人にもコンタクトできず、奥様にも連絡できていない。
 何かと近所付き合いが希薄と言われがちな都会でありながら、地元にとけ込んだ仕事をしてくれている郵便局員や隣人の対応に感謝すると同時に、近所付き合いのありがたさや重要性を思い知らされた次第。
 そしてなにより熱中症(一時的な心臓や脳疾患などの可能性も否定できないが、たぶん熱中症と思われる)が命に関わるかもしれない危険なものであることを改めて認識させられた出来事であった。

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コメント(2件)

  1. オクノヨシテル より:

    はじめは、ラスベガスの事と思いました。が、東京の事だったのですね。間違いです。すぐ救急車を呼ぶべきです。涼しい所に移すのは正解ですが、プロに助けを求めるべきです。命がかかってます。

  2. にゃらこ より:

    以前ラスベガスを旅行する前はこちらのサイトに大変お世話になったものです。医療関係者ですが、脳卒中や心筋梗塞など一刻を争う疾患の可能性もあったので、私もこの対応は間違っていたと思います。頸部損傷があればその場からむやみに起こすことや移動させることも危険な場合もあります。今回は結果的に無事で何よりでしたが、今後同じような状況の場合はすぐに救急車を呼んでください。

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