ラスベガスのカジノでスーパーボウルに賭けてみよう!

スーパーボウルの払い戻し倍率などを表示するスポーツブックの電光パネル。

スーパーボウルの払い戻し倍率などを表示するスポーツブックの電光パネル。

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 毎年この時期は恒例のスーパーボウルの話題ということで、昨年と同じような内容になってしまうばかりか、日本の読者にとっては何の役にも立たない話題で恐縮だが、在米読者に向けた情報としてラスベガスのスポーツブックにおけるスーパーボウルへの賭け方などに関してレポートしてみたい。

スポーツブックの総本山

 スポーツブックとは、スポーツの試合結果などに賭けるためのギャンブル場のこと。
 当地ラスベガスのカジノホテルのほとんどがその施設を持っており、そこには世界各地のスポーツイベントを実況するための大小さまざまなスクリーンや払い戻し倍率(オッズ)などを示す電光パネルが所せましと並んでいる。

ラスベガスのウェストゲートホテルのスポーツブック。

ラスベガスのウェストゲートホテルのスポーツブック。

 今回の取材で訪れたのはウェストゲートホテル。かつてラスベガスヒルトンと呼ばれていた時代からスポーツブック業界をリードしてきたカジノホテルで、スポーツブックの総本山といっても過言ではなく、実際に賭けの対象となるスポーツの種類や賭け方の豊富さではライバルカジノの追随を許さない。

ラスベガスとは関係ない LVII

 スーパーボウルとは、アメリカンフットボールのプロリーグ NFL の年間チャンピオン決定戦のこと。
 開催地は毎年異なり、第57回大会となる今年は 2023年2月12日にアリゾナ州で開催される。

これは電光パネル以外に印刷物で配布されているオッズ表。現場で自由に受け取ることができる。

これは電光パネル以外に印刷物で配布されているオッズ表。現場で自由に受け取ることができる。

 なおこれは余談。スーパーボウルの大会回数を表す数字(今回の場合は「57」)はローマ数字で表記するのが慣例となっており、この写真の赤い部分のようにさまざまな場面において LVII という文字を見かけることになるが、ラスベガスの略称 LV とはなんら関係ない。ローマ数で L は50、V は5、I は1、ということで LVII は第57回を意味している。(ちなみにこの写真内の数値 -2.5 や +125 などは、この印刷物が配布されたあとに変動した。下の写真内の数値が直近のオッズ)

Super Bowl はアメリカの国民的行事

 7試合制の大リーグ野球のワールドシリーズとは異なり、スーパーボウルは1試合だけの一発勝負。そのためか注目度は半端ではなく、もはや冬の風物詩ともいえるほどのアメリカの国民的行事となっている。
 特にギャンブルの街ここラスベガスでの過熱ぶりはすさまじく、日ごろ賭けごとやアメフトに縁がない者までもが、なぜかこの日ばかりは大金を賭けて友人宅などに集まりテレビ観戦パーティーを楽しんだりする。

Chiefs 対 Eagles の試合に関する討論番組を流すスポーツブック。

Chiefs 対 Eagles の試合に関する討論番組を流すスポーツブック。

 カジノ側も元スター選手を招いてのサイン会や解説イベントを開催するなど、年に一度のビッグビジネスチャンスに余念がなく、チーム名すら知らない者や、ひいきチームを持たない者でも楽しめるような特殊な賭け(以下で紹介)もたくさん用意し、たっぷり散財してもらうもくろみだ。

イーグルスがやや有利で-1.5点のハンデ

 今年の対戦カードは「カンザスシティ・チーフス 対 フィラデルフィア・イーグルス」
 ラスベガスのカジノではイーグルスがやや有利と見られており、その有利の度合いを示すポイントスプレッド(いわゆるハンデのこと。この写真内の PS と示されている数値)はマイナス 1.5点。
(当地ベガス時間の 2023年1月31日の午後3時20分に撮影)

ウェストゲートホテルのスポーツブックの電光パネル。

ウェストゲートホテルのスポーツブックの電光パネル。

 この電光表示の緑色の数字 -1.5 が意味していることは、イーグルスに賭けた者は、イーグルスが 2点差以上で試合に勝たなければカジノでの賭けは勝ちにならないということ。
 そして逆にチーフスに賭けた者は、実際の試合でチーフスが負けても 1点差までであれば、カジノでは勝ちになり払戻金を受け取れる。

 このようなハンデ込みの賭けの場合、どちらのチームに賭けた場合も的中確率はほぼ半々になるので(半々になるようにハンデを設定しているので)、払い戻しの倍率はどちらのチームに賭けた場合も1倍(元金も含めれば2倍)になるべきだが、実際にはカジノ側が手数料を取る必要があるので(その手数料の率はカジノによって異なることもあるが「-110」に設定しているカジノが多い。この -110 の意味は以下で説明)、100ドル賭けて的中しても 200ドル(賭け金も含めて)が戻ってくるわけではなく、多くのカジノでは 110ドル賭けて 100ドルの勝ちとなり、合計 210ドル戻ってくることになる。

ハンデ無しで賭けることも可能

 スーパーボウルの場合、以上のようなハンデ込みの賭け方(ポイントスプレッドによる賭け)が一般的ではあるが、ハンデ無しで賭けることもできる。それをマネーラインでの賭けという(上の写真内の ML)。
 たとえばチーフスのファンが、「ハンデなどいらない。とにかく試合に勝つことしか考えていない」という場合は、ハンデなしでチーフスに賭けることも可能だ。
 その場合、今回のチーフスの ML は +105。同様にハンデなしでイーグルスの勝ちに賭ける場合のマネーラインは -125

 この「マネーライン」とは、得点によるハンデではなく賭け金の増減で実力差を調整しているようなものと考えればわかりやすい。(+ と – は、算数におけるプラスやマイナスの意味とはまったく関係がない。単なる記号と考えるべき)
 +105 の意味は、100ドル賭けて的中すると 105ドル受け取れる(自分の賭け金も含めれば 205ドル受け取れる)ことになり、-125 は、100ドル勝ちたい人は 125ドル賭けてください、ということを意味する。(つまりイーグルスに 125ドル賭けて的中すると、100ドルの利益。自分の賭け金も含めれば 225ドル払い戻される)

 なお、これらマネーラインの賭けの場合、すでにその数値にカジノ側の手数料が組み込まれているのでそれ以上差し引かれたりすることはない。  
 参考までにマネーラインにおいてマイナスで表示される数値の絶対値 から、その賭けの払い戻し倍率 を求める計算式は以下のようになる。
  = (100 / )+ 1

応援したいチームがない場合

 どちらのチームが強いのか、もしくはどちらのチームが好きか嫌いかなどにまったく興味がない者に人気があるのが、トータル得点に賭ける方法だ。今年のスーパーボウルのこの数値は現在 49.5点。(上の写真内の TOT で示されている部分)
 これはどちらかのチームに賭けるというものではなく、両チームの得点の合計がこの数値を超えるか(Over)、超えないか(Under)を当てる賭けで、これに賭けた場合、テレビ観戦などでの応援スタイルは、「どっちのチームでもいいから、とにかく早くたくさん点を取ってくれ~!」、もしくはその逆に「点を取るな~!」といったカタチで観戦することになる。
 配当倍率は Over も Under も -110 が一般的、つまり 100ドル勝つためには 110ドル賭けなければならない。(カジノによっては -105 の場合もあったりする)

ハンデもマネーラインも変化し得る

 なおハンデ(ポイントスプレッド)にしろマネーラインにしろ合計得点にしろ、その数値はファンの賭け方の偏りに応じて、どのような試合結果になってもカジノ側が損をしないように日々刻々と変化し得るものなので、ここまでに書いてきた数値は固定的なものではない。
 したがって今の時期にラスベガスに滞在予定の者でこれから賭けに参加する場合は、必ず電光パネルなどでそのつど最新の数値を確認してから賭けるようにしたい。
(参考までに: カジノ側がハンデの設定をしくじったり、ハンデの変更のタイミングに対して微妙な試合結果になってしまった場合など、たまにカジノ側が損をすることもある)

さまざまな特殊な賭け方

 なお、ここまでに説明した賭け、つまりハンデあり、ハンデなし、合計得点などはどこのカジノにもある人気の賭け方だが、それ以外にも各カジノのスポーツブックでは独自のユニークな賭け方をたくさん用意している。
 たとえば、「先攻後攻を決めるコイン・トスで表が出るか裏が出るか」、「どっちのチームが先に得点するか」、「最初に反則をするチームはどっちか」といった当てやすい(半々の確率で当たる)賭けから、「最終的な得点差はいくつか」、「両チームのタッチダウンの回数の合計はいくつか」といった当てにくい賭けまで(当てにくい賭けは当然のことながら配当倍率が高い)、ありとあらゆるユニークな賭けが用意されているので、応援しているチームがないといった人たちはこの種の賭けに参加してみるのも面白いかもしれない。

実際にチーフスに賭けてみた

 せっかくなのでチーフスにハンデなしのマネーライン(+105)で賭けてみた。これが実際に賭けて窓口で受け取った投票券の現物の写真。

チーフスに $40 賭けた実際の投票券。倍率は +105 なのでチーフスが勝った場合、賭け金も含めて $82 が払い戻される。

チーフスに $40 賭けた実際の投票券。倍率は +105 なのでチーフスが勝った場合、賭け金も含めて $82 が払い戻される。

 チーフスに賭けた理由は、当地ラスベガスの地元チーム「ラスベガス・レイダーズ」が昨秋に開催されたレギュラーシーズンの試合で敵地カンザスシティに乗り込み、わずか1点差(29-30)で負けた相手だからだ。
 つまりチーフスがスーパーボウルに勝てば、「優勝するほど強いチームと敵地で戦って1点差で負けたんだからレイダーズもかなり強い」とレイダーズファンとしては納得できるというもの。はたしてどうなることやら。
(ちなみにレイダーズは先月 1月7日にもチーフスと地元ベガスで対戦しており、ホームゲームであったにも関わらず 13-31 でコケ負けを喫している)

オンラインによる賭けについて

 スーパーボウルの日にラスベガスに滞在予定の読者は、年に一度のこの国民的イベントに賭けという形でぜひ参加してみるとよいだろう。観戦中の盛り上がりと興奮、そしてラスベガスならではの貴重な体験になることまちがいなしだ。
 なお、近年オンラインアプリを通じて賭けられるようにもなってきているが、ネバダ州の法律などの関係で地元民しかアカウントを作れなかったり、アカウントを作る際に窓口に出向いてのペーパーワークがあったりするなど、残念ながら州外からの一時的な旅行者にとっては現実的ではない。

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コメント(2件)

  1. 名古屋在住です より:

    SBでチーフスが勝ちました!的中、おめでとうございます。私も当たりましたが、いつまで換金はできるのですか?かつては試合後120日間でしたが、今は変わりましたか?

    • ラスベガス大全 より:

      名古屋在住です 様
      ラスベガス大全をご利用いただき誠にありがとうございます。
      さっそくですが、ご質問の換金の有効期限に関して。カジノによって異なる可能性がありますが、今回の記事内に掲載させて頂いているチーフスに賭けたチケット(Westgate Hotel のカジノで発券)の裏面には、「Tickets are valid for 365 days from event date.」と記載されていますので、スパーボウルの日から365日ですね。

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