例年になく大規模な建国を祝う花火大会はベガス復活ののろし

過去の年末年始の花火大会。独立記念日のものではない。

過去の年末年始の花火大会。独立記念日のものではない。

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 7月4日はアメリカの祝日 “Independence Day”。 日本でいうところの建国記念日だ。
 アメリカ国民にとってのこの日の意味は大きい。そもそもこの国には全国規模の祝祭日が少なく(州ごとの祝祭日は各州に存在するが)、その数は日本の半分以下。
 「日本人は働きすぎ、諸外国は休みが多い」 といわれて久しいが、それはフランス、ドイツ、イタリアなどおもにヨーロッパ諸国の話であって、アメリカの一般労働者にとっては有給休暇などごくわずかしかなく(特にその職場において勤続年数が少ない労働者)、ゴールデンウィークも年末年始の長期休暇もない。

 そして数少ない祝祭日も、神聖かつ厳粛な雰囲気のクリスマスをはじめ、サンクスギビングデー、メモリアルデー(戦没者記念日)といった具合に宗教色が濃かったり追悼が目的だったりで、1月1日のニューイヤーズデーを除けば楽しく盛り上がれる祝祭日はほとんどない。
 そんな中、7月4日だけはさん然と輝く“祝日中の祝日” とでもいうべきめでたい日で、老若男女が祝賀気分に酔いしれ自国の建国独立を祝う。

 また、ただ単にめでたいというだけでなく、多種多様な人種や文化で構成されているアメリカにとっては日本における桜、富士山、独自の食文化、皇室といった国民が共有しやすい価値観のようなものが少ないため、この独立記念日はバラバラになりがちな国民の意識をひとつにまとめる貴重な機会でもあり、愛国心の高揚や人種を超えた結束の日という意味合いも強い。
 もちろん過度なナショナリズムの鼓舞に批判的な意見を持つ者もまったくゼロというわけではないが、少なくとも日の丸君が代の論争に明け暮れ素直に祝いにくい日本の建国記念日とは大違いで、大多数のアメリカ国民はこの日を単純かつ素直にめでたい祝日として受け止めている。

 そんな彼らにとってこの日を祝うスタイルはいつも決っている。花火だ。
 季節を感じるイベントが少ない米国においてこの日の花火大会は完全に夏の風物詩として定着しており、1年で最もハッピーな日といっても過言ではない。
 全米の子供たちが自宅の庭などで花火を楽しみ、自治体や企業はそれぞれの地域で花火大会を主催したりする。その数、大小合わせて全米で1万を超えるというから半端ではない。

 ちなみにここラスベガスでも街中の至るところで花火大会が行われ、ストリップ地区のホテル街でも打ち上げられるわけだが、今年はなんと前例がないほど多くのホテルが打ち上げるというから何やら興味深い。
 コロナで何もできなかった昨年の反動と言えなくもないが、それを考慮に入れても異常なほどの盛り上がりを見せている。
 コロナ前の普通の年においては、ストリップ地区では1ヶ所か2ヶ所のホテルが打ち上げるだけだったが、今年はベネチアン、プラネットハリウッド、アリア、シーザーズパレス、トレジャーアイランド、ストラット、そして今月新規オープンのリゾーツワールド、合計7つのホテルが打ち上げに名乗りを上げている。

 今年はラスベガス観光局が音頭を取って企画しているようなので、名乗りを上げたというよりも観光局からアサインされたといったほうが適切かもしれない。
 いずれにせよ年末年始のカウントダウン花火では7ヶ所前後のホテルから打ち上げられるのが普通だが、独立記念日の花火において7ヶ所というのは記憶にない。
 今回の花火大会は、コロナで長らく休業を余儀なくされていた各ホテルにとっても観光局にとっても、この街がコロナに打ち勝ち平常営業に戻ったことを内外に広く示す絶好の機会であり、まさにコロナの終息宣言のろしを上げるような打ち上げになりそうだ。

 なお、たったいま花火大会と書いてしまったが、「大会」という表現はふさわしくないかもしれない。というのも今回の独立記念日に限らず年末年始のカウントダウンにおいてもアメリカの花火大会は何時間もやる日本の花火大会とは異なり 10分程度で終わってしまうのが普通だからだ。大会と呼ぶにはあまりにも短い。したがって見逃してしまわないよう注意が必要だ。
 ちなみに今回の打ち上げは現時点では午後11時を予定しているようだが、例年予定時刻ぴったりに始まるとは限らないので、多少の時間的余裕を持って現場で待機するようにしたい。

 日本の建国記念日では体験できないような盛り上がりを楽しめるはずなので、この日にベガス訪問を予定している人はぜひカジノでのプレーを一時中断してでも外に出て群衆と一緒にアメリカという国の誕生日を祝ってみるとよいだろう。
 「他国の建国を祝ってどうする」 という意見もありそうだが、少なくとも旅行期間中はその「他国」にいるわけで、そこの国民と一緒に慶事に参加し祝賀ムードを共有することは決して無駄な体験ではないはずだ。

 なお「やはりコロナがまだ怖い。群衆や人混みを避けたい」という場合は、プラザホテル、Mリゾート、レッドロックリゾート、グリーンバレーランチなどダウンタウンや郊外のカジノホテルでも打ち上げるので、レンタカーなどがあれば、そういった場所まで足を運んでみるのもよいだろう。
 最後に、いくらワクチン接種率が高く日々の新規感染者数が激減したといっても、アメリカからコロナが完全に消え去ったわけではない。群衆の中に身を置く際などは可能な限りマスク着用を心がけるようにしたい。

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コメント(1件)

  1. ノブノブオ より:

    細かいところはどうあれ、ベガスに活気が戻ってくることはいいことですね
    人が戻り仕事が戻り、そして金が回り、また人が増える
    本来の活気あるベガスの街を見るのが待ち遠しい限りです

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