カジノ以外の数少ない楽しみはショッピング、ノース・アウトレットに行ってみた

ノース・プレミアムアウトレット。(2020年7月27日撮影)

ノース・プレミアムアウトレット。(2020年7月27日撮影)

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 昨今の新型コロナの状況下では、日本からラスべガスを訪問することは現実的ではない。結果的に、いま当地を訪れている読者の多くはアメリカ在住者、とりわけ陸路でアクセス可能なロサンゼルス地区からの来訪者がほとんどと思われる。
 そんな彼らの楽しみもかなり限定されてしまっているのが現状で、ナイトショーナイトクラブも無い今、カジノが中心とならざるを得ない。そんな中、ショッピングはカジノ以外の数少ない楽しみなのか、先日ロサンゼルス在住の読者からラスべガスのアウトレットモールに関する質問を受けた。
 今週は、意外と気づかなかった当地の観光資源の一つ「Las Vegas North Premium Outlets」の現状を写真を中心にレポートしてみたい。

 その前に、このモールについて簡単にふれておくと、ラスベガスに「プレミアムアウトレット」は2つあり、それぞれ「ノース」「サウス」という言葉を使って区別されている。
 地理的な位置関係をそのまま表しただけの単純明快な名称なので、わかりやすいはずだ。つまりノースはストリップ地区のホテル街から見て北側、サウスは南側に位置している。
 どちらも店舗数は 150前後で(この数字は随時変動)、規模的には大差ない。またホテル街からの距離やアクセスのしやすさなども似たようなもので甲乙つけがたいが、決定的な違いがある。それはノースは屋外型のアウトレットで、サウスは屋内型ということ。
 どちらが良いかは好みの問題だが、コロナ感染が気になる今の時期は「密」を避けるという意味で、たとえエアコンが効かない猛暑の環境でも屋外型のほうが何かと安心かもしれない。(もちろん各店舗内はエアコンが効いている)

Las Vegas North Premium Outlets

Las Vegas North Premium Outlets

 さきほど観光資源という言葉を使ったが、コロナとは無関係に観光客から人気なのはその屋外型のノースだ。海外からの訪問者のみならず、アメリカの他の都市からの訪問者にとってもノースのほうが人気が高く、もはやラスベガスを代表する観光スポットの一つといっても過言ではないほどの存在となっている。

 一方のサウスはどちらかというと地元民からの人気が高い。規模が同じなのになぜそのような違いが生じてくるのか。それは店の顔ぶれの違いで、ノースは高級ブランド店もかなり見られるが、サウスは日用品の店が中心といった感じだ。
 旅行という貴重な機会を利用したいのか、観光客は高価なブランド品でも買う傾向にあるが、地元民にとってブランド品は日常的に買うものではなく、結果的に「観光客のノース、地元民のサウス」という図式になりやすい。
 もちろんそれは微妙な違いを極端に表現しただけであって、サウスにも高級ブランド店がまったくないわけではないし、ノースにも庶民的な店はたくさんある。あくまでも相対的な傾向を表してみたにすぎない。

 さて前置きが長くなってしまったが、そのようなわけで今回はプレミアムアウトレットのノースを取り上げることとし、さっそく現場へ行ってみた。
 結論から先に書くならば、コロナ前よりは人出がかなり少ないように見受けられるが(午前中に行ったことも影響か)、多くの店舗はすでに営業を再開しており、入店に際してマスク着用や人数制限などがあったりするものの、ショッピングそのものはコロナ前と同じような感覚で楽しむことができる。
 ただ、「ショッピングというものは買いたいモノを買うことができればいいというものではなく、にぎやかで華やかな楽しい雰囲気なども重要」という者にとっては、いつもの活気あるこのモールとはかなり様子が異なっている可能性もあるので、気分的に盛り上がれないかもしれない。以下、写真を使いながら現場の様子を説明していきたい。

駐車場の精算機には袋が被せられている

駐車場の精算機には袋が被せられており使用していない。

 駐車場は、料金精算機の使用を停止しており現在は無料。駐車場から地上に降りるエレベーターは4人までしか乗ることができないよう、以下のような注意書きが掲示されている。わずか数階の移動なので、混んでいる場合は階段を利用したほうが早いはずだ。

エレベーターの脇に掲示されている注意書き。

エレベーターの脇に示されている注意書き。

 駐車場にはそれなりの数の車両が見られたが、下の写真のとおり、モール内には人影がほとんど無くかなり寂しい。午前中という比較的すいている時間帯だったこともあるが、コロナ前は午前中でもこれほどすいていることはなかったので、コロナの影響であることは間違いないだろう。

右はアルマーニ

右はアルマーニ。

 モール内のいたる所に注意書きがあることは想定内だったが、各店ごとに内容(人数制限など)が微妙に違っているところは各店の個性が現れていて興味深い。

ゴディバに掲示されていた注意書き

ゴディバに掲示されていた注意書き。

 チョコレートのゴディバは入店できる人数を4人までに制限。

アンダーアーマーの注意書き

アンダーアーマーの注意書き。

 スポーツウェアのアンダーアーマーは店内のキャパシティーを50%に制限中。手の消毒も必須。

シェイク・シャックの注意書き

シェイク・シャックの注意書き。

 ガラスに反射して見づらい写真になってしまったが、ハンバーガーのシェイク・シャックの注意書きは、なにやら非常に複雑で細かい。

シェイク・シャックの支払いに関する注意書き

シェイク・シャックの支払いに関する注意書き。

 不特定多数の者がさわる現金は不衛生ということか、支払いはクレジットカードかデビットカードしか受け付けていないとのこと。

シェイク・シャックの屋外席

シェイク・シャックの屋外席。

 コロナ前はいつも混雑していた屋外席も今はガラガラ。猛暑のせいか、時間帯のせいか…。(午前11時半ごろ撮影)

モールの管理会社からの注意書き

モールの管理事務所からの注意書き。

 モール全体を管理する事務所からの注意書きには、マスクの着用、6フィート(約180cm)のソーシャルディスタンスなどのほか、目や鼻をさわらないこと、クシャミや手洗いの際の注意など、ことこまかく書かれている。

中国語で書かれた宣伝

中国語で書かれた宣伝。

 中国系ショッパー向けのこの宣伝はコロナ騒動の前から存在。いかに中国系ショッパーが多かったかがうかがえる。ちなみに今は中国、台湾、香港などからの団体観光客はほとんど姿を消しているが、地元ラスベガスやロサンゼルスに在住の中国系ショッパーは今でも少なくないと思われる。

トリーバーチ

トリーバーチ。

 コロナ前はいつも行列ができていたためか、入店待ちの客のためのレーンが用意されているが、この日はガラガラで、混雑していたころの面影はない。とはいえ、「密」を避けるための入店制限があるため、混雑する午後の時間帯になれば行列ができる可能性も。(この写真を撮影したのは午前中)

トリーバーチ

トリーバーチ。

 トリーバーチの入口方向を示す印。

ブルックスブラザーズ

ブルックスブラザーズ。

 今月、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用を申請したブルックスブラザーズは営業していなかった。

サックス・フィフス・アベニュー OFF 5TH

サックス・フィフス・アベニュー OFF 5TH。

 サックス・フィフス・アベニュー OFF 5TH も営業停止中。

チーズケーキファクトリー

チーズケーキファクトリー。

 チーズケーキファクトリーもまだ営業を再開していない。

フードコート

フードコート。

 フードコートはテーブルの間隔をあけて営業中。ランチタイム前の時間帯だったこともあり人影はほとんどなし。

フェラガモ

フェラガモ。

 日ごろから客が少ないのか、店員は1名しか見当たらず。客もゼロだった。

タクシー乗り場

タクシー乗り場。

 コロナ前は客待ちのタクシーが行列をなしていたものだが、この日は多くても2~3台しか見かけなかった。

ケイトスペード

ケイトスペード

ケイトスペードの店内もガラガラ。

 写真は以上。モール内はかなり寂れて見えるものの、90%程度の店はオープンしていたので、写真からの印象よりはショッピングを楽しめるはず。
 ちなみに駐車場はかなり埋まっていたにもかかわらず、モール内の人の数が少なく見えたということは、コロナ前の混雑は団体旅行客の影響が大きかったのかもしれない。たしかにコロナ前は大型観光バスが多数乗り付けていたものだが、今では大型車両を見ることはほとんどない。
 駐車場に停まっていた自家用車のナンバーは、やはり地元ネバダ州が一番多かったが、カリフォルニア州やユタ州など、近隣の州からの車両もかなり見かけた。平日だったこともあるのか、いつもならたくさん見かける家族連れは少なかった。
 取材を終えて帰るころ(正午すぎ)、駐車場にどんどん車が入ってきていたので、午後からはかなり賑わっていたのではないかと推測できる。
 いずれにせよ、他の都市ではあまり例を見ないほど高級ブランド店が多数軒を並べているモールなので、ラスベガスを訪問する機会があれば、ぜひ足を運んでみるとよいだろう。現時点でのテナントは以下の通り。(公式サイトより)

ノース・プレミアムアウトレットのテナントリスト。(公式サイトから)

ノース・プレミアムアウトレットのテナントリスト。(公式サイトから)

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コメント(9件)

  1. kent66 より:

    いつも楽しみに見ています。
    私の衣服や靴は毎年、ラスベガスのプレミアムアウトレットノースとサウスで調達していました。ラスベガスに行けない今、困っています。早く行ける様になるといいな〜。!!

  2. ラスべガス大全 より:

    kent66 様
    いつもご覧いただいているとのこと、ありがとうございます。
    皆さまが早くラスベガスにいらっしゃることができる日が来ることを祈ってます。

  3. うめこ より:

    こんにちは。
    毎週楽しみにしております。
    今年のゴールデンウィークに行く予定にしてましたが、9月の連休に延期し、
    そして…今年はもう諦めました。
    次の目標は来年のゴールデンウィークです。
    今回の旅行ではプレミアムアウトレットノースにも行く予定にしてましたので、興味深く読ませていただきました。

    来年は行きたいな〜

    ラスベガス大全さんから、ベガスの明るいニュースが次々と発信されるのを心待ちにしています!!

  4. stingerjin より:

    いつも楽しみに拝見させて頂いております。
    ノースとサウスでお店がそんなに違うなんて!?
    最近はサウスばかり行ってました!
    理由は行く時期が独立記念日辺りなので、サウスの方が涼しいし、駐車場も無料だし・・・
    言われてみれば観光客は確かに少ないですね。
    次回行く際はノースも行ってみます。
    ブルックス・ブラザーズが休業なのはとても寂しい限りです。

  5. sleeping beauty0510 より:

    いつも拝見してます。毎年ラスベガスに行っていたので、もう恋しくて❤️恋しくて😭ですので、細やかなたくさんの情報楽しみにしています。

  6. shell より:

    毎年夏休みラスベガスに行くと、ノースは毎回3回以上は行きます。夏に行くので、店の外で待つ私としては冷房が効くベンチが屋内にあるサウスがいいのですが、ブランド店がないのでいつも却下されます。空港に降りてレンタカーセンターから市内に向かう前に、必ずサウスアウトレットの少し先にあるバーガーキングで腹ごしらえするのが習慣になっているので、横目で見るくらいです。
    ノースの写真で紹介されているケイトスペード、ゴディバやシェークシャックは正月に訪問し、今年の夏も行く予定していたので、とても残念です。
    ちなみにケイトスペードは最近どこのアウトレットに行っても見かけますが、娘に言わせると、ラスベガスが一番安いらしく、いつもここで買い込んで、その後、レンウッドを見て、カールズバークで見てラスベガスになかった安いものがあると買うようです。でもケイトスペードも店が増えすぎてどこでも見られるようになり、飽きてきているようで正月には、フルーラのバッグを買っていました。
    またラスベガスノースは、数少ないレスポの店があるアウトレットでしたが、2年位前にいったら撤退していて、今はオアフ島のアウトレットが貴重な店のようで、娘が昨年行ってみたようです。
    アウトレットは我が家のラスベガス旅行に欠かせない存在なのでレポートしていただきうれしかったです。
    また行ける日がくることを祈願します。

  7. ラスべガス大全 より:

    皆さま
    楽しい思い出の話や激励の投稿など、皆さまありがとうございます。
    いろいろなイベントや計画の中止など、毎日のように暗いニュースばかりが入ってきて、明るい話をお伝えできないのが残念ですが、引き続きラスベガスを応援して頂ければ幸いです。

  8. char より:

    私も他の方と同様に毎年ラスベガスで服や靴カバンなどを調達していたので非常に残念です。
    特にノースのアウトレットは滞在中に何回も行く程でした。せめて記事を見て懐かしんでおります。早く行けるようになるといいな〜

  9. うーやん より:

    いつも情報ありがとうございます。年1回ながら20年間ラスベガス通っています。それが今年断念せざるを得ない状況で辛いです。好きなホテルは1位パラーゾ、2位エクスカリバー。飲食店はラストリゾート最高。
    ラスベガスの今は読んでるだけで辛いけど、あれだけの街を造ったパワーで復興して欲しい。大阪もコロナ凄くなってきたけど、予防スキル付いたから怖くはないです。知らずにウイルス乾燥飛沫を触れた手で目をこするのが、マスク不着用より怖いんです。マスク、夏用ニット帽と長袖シャツこれは飛沫が毛髪や肌に付かないように、そして手袋で買い物は出かけてます。編集さんにもお勧めですよ。プロテクト+3密を避けさせる運動そちらでもできないかな、って思います。
    あと寄付じゃなく、次に行く時に使えるクーポン発売されたら絶対買います。10万円単位でも買う人多いと思います。ラスベガスを待ち焦がれている人世界中にすごくいる、何もできない、大変なジレンマ持っている人はクーポンに飛びつくと思います。そんな希望があるって、機会あれば観光局にお伝えください。

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