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空港のライドシェア乗り場の変更と、タクシー業界との戦い

 読者から「乗り場の位置が変わっていた!」とのお叱りの報告を受けた。ラスベガス国際空港(マッキャラン空港)における UberLyft の乗り場のことだ。たしかに先週の水曜日(9/25)から変更になっているので、それに関してレポートしてみたい。

 今回の変更の話は第1ターミナル限定。つまり第3ターミナルの乗り場は従来どおりで変更はない。(第2ターミナルは第3ターミナルの完成後に解体済)
 ちなみに第1ターミナルに到着する航空会社で、日本からの一般観光客に関係がありそうなのは、デルタ航空、アメリカン航空、サウスウェスト航空ということになり、一方、ユナイテッド航空、アラスカ航空、ハワイアン航空、エアカナダは第3ターミナルに到着するので今回の話とは関係ない。

Lyft や Uber の乗り場の方向を示す案内表示

 新しい乗り場の説明の前に、知らない人もいると思われるので、まずは Uber と Lyft について。
 どちらもいわゆる「ライドシェア」(乗り合い)と称する配車サービスをスマホのアプリで提供している会社で、その業態は、これらの会社にあらかじめ登録している個人が自分の自家用車でタクシーのような事業をおこなうというもの。つまり利用者は、近くを走行している車をスマホで呼び出し、その見知らぬ個人の車に乗車することになる。

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 「会社のではなくて個人の車?」と、不安に思う者もいるかもしれないが、このライドシェアがすこぶる評判が良い。
 というのも、運転手も利用者もお互いのスマホ内に乗車時刻、走行経路、移動距離、料金、下車時刻などがしっかり記録され、さらに Uber や Lyft の本部にも同じ記録が残るため、従来のタクシーにありがちな「遠回りされた!」といったトラブルはほぼ皆無に近く、また利用者は運転手の態度や車内の清潔度などを下車後にスマホで評価できるようになっているばかりか(評価が悪いと、その運転手は登録を取り消される)、運転手も乗客の態度などを評価できるため、お互いに「良い子」にならざるを得ない仕組みが出来上がっているからだ。その上、料金もタクシーよりも総じて安いとなれば、人気が出ないわけがない。
(需給バランスに応じて料金が変動するので、巨大コンベンションの開催期間中などの混雑時にはタクシーよりも高くなることがまれにある)

 結局お互いが気持ちよく利用できることから、世界中で急拡大しており(タクシー業界とのあつれきや法整備などの問題で参入が遅れている都市も少なくないが)、Uber社も Lyft社も若い会社ではあるものの、早くも今年それぞれニューヨーク証券取引所、ナスダック市場に上場している。
 ちなみに日本のソフトバンクグループは Uber に、楽天は Lyft に出資しており、どちらも大株主というから日本とも無縁ではない。そもそも Uber はすでに日本でも自家用車や二輪車でレストランの料理などを配達する Uber Eats を展開しているので、日本での存在感もそれなりにあるはずだ。

 会社の説明はそのへんにして、世界中の主要都市において空港はその都市の中心地から遠く離れていることが多い。そのため、鉄道、モノレール、シャトルバスなどが整備され、それらが空港と市街地を結ぶメインの交通機関となっているのが一般的だが、ラスベガス国際空港の場合、中心街から非常に近いためか、それともタクシー業界からの抵抗が強いためか、そのような交通機関が発達していない。(シャトルバスはあるにはあるが、利便性にやや難があり、あまり一般的ではない)
 いくら近いとはいえ徒歩でのアクセスは無理なので、結果的に空港からホテル街への移動手段としては、長年に渡ってタクシーが圧倒的な存在となっていた。

 ところが、数年前からライドシェアというまったく新しいサービスを Uber社と Lyft社が始めたことにより状況が激変
(もちろんタクシー業界は両社の参入に抵抗したものの、巨大資本をバックに持つ両社のロビー活動などに屈する形で参入を認めてしまった)
 すでにライドシェアはタクシーをしのぐほどの存在となりつつあり、最近公表された統計によると、ライドシェアが普及する前の 2015年における、在ラスベガスのタクシー会社16社の合計の年間乗車回数は2730万回であったのに対して、それが昨年 2018年には1720万回に。わずか3年で約1000万回も減ってしまったことになる。
 ここ数年の全体の乗車需要に大きな変化がないと仮定すると、減った1000万回はライドシェアに奪われたものと考えるのが妥当で、来年にはタクシーもライドシェアも約1400万回前後でほぼ並び、それ以降はライドシェアに逆転されるだろうというのが業界関係者の予測だ。

 前置きが長くなってしまったが、それほどまでに普及してきたライドシェア、ここの読者の間でも急速に利用者が増えているようなので、ここで第1ターミナルの新しい乗り場の位置を説明しておきたい。
 以下が、第1ターミナルの到着ロビーでスーツケースを受け取ったあとの乗り場までの行き方だ。なお、これまでの乗り場を知っている者は「駐車場内の LEVEL-2M 階から1つ下の LEVEL-2 階に移動した」と覚えれば、わかりやすいかもしれない。

Uber や Lyft の乗り場がある階へのエレベーター

自分のスーツケースが出てくる回転台で荷物をピックアップしたのち、7、8、9、10番の回転台に囲まれた少し広くなった場所へ移動。

その場所で、7番、8番の回転台に背中を向けて立った状態で右手方向を見ると、ターミナルの外に出るドアが見えるはずなので、その方向へ進む。(ただし外へは出ない)

外に出るドアのすぐ右側にエレベーターがあるので(上の写真)、それに乗り、2階(現場では LEVEL-2 と表示されている階)へ行く。

2階でエレベーターから降りたら、「Lyft / Uber」と書かれた案内表示にしたがって右手方向に回り込むような形でドアから外へ出る。目の前は歩道橋のようなブリッジになっているので(下の写真。長さは約70メートル)、それをそのまま進む。

ブリッジを渡り終えた突き当りの右側が目的地であるライドシェアの乗り場。

Uber や Lyft の乗り場へ通じるブリッジ

 乗り場の変更に関しては以上だが、良いことばかり書いてきた Uber や Lyft のライドシェアにも問題がないわけではない。それは乗り場の混雑だ。
 人気の急上昇による利用者の増加に伴い、乗り場の混雑も激しさを増している。今回現場に行ってみたところ、100人以上の人でごった返していた。

自分が呼んだ車両の到着を待つ人たち

 午後2時前後の時間帯だったので午前中はもう少しすいているかもしれないが、乗車までに要する時間は、タクシー乗り場よりも明らかに長いと思われる。(大きなコンベンションなどの開催期間中はタクシー乗り場も混雑するが、そのような時期はライドシェア乗り場も同様に比例する形で混雑するはず)

柱にアルファベットや番号などがしるされている

 乗り場にはアルファベットや番号がしるされた柱が複数立っており、運転手がスマホ経由で「B3の柱に停車するのでそこで待つように」など、乗車場所を指定してくるばかりか、あらかじめ自動的に「トヨタ・プリウス 123ABC」のように車種やナンバーも知らされているので、運転手と会うこと自体にそれほど時間を取られることはないが、進入してくる車両の混雑などで、乗車までの時間が長くなってしまっていることは間違いない。
 スマホで車を呼び出してから自分の車が到着するまでの時間を5分と仮定しても(実際にはもう少し時間がかかることが多い)、乗り場の位置関係や混雑状況から、タクシーよりも10分以上は余計にかかると思われるので、いくらサービスが良くて安いとはいえ、この時間差は今後ライドシェア業界にとって伸び悩みの要因となる可能性がある。(空港以外ではそれほどの混雑はないが)
 自分が乗り場に到着するよりも前に車を呼び出す、つまりたとえば飛行機を降りた直後に車を呼んでおくという方法も考えられるが、スーツケースがいつ出てくるかわからないので、スーツケースが出てくるよりも前に呼び出すことは現実的ではない。

 というわけで良いことずくめのライドシェアも、空港からの乗車に関してはよく考えたほうがよいかもしれない。特に 2020年1月以降は、遠回りなどで不評だったタクシー業界が、フラットレートの導入でライドシェア業界に対して逆襲に出る予定になっている。
 このフラットレートとは、空港からホテル街までの料金を定額にするという料金体系で、たとえばストリップ地区の南エリアのホテル(マンダレイベイ、ルクソールなど)までは $19、中央エリアのホテル(ベラージオ、パリス、プラネットハリウッドなど)までが $23、北エリアのホテル(シーザーズパレス、フラミンゴなどからサハラ、ストラットまで)が $27 となっており、これは Uber や Lyft と大きく変わらない可能性がある。
 今後ライドシェアがそのままタクシー業界を駆逐してしまうのか、それともタクシー業界が反撃に出て巻き返すのか、しばらく両陣営の戦いから目が離せそうもない。

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コメント(2件)

  1. ラスベガス大全 より:

    ラスベガス大全をご利用いただきありがとうございます。
    空港からの乗車は乗り場の混雑で Uber の人気も頭打ちになりそうですが、おっしゃるとおり、ホテルからの乗車においては Uber はすごい人気ですよね。
    ただ空港同様、各ホテル、乗り場の確保に頭を悩ませているようですので、今後はホテルからの乗車も混雑が問題になりそうです。

  2. FURUYA KAZUO より:

    昨日まで、5日間circus circus HOTELに滞在しました。現地ツアーのしゅうごうが夜中だったので、部屋で寝入ってしまうといけないと思い、ホテル入り口で3時間ぐらい 人の出入りを観察していましたが、9割の人がUber,1割がタクシーを利用していました。お年寄の人もです。Uber恐るべし!!

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