【治安】 ベガスは比較的安全な都市とされているが、気を付けたいよくある犯罪とは?

ルクソールホテルの前を走る警察の車

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「ラスベガスは観光業が唯一の産業」といってもよいほど、地元経済は観光業に依存している。そうであるがゆえに、警察や関係諸機関にとって治安の維持は最大の関心事であり、治安の悪化によるイメージダウンは観光都市ラスベガスの経済基盤を揺るがすことになりかねない。
 そのため、他の都市以上に治安の維持には力を入れており、繁華街ではアメリカの都市としては異例の「自転車による警察官の巡回」までもおこなっている。

 その結果、繁華街エリアに限れば、ラスベガスはアメリカの他の都市と比較して犯罪率が低いとされており、特にストリップ地区やダウンタウン地区の目抜き通りにおいては、夜間でも十分に明るい上、人通りも多く安心して歩くことができる。
 また、他の都市との相対論として、ラスベガスは防犯カメラの設置台数が非常に多いことも、治安維持のプラス要因になっていると考えてよいのではないか。

 とはいえ、ここはやはりアメリカ。どんなに安全そうに見える場所においても「犯罪はいつでもどこでも起こりえる」ということを常に頭に入れておくべきで(もちろん日本でも同じこと)、人通りが少ない場所への出入りは極力避けるようにしたい。

 人通りが多いからといって安心はできない。繁華街で一番遭遇しそうな犯罪として気をつけたいのはやはり窃盗で、人通りが多い場所でも置き引きスリには十分な注意が必要だ。(人通りが多いからこそ発生しそうな犯罪と言えるが)
 強盗のような凶悪犯罪に日本人観光客が巻き込まれたというような話はほとんど聞かないが、置き引きなどのたぐいの被害は、実際にときどき報告されている。特に空港、レストラン、ショッピングセンターなどで発生しやすいようなので、人通りが多い場所でこそ、所持品などから目を離さないようにしたい。

 人通りが少ない場所では、置き引きやスリなどよりも強盗のような犯罪が想定されるわけだが、そのような場所に一般の日本人観光客が行くことはまず無いと仮定しても、唯一あり得そうな場所(行きそうな場所)がある。ストリップ地区の北端だ。
 具体的にはサハラホテルの周辺から北側のエリアで、このエリアには Sky Pod(ストラトスフィアタワーの最上部の施設。さまざまなライドやレストランなどが入居)があるため、ここを訪れる日本人観光客は少なくないが、夜間のこのエリアは人通りが少ないので一人歩きは避けるようにしたい。

 なお、2017年10月、マンダレイベイホテルの高層階に宿泊していた犯人が、下界の野外コンサート会場に向けて銃を乱射するという事件があったが、これは極めて特異なケースであり、「ラスベガス特有の傾向的な事案」というわけではないので(完全な単独犯による暴走で、どこの国のどのような場所でも起こる得る偶発的な事件)、治安の度合いを議論するこの場で取り上げても意味がないだろう。
 それでもこの事件は、被害を大きくしたいという犯人側の心理を考えると、人がたくさん集まっているところにリスクがあることを再認識させてくれたという意味では教訓になったのではないか。ラスベガスでは大きなイベントが多いので、そのような場所へ出向く際は、この教訓を意識しておいて損はないのかもしれない。

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