コロナ禍の大型コンベンション SEMA、現地から最新レポート

SEMA Show の会場。後方はラスベガス・コンベンションセンターのセントラルホール。

SEMA Show の会場。後方はラスベガス・コンベンションセンターのセントラルホール。

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 ラスベガスといえばカジノやナイトショーなどエンターテインメントの街というイメージがあるが、世界最大のコンベンション都市でもある。大小さまざまなコンベンションが毎日のように開催されており(コロナ禍の今はその限りではないが)、会場となる施設の総面積でもラスベガスは世界一だ。

ラスベガス・コンベンションセンターのウェストホール。

ラスベガス・コンベンションセンターのウェストホール。

 そんなコンベンション都市ラスベガスの中でも最大級の規模を誇っているのが 50年以上前から続く自動車のアフターマーケット業界のビッグイベント「SEMA」で、晩秋のラスベガスに毎年16万人ほどの業界人がつどう。(当地での開催は1977年から。それ以前はアナハイム開催)
 昨年は残念ながらコロナで開催中止となってしまったが、今年は11月2日から4日間の日程で始まっており、さまざまな方面から注目されている。今週はこの SEMA の現場の状況を写真を中心にレポートしてみたい。

屋外会場に展示されている改造車。(開幕前日)

屋外会場に展示されている改造車。(開幕前日)

 まず SEMA について簡単にふれておくと、アフターマーケット業界のイベントとなっているため、いわゆるモーターショーではない。
 一般的なモーターショーがおもに新車を発表する場、つまり自動車メーカーを中心としたショーであるのに対して、このSEMAは「新車が販売された以降に発生するありとあらゆる自動車関連ビジネス」のためのイベントだ。
 したがってトヨタ、ホンダ、フォードなども参加してはいるが主役ではないし、通常の新車を披露しようとしているわけでもない。

TOYOTA のブース。一般の新車は展示していない。(開幕前日)

TOYOTA のブース。一般の新車は展示していない。(開幕前日)

 具体的な業種としては自動車部品、タイヤ、カーオーディオ、カーナビ、車内アクセサリー、燃料、オイル、バッテリー、塗装、工具、修理、内装、手入れ用品、洗車、駐車場、中古車、改造車など多岐に渡っており、自動車のアフターマーケットが非常に巨大な市場を形成していることがわかる。
 当然のことながら出展企業の数も一般的なモーターショーよりも多くなる傾向にあり、実際にイベント自体もとてつもなく大きい。

セントラルホール前の屋外会場。(開幕前日)

セントラルホール前の屋外会場。(開幕前日)

 今回のSEMA が例年以上に注目されている理由の中には、長らくコロナで静まり返っていたコンベンション都市ラスベガスが完全復活したかどうかの見定めという部分もある。
 一般的にコンベンションを目的とした出張族や出展企業が開催地に与える経済効果は絶大なため、ホテル、カジノ、観光業、飲食業、運輸業など地元ラスベガスのさまざまな業界が今回のイベントの成否を見守っている。
 そしてだれよりも状況を注意深く見守っていると思われるのが、このあとに続くコンベンションの関係者だろう。特に毎年1月初旬に開催される巨大コンベンション CES(ハイテク業界の見本市)の主催者や出展企業にとって、このSEMAが盛況で終わるかどうかは大いなる関心事であるに違いない。

 ちなみにここ数週間のアメリカにおけるコロナの日々の新規感染者数は日本のように激減しているわけではなく、まだ多くの場所でマスク着用が求められており、SEMA においても屋内会場ではマスク着用が入場の条件となっている。なおワクチン接種証明の提示は求められていない。

メディア関係者で賑わう開幕日のセントラルホール。

メディア関係者で賑わう開幕日のセントラルホール。

 そんなコロナ禍の環境で始まった今年のSEMA。その開幕日の前日(出展企業やメディアなどが入場可)と開幕初日に現場に足を運んでみた。
 気になる活況の度合いに関してだが、肌感覚としては例年の半分程度といったところか。主催者が発表している数字によると例年の来場者は約16万人で今年は10万人前後とのこと。
 まだ初日が終わったばかりなので最終的な結果はわからないが、例年の8割、9割といった数字になることはなさそうだ。

トーヨータイヤのブース。(開幕前日)

トーヨータイヤのブース。(開幕前日)

 そして確実にいえることは、出入国の煩雑さなどを理由に海外からの来場者が非常に少ないということ。入場バッジ発行窓口のスタッフの話によると日本からの来場者を見かけることはほとんどないという。日本企業のブースも多くの場合は米国現地法人のスタッフが対応にあたっているようだ。
 やはり大規模なコンベンションにおいては海外からの参加者が戻って来ないことには本来の活況を取り戻すことはむずかしく、コンベンション都市としてのラスベガスの完全復活までにはまだしばらく時間がかかるのではないか、というのが現場を訪れての感想だ。

屋外展示スペース。(開幕前日)

屋外展示スペース。(開幕前日)

 さて、あまり明るいレポートにならなかったが、来場者数は少ないものの屋外会場での改造車などの展示台数は例年に勝るとも劣らないレベルにあるように見受けられた。
 日程的にあと数日しか残されていないが、その分野に興味がある者にとってはこの上ない絶好の機会となるはずなので足を運んでみるとよいだろう。 改造されたエンジンや車体などを見ているだけでも大いに楽しめるはずだ。
 また最終日の展示が終わったあと SEMA IGNITED という改造車のパレードや展示が予定されているのでこちらも見逃せない。
 くわしくは公式サイト semashow.com semaignited.com に掲載されている。以下に改造車などの写真を掲載して今週の記事を終わりとしたい。(人の数が少なく見える写真は開催前日に撮影)

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コメント(2件)

  1. Keith より:

    写真が17枚目までしか見えないのですが、私の問題?

    • ラスベガス大全 より:

      Keith さま
      ラスベガス大全をご利用いただき誠にありがとうございます。
      たぶん、全部の写真を取り込む前に記事部分を通り越して写真集の部分を閲覧し始めてしまったためと思われます。違っていたらすみません。
      いずれにしましてもご不便をおかけしてしまい申しわけございませんです。

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