砂漠の中の巨大な”灯台”が惜しまれながら爆破倒壊

今回の話題の発電所の近くにある観光名所「アンテロープキャニオン」

今回の話題の発電所の近くにある観光名所「アンテロープキャニオン」

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 日本からのラスベガス旅行が現実的ではない今、当地から情報を発信することにどれほどの意味があるのかよくわからないが、こんな時期でもこのサイトに来てくれている読者はかなりのマニアックなラスベガスファンと思われる。
 今週はそんな人達であれば知っているであろう建造物の爆破倒壊の話題(動画)をお届けしてみたい。
今回の話題の発電所の近くにある観光名所「ホースシューベンド」

今回の話題の発電所の近くにある観光名所「ホースシューベンド」

 その建造物とは Navajo Generating Station、いわゆるナバホ発電所だ。
 アンテロープキャニオン、ホースシューベンドといった人気の大自然観光スポットのすぐ近くに位置しているばかりか、西部劇の撮影場所として名高いモニュメントバレーとラスベガスを結ぶ道路沿いにあるので、見た覚えのある人も多いにちがいない。
 広大な砂漠の中にポツリと存在している巨大施設のため、車中で眠っていない限りボーとしていても視界に飛び込んでくるほどの圧倒的な存在だ。
このモニュメントバレーとラスベガスの間に発電所はある。

このモニュメントバレーとラスベガスの間に発電所はある。

 巨大施設といったが、存在感として目立っているのは巨大煙突だけで、その高さは 236メートル。それが3本
 243メートルの東京都庁舎よりもわずかに低いが、231メートルで日本一高いとされる鹿島火力発電所の煙突よりも高い。
高くそびえるナバホ発電所の煙突。これが灯台の役目を果たしていた。

高くそびえるナバホ発電所の煙突。これが灯台の役目を果たしていた。

 とにかく目立つこの煙突、長らくこのエリア(アリゾナ州の Page という町)のランドマーク的な存在だったが、昨年決定した発電所の閉鎖に伴い、先週の金曜日(12月18日)、ついに爆破倒壊され約半世紀の歴史に幕を閉じてしまった。
 
 ただそれだけの話ではあるが、この砂漠の中の巨大煙突という奇妙な光景が目に焼き付いている読者にとっては感慨深い出来事だろうと思い、取り上げさせて頂いた次第。
 
 ちなみに閉鎖の理由は、老朽化し時代遅れとなった石炭火力発電所であることから二酸化炭素の排出量が多く、発電効率的にも採算が取れなくなってきたためとされている。
 発電能力は 2250メガワット(日本で主流のキロワット単位では 225万kw)というから、標準的な規模の原発2機分といったところか。
 発電そのものはすでに昨年から停止されており、この発電所の代わりとなる電力は他の天然ガス火力発電所によって賄われているため、この場所に新たな施設が建設される予定はない。 
 
 Page の人たちにとっては非常に目立つ存在だったため、かなり惜しまれながら消え去ったようだが、寂しい思いをしているのは地元民だけではないようだ。
 各メディアの報道によると、真っ暗な砂漠の中を夜間走行する長距離ドライバーにとって、この煙突の上部で点滅する光はまさに灯台の灯りのような存在だったらしい。
 暗黒の地平線にその灯りが見えてくれば、Page までの距離や方向、そして自分の位置がわかったというわけだ。小型飛行機などのパイロットたちにとっても、それなりの役目を果たしていたとされる。
 そんな灯台がもはや存在しない。ではそれが消え去る瞬間の動画で今週の記事を終わりとしたい。
(撮影に行けなかったので、以下はAP通信の動画へのリンク)

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コメント(5件)

  1. kent66 より:

    グランドサークルの自然が大好きで、ラスベガスを訪れた際には必ずツアーに参加しておりました。ドライブ中、発電所の煙突をランドマーク的に見ていました。記事の最初の写真を見たらアンテロープキャニオンでしたので、グランドサークルの特集でもあるのかな?と思いましたが、煙突の爆破でした。貴重な映像ありがとうございました。なかなかラスベガスへ行けませんが、引き続きホットな二ユースを楽しみにしています。

  2. SUNSET より:

    160号沿いを走る鉄道も廃止されたのでしょうか・・
    昔、採掘場から積載場までの長ーいベルトコンベアの稼動を、
    わざわざ見に行ったことがありました

  3. ラスベガス大全 より:

    SUNSET様、kent66様、
    ラスベガス大全をご利用いただき、またご投稿いただき誠にありがとうございます。
    さて、ご質問の160号線に関してですが、恥ずかしながら、最新の正確な情報は持ち合わせておりません。
    というわけで勝手な想像になってしまいますが、採掘場から発電所までのあの線路は、ナバホ発電所のためだけにあるような線路ですので(一般の貨物列車などが走っている場面を見たことがありません)、線路自体はまだ残されている可能性はあるものの、石炭貨物列車は走っていないと思います。
    それにしても、発電所の閉鎖のニュースから、あの線路のことを思い出されるとは、恐れ入りました。こちらはそこまで気が回りませんでした。お恥ずかしい限りです。

  4. ZZYZX より:

    モニュメントバレーからArizona-98号線を通りPageの町に抜ける際、実に異様な雰囲気を醸し出していた「三本煙突」。これが無くなってしまったとは(;´Д`)・・壮大なスケールの大自然の脇に当たり前のように存在する人間が造った巨大建造物。この共存具合がこの界隈を印象付けるいい味を出してたと今でも感じます。話題に出た鉄道はBlack Mesa & Lake Powell Rail Roadという名の、発電所へ石炭を運んでいた貨物鉄道ですね。これまたグランドキャニオンからモニュメントバレーに移動する際、US-160に沿い、何故か架線も装備し電化され、孤高の土地に妙にミスマッチ感を演出していました。発電所の閉鎖とともに、2019年9月に廃線になりました。グランドサークルドライブを愛する者の末席者として、実に寂しい限りです。良い記事をありがとうございます。まだまだ続くコロナ渦の中、大全様もこれからもご自愛ください。

  5. NY より:

    グラウンドサークルでのトレッキングのため、Pageにはしばしば宿泊したので煙突はおなじみでしたが、正体は知りませんでした。この記事で初めて何だったのかを知ることが出来ました。

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