クレジットカード

 メジャーなホテルであれば、基本的にはどこのホテルでもビザ、マスター、アメリカンエクスプレス、ダイナースクラブは取り扱っている。

 一方、ホテル以外のレストランや一般の商店などでは、ダイナースとアメリカンエクスプレスを受け付けていないことが多い。
 これは、それらカード会社が加盟店に課している手数料率が、ビザやマスターに比べて高いということや、カード保有者の絶対数がビザやマスターに比べて少ないことなどが原因だ。

 逆にビザとマスターを取り扱っていない店はまず存在しないと考えてよいほど広く定着している。
 日本で発行されている大多数のクレジットカードも、その名称が ○×銀行カード、○×信販カード、などとなっていても、そのカード内のどこかに VISA もしくは MasterCard のマークが入っている限り、基本的になんら問題なくアメリカの大部分の店で使用可能だ。

 では純国産の JCB カード はどうか。最近はアメリカでも認知されつつあり、特に日本人観光客が訪問する可能性の高い高級ブランド店はもちろんのこと、カジュアルブランド店などでもかなりの確率で使えるようになってきている。
 また、ホテルにおいてもここラスベガスでは使える確率が非常に高く、マイナーなモーテルなどを除けば、ほとんどの大型カジノホテルで使えると考えてよい。
 さらに郊外や、観光客とは特に関係のない地方都市でも、最近は全国規模の大型チエーン店、たとえばターゲット、ホールフーズ、トレーダージョーズ、ウォールグリーンズ、CVS、スミス、ベストバイなどで JCBカードが使えるようになり、かなり便利になってきている。

 ガソリンスタンドではエクソンモービル系、シェブロン系、テキサコ系、76系などで使えるので、レンタカー族にとって一番気になる給油所での不便はない。
 また JCB の場合、世界の主要都市の中心街にカード会員向けのラウンジ「JCBプラザ」が設けられており、日本語でさまざまなサービスを受けられるのも JCBカードならではの特徴だ。
 ちなみにラスベガスにおけるショーチケット無料手配代行サービスを受けられるのも JCBカード会員だけの特権なので利用しない手はない。

 次に、カードの使用拒否についてふれておきたい。海外で使えるはずのカードをせっかく持って行ったのに、精算の段階で現場の店員から、「このカードはご利用になれません」と言われることがときどきある。
 これはショップやレストランなどの店頭に限らず、ネットでのホテル予約や航空券、ナイトショーのチケット手配なども含めて広範囲な場面で起こり得ることなので、すべての決済を1枚のクレジットカードに頼ろうとすることは危険だ。

 もし実際に使用を拒否された場合、店側に文句を言ったり、拒否理由を求めても意味がない。なぜなら、拒否そのものはその店の判断ではないからだ。そして店側はその拒否理由を原則として知ることができない。
 つまり拒否の判断は、あくまでも端末機器につながっている先の金融機関のプログラムが自動的におこなっているもので、店側は、その端末機器を通じて「このカードは使えません」との判定結果を知らされているだけ。プライバシーの問題もあり、店側に拒否理由が知らされることはない。

 このような場合、いくら店側に交渉しても店側はどうすることもできないので、そのカードを発行している金融機関に問い合わせるしかない。
 つまりラスベガスを旅行中に拒否された場合で、なおかつそのカードを引き続き使用したい場合は、その金融機関のアメリカ側の各支店、もしくは日本に国際電話をかけるなどしてその金融機関の担当部署に問い合わせる必要がある。

 なお、金融機関にコンタクトする際は、身元の確認のための住所や生年月日などの照合を求められるので、店の店員など代理人に頼むことは考えないほうがよい。
 拒否理由によっては、金融機関側がその場で問題を解除してくれることもあるが、いずれにせよ店頭での拒否はカッコ悪い思いをするばかりか自分が不便を被ることになるので、日本を出発する前にそのようなことにならないよう気をつけるべきだろう。もしくは複数のカードを持って行くべきだ。

 一般論として拒否理由で一番多いのは、利用限度額の超過だろう。旅行中に使っていなくても、日本を出発する前にネットでのホテル予約、航空券、ナイトショーチケットの手配などで使用している場合、すでに利用限度額ぎりぎりになっていることがある。
 このような場合、それらの利用残高を支払っておかないと旅行中に拒否されることになるので、どのような方法で残高を精算すべきかなど、カード発行会社に事前にコンタクトして相談するとよい。限度額を一時的に拡大してくれるなど、なんらかの対応策を示してくれるはずだ。

 次に多い拒否理由は、不正利用などを事前に防止するための安全装置的な解析プログラムの過剰反応だ。
 たとえば、日ごろほとんど使っていないカードをいきなりアメリカで使おうとすると(特に高額の場合)、「カードが盗難され悪用されているのかも」とコンピューターが自動的に判断し、使用拒否となりやすい。
 また、日ごろ使っているカードでも、たとえばニューヨークで利用した半日後にロサンゼルスで買い物をするなど、利用場所の突然の変化や、使用パターンがいつもと大きくちがっていたりすると、安全装置が過剰に働き、使用停止となってしまうことがある。
 その他にも、同じ店で同じ金額の決済を複数回連続しておこなったり(同じ店で何度も同じ金額のショッピングをするのは不自然なので悪用の可能性ありと自動判断)、同じ時間帯に複数のレストランで使用したりすると(同一人物が二度も食事をするはずがないなど)拒否されやすい。

 いずれにせよ、各金融機関はそれぞれ独自の解析プログラムで不正使用を監視しており、それらの監視は結果的に不便を招くことになるが、カード所有者を不正使用から守るための防犯機能なので、ありがたいことと考えるべきだろう。
 ただそのプログラムの過剰反応が、正規の利用者の利便性を奪うことになるわけで、そういった不便を避けたい場合は、事前に金融機関にコンタクトし、海外旅行に行くことを伝え、できれば訪問都市や利用予定金額などもあらかじめ知らせておくと、使用拒否される確率を大幅に減らすことができる。

 さて、レストランなどではチップもカードで支払うのが一般的なので、その方法について簡単に説明しておきたい。
 日本のように飲食代金をレジで支払う習慣はあまりないので(アメリカでも、ごく一部のファミリーレストランなどではレジで支払うこともある)、以下の手順はすべて席を立たずに、食事をしたテーブルに着席したまま、担当のウェイトレスまたはウェイターを通して行なうことになる。

[1] 食事やデザートなどがほぼ終わりかけたら、担当のウェイトレスやウエイターに精算を頼む。「Check please !」 などと言えば通じる。

[2] しばらくすると料金の明細書をテーブルに持ってきて置いていくので、内容に誤りがないか一通り目を通して確認した後、クレジットカードをその上に置いて待つ。( 「アメリカ慣れしていないように見える日本人客」には、チップをあらかじめ上乗せしてくる店もまれにあるので、その合計の数字にすでにチップが含まれているかどうか必ず確認すること) 

[3] しばらくするとウェイトレスもしくはウエイターがやって来て、その明細書とクレジットカードをピックアップして立ち去る。 

[4] 伝票処理(クレジットカードを端末に入力)をしたのち、また同じ明細書(2枚。1枚は店用、もう1枚は客用。3枚ある場合は、その3枚目は料理と価格が書かれたレシート)とクレジットカードの現物とボールペンを持ってきてテーブルに置いて去っていく。 

[5] その伝票には、合計金額(飲食代と消費税の合計)が記入された欄と、そのすぐ下に GRATUITY もしくは TIP と書かれた空欄があるので、その空欄にチップとして渡したい金額を書き込み、さらにその下の TOTAL(最終合計金額。飲食代と消費税とチップの合計)の欄にその合計を書き込み、署名欄にサインする。 

[6] 1枚目は店側、2枚目は自分用のコピーなので、その2枚目とクレジットカードを財布にしまい、あとは席を立って帰る。ちなみに店側は、客が帰ったあと、チップを加えた最終合計金額を端末に入力してクレジットカード会社側に請求することになる。

 すでにふれたように、原則としてアメリカでは、これら一連の支払い作業は食事をしたテーブルに着席したままで行い、入口などにあるレジへ支払いに行くことはないので間違えないようにしたい。
 ただ、食べ放題形式のバフェィなど代金前払制の店や、一部のファミリーレストランなどではレジにて支払うこともある。その場合、チップは現金でテーブルに置く人が多いが、カードで払ってもかまわない。

 なお最近、ファーストフード店などにおいて、レジでクレジットカードを差し出すと、金額が画面に表示されたタブレット端末を手渡され(台に固定されている場合もある)、そこに指や専用ペンでサインさせられることがある。
 その画面にチップの金額の選択肢として [15%]、[18%]、[20%]、[23%]、[自分で自由に決める] などと表示されていたりするわけだが、選択できるとはいえ、チップの額を一方的に突きつけられるのは、気分がいいものではないので、もし選択肢の中に希望のチップ額がなければ、[自分で自由に決める]を選び、数字を打ち込むようにすればよい。
 ファーストフード店に限らず、一般のレストランでも、ウェイターやウェイトレスが客のテーブルまでその種のタブレット端末を持ってきて精算するような方式を採用している店が増えてきている。