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フーバーダム  




英語名   HOOVER DAM
住所   1228 ARIZONA ST. BOULDER CITY, NEVADA
電話   702-293-8321
アクセス   ストリップのホテル街から Flamingo 通りもしくは Tropicana 通りを西へ数百メートル進み、高速 15号線の南行きへ乗る。数分走ると現れる高速 215号線とのジャンクションで、その 215号線の東行きに乗り換え約 15分走ると、高速 93/95 号線とのジャンクションにぶつかる。その 93/95号線の南行きに乗り、そこから約 12マイル (約 10分) 走ると途中から一般道になり Buchanan 通りとの交差点 (信号あり) に出くわすのでそこを左折。あとは山道を道なりに約 10分進むと検問所 (爆発物などを搭載していないかのチェック。一般の乗用車は内部をチェックされないことが多い)、そしてそのすぐあとにダムが見えてくる。ダム施設のすぐ手前の左側に終車上がある。ホテル街からの所要時間は混んでいなければ約 50分。

 近場の観光地として最もポピュラーなのがこのフーバーダム。ラスベガス市内からは東南へ約 35マイル (約56km)、車で約 50分の場所にある。
 日本人観光客にとってのフーバーダムは、グランドキャニオンやデスバレーほどはなじみが無く、実際に訪問する者の数も少ないが、アメリカ人にとっては、「ラスベガス近郊の観光地 = フーバーダム」 という図式が出来上がっているのか、「ラスベガスのいかなる人気ナイトショーよりも集客数が多い」 (現場スタッフ) というほどの人気ぶりだ。特に夏期は隣接するミード湖のレジャー客なども多数立ち寄るため、冬期の倍以上の人出があり、駐車場などもかなり混雑する。
 デスバレーなどの観光スポットに比べ圧倒的に近いという理由もあるが、何十年も前から存在するこの建造物に年間を通じて多数の見学者が集まるということは、やはりアメリカ人にとってこのダムには何か特別な思い入れがあるのだろう。とにかく現場の混雑ぶりを見ていると、このダムの偉大さを改めて思い知らされる。

 フーバーダムは技術的にも政治的にも歴史的にもアメリカにとって大変重要な意味を持つ建造物で、今でもその存在感はまったく衰えていない。もちろん現役の水力発電所としても稼働している。
 高さ 726フィート(約221m) という規模もさることながら、注目はなんといってもその建設時期だろう。着工 1931年 (昭和6年)、完成 1935年 (同10年) にはだれもが驚かされる。まだ世界中が貧しかったその時期に、これだけのものを完成させた当時のアメリカという国の力がいかに突出していたかがうかがえるが、アメリカにとってはフーバーダムそのものよりも、圧倒的な技術力の誇示とその延長線上に存在する政治的、軍事的な意味の方が大きかったのかもしれない。

 フーバーダムが与えた影響力は世界に対してだけではない。ローカル的にもその存在意義は計り知れず、このダムの出現は地元ラスベガスの歴史も大きく変えた。
 膨大な数の建設労働者たちが毎晩ラスベガスで遊ぶようになり町は栄え、完成後も豊富な電力の元でカジノホテルを始めとする新しいビジネスが次々と誕生した (ダムの完成後、電力の本格的な供給が始まるまでには数年を要したが)。もしこのダムが存在していなければ、「光の洪水」 も今日のラスベガスの繁栄もなかったにちがいない。
 ところで洪水といえば、実はこのダム、もともとの建設目的は発電ではなく、南カリフォルニア地区の洪水対策や農地への水の供給など治水にあった。しかしこのことはあまり知られていない。
 また、「現在のラスベガスの電力はすべてフーバーダムでまかなわれている」 と誤解している人も多いようだが、それも間違いだ。細かい数字をあげていると長くなるのでそれは省略するが、今日のラスベガスのフーバーダム依存度は多い時でもせいぜい 10%程度で、通常はそれ以下。つまり消費量の大部分は州内外の複数の火力発電所にたよっている。それだけラスベガスが大都市になってしまったということだろう。
 また、フーバーダムにとっても供給先としてのラスベガスは比率的にはそれほど高くなく (多くても発電量の4分の1)、発電量のかなりの部分をロサンゼルス地区やアリゾナ州に送電している。

 そのように電力供給源としてのフーバーダムとラスベガスの関係は相対的に薄れてきているものの、その一方で、水不足に悩むラスベガスにとって、フーバーダムの重要性は再び増してきており、やはり今も昔も両者は運命共同体といった感じだ。
 ちなみにこのダムはネバダ州とアリゾナ州にまたがっているが、国が管轄する The Bureau of Reclamation という組織が管理運営しており、その運営経費は電力の販売でまかなわれている。
 電力といえば、「フーバーダムがあるおかげでラスベガスの電気代は安い」 と思っている人も多いようだが、それはまったくの誤りだ。電力料金 (Nevada Power 社) は、全米の平均的な水準かやや高い程度で安いわけではない。さらに海がないネバダ州では原子力発電に依存できないため (大量の冷却水を必要とするため内陸部での原子力発電はむずかしいとされる)、昨今の化石燃料の高騰を受け、電力料金は年々値上げさる傾向にあり、全米平均以上になりつつある。

 たかがフーバーダム、されどフーバーダム。山岳地形が多く、ダム自体が珍しくない日本からの観光客にとってはあまり興味深い場所ではないかもしれないが、あらゆる点で非常に重要な意味を持つ建造物だけに、アメリカのことをなんでも知りたいという者はぜひ足を運んでみるとよいだろう。
 なお、ダムに到着する直前に車両検問がある。テロリストによる破壊行為から守るためのものだが、こんなところからもこのダムが米国を象徴する偉大なる建造物であることがうかがえる。
 911テロをきっかけに始まったこの検問、テロ後しばらくはすべての車両がチェックされていたが、今では大型車両や何か特別大きな物を搭載していない限り内部までチェックされることはまずない。
 ダムに到着すると一番手前に駐車場があるので左折する形でそこに車を入れる (レンタカーで行くことを前提に説明)。駐車場代は1台 $7。週末や夏場は正午すぎには満車になることが多いので、できれば午前中に行くようにしたい。
 車を置いたら、エレベーターで一番下の階に降り、あとは道なりに進む。資料館を兼ねた建物 (Tour Center) の中に入り、そこで料金を支払う。料金は以下の表の通りだが、これには小劇場での 15分間のスライド説明およびダム内部に降りていくためのエレベーター代、ガイド代などが含まれている。
 なお、ここでも手荷物検査がある。リュックサックなどの大きな荷物は検査を受ける受けないにかかわらず持ち込めないばかりか、ロッカーもなく、駐車場に戻って車内に置いてくるしかないので注意が必要だ。
 そのセキュリティーチェックを終えると、15分間のスライドショー、そしてそのあとにダム内に作られたエレベーターで発電施設 (写真右上、クリックで拡大表示) まで下りていくことになる。
 発電施設を見学したあとは地上に出て、ダムの上部から下流側を見下ろしたり (写真左、同)、ギフトショップなど散策すればよいだろう。

[ 料金 ]
子 供 0 - 6才無 料
7 - 16才$ 6.00
大 人17 - 61才$11.00
  シニア     62才以上     $ 9.00  

 なお、発電施設の内部まで見なくてもよいという者は、車を降りずにそのままダムを通り過ぎ、さらに約 1kmほど走った丘の上にある駐車場まで行くとよい。そこからはダム周辺のほぼ全景を見渡すことができる。ただし全景といってもその位置からはダムそのものの上流側を見ることになり、下流側の豪快な落下部は角度的に見ることができない。


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