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デスバレー国立公園  



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英語名   DEATH VALLEY NATIONAL PARK
住所   CALIFORNIA 州
電話   N/A
アクセス   デスバレーそのものが非常に広いため、いろいろな方向からいろいろな道で行くことができるが、一般的にはラスベガスから 160号線と 190号線を使って国立公園区域内へ進入するのが普通。もしくは 95号線から 373号線経由で行く方法もある。なお、日帰りのパッケージツアーもあるので、レンタカーの運転に自信のない者は、その種のツアーを利用するとよいだろう。詳しくは [ツアー] セクションを参照のこと。

 ラスベガスから車で約2時間ほどの場所に広がる広大な砂漠地帯。「死の谷」 という特種な名前のためか、以前から知名度は高かったが、国立公園としての歴史は浅く、このデスバレーが国立公園に指定されたのは 1994年。
 100km 単位の広大なエリア全体から見れば、かなり低くなっているため名称に "バレー" という言葉が使われているが、実際の現場はほとんどが平らで、ザイオンやグランドキャニオンのような深い渓谷や谷をイメージしてはいけない。とりあえず 「広大な盆地」 と考えればよいだろう (すぐ西側に連なる山は標高 3000m以上の高峰、デスバレーの中心部は海面下の低地)。また、その盆地の一部は、干上がった塩に覆われており、白い砂漠のように見える場所も少なくない。ちなみに、国立公園として指定されている範囲は長野県とほぼ同じサイズ。

 ゴールドラッシュに沸く西部開拓時代、アメリカ大陸を東から西へ向かったフロンティアたちが、最終目的地の太平洋を見ることなく馬とともに消えていった場所がこのデスバレーで、実際に現場を訪れてみれば、馬も人間もここで力尽きた理由がよくわかるはずだ。見渡す限り水も植物も日陰もない上、夏は摂氏 50度となれば、生きてここを通過できる方が奇跡といってよいだろう。ただ、厳密に言えば、ごく一部の場所で、地下水が湧き出ている場所もあり、そこでは植物を見ることもできる。

 南北方向に細長いこのデスバレーは、横方向でもその幅 (国立公園の境界の幅) は 80km を超える。縦は 200km 以上あり、東から西へ行く場合、迂回は距離的にほとんど無理で、死の谷を横断するしかない。日陰も水もない過酷な大地を強行突破するしかなかった当時の開拓者たちにとってはまさに文字通り死の谷で、ここがいかに難所であったかがうかがえる。
 エアコン付きの車で現地を訪れ、そんな遠い過去に思いをはせていると、今はずいぶん穏やかな環境になったかのような錯覚に陥るが、最近でも 3回摂氏 54℃を記録しているから (2013年6月30日、2005年7月19日、1998年7月18日) 今も油断できない。
 ちなみにこれまでの最高記録は 1913年7月10日に観測された 57℃。この記録は長らく、1922年にリビアのサハラ砂漠やイラクのバスラで観測された 58度に次ぐ世界第2位の高温とされてきたが、つい最近になってリビアやイラクの記録は、測定方法や測定機器が現代の基準とは大きくかけ離れたものであったことがわかり、実際には 54度前後であっただろうと推測され、公認記録としては抹消。
 その結果、現在はこのデスバレーの 57℃が世界最高気温として認定され、2013年7月10日がその世界記録100周年ということになり、それを記念して作られた 134°(華氏に換算された温度) と大きく書かれた Tシャツが、Furnace Creek (デスバレー地域の現在の中心地) のギフトショップでの人気商品となっている。

デスバレー国立公園内で見ることができる景色の数々。クリックで拡大表示。

 さて、デスバレー観光についてだが、デスバレーはとにかく広い。そしてとにかく熱い ( 「暑い」 ではない!)。ただひたすら延々と灼熱の荒野が広がるその光景は、もはや地球上のものとは思えないほど広大で、特に狭い日本からやって来た日本人観光客にとっては、まさに月か火星にでも来たかのような錯覚に陥るのではないか。あまりの広さに度肝を抜かれ人生観まで変えられてしまう者も多いというが、その一方で、「なぁんだ、何もないじゃないか」 とガッカリして帰る若い女性たちも少なくないのも事実。たしかにここにはグッチもシャネルもなければ絶叫ローラーコースターもない。

 デスバレー観光は広大な地形、つまり全体のスケールの大きさを体感することが観光であり、「ここが中心地」 と言い切れるような場所はほとんど存在しない。もちろん 「地球の西半球で最も低い地点 (海抜マイナス 85m)」、「悪魔のゴルフコース」、「美術家のパレット」 など、それなりの名称が付いたビューポイントはいくつか点在しているが、それらはその周辺の地形に与えられた単なるニックネームであって、多くの場合、特にそこへ行ったからといって何かがあるというわけではない。あるのは延々と続く灼熱の荒野と砂漠だけで、人間や動物や対向車などはもちろんのこと、水や草木の存在すらほとんど感じない。(実際は、穴掘り動物などが生息している)
 デスバレーに無いのは 「物」 だけではない。「音」 や 「におい」 や 「気配」 までもが存在しない。それほど何も感じ取ることができない神秘的な場所だが、そこまで何もないと逆に大自然の畏敬のようなものが漂ってくるから不思議だ。(左写真。周囲数十 km の範囲に一人しかいない。クリックで拡大表示)
 特に視覚的な 「無」 から増幅されてくる聴覚的な 「無」 の感覚は、静寂という次元を通り越し何か哲学的な大きな大宇宙のような存在を予感させてくれる。
 とにかくデスバレー観光における最大かつ唯一の見所は 「まったく何もない光景」 であり、このことをあらかじめ承知した上で行かないと、あとでガッカリすることになりかねない。
 見るべきビューポイントとしては、西半球で最も低い場所 Badwater、塩で形成された奇妙な地形が続く Devils Golf Course (悪魔のゴルフコース)、砂丘のような景観を楽しめる Sand Dunes、黄金色の砂山が連なる Zabriskie Point、カラフルな色の岩が印象的な Artists Palette、デスバレーの広大な範囲を見下ろせる Dantes View などが一般的だ。

 さて行き方だが、場所的にはラスベガスから西へ約 120マイル (約 200Km)、片道約 2時間のドライブになる。前述の通り、ここが中心というような場所は特に存在しないが、しいてあげるならば Furnace Creek という地点だろうか。ここはいわば基地のような場所で、ここでは簡単な食料や水の補給が可能だ。
 なお注意したいことは、ガソリンを必ず満タンにしてから出発するということと、スペアタイヤの空気圧の確認、そして十分な飲み物を搭載してから出かけるということ。ガソリンは満タンにしてから出発すれば往復できるが、もし途中で給油のチャンスがあれば必ず給油するようにしたい。また夏は気温が摂氏 50度前後にまで上昇するのでラジエーターの水の確認も忘れないようにしたい。
 雨が降るようなことはまずないが (それでも 2004年 8月には大洪水があった)、局所的な大雨の時などは、低い場所での鉄砲水には十分な注意が必要だ。また、雷雲が近づいてきた場合は車外に絶対に出てはならない。周囲に背の高い物体が何も存在しないため人間に落雷する可能性が高いからだ (金属物質で囲まれている車の中は電磁的に閉ざされた空間となっているため、車に落雷しても車内は安全。その理論に関してはここでは割愛)。
 道路は基本的に舗装されているので快適なドライブを楽しむことができる。特に冬場は気温も穏やかで 「死の谷」 という言葉を忘れてしまうほど壮快だ。ただ、夏の摂氏 50度も貴重な体験なので、あえて夏に行く者も少なくない。馬で行くしかなかった西部開拓時代と違い、万一車が故障しても、飲み水さえ十分に持っていれば、国立公園のパトロール隊が巡回しているので命を落とすようなことはないはずだ。
 なお公共の交通機関で行くことができないため、レンタカーが不可欠となるが、日帰りツアーも用意されているので (ツアーセクションを参照)、アメリカでの運転が苦手な者でもあきらめる必要はない。


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