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パリス




英語名   PARIS HOTEL & CASINO
住所   3655 LAS VEGAS BOULEVARD LAS VEGAS, NV 89109
電話  702-946-7000 総客室数  2916
フリーダイヤル  1-888-266-5687 スイートルーム  295
FAX  702-946-4405 レギュラールーム  $90〜
外貨交換  あり スイートルーム  $250〜
総合評価  

 99年 9月にオープンしたフランスのパリをテーマにしたホテル。
もともとはフラミンゴヒルトン (現、フラミンゴラスベガス)、ラスベガスヒルトン、バリーズを所有するヒルトングループが計画したホテルだったが、完成直前にヒルトングループが、このパリスも含めラスベガスに所有するすべてのホテルを Park Place Entertainment 社に売却してしまったため、このパリスホテルはその Park 社の元で管理運営されることになった。同社はその後シーザーズパレスも買収し、2004年 1月から社名を Caesras Entertainment 社に変更。したがって、このパリスはシーザーズパレスなどと同系列のホテルとして運営されている。
 が、2005年 6月、なんとその Caesras 社が、ライバルの Harrah's Entertainment 社に買収されてしまったため、現在このパリスホテルはハラス、シーザーズパレス、フラミンゴ、リオ、パリス、バリーズと同じ系列のホテルとして運営されている。

 名称的にもビジュアル的にもこのホテルのテーマは明快だ。名前の "PARIS" は言うに及ばず、エッフェル塔と凱旋門という圧倒的知名度を誇る二つの建造物の存在感はあまりに大きく、他の細かなアトラクションがどうであれ、このホテルのテーマにまったく揺るぎはない。
 エッフェル塔も凱旋門もサイズこそフランスにある実物よりもやや小ぶりだが、その美しさは本場フランスのものに勝るとも劣らず、特にゴールドにライトアップされた夜間のその姿は、けばけばしい派手なネオンが中心だったラスベガスの夜景を一新させてしまった。また、場所が通称 "フォーコーナーズ" (ラスベガス大通りとフラミンゴ通りの交差点) と呼ばれるラスベガスの中心地に近いこともあり、高さで勝るストラトスフィアタワーの存在感も低下させてしまい、今ではそのストラトスフィアタワーに代るラスベガスのランドマーク的存在になっている。

 このエッフェル塔は 「見られる」 立場だけではなく、夜景を 「見る場所」 としても人気が高い。塔の最上部に位置する展望台へのエレベーター料金 $9 (大人) は決して安くないが、中心街から数キロメートルも離れたストラトスフィアタワーの展望台よりも美しい夜景が楽しめると評判だ。
 また、塔の下層部には高級フレンチレストランが入居している。その名も Eiffel Tower Restaurant ( [エッフェル] ではなく [アイフェル] と発音) で、窓越しにベラージオホテルの噴水ショーを見ることができるとあって人気が高い。ちなみに、あのクリントン大統領もここで食事をしたことがある。
 エッフェル塔や凱旋門の陰に隠れがちだが、このホテルにはコンコルド広場の噴水 (ストリップ側からホテルに向かって右側にある歩道上の噴水)、オペラハウス (その噴水の背後にある建物)、ルーブル美術館 (ストリップ側からホテルに向かって左端にある建物) など本場フランスの著名スポットがいくつか再現されている。これら名所はただ単に形を模倣しただけで、エッフェル塔のように展望台などがあるわけではないが、本物を忠実に再現した精巧な造りは一見の価値があるだろう。

 従業員全員が簡単なフランス語を勉強させられるとあって、フロントやレストランではフランス語のあいさつが飛び交う。突然 "ボンジュール"、"メルシー" などと言われても、フランス語でどのように返事を返せばよいのか少々面食らってしまうが、これはこれでこのホテルの楽しみのひとつといってよいだろう。
 エッフェル塔の展望台以外にこのホテルにはアトラクション的施設が特に存在していないが、しいてあげれば "LE VILLAGE BUFFET" が目玉商品といったところか。店内はフランスの街角を再現したダイニングになっており、人工の青空と石畳の絶妙なコントラストはにくいばかりの演出だ。料理の陳列セクションも PROVENCE、BURGUNDY、NORMANDY、BRITTANY、ALSACE など地方別に分かれており、それぞれが地方色豊かなフランス料理をサーブするようになっている。生ガキやカニなどのシーフードもあり (ただしディナータイムのみ。時期などによって生ガキはない場合もあるので、それを目当ての者は入店の際に現場スタッフに確認した方がよい)、日本人の口に合うアイテムも少なくない。

 客室はラスベガスのホテルとしては決して広い方ではないが、通常の利用においては何ら不便を感じることはないだろう。ただ、ベラージオ、ベネシアン、ウィンなどに泊まった直後にこの部屋に入ると少々グレードの差を感じるかもしれない。
 ベッドルームのインテリアはベージュを基調とした落ち着いたトーンでまとめられているが、バスルームはややピンク系もしくはオレンジ系のかなり明るい色が前面に押し出されており、少々派手な印象を受けなくもない。特に洗面台のミラーの周囲がグリーンの独特な模様のアクセントで飾られている部分など、ベッドルームに比べてバスルームはかなりクセがある。
 バスタブとシャワー室が別々になっているところは便利だが、バスタブの大きさ(特に深さ) にやや物足りなさを感じる。
 備品は French-Milled Bath Soap、French-Milled Facial Soap、Bath Gel、Shampoo & Conditioning、Body Lotion、Mouth Wash (現物に記載されているものをそのまま記述) で特にこれといった珍しいものはない。ドライヤーは置いてあること自体は歓迎できるが、理髪店などで業務用として使われているようなごっついタイプで、PARIS というお洒落なイメージのピンクを基調としたバスルームには似合っていない。
 ベッドルームは前述の通りやや狭く (それでも日本のホテルよりは広い)、これといった特徴はないが、クローゼットの中に暗証番号設定方式の金庫とアイロンがあることは評価してよいだろう (最近のラスベガスにおいては特に珍しいことではないが)。電話機は枕元とテーブルに1台ずつ (バスルームにはない)、どちらもモデム用のジャック(メス)が側面についておりインターネットへの接続には何ら不便を感じない。ちなみに外線発信番号は 9 だ。ハイスピードインターネット (日本で言うところの LAN 接続) のケーブルも用意されている。

 部屋自体はかなり平凡だが、窓からの景色はすばらしい。といってもストリップ側に面している場合の話であって、それ以外の部屋からの景色はその限りではない。
 ストリップが見える部屋の中でも特にベラージオホテルの噴水ショーが見える位置にある部屋からはパリスホテル自身の中庭プール施設やエッフェル塔も見え、他の角度の部屋に比べると格段に景色が良い。ルーム番号の下2ケタが 01〜25 の奇数、同じく下2ケタが 74 〜98 の偶数の部屋が原則としてこれらの部屋に該当する (スイートルームなど、この原則が当てはまらない部屋も多少存在する)。
 なお、これらの部屋からでも低層階の場合は、横方向への多少のずれによっては窓からの視界がエッフェル塔にブロックされ (当然のことながらエッフェル塔は低い部分ほど太い) ベラージオの噴水が見えにくいことがある。できるだけ高層階の方がよいということになるが、あまり高いフロアからだと中庭のプール施設が小さくなってしまうばかりか、ベラージオの噴水が美しくない (噴水は上から見下ろすようにはデザインされておらず、横から見た方が美しい)。
 結果として 15階から 20階ぐらいまでが理想的な位置ということになる。これらの部屋はチェックインの際に申し出て割り当ててもらわなければならないが (パッケージツアーなどではそのようなわがままは無理と考えた方がよいだろう)、原則としてストリップ側の部屋は $20 程度 (季節や曜日によって変動) 高く売られているのが普通だ。新婚カップルなどは一生の想い出として $20 多く出すのもよいだろうが、ほとんど部屋に滞在しないヘビーギャンブラーにとっては単なる不要な出費となってしまう可能性もある。

 カジノは天井が非常に高いため垂直方向には開放感があるものの、水平方向のスペースはかなり手狭だ。スロットマシンが並ぶ通路の狭さなどは日本のパチンコ屋を想像してしまうほどで (もちろんそれよりは広いが)、高級路線のカジノというにはほど遠い。
 エッフェル塔の鉄骨をインテリアデザインにしてしまっているところは (エッフェル塔の4つある足のうちの 3脚が天井を突き抜けカジノフロア内にむき出しになっている) 好き嫌いは別にして非常に独創的でユニークだ。天井はパリの青空をイメージしたとのことで、実際の空のような演出になっているが、これはシーザーズパレスのフォーラムショップスや東京のビーナスフォートと同じ発想で独創的とはいえない。
 カジノのルールはおおむね "ストリップ標準" で、ブラックジャックはサレンダーありの Soft-17 ヒット (最近は 「ヒット」 がストリップ標準)、クラップスはダブルオッズまでとなっているが、ルーレットにシングルゼロ台が存在している部分は大いに評価したい。(といっても近年は、ハイリミットセクションでしかシングルゼロを開帳していないことが多い)

 プールはそれ自体の設備よりも、その位置がラスベガスのホテルとしては独創的だ。通常プール施設はカジノフロアと同じ 1階にあるのが普通だが、ここパリスホテルにおいてはカジノフロアの屋上に位置しており、客室からアクセスする際、エレベーターで 1階まで行くことなく 3階で降りればよいようになっている (エレベーターを降りてすぐ目の前がプールの入口)。水着にTシャツなどを簡単に羽織った姿で、不特定多数の人が行き交うカジノフロアやショッピング街を歩く必要がなく、宿泊者にとっては大変便利な設計といってよいだろう (ちなみにベネシアンホテルとプラネットハリウッドホテルのプールもこれとほぼ同じ構造になっている)。プール施設自体はヤシの木、滝、砂浜、滑り台などの楽園的雰囲気を演出する小道具が一切存在せず子供ウケする楽しいプールではないが、お洒落な外観のホテル棟とエッフェル塔に囲まれた空間はどことなくリッチで、プール施設全体に都会的かつ大人の雰囲気が漂っている。

 ここのホテルのナイトショーは、残念なことに何をやっても長続きしないようだ。ヴィクトル・ユーゴの The Hunchback of Notre Dame (日本語訳: ノートルダムの背むし男) を原作とした世界的に知られるミュージカル "Notre Dame de Paris" は、スタート直後から観客動員数が芳しくなく、わずか半年という短命で 2000年7月末に打ち切られてしまった。その後、2004年8月からミュージカル "We Will Rock You" が始まったものの、それも 2005年11月をもって打ち切られてしまい、2007年 2月から始まったコメディー系プロードウェーミュージカル "The Producers" も 1年後の 2008年2月9日にあえなく終了。「4度目の正直」 に期待したい。

 ショーはダメでも立地条件は申し分ない。ラスベガスの中心地フォーコーナーへは歩いてすぐの距離にあり、またモノレールの発着駅があるバリーズホテルへも徒歩でアクセスできる。ちなみにバリーズホテルとこのパリスホテルは同じ経営のため、互いのカジノフロアがショッピング街を介してつながっている。
 ベラージオホテルの高級ショッピング街やシーザーズパレスのフォーラムショップス、さらにはプラネットハリウッドのミラクルマイルも目と鼻の先なので、ショッピング族にとっても大変便利なロケーションといってよいだろう。
 駐車場も便利とは言い難いものの、ストリップの巨大ホテルとしてはまずまず使いやすい部類に入るのではないか。少なくとも MGMやシーザーズパレスの駐車場のようなフラストレーションを感じることはなく、レンタカー族が泊まっても特に問題はないはずだ。

 夜のエッフェル塔など、外見のゴージャスさに比べ客室などはかなりシンプルだが、立地条件の良さや低料金を考えると (少なくともベラージオやウィンよりは安い)、このホテルは超お奨めのホテルといってよいのではないか。料金にこだわらない者にとっても、そこそこ新しいということ自体、悪い気分はしないだろう。新しい物がなんでもよいという訳ではないが、少なくともこのホテルではまだ老朽化による見苦しい部分に遭遇することはないはずだ。一般のツーリストはもちろんのこと、新婚カップル、社員旅行、コンベンション出張族、ショッピング族、レンタカー族、卒業旅行など、ありとあらゆる用途に耐える万人向けの無難なホテルといってよいだろう。


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