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モンテカルロ




英語名   MONTE CARLO HOTEL & CASINO
住所   3770 LAS VEGAS BOULEVARD LAS VEGAS, NV 89109
電話  702-730-7777 総客室数  3024
フリーダイヤル  1-800-311-8999 スイートルーム  256
FAX  702-730-7200 レギュラールーム  $90〜
外貨交換  あり スイートルーム  $300〜
総合評価  

 このモンテカルロは、サーカスサーカスエンタープライズ社 (その後は Mandalay Resort 社に社名変更) とミラージ社 (同、MGM Mirage 社) によるジョイントベンチャーとして誕生したホテルで、1996年 6月 21日深夜 12時、派手な打ち上げ花火と共に華々しくオープンした。総工費は約 3億 5000万ドル、場所はニューヨークニューヨークのすぐ北側。
 開業にこぎつけるまでの道のりは平坦ではなく、プロジェクトの変更などかなり紆余曲折があった。名称も二転三転しており、当初の予定だった 「ビクトリアホテル」 が、開業直前になって突然 「モンテカルロ」 になったといういきさつもある。それでも開業後は極めて順調で、日本人観光客の間でも人気が高い。
 そんなこのホテルも、2005年 3月、Mandalay Resort 社が MGM Mirage 社に吸収合併されたため、今では巨大な MGM Mirage グループの中核ホテルのひとつとして運営されている。
 2008年1月25日に発生した火災事故の映像は全世界をビックリさせたが、幸いにも上層階の一部を消失しただけで人的被害はなく、その約3週間後には営業を再開している。

 テーマは名前が示す通り 「モンテカルロ」。つまり、モナコの 「Place du Casino in Monte Carlo」 がモデルだ。そのためホテル全体の雰囲気はヨーロッパ調にまとめられており、正面玄関付近のアーチはもとより、内装もヨーロッパを意識したクラシカルなデザインに仕上がっている。客室にもそのコンセプトが取り入れられており、マーブルやゴールドをあしらったバスルームなどはその典型といえよう。

 カジノはわかりやすいシンプルなフロアプランで非常に使いやすい。複雑に入り組んだデザインのカジノが増えている中、このような単純明快なフロアプランは最近では珍しく好感が持てる。また、規模的にもあまり大きすぎず小さすぎず利便性が高い。
 なお余談だが、モナコを意識していたこともあり、開業以来長らくヨーロッパスタイルが取り入れられ、ここのカジノのルーレット台には "緑の00" がなかったが (それがモナコ流で、確率的に客にメリットあり)、2006年以降は完全にアメリカスタイルになってしまい、今ではハイリミットセクション (高額の賭け金でプレーするセクション) 以外ではそのモナコ流のルーレット台はなくなってしまった。

 ダイニング関係としては、700座席を誇るバフェィ、24時間営業の 「Cafe」という名前のカフェ、それに本格派のステーキハウス Black Stone など、必要最小限のものはそろっているが、MGM、ベラージオ、ベネシアンなどに比べると内容的にも数的にもかなり見劣りする。
 フードコートもマクドナルド、ハーゲンダッツ、スターバックスといったなじみの店はあるものの、その規模はかなり小さい。それでも高級フレンチの Andre's だけはラスベガス屈指のファインダイニングとして人気が高く、本格的なグルメ族からも一目置かれる存在だ。ちなみにその Andre's、本店はラスベガスダウンタウン近くの住宅街にある。


 あとダイニング関連の話題として忘れてはならないのが 「自家製ビールパブ」 だ。醸造工場をそのまま解放してしまったようなインテリアのこのパブでは、毎日 5000リットルほどの 「地ビール」 を製造しているという。
 パブ全体に張りめぐらされたビールの配管や、ひんやりした金属テーブルが何ともいえない雰囲気を醸し出しており、1杯 $4.00 という価格は、アメリカの相場からすると決して安くはないが、味はなかなかイケている。銘柄も豊富で、人気の "Las Vegas Light"、コクが売り物の "Jackpot Pale"、苦みを押さえた "Winners Wheat"、個性豊かな濃厚ビール "High Roller Red"、アイリッシュスタイルの本格派ラガー "Silver State Stout" など、ビール党にはたまらない充実のラインナップだ。さらに "Raspberry Wheat" などの日替わりビールも用意されている。
 ビールと言えば、おもしろいのがキリン (Giraff)。日本のビール銘柄の話ではない。キリンの首のようにとんでもなく長いためそのように命名された巨大グラスのことで、長さ 120cm のそのグラスの下には蛇口が付いており、各自のジョッキに注げるようになっている。大人数のパーティーには最適で、テーブルの上に置いたその姿はまるで煙突のようで、話題的にも視覚的にも楽しめること請け合いだ。ちなみにこのキリン、120cm の大キリンが 5リットル入で $28、90cm の小キリンが 3リットル入で $19。普通にグラス (350ml) でたのむと $4.00 なのでかなりお得だ。つまみ類も種類が豊富で、特にカラマリフライ (小さなイカのリングフライ) は $10 以下にもかかわらず 3人でも食べきれないほどのてんこ盛りで出てくるので驚ろく。

 ここのホテルのナイトショーは、あの世界的マジシャン Lance Burton によるマジックショーだ。ヨーロッパ調の重厚な 1200席の専用シアターには連日世界中からマジックファンが詰めかけており、日本人観光客の間での人気も高い。チケット売り場は劇場の前にあるが、売り切れが心配な者は、ランスバートン自身の公式サイトから日本語で事前予約が可能だ。( http://www.lanceburton.com のトップページの左端に [日本語予約] ボタンがある)

 プールはあまりほめられたものではない。流れるプール "Lazy River"、波形が複雑に変わる "Wave Pool" などそれなりに工夫を凝らしているが、いかんせんこのホテルの規模にしてはサイズが小さすぎる。ただ、客室からカジノを通らないで行けるようになっているため、場所や使い勝手は他のプールに比べ抜群によい。

 このホテルで最も評価したい点はその使いやすさだろう。特にレンタカーなど車を使って行動する者にとって、これほど便利なホテルは他にない。とにかくセルフパーキングから客室までのアクセス、つまり、駐車場 → フロントデスク → エレベーター → 客室 、までのスムーズさは天下一品だ。
 つまり、この規模のホテルにしては駐車場からホテル棟までの距離が非常に短く造られているばかりか、フロントデスクが入り口のすぐ目の前に位置しており大変使いやすい。これはレンタカー利用者のみならず、タクシー利用者にとっても非常に便利だ。
 が、2006年 8月から、このホテルの駐車場付近で大規模な建設工事 (ホテル、コンドミニアム、ショッピングモールが一体となった複合施設) が始まったため、その駐車場は解体されてしまった。現在は暫定的に南側 (ニューヨークニューヨークホテル側) の空き地が駐車場として使われている。

 あと特筆すべきことは、ただ単にフロントから客室が近いということだけでなく、カジノフロアをまったく経由せずに客室へ行けるようになっているということで、それは当たり前のようだが、ラスベガスでは当たり前ではないのである。なるべくカジノでお金を使ってもらおうと、フロントからエレベーター、もしくは駐車場からフロントまでの道順は必ずカジノ内を迷路のようにたっぷり歩かせるようになっているのがラスベガスの常識で、このモンテカルロはその常識を踏襲していない。
 そんな意地悪な設計になっていないばかりか、すべてのエレベーターが一ヶ所のエレベーターバンクに集中しているため (これも珍しいこと) さらに使いやすくなっている。エレベーターバンクがあっちこっちに点在している MGM、ラクソー、ニューヨークニューヨークなどの悪名高き設計と比べたら、その使いやすさとわかりやすさはそれこそ天と地ほどの差がある。
 なお、好評だったモノレール (このホテルとベラージオホテルを結ぶ無料モノレール) は、沿線地域の再開発工事のため、2006年 1月をもって消滅してしまった。

 このホテルの難点は特に見当たらないが、強いてあげるならば、その特徴やクセがまったくないところが難点なのかもしれない。たしかに良くも悪くも個性を感じないホテルで、これといったアトラクションもなければ、ラスベガスらしい派手さもない。極めて正統派のホテルで、そういう意味では "ラスベガスに慣れた大人向けのホテル" といってよいだろう。ラスベガスを初めて訪れる者や子供連れなどは、少々不便な設計でも MGM、ラクソー、ニューヨークニューヨークのような派手なホテルの方がラスベガスらしさを楽しめるかもしれない。


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