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MGMグランド




英語名   MGM GRAND HOTEL CASINO & THEME PARK
住所   3799 LAS VEGAS BOULEVARD LAS VEGAS, NV 89109
電話  702-891-1111 総客室数  5005
フリーダイヤル  1-800-929-1111 スイートルーム  744
FAX  702-891-7676 レギュラールーム  $120〜
外貨交換  あり スイートルーム  $300〜
総合評価  

 言わずと知れた世界最大のホテル (部屋数では世界第 2位だが、総合的な規模では世界一)。延べ床面積、駐車場の広さ、受付カウンターの広さ、従業員の数、消費電力、何もかもが世界最大だ。
 大きいのはホテルそのものだけではない。会社としても巨大で、同ホテルを所有する MGM Mirage 社は、ベラージオ、ミラージ、TI、ニューヨークニューヨークなどを所有する他、2005年 3月には Mandalay 社も買収したため、マンダレイベイ、ラクソー、エクスカリバー、サーカスサーカス、モンテカルロも同社の傘下に入っている。ラスベガスの主要ホテルの半分を牛耳る巨大企業だ。

 このように会社の規模などのハードの部分では世界に誇れる立派なものばかりだが、この MGM Grand におけるソフト面の評価は最近までなぜか 「サービスが悪かった」、「待たされた」 など、ネガティブな話を耳にすることが多かった。が、近年かなりサービスも改善されてきているようで、ただ単に大きさをウリにするホテルから洗練された高級ホテルへと進化を遂げている。特にハード面では 2003年以降、レストラン、バー、劇場、アトラクションなどのリモデルを着々と進め、今では巨大グループの旗艦ホテルにふさわしい立派なホテルに生まれ変わっている。
 それでもまだ 「チェックインしてから部屋までが遠すぎる」、「駐車場が広すぎて歩かされる」、「カジノで迷子になった」 など、構造上の問題を指摘する声が残っているのも事実。たしかにこのホテルは 「巨大すぎるがための問題点」 というものを多く抱えているようだが、こればかりはホテル自体を建て替えない限りどうすることもできないので目をつぶるしかない。
 マンダレイベイ、エクスカリバー、フラミンゴ、ミラージなど 3000部屋を超えるホテルは他にも多数存在しているが、MGM Grand は部屋数の差以上にそれらホテルに比べ使い勝手が悪いようだ。それは、部屋数のわりにフロアの階数が低いためと言われており、つまり、建物全体のレイアウトが横方向に広がりすぎているためで、結果として利用客は水平方向の移動を余儀なくされるというわけだ。垂直方向への移動であればエレベーターがそれをやってくれるので不便はないが、水平方向ではそうはいかない。つまりフロントロビーからエレベーターまでの距離や、エレベーターを降りてから部屋までの距離などが長くなってしまいがちで、それがこのホテルの構造上の欠点となって現れている。

 それでも初めてラスベガスを訪れる日本人観光客の間での人気は高く、90年代後半まで "泊まってみたいホテル" のナンバーワンは常にこの MGM だった。ベラージオやベネシアンが出現してからは、この MGM 人気も相対的に低下してしまったが、基本的には 「大きいことはいいことだ」 という価値観が日本人にはあるようで、今でもこのホテルの人気は高い。

 さて、MGM グループのトレードマークであり、なおかつここの交差点のシンボル的存在でもあった従来の 「ライオン像」(写真左) は、97年 5月をもって解体撤去されてしまった。
 頭部だけだったそのライオン像に対しては出現直後から 「樹脂製で安っぽい」 という指摘があり、98年 1月、全身サイズのブロンズ像(写真右下) となって再デビューした。中国系のギャンブラーたちが "ライオンの口から飲み込まれるようにカジノに入るのは縁起が悪くてギャンブルに勝てない" と同ホテルを避けていたことが改造の本当の理由とされる。

 ところがその新ライオン像も 「顔があまりにも情けない」、「百獣の王としての風格や貫禄が感じられない」 など、出現直後から三代目の登場を期待する声があがっていたが、何年経過しても三代目は登場しないので、どうやらこのまま二代目がこのホテルのシンボルとして定着してしまいそうだ。
 たしかに顔は情けない表情をしているが、今では台座周辺にカラフルな電飾、サーチライト、噴水、BGM が設置されるなど、とりあえずは光、水、音などの力を借りてなんとか百獣の王の威厳を保っている。

 さて個別施設の説明だが、開業以来親しまれてきた同ホテルのテーマパーク 「MGMグランドアドベンチャー」 は 2000年 9月をもって閉鎖されてしまった。ホテル自体がその経営戦略を 「ファミリー路線」 から 「大人向けの高級路線」 へ方向転換したためで、この閉鎖はラスベガス全体の変化を象徴する出来事でもあった。
 「大人向けの高級路線への転換」 といえば、少々古い話になるが、料金的にも内容的にも人気だった 「WIZARD'S SECRET MAGIC SHOW」 も閉鎖されてしまった。現在その跡地にはナイトクラブ "STUDIO-54" と、本物のライオンをカジノ客に公開する "The Lion Habitat" が存在している。

 カジノは前述の通り世界屈指の広さを誇っており、ゲームの種類も内容も申し分ない。一方、広々とした開放感はそれなりに評価できるものの、くつろいだ雰囲気を味わうには少々広すぎて落ち着かないといった声も聞かれる。特にブラックジャックやクラップスなどのテーブルゲームがある位置はメイン通路に面しているため、週末の混雑時などは背後の人通りが気になり落ちついてプレーを楽しめる雰囲気ではない。それでも本格的なギャンブラーには、静かな場所にゴージャスなハイリミットセクション (賭け金が高額な人のためのセクション) が用意されているので、その種の需要にはきちんと対応している。
 なお、かつて 「カラフルすぎて趣味が悪い」 と非常に評判が悪かったカジノ内の派手なインテリアは完全にリニューアルされ、今はその面影もない。

 レストランに関しては近年の増強ぶりはめざましく、2005年 10月にオープンしたロブションを筆頭に、ラスベガス屈指のラインナップを誇っている。和食、中華、イタリアン、フレンチ、ステーキ、シーフード、メキシカン、テーマレストラン、どれをとっても超一流店が入居しており、どのジャンルを食べたくなってもなんら不自由することはない。
 また、フードコートには、マクドナルド、スターバックス、ハーゲンダッツなど、食べ慣れた味の店が軒を並べている。なお、おにぎりやラーメンも売る和食のファーストフード店 Hamada Express は 2005年春、姿を消した。
 ちなみに主要レストランも、そのフードコートも、カジノからプール施設へ行く通路沿いにあり、一ヶ所に集まっているという意味ではわかりやすいが、客室から少々遠いのが難点だ。

 バフェィは、インテリアに原色が多すぎとかく 「派手すぎる」 と評判が悪かったかつての "OZ Buffet" は姿を消し、「大人向けの高級路線」 への方針転換にともない、現在は落ち着いた淡いブラウンを基調としたオーソドックスな "MGM Grand Buffet" に生まれ変わっている。OZ Buffet 時代に比べかなり洗練されてきているが、料理としては 「可もなく不可もなく」 といったところで、ベラージオやパリスのそれのように特に有名店というわけではない。

 次にプールについて。かつてこのホテルのプールはビーチスタイル (砂浜付き) になっていて非常に評判がよかったが、ハイローラー用のマンション棟を建設するために 98年春に取り壊されてしまった。その結果、現在のプールはストリップ側から裏側 (元テーマパークがあった側) へ移動してしまった。かつての施設が巨大な一つのプールで構成されていたのに対して、現在は複数の小さなプールで構成されており、開放感や落ち着きという意味で昔のプールに劣っているとの意見が多い。ただし "流れるプール" などができたため、子連れファミリーなどからは評判がよいようだ。
 ここのプールの最大の難点は客室から遠いことだろう。水着の上にTシャツを羽織ったような簡単な姿でホテル内をあまり長く歩きたくないものだが、ここのプールはラスベガスで一番遠いプールとして悪名高く、客室からプールまで行くためにはカジノやレストラン街の中を 200〜300m (客室の位置により差がある) 歩かなければならない。それだけ敷地が広いということでもあり、ぜいたくな悩みとも言えなくもないが、不便であることは万人が認めるところだ。

 ナイトショーに関しては、フランスから直輸入のセクシーなアダルトショー "CRAZY HORSE PARIS" (旧名 LA FEMME、2007年 1月から現在の名前に) と、2004年 11月から始まった劇団 Cirque du Soleil の "Ka" が常駐の定期公演ショーとして、また、デイビッドカッパーフィールドのマジックショーが 2〜3ヶ月おきに開催されている。

 本館の北側に隣接されている MGM GRAND GARDEN ARENA は 15200人収容可能なアリーナで、コンサートやボクシングの世界タイトルマッチなどの会場としてよく使われている。ちなみに、やや話は古くなるが、マイクタイソンの "噛みつき反則負け事件" や、ゴング終了後のパンチによる無効試合などもここで行われた。

 ストリップの東側を平行に走るモノレール (MGM ←→ Sahara 間) はそれなりに立派な施設ではあるが、目的地のホテル (バリーズ、フラミンゴ、ハラスなど) の駅の位置がそれらホテルから遠く、使い勝手はあまりよくない。見学のついでに一度乗るのはよいが、滞在期間中に何度も乗るような乗り物ではないだろう。
 なお、そのモノレールに付随して、このホテルには 「STAR LANE SHOPPES」 というショッピング街がある。バリーズホテル側にも同様なものがあるが、ようするにモノレールの乗降客を当て込んだショッピング街で、モノレールの駅とホテルを結ぶ地下通路沿いにある。駐車場との連絡通路にもなっているためそれなりのにぎわいは見せているものの、ショッピング街の規模としては非常に小さく、シーザーズパレスのフォーラムショップスなどと比べるとケタ違いにシンプルだ。

 競争が激しく経営難に陥るホテルもある中、この MGM はここ近年業績を着実に伸ばしてきており、2000年春にはミラージ、ベラージオ、トレジャーアイランドなどを運営する Mirage Resorts 社を買収し、また冒頭でも述べた通り、2005年春に Mandalay 社も買収するなど、勢いはとどまるところを知らない。
 やれ 「世界一だ」、やれ 「広すぎて使いづらい」 など、良くも悪くもいろいろ話題が尽きない MGM Grand ホテルだが、少なくとも日本からの "初ラスベガス旅行者" にとってはエキサイティングなホテルであることに違いないので、これだけ有名になってしまったからには、話題性という意味においても一度は泊まってみても損はないだろう。


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