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 賭け方
 
 賭け方は賭けの対象となるスポーツによりさまざまで、また、受け付け開始時期、ハンディキャップの付け方、ホテル側の手数料、払い戻し期間、などもそれぞれのスポーツによって多少異なる。
 さらに、同じスポーツでも単独のゲームに賭ける方法と PARLAY と呼ばれる複数のゲームに賭ける方法があるなど、賭け方はバラエティーに富んでいる。特にビッグイベントの場合、たとえばボクシングでは、ただ単にどちらが勝つかではなく、何ラウンドまでにノックアウトでどっちが勝つ、判定に持ち込まれる、といった賭け方や、またフットボールの場合、どちらのチームが先に得点するか、最初の得点はタッチダウンかフィールドゴールか、などといったユニークな賭け方まで用意されている。
(右写真は 2006年 2月 5日に行なわれた 第40回スーパーボウルにおいて、ピッツバーグスティーラーズに 500ドルを賭けた際の投票券の実物写真。書かれていることの読み方などは以下で説明。クリックで拡大表示)

 さて、どんなスポーツイベントにおいても、強いチーム (強い選手) と弱いチーム (弱い選手) があるわけだが、強い方 (あるいは人気がある方) のことを "Favorite"、弱い方 (あるいは人気がない方) を "Underdog" という。
 そしてその試合を賭けの対象とするからには、なんらかのハンデが必要となってくるわけだが、そのハンデは大きく分けて、賭け金 (もしくは払戻金) で決める方法 (money line という) と、得点 (スコア) で決める方法 (point spread という) がある。
 たとえばボクシングの場合で、 「マイクタイソン 2 to 5」 と表示されていれば、タイソンに賭けて的中した者には $5 の賭金に対して $2 が支払われる (元金も含めれば $7 の払い戻し) という意味。これがまさに賭け金や払戻金でのハンデ調整、つまり money line ということになるが、この money line のハンデにおいては、別の方法で表記されることもある。
 たとえば 「マイクタイソン −600、ホリフィールド +400」 と表示されていた場合、これは、タイソンに賭けて $100 稼ぐには $600 賭けなければならないことを意味し、同時にホリフィールドへ $100 賭けて勝つと $400戻ってくる (賭け金も含めれば $500) ことを意味する。つまり、ここでのマイナス符号とプラス符号は、favorite と underdog を示すもので、マイナスが favorite、プラスが underdog を意味している。

 次に得点でのハンデ、つまり point spread についてだが、たとえばフットボールの場合 「ダラスカウボーイズ 対 ピッツバーグスティーラーズ、カウボーイズの −13.5」 と表示されていれば (右写真はかなり古いが、1996年のスーパーボウルで、実際のスポーツブックの現場に掲示されていたハンデ)、実際の試合においてカウボーイズが 13.5点以上の差をつけて試合に勝たないと、カウボーイズに賭けた者は的中にならないことを意味する。これが point spread によるハンデというわけだ。

 ちなみに左の写真はその 1996年のスーパーボウルにおいてピッツバーグスティーラーズに実際に $500を賭けた際の本物のチケット。結果はカウボーイズが 10点差で勝ったため (point spread はカウボーイズの -13.5点) このチケットを買った者は的中したことになる。
 なお、この種の point spread での賭けの場合、的中した者へは $110 の賭け金に対して $100 の割合で払い戻される (左の写真からもそのことが読み取れる)。つまり約 10% の手数料が差し引かれ (それがカジノ側の収益)、払い戻されることになるわけだが、この手数料の部分 (-110 という表記) も money line と言えなくもない。

 それらのことを知って、もう一度 2006年のスーパーボウルの投票券を見てみると (写真右、クリックで拡大表示)、次のようになることがわかる。
 point spread のハンデはスティーラーズの -4点 (つまりスティーラーズが favorite で、4点差以上の差を付けて実際の試合に勝たないと賭けには勝てない) という条件で $500 をスティーラズに賭け 、払い戻し率は -110 なので ( $100 勝つには $110 賭けなければならない、という意味)、その $500 の賭け金に対して、$454.55 勝ち、元金も含めて $954.55 受け取れる、ということになる。ちなみに実際の試合は 11点差でスティーラーズの勝利だったので、この投票券は的中したことになる。(302 と書かれている番号は、その日のそのカジノにおけるこの賭け方の整理番号なので、ここでは気にしなくてよい)

 野球の場合はどうか。野球の場合、フットボールに比べて 1点の重みが大きいので、通常 point spread でのハンデは採用されない。基本的にハンデはすべて money line だ。
 たとえば 「−180ドジャース、+160ジャイアンツ」 と表示されていれば (右の写真の一番下。チーム名の右側は先発投手名)、ドジャースが favorite、ジャイアンツが underdog で、ジャイアンツに $100賭けてジャイアンツが勝った場合は $160受け取ることができ (賭金も含めて考えれば $260受け取ることになる)、ドジャースに賭けて $100受け取るためには $180 賭けなければならないという意味になる (つまり $180賭けて、賭金も含めて $280 が払い戻される)。

 このように、ハンデキャップの表示方法ひとつ取ってみてもスポーツによってまったく異なる。さらに野球やフットボールにおいては PARLAY という 「複数ゲームの賭け」 もある。これは複数の試合 (たとえば5試合とか) の勝ちチームをすべて当てるというもの (通常は同一の日に行われる試合が対象となる)。当然のことながら、選択試合数が多くなればなるほどその分当たりにくくなるため、当たった際の配当倍率は大きくなる。

 さらに各カジノでは 「長期的な賭け」 も常に受け付けている。たとえば 「来年のワールドシリーズの優勝チーム」 とか 「来年のスーパーボウルの優勝チーム」、「来月のワールドカップサッカーの優勝チーム」 などを当てる賭けがそれだ。ちなみに左下の写真は 2002年日韓ワールドカップサッカーの時のオッズだが (2002年1月撮影)、この時点で日本が 45倍になっていることが読み取れる (国名の左側に見える4桁の数字は投票の際に窓口で申し出る整理番号なので配当率とはまったく関係ない)。

 当然のことながら、これらの配当倍率は日々の噂や情報 (選手のケガや故障など)、さらにチームの調子などによって刻々と変化するもので、この変動はカジノ側が人為的に勝手に決めているのではなく、人気 (投票数) のバラツキによってカジノ側のリスクが偏らないよう、いわば 「市場原理」 に基づいて日々調整される。
 もちろんチケットをすでに買ってしまった者に対してはその買った時点における配当倍率が保証されるので、その後変動してもすでに買った人にはなんら影響は及ばない。
 つまり早い時点でチケットを買った者は、その後そのチームの主力選手が故障したりした場合はウラ目に出てしまうということになり、逆に、敵対するライバルチームの主力選手が故障したりした場合はオモテ目に出ることになる。したがって、一概に 「早く買った方が損」 とかいうことは言えない。

 なお投票したチケットの有効期限は一般的にその対象となる試合が終了してから 60日以内となっているが、30日の場合や 120日の場合もあるので (投票券のウラ面に書かれている)、旅行の日程上すぐに換金できないような場合は、投票時によく確認した方がよい。
 ちなみに各カジノホテルでは郵送による換金も受け付けている。チケットのウラ面に書かれている方法に従って現物を郵送すれば、数週間後に日本まで小切手が送られてくる (もちろん額面は米ドル)。ただし、日本の金融機関でのドル小切手の換金は、円ドル交換手数料だけでなく、小切手の換金手数料 (数千円) も取られるので、数十ドルの少額の的中券の場合、郵送による換金は現実的ではない。極力ラスベガスで換金すべきだろう。


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