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 コンプ算出基準のウラ話
 
 「どの程度プレーしてくれた客にどの程度のコンプをサービスするか」 。各ホテルはこれをドンブリ勘定で決めているわけではない。そこには確固たる経営理論に基づくセオリーがちゃんと存在している。
 それはズバリ 「そのゲームの数学的期待値に基づく予想収益金の約 40%相当額のサービス」 ということになっているようである。もちろんこの 40%という数字は各ホテルによって多少のバラツキはあるが、おおむねその程度のようだ (そのホテルの業績や経営ポリシーの変化などでこの数値も流動的に変動する)。

 具体的にわかりやすく説明するならば、たとえば客が 1回に $50賭けると数学的期待値としてカジノ側が平均 $3儲かるゲームがあったとする。そしてこのゲームは、1時間で約 20回程度の速さで進行するゲームだとする。ある客がこのゲームを $50平均の賭金で4時間プレーすると、カジノ側はその客から $240 ($3×20回×4時間) の収益が期待できることになる。この予想収益金の約 40%相当額、つまり今の例で言うならば約 $96 相当額の商品 (部屋代なり食事代なり) をその客にコンプとして還元するというわけである。

 「中には勝つ客もいるし、もっと負ける客もいるではないか!」 という反論もあるかもしれないが、母数が大きくなればなるほど (つまり百人、千人と客の数が増えれば増えるほど)、結果は限りなく理論値に近づくというのが統計学だ。だから個々の客が勝つか負けるかはホテル側にとってはまったく関係ないということになる。

 この理論に基づいて、自分がラスベガス往復航空券の招待を受けるためにはどれだけプレーすればよいのか、逆算してみるのもおもしろいかもしれない。

 なお参考までにルーレットの場合を例に取ると、客が $100賭けると平均してカジノ側はそのうちの $5.26儲かる計算になる。(この数値を "控除率" とか "ハウスアドバンテージ" と呼んでいる)


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