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 何個賭けが有利か
 
 前項の表をよく見ると、ある一定の水準に達した段階で最高倍率が頭打ちになっていることに気付くはずである。
 たとえば 11個選んで 11個全部的中した場合の配当倍率 (65000倍) と、12個選んで 12個的中した場合の配当倍率 (70000倍) は、ほとんど同じになっているが、両者の難易度の差 (発生率の差) を考えるとこの配当倍率の差は著しく不当である。
 また、約 23万回に1回の割合で起こり得る 「8個選んで8個的中」 の配当倍率が 25,000倍であるにもかかわらず、約 40億回に1回の割合でしか発生し得ない 「 13個選んで 13個的中」 の配当倍率が 75,000倍でしかないというのも著しく妥当性に欠ける。
 この 「最高倍率の頭打ち傾向」 は 「8個選んで8個的中」 を超えたあたりから顕著になっている。このように考えると、9個以上選択するのは得策ではないということになる。
 しかし、今の議論はあくまでも 「全部的中」 の事象だけをとらえて比較した場合の話であって、その他の的中パターン (もっと倍率の低い的中パターン) もすべて考慮に入れた場合は話がちがってくる。
 結論を先に言うならば、すべての的中パターンにおける配当倍率を総合的に合算した期待値は、何個選択した場合においてもそれほど大きなちがいはないようになっている (表からも読み取れる通り、最高の期待値は1個選択した場合の 75.0%、最悪は 13個選択した場合の 71.3%でほとんど差はない)。
 つまり 「最高倍率の頭打ち傾向」 により不当に低く抑えられていた 「全部的中」 時の配当倍率の不足分は、他の的中パターンに振り分けられているということである。 (法律による最高限度額の規制などがあるためこのようになっている)

 以上のように考えると、どの賭け方も数学的な有利性はほぼ同じということになってしまうが、賭けの内容や性格はそれぞれまったく異なる。
 たとえば、「5個選択で5個的中」 も 「 12個選択で9個的中」 もその配当倍率はどちらも 500倍ではあるが、その発生確率はケタ違いに異なっている (1/1551に対して1/10482)。
 つまり 「資金を500倍にすること」 だけを目標にするのであるならば、「5個選択」 の方が断然有利ということになる。また、「6個選択」 と 「8個選択」 の各的中パターンを比較してみると、資金を 1500倍にしたいのであれば 「8個選択」 の方が有利で、90倍程度をねらうのであれば 「6個選択」 の方が有利であることがわかる。
 このように総合的な期待値は、どの賭け方においてもほとんど差はないものの、目標とする賞金レンジだけに着目してみると、それぞれの賭け方によってその実現性は大きく異なっていることがわかる
 したがって、どの賭け方にすべきかを考える場合、まず先にどの程度の賞金レンジをターゲットにするかを決めるべきだろう。
 この目標をどこに置くかは各プレーヤーの勝手だが、資金を数十倍にすることが目標であるならば、ルーレットの 「1点買い」(36倍) をやった方が、はるかに期待値は高くキノをやる意味がまったくない。だからと言って 50,000倍以上のジャックポットを狙うのもあまり現実的とは言えない。なぜなら最もやさしい 「配当 50,000倍以上」 である 「 10個選択で全部的中」 の場合でもその発生確率は 「 890万分の1」 となっており、もはや実現可能性は限りなくゼロに近いからである。
 したがって狙うべき賞金レンジは、ルーレットでは実現不可能な 「数百倍から数千倍程度」 、それと 「現実味のある範囲内での夢」 、このあたりに的を絞って狙うのが賢い賭け方と言えるのではないだろうか。
 そう考えると 「8個選択」 が最もお薦めということになる。なぜなら 「8個選択」 における4種類の的中パターンに対する配当倍率と発生確率の比は他の賭け方の場合に比べかなり良くなっているからである。
 「8個選択」 だけがなぜそのようになっているかというと、「8個選択」 には 「1倍」 とか 「3倍」 といった低倍率の的中パターンがまったく用意されていないからである。これを日本の宝クジにたとえて言うならば、200円とか 500円程度の少額賞金を完全になくし、その分高額賞金の当選確率を高めた、ということである。
 この特徴を逆に解釈すれば、 「8個選択は何も配当金をもらえない確率も非常に高い」 ということになる。事実そのハズレ率は 97.8%となっている。それでも 「1倍」 とか 「3倍」 を狙うためにキノをやる者もいないだろうから、このハズレ率の高さは大して問題ではないはずだ。むしろ低倍率の配当金を他の的中パターンに振り分けることによってジャックポットの実現性を高めている 「8個選択」 こそ、最も歓迎されるべき賭け方と言えるのではないだろうか。



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