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4つのイカサマ |
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ラスベガスのカジノにおいてイカサマは存在するか...。
これは多くの人が抱く疑問だが、その答えは 「断じてあり得ない」 ということになる。少なくとも現在のラスベガスのカジノにおいてイカサマは絶対に存在しない。
この競争の激しいラスベガスのホテルおよびカジノ業界において、そんなイカサマのウワサなどが少しでも広まろうものならたちまちそのホテルは倒産する。もちろん関係者は法律によっても厳しく処分される。そんな危険を冒してまでイカサマをやるわけもないし、やる必要もない。なぜならイカサマをやらなくてもホテル側は十分に勝てるようになっているからである。そもそもイカサマなどが存在していたら今日のラスベガスの繁栄などあり得るわけもない。

ただしこの議論を進める前に 「イカサマ」 とか 「インチキ」 とか呼ばれる不正行為の定義を明確にしておく必要がある。
アメリカでも 「CASINO」 などというタイトルの映画がヒットし (マーチンスコセッシ監督、ロバートデニーロ主演の話題作。日本でも 96年4月 20日に公開され話題を集めた)、その中でイカサマが行われていたりしたためか、アメリカ人の間でもこのイカサマの存在を信じている者が少なくない。だからあえてここでイカサマについて説明しておくが、まずその不正行為には当事者の関係から次の4通りが存在する。
1. カジノ側 (もしくはディーラー側 ) が客に対して行う不正行為
2. 客がカジノ側に対して行う不正行為
3. ディーラーや従業員がカジノ側に対して行う不正行為
4. カジノ経営者側が税務当局や株主などに対して行う不正行為
このラスベガス大全の読者も含めた一般の観光客が心配している 「イカサマ」 とは、通常 1 を指している場合がほとんどだろう。つまり 「自分が被害者になる」 ケースである。
さきほど 「イカサマは断じてない」 と言ったのは、まさしくこのケースのことで、つまり 「あなた自身が不正行為の被害者になることは絶対にない」 と言ったまでだ。
多くの 「カジノ初心者」 の日本人観光客がこれに対して懐疑的な目で見ているようだが、数十年前のラスベガス黎明期ならいざ知らず、現在のラスベガスにおいてそんな不正行為は絶対にないと断言できる。これについてはこの後に具体例などを示し詳しく述べるが、とりあえずここではその種のイカサマは存在しないと覚えておいていただきたい。
さて次に 2 のイカサマ、つまりカジノ側が被害者になるケースだが、これは 「ない」 とは言えない。なぜなら、あなた自身がそれを企てるかもしれないからだ。
スロットマシンに針金を突っ込んで不正にコインを出そうとしたりする行為がこのカテゴリーに属する (実際にそんなことが可能かどうか知らないが... )。日本でもパチンコやパチスロなどでこの種の不正行為を働く者がいるというが、アメリカにいたとしてもまったく不思議ではないし、事実少なからずそのようなバカ者は存在しているようだ。もちろん不正が発覚すれば警察に突き出されることは言うまでもない。
さてその次の 3 のイカサマだが、これはハッキリ言って 「ある」 と言わざるを得ない。しかしこの種の不正行為は 「従業員による会社側に対する背任行為」 であり、被害者はカジノ側だ。つまり我々一般観光客にとって、なんら関係のない不正行為ということになる。
実はカジノ側が最も気にしている不正行為はこの種の 「社内犯罪」 で、「EYE IN THE SKY」 と呼ばれる監視カメラなどもこれのために存在していると言っても過言ではない。なぜならホテル側は、客からの不正行為に対しては物理的に守られている場合が多いが、従業員が企てる不正行為に対しては無防備なことが多いからだ。客は金庫を開けることはできないが従業員はできる。客はスロットマシンの中身をいじくることができないが、従業員はスロットマシンのカギを持っている。
そのため各カジノでは、従業員の不正を監視するための専門部隊を置き徹底的に警戒している。この種の 「社内犯罪」 で最も多いのが、たとえばカジノディーラーが自分の家族や友人が客としてカジノにプレーしにやって来た場合、払い戻しや両替の際に彼らに多めに払ってしまうといった行為だ。このような不正行為は物理的にも十分可能だし、心情的にも 「十分あり得る」 とだれもが想像できることだろう。
最後に 4 の不正行為だが、これに関しては明言を避けたい。理由は筆者自身が事実をハッキリ把握していないからである。ただ一昔前までのラスベガスにおいては、この種の不正行為こそがマフィアの資金源になっていたわけで、その存在は疑いのない事実だった。
しかしその後の当局の厳しい取り締まりと善良な関係者の努力によって、マフィアがカジノ経営から閉め出されてしまった今日において、原則としてこの種の不正行為は存在しないことになっている。特にカジノ経営をする際に必要なライセンスを州政府が厳しく管理するようになった現体制下においては、きちんとした大企業がカジノを運営するようになり、一流企業がそのような不正を働くわけがないと考えるのが妥当であろう。
しかしながら一般の産業界においても企業ぐるみの不正行為 (脱税など) が後を絶たないという現実を考えると、この 4 の不正行為の存在に関してもまったくあり得ないことではないだろう。いずれにせよ、一般のプレーヤーにはまったく関係のないことである。
以上のようにただ単に 「イカサマ」 と言っても立場によってさまざまな種類があることがわかったが、一般のプレーヤーたちにとって最も関心の高い 「自分が被害者となる不正行為」 に関しては、絶対にないと断言できる。これらのことを十分に認識した上でカジノプレーを楽しんでいただきたい。
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