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ブラックジャック


 チップ
 
 ここでいうチップとはカジノコインの CHIP ではなくディーラーに渡す謝礼の TIP のことである。勝たせてもらって席を離れる際は適当な額を TIP として渡たしたい。これは気持ちの問題なので金額に相場などはない。自分の財力や勝敗結果に応じて身分相応に渡せばよいだろう。

 さて、「ディーラーにチップを渡した方が勝たせてもらえる」 というようなことを言う人がいる。しかしそれはまったくのウソだ。ルール上そんなことはあり得ないことはここまでの説明を読んで頂ければおわかりいただけているはずだが、それでもそのような効果を期待してチップを渡したいという者はそれはそれでよいだろう。

 さてそのチップの渡し方だが、大きく分けて 2つある。ひとつはごく普通に渡したい金額を直接渡す方式、そしてもうひとつは渡すべきチップの半額を次のゲームに賭け、勝ったら配当金も含めてすべてをディーラーに渡すという方式だ。

 たとえば $10をチップとして渡したい場合、前者の方法ではただ単に $10を渡すだけだが、後者の方法の場合 $5を次のゲームに賭け、そのゲームに勝ったら配当金も含めその全額 (つまり $10) をディーラーに渡す。もし負けたらただ単にその賭金は消えていってしまい (もちろんカジノ側の収益になる)、ディーラーには何も入らない。つまり、「どうか勝たせてください。勝たせてくれればあなたにもチップが入りますよ」 というような願いを込めてのチップというわけである。
 この方式でそのチップ分の賭金をテーブルに置く際は、通常の賭金とは区別するためにそのチップ分の賭金はディーラー側にずらした位置に置くようにする。

 なお余談になるが、せっかくお世話になったディーラーにチップを渡しても、それがそのディーラー個人の懐に直接入るわけではない。すべてのディーラーが受け取ったチップをあとでみんなで山分けにするのである。
 理由は極めて単純明快だ。もしディーラー個人の懐に入れてもよいということになってしまうと、ある特定の客だけに特別多く払い戻すなどの不正行為の温床になりかねないからだ。また、チップをはずんでくれる客ばかりにディーラーが笑顔をふりまくようになっても困る。貧乏な客やケチな客ばかりがいるテーブルでの勤労意欲が低下してしまうのも問題だろう。さらに、どのディーラーも混雑している時間帯に仕事をしたいと思うようになり、公平な労働時間のシフトの管理が困難になってしまう。

 ところでこの 「山分け方法」 にもいろいろ細かい規定があるようだ。たとえば、曜日によって客の混雑具合などが異なるため、出勤日の違いによる不公平が生じないよう 1週間分のチップをプールしてから山分けするなどいろいろそれなりの工夫がなされている。つまり、その 1週間における各自の実労時間に応じて比例配分されるというわけだ。
 とにかく、自分が渡したチップの全額がそのディーラー個人の懐に直接入るわけではない、ということだけは頭に入れておこう。



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