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DEUCE について



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料 金

  1回券 :  6ドル
  1日券 :  8ドル
  3日券 : 20ドル
 30日券 : 65ドル

◎ 6才未満は無料。子供料金は無し。
◎ 1回券は厳密には 「2時間券」 なので、その時間内であれば何回でも乗車可能。
◎ 1日券の意味は 「その日」 ではなく、「発行時刻から24時間後まで」 なので、翌日も有効。
◎ これら乗車券は2連結の急行バス SDX でも利用可能。



運 行

24時間運航。運転間隔は以下の通り。
(季節や需要変動などに応じて変わることがある)

◎ 15分間隔  0:00am 〜 2:30am
◎ 21分間隔  2:30am 〜 5:30am
◎ 18分間隔  5:30am 〜 7:00am
◎ 15分間隔  7:00am 〜 9:00am
◎ 12分間隔  9:00am 〜 11:30pm
◎ 15分間隔 11:30pm 〜 0:00am

解 説

 DEUCE とは、ストリップ大通りのホテル街を南北に走る2階建バスのこと。運営は公営組織 RTC (Regional Transportation Commission)。
 かつては、北はダウンタウン、南はラスベガスアウトレット (現在は 「プレミアムアウトレット・サウス」 に名称変更) 周辺まで走っていたが、2010年の急行専用2連結バス SDX のデビューを機会に、運行路線が短縮され、現在は、南はマンダレイベイホテルまでしか走っていない。それでもその区間内にストリップ地区のほぼすべての主要ホテルが存在しているため、ホテル間の移動においては特に大きな不便はない。
 なお、これは特に覚えておく必要はないが、深夜0時30分から午前9時までは SDX の運行がないため、SDX の運行区間をカバーする目的で、この DEUCE がマンダレイベイホテル以南も走行することになり、その時間帯の南側の終点は South Strip Transfer Terminal (通称 SSTT)。

 テニス用語として聞くことが多いこのデュースの意味は、一般的にはトランプの2のカード、サイコロの2の目、ポーカーのワンペアなどのことで、ラスベガスではかなり身近な言葉だ。2階建ての [2] を連想させる言葉としてカジノ用語を採用するあたりは、いかにもラスベガスらしいネーミングといってよいのではないか。ちなみにロゴの左上にはカジノチップらしきものも描かれている。
 なお、このデュースという言葉には 2ドル紙幣 (現在は一般的には流通していない) という意味もあり、偶然か意図的なものかはわからないが、2005年10月にこの路線がデビューしたときの運賃は2ドルだった。

 各バス停には、右の写真のような運営組織 RTC のロゴと、DEUCE のロゴが描かれたシンプルでわかりやすいポールが立っている。
 DEUCE のバス停は、ほとんどすべての主要ホテルの前に存在しており非常に便利ではあるが、それらのすべてのバス停に停車するため長距離移動には向いていない。ちなみに路線の南端であるマンダレイベイホテルから北端の終点ダウンタウンのバスターミナルまでは、道が比較的すいている午前中でも1時間はかかってしまう。夜間の混雑時なら1時間半以上が当たり前だ。

 ではなぜそれほど時間がかかってしまうのか。それはバス停の数が多いことや道路の渋滞もさることながら、利用者の乗降に時間が取られているからだ。乗り込む客が多い場合、5分以上停車することも珍しくない。
 これは運賃の支払いなどに時間がかかってしまうためで、その最大の原因は釣り銭がないことにつきる。
 ピッタリの金額の小銭を持っていない者はそこで必ず運転手に質問したり不満をぶつけることになり、場合によっては口論となったりすることも少なくない。前後の乗客にくずしてもらえればよいが、そうでなければ結局、小銭を持たない者は乗車をあきらめ、時間だけが無駄になる。
 実際には小銭の調達は非常に簡単で (週刊ラスベガスニュースのバックナンバー 597号に詳しく掲載)、ラスベガス大全の読者にとっては困ることは何もないが、事情を知らなければ現場であたふたしてしまうのも無理はない。

 近年この不便と、それによる遅延を解消するために、乗車券の自動販売機をバス停脇に設置し、バスが到着する前にあらかじめプリペイド乗車券を購入できるように改善が図られているが、現金の利用者がいまだに多いのは事実で、近い将来、現金での乗車は廃止される見通し。
 釣り銭がないのは運転席脇の料金箱だけではない。自販機も同様で、右上の写真をクリックすると、自販機の上部に赤い文字で 「EXACT CHANGE ONLY, NO CHANGE IS GIVEN」 (「ピッタリの金額のみ、おつりはありません」) と書かれていることがわかる。釣り銭の補給の手間を省きたいことはわかるが、なんとも不便極まりない。ちなみにクレジットカードでも買えるようにはなっているが、署名なしでも決済可能なカード以外は使えないことがあったりするので要注意。

 余談になるが、釣り銭が用意されていない理由は補給の手間以外にも、アメリカらしい事情があるようだ。高額紙幣の利用者を想定すると、釣り銭としてさまざまな紙幣を大量に用意しておく必要があり、結果的に、扱う現金が増えると不正の温床になりやすく、さらに高額偽造紙幣によるマネーロンダリングの懸念も出てくる。そこにはいかにもアメリカらしい性悪説的な考え方があり、監視カメラなど警備が厳重なカジノのような環境ならばいざ知らず、屋外に設置された自販機や勤務者が一人しかいない車内では、高額の現金を扱うことは発想として始めからありえないらしい。

 なにやら物騒な話や利便性の悪さばかりを書いてしまったが、観光という意味での利用価値は十分にあるので大いに利用するとよいだろう。やはりなんといっても2階席からの景色はすばらしく、特に最前列は視界が良好で、世界に冠たる目抜き通りザ・ストリップを一通り見たいという者には最適だ。
 なお、最前列の確保は、時間さえ余裕があればむずかしいことではない。運行路線の南端と北端の終点では乗客がほとんど全員降りるため、そのまま乗り続けていれば確保できることになる。運転手によっては、「一度全員降りてください」 と言われることがあるが、1回券の乗車券でも実際には発行から2時間有効なので、その有効期限以内であれば一度降りてまた乗ることが可能だ。有効期限は乗車券の裏面に印字 (←クリック) されている。

 バスの車体の色の基本は、おとなしい感じのメタリックゴールド。ロンドンの赤い2階建てバスと比較するまでもなく、何ごとにおいても派手なラスベガスとしてはいささか地味な感じがしないでもないが、広告主が付いている車両はそれこそ派手に塗られており (写真右)、歩行者の目を楽しませてくれる。
 なおその広告は窓ガラスにもペイントされているため、車内から景色が見にくいようにも思えるが、実際には塗料ではなく網目状の特殊なフィルムのため、景色を楽しむのに支障はない。ただ、車内からの撮影の際にはかなり気になる。
注意: 屋根が無いオープンスタイルの2階建バスを見かけることがあるが、それは民間企業が運営するバスで、この公営の DEUCE とはまったく関係ない)

 乗車券の購入および乗車方法は簡単だ。まず、バス停に設置されている券売機の画面の中から希望の乗車券 (2時間券、24時間券、3日券など) を選択する。
 ちなみに、2時間券、24時間券、3日券はそれぞれ 「TWO HOUR ALL ACCESS」、「24 HOUR ALL ACCESS」、「3 DAY ALL ACCESS」 と表示されているので、どれか希望のボタンを押し、あとは紙幣やコインを入れるだけだ。
 参考までに、この自販機で利用可能なクレジットカードを BANK CARD と書かれた場所に差し込むと、[Credit] か [Debit] を選ぶ画面に切り替わる。[Debit] を選んだ場合は暗証番号を入力、[Credit] を選んだ場合は何もせずに完了し、どちらの場合も乗車券以外にレシートが出てくる。

 裏ワザというほどのことではないが 有効期限を延ばすという意味で、乗車券はできるだけ遅く買ったほうがよい。つまり到着するバスが見えてきてから買うのがベストということになる。もしバスが予想以上に早く到着して買う時間がなくなってしまったとしても、DEUCE の場合、乗車時に運転席脇の機械でも買うことができるのであわてる必要はない。(ただし前述のとおり、現金での乗車は廃止される可能性が高い)
 一方、急行の SDX の場合は、車内で買うことができないので (乗車時に時間がかからないようにするための対策。最近は券売機搭載の車両も増えてきているが、全車両に装備されているわけではない)、必ず事前に購入しておくようにしたい。
 下車の際は、黄色いボタン (←クリック) を押して運転手に知らせるようになっており、そのボタンを押すと、正面上部のディスプレイに "STOP REQUESTED" と表示される。

 移動手段としては時間がかかりすぎるが、初めてラスベガスを訪れる者は、街全体の広さや雰囲気を把握するには最適なので、ぜひ一度乗ってみるとよいだろう。



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