週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2011年 12月 28日号
プレーヤーズクラブカード と 寡占状態の 2大カジノ企業
 リピーター族にとっては何ら新しい話題ではないが、最近、初ベガスの読者からプレーヤーズクラブカードに関する問い合わせが増えてきているので、それについてふれてみたい。
 プレーヤーズクラブカードとは、各カジノホテルが、航空会社のマイレージカードや家電量販店などのポイントカードと同様、その顧客のカジノでのプレー実績に応じて、各種割引や特典、さらにはキャッシュバックなど、さまざまな還元サービスをおこなうために発行しているカードのこと。
 ちなみに各カジノホテルでは、そのプレーヤーズクラブカードに独自の名前を付けていることが多く、たとえばラスベガスで最大勢力を誇る MGM Resorts 社のカジノホテルでは 「M life」(写真右上)、その次に大きな勢力の Caesars Entertainment 社のカジノでは 「Total Rewards」(写真右下) という名称で利用客に発行している。
 またこの2社に限らず、それぞれのカード組織ごとに、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンドなど、顧客の利用実績に応じてステータスの差別化を図っていることが多く、同一のプレーヤーズクラブ内でもカードの色はさまざまだ。

 カードの取得自体は簡単で、各ホテルのカジノフロア内にある専用窓口 (写真右下) に出向き、簡単な用紙に必要事項を記入し、写真付き身分証明 (日本からの観光客の場合はパスポート) を提示すれば、その場ですぐに発行してもらえる。
 記入方法がわからない場合でも、だまってパスポートを差し出せば、よほど機嫌が悪いスタッフでない限り、記入を代行してくれるはずだ。もちろんカードの発行や維持に、手数料や年会費などは一切発生しない。

 利用方法も特にむずかしいことはなく、たとえばスロットマシンなどをプレーする際は、そのマシンに用意されている専用挿入口にカードを差し込みプレーするだけでよい。プレーしている間の投入金額やプレー回数などが自動的に記録されポイントとして貯まっていく。プレー終了時は抜き取ることを忘れる者が多いので注意したい。
 ブラックジャック、ルーレット、バカラなどのテーブルゲームの場合は、プレー開始時に現場のディーラーにカードを提示しておけば、退席時に、ディーラーもしくはピットボスと呼ばれる現場の責任者が、プレー実績として平均的な賭け金や継続時間を端末機器に入力してくれる。なお、多くのカジノにおいて、テーブルゲームに対する実績の管理方法は、マシンゲームでの機械的なポイント加算とは異なり単純ではないため、「1000ポイント貯まった!」 といった形ですぐに実績を数値で確認できるわけではないことだけは覚えておくようにしたい。

 これまで長い間、このプレーヤーズクラブカードは、その名前の通り、カジノでのプレーだけが対象だったが、最近は館内のレストランやショップなどでの利用もポイント加算の対象となるホテルが増えてきており、利用範囲が広がりつつある。
 また、レストランやナイトショーなどにおいて、「プレーヤーズカードを提示すれば割引」 といったサービスも見かけるようになってきているので、カジノでプレーしない者でも、とりあえず取得しておいて損はないだろう。

 ちなみに現在のストリップ地区におけるカジノ業界の勢力分布図は右の通りで、前述の MGM 社と Caesars 社の寡占状態となっている。吸収合併を繰り返してきた結果ではあるが、この両社がストリップ地区の約7割前後の市場シェアをにぎっており、価格競争が働きにくい環境にあるという意味では、由々しき事態といえるかもしれない。
 具体的には、MGM社が右図の青の、つまりサーカスサーカス、ミラージ、ベラージオ、ヴィダラ、アリア、モンテカルロ、MGMグランド、シグネチャー、ニューヨークニューヨーク、エクスカリバー、ラクソー、ジ・ホテル、マンダレイベイを運営。
(ヴィダラとシグネチャーにはカジノがないが、施設利用などでポイントが貯まる。X 印で示したサーカスサーカスは MGM社による運営ではあるが、ポイント加算の対象外)

 対する Caesars 社は、緑ので示したハラーズ、インペリアルパレス、フラミンゴ、シーザーズパレス、リオ、ビルズ、バリーズ、パリス、プラネットハリウッドで、こちらも負けていないばかりか、立地条件的には MGMよりも中心街の良い場所をおさえている。
X印のビルズは Caesars 社のカジノホテルではあるが、ポイント加算の対象外)
 また、両社ともに、ラスベガス以外にもカジノを所有しており、そこでも同じカードが使えることが少なくない。
 したがって、今後も継続的にラスベガスもしくは該当カジノが存在する他の都市を訪問する予定の者は、複数のカジノで利用可能な共通カードを発行しているこれら2大グループのホテルに宿泊したほうがポイントを貯めるチャンスが広がるといえるが、貯まったポイントの有効期限はそれほど長くないので、毎年ラスベガスを訪れる予定がない者にとっては、系列カジノの数などを気にしてもあまり意味が無いことになる。ちなみにポイントの有効期限に関するルールは複雑だが、一般的には、6ヶ月から1年程度の期間、何もアクションがなければ消えてしまうのが普通だ。

 さてポイントが貯まるとどんな特典があるのか。一番良く知られる身近なものとしては、混雑しているレストランなどで並ばなくてもよい (特別に用意された列に並ぶ) いわゆる 「ラインパス」。そしてルームのアップグレード、ナイトショー、レストラン、館内ショップでのディスカウントなど。さらに上級のステータスになると、ナイトクラブやタクシー乗り場での優遇列へのラインパス、そして空港とホテル間のリムジン送迎、宿泊費やレストランの完全無料など、さまざまな特典が用意されている。
 それぞれの特典に対しては細かいルールがあり、さらに内容もひんぱんに変わっているので、ポイントを還元したりする際は、各公式サイトで確認するようにしたい。M life は www.mlife.com、Total Rewards は www.totalrewards.com 。



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