週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2010年 07月 14日号
利用者を惑わしホテル側も悩み続ける 「リゾートフィー」
 ここ数年、ラスベガスのホテル業界の間で急に広まったリゾートフィー (Resort Fee)。そのまま訳せば 「リゾートの料金」 ということになるが、宿泊料金だと思ったら大きなまちがいだ。
 宿泊料金とは別に徴収されるいわば追加料金のようなもので、もちろん税金とも異なる。それどころか、このリゾートフィーにも税金が課せられ、さらにやっかいなことに、予約時にクレジットカードから引き落とされる宿泊料金や税金とは別のタイミング、つまりチェックイン時に突然徴収されたりするのでたちが悪い。

 ではなんのための料金か。それはホテルによってまちまちで、毎朝部屋に配達される新聞代だったり、フィットネスジム使用料だったり、さらには市内通話かけ放題の電話代、インターネット回線使用料などさまざまだ。
 どれもリゾートという言葉とは特に関係なさそうな項目ばかりだが、とにかくリゾートフィーという名称で請求される。
 数ドルぐらいなら黙認できるが、20ドルなど無視するにはバカにならない金額のこともある。
 ちなみに右は、トレジャーアイランドホテルの公式サイトにおけるある日の宿泊料金の説明だ。
 Reservation Total という部分がいわゆる宿泊料で $59.46。トータルの意味は、2泊以上予約した場合の各宿泊日の宿泊料金の合計ということ。
 そして 12%のホテル税が $7.14 で、税込みのトータルが $66.60。最終合計かと思いきや、よく見るとその下に、$20 + tax DAILY RESORT FEE と書かれている。
 つまり 20ドルのリゾートフィーに対しても 12%のホテル税が課せられ、さらにそれが DAILY で (1泊ごとに) 加算されるというわけだ。
 そして、will be collected upon arrival と、徴収方法に関しても、到着時に別途集金であることが示されている。予約時のこの画面の段階で $66.60 と合わせて徴収すればいいものを、わざわざ分けているところがなんとも見苦しいというか痛々しい。それ以降の説明は、客室内でのインターネット接続やフィットネスなどリゾートフィーの内訳だ。
 ちなみにトレジャーアイランドの名誉のために言っておくと、この表示方法はまだわかりやすいほうで、もっと小さな文字で、意図的に宿泊料金とはまったく別の離れた場所に記載しているホテルも少なくない。

 さてこの悪しき習慣はラスベガスだけのものなのか。じつは、リゾートという言葉のイメージからか、ビジネス用途が多いロサンゼルスやニューヨークなど大都市のホテルにおいてはあまり見られないが、ハワイなどでは少なからず存在している。それでもラスベガスでは主要ホテルの多くがこのシステムを導入しており、「ラスベガス独特のもの」 とは言えないまでも、「ラスベガス名物」 といってよいのではないか。

 予約時に知らされていなければ詐欺のようなものだが、どこのホテルの公式サイトでも上の例の通り、小さい文字ながらもとりあえず明記している。公式サイト以外のホテル予約専用サイトなどでもきちんとしている会社でははっきり告知しているので法的には問題ないとされるが、それでもチェックイン時に突然気付かされ、「そんな話は聞いていない」 といったトラブルはあとをたたないようだ。

 ではなぜそんなトラブルが多いリゾートフィーを各ホテルはあえて導入しているのか。追加料金が必要なら、宿泊料金をそのぶん高く設定すれば済むはずだ。
 実は導入の背景にはリーマンショック以降の世界同時不況にともなう生き残りを賭けた各ホテル間の激しい競争がある。ようするに見かけの宿泊料金をライバルホテルよりも安く見せたいというわけだ。
 たとえば Aホテルが宿泊料金100ドルで宣伝していたとする。そこにライバルのBホテルが90ドルで対抗。Aホテルとしては80ドルにしたいところだが、それでは利益が出ない。ならば 「宿泊料金 80ドル!」 と大きく表示して、小さな文字で 「リゾートフィー10ドル」 としておけば、多くの利用者はリゾートフィーを見落とすので、ライバルに客を奪われることなく利益を確保できる。もしそこで Bホテルがさらに、「宿泊料金 70ドル、リゾートフィー20ドル」 などとしてきたら競争は泥沼だ。
 このような競争の繰り返しで、初めのころは数ドルだったリゾートフィーが、いつのまにかエスカレートし、今では20ドルになることも珍しくない。
 もちろん導入しているホテル側にも悩みが無いわけではない。チェックイン時の顧客とのトラブルなど目に見える形での問題はもちろんのこと、企業イメージや評判の低下などマイナス要因も少なくないからだ。
 シーザーズパレス、パリス、バリーズ、フラミンゴなど、思い切ってリゾートフィーを全廃にしたホテルグループもある。逆に一度撤廃してからまた復活させたホテルもあるので、どこもかなり悩んでいる様子がうかがえる。
 業界関係者によると、一度使うと麻薬のようにやめられなくなるらしい。ちなみにラスベガスで最高級を自負し、導入反対の急先鋒だったウィンラスベガスとその新館であるアンコールは悩み続けたあげく、とうとう先月から1泊20ドルの麻薬に手を出してしまった。

 大多数の利用者にとって歓迎しがたいリゾートフィーではあるが、必ずしもそうとは限らない。それはパソコン持参の旅行者などが客室内でインターネットを使う場合だ。
 ラスベガスのホテルでは従来からネット接続は有料で、24時間 10〜15ドルが相場。したがって、リゾートフィーが15ドル程度以下で、なおかつそれにネット接続が含まれている場合は歓迎できるシステムということになる。

 そこで今回このリゾートフィーを調べてみた。以下のリストは主要ホテルの現時点におけるリゾートフィーの導入の有無とその金額、そして客側に示している内容だ。パソコン持参の人もそうでない人も、ホテル選びの際の参考にしてほしい。
 各ホテルの公式サイトへのリンクは、この記事の下にある [全95ホテルの公式予約サイト一覧] に用意しておいた。
 なお最後に、ラスベガス大全がアフィリエイト提携している世界最大のホテル予約サイト 「日本語版エクスペディア」 では、原則として (突然のホテル側の変化に間に合わない場合もごくまれにある) このリゾートフィーを宿泊料金とは別にきちんと明記していることをあえて補足しておきたい。
 (今回のこのリゾートフィーの話は、ホテルを個人で個別に予約する場合の話で、大手旅行代理店などのパッケージ旅行での宿泊者はツアー代金に含まれているはずなので特に気にする必要はない)

【掲載順は立地場所が南にあるホテルから】
Mandalay Bay 
・客室内ワイヤレスインターネット  ・エクササイズセンター  ・新聞  ・市内通話、フリーダイヤル通話  ・FAX送信  ・エアラインの搭乗券印刷のためのプリンター使用  ・ドリンク2杯
Luxor 
・客室内インターネット  ・フィットネスセンター  ・市内通話、市外通話(米国内)、フリーダイヤル通話  ・新聞  ・各種クーポンブック
Excalibur 
・客室内インターネット  ・フィットネスセンター  ・FAX受信  ・ウェルカムレセプション  ・新聞  ・市内通話、市外通話(米国内)
Tropicana 
リゾートフィーがなんのためのものか、内容に関する説明は特に無し
MGM Grand 
・室内インターネット  ・MGM直営店のバーでの飲み物 15ドル分  ・新聞  ・市内通話、フリーダイヤル通話  ・FAX送信およびコピー機の使用  ・ビジネスセンターでの公証人サービス  ・エアラインの搭乗券印刷のためのプリンター使用
New York NY 
・客室内インターネット  ・フィットネスセンター  ・新聞  ・市内通話、フリーダイヤル通話  ・市外通話(米国内)は1分10セントへの割引  ・エアラインの搭乗券印刷のためのプリンター使用  ・ビジネスセンターでの公証人サービス  ・5ページまでのFAXの送受信  ・2杯のウェルカムカクテル  ・限定商品の20%割引
Monte Carlo 
・客室内インターネット  ・フィットネスセンター  ・新聞  ・FAXおよびコピー機の使用  ・エアラインの搭乗券印刷のためのプリンター使用  ・市内通話、フリーダイヤル通話
Aria 
Planet Hollywood 
Vdara 
・客室内インターネット  ・フィットネスセンター  ・新聞  ・ミネラルウォーター 2ボトル  ・市内通話、フリーダイヤル通話
Paris 
Bally's 
Bellagio 
Bills 
Flamingo 
Caesars Palace 
Imperial Palace 
Harrah's 
Mirage 
・客室内インターネット  ・エクササイズセンター  ・新聞  ・客室内バスローブの使用  ・ビジネスセンターでの公証人サービス  ・エアラインの搭乗券印刷のためのプリンター使用  ・FAXの送受信  ・市内通話、フリーダイヤル通話
Venetian 
・市内通話、フリーダイヤル通話  ・客室内インターネット  ・新聞  ・フィットネスセンター
(リゾートフィーが必要なのは標準ルームのみで、グレードの高いルームの場合は不要)
Palazzo 
・市内通話、フリーダイヤル通話  ・客室内インターネット  ・新聞  ・フィットネスセンター
(リゾートフィーが必要なのは標準ルームのみで、グレードの高いルームの場合は不要)
Treasure Island 
・客室内インターネット  ・フィットネスセンター  ・バフェイ(月〜金曜日)、1人分の料金で2人利用可  ・カクテル 1杯分の料金で2杯  ・新聞  ・ナイトクラブ入場料(木、金、土)  ・Sirens of TI ショーの VIPエリアからの鑑賞  ・市内通話、フリーダイヤル通話  ・エアラインの搭乗券印刷のためのプリンター使用  ・FAXおよびコピー機の使用 (10枚まで)  ・次回の滞在時に使える $20の割引券
Wynn 
・客室内インターネット  ・市内通話、市外通話 (米国内)  ・フィットネスセンター
(リゾートフィーが必要なのは標準ルームのみで、グレードの高いルームの場合は不要)
Encore 
・客室内インターネット  ・市内通話、市外通話 (米国内)  ・フィットネスセンター
(リゾートフィーが必要なのは標準ルームのみで、グレードの高いルームの場合は不要)
Riviera 
リゾートフィーがなんのためのものか、内容に関する説明は特に無し
Circus Circus 
・客室内ワイヤレスインターネット  ・アドベンチャードームでのプレミアムライド 2回  ・メキシカン料理店ガーデングリルラウンジでのチップス & サルサ  ・ミッドウェイゲームセンターでのライブゲーム 2回  ・ウェルカムドリンク 2杯  ・フィットネスルーム使用  ・市内通話、フリーダイアル通話 (30分まで)  ・各種クーポンブック
Sahara 
・市内通話、フリーダイヤル通話  ・電力使用料  ・フィットネスセンターおよびプール
Stratosphere 
リゾートフィーがなんのためのものか、内容に関する説明は特に無し


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